吉田康一郎blog

2014/07/06 5:59

2014/07/06

安倍首相、本6日から訪豪、新、パプア。豪では「準同盟」確認、集団的自衛権行使容認を豪側が歓迎の見通し。日本の首相として初めて豪議会で演説。日本の首相の訪豪は7年振り、訪パプアは29年振り、戦没者の慰霊も。精力的な外交に頭が下がります。 — 《安倍首相、豪州と「準同盟」確認へ 6日からオセアニア歴訪》  安倍晋三首相は6日から12日の7日間、ニュージーランド、オーストラリア、パプアニューギニアの3カ国を訪問する。豪州では経済連携協定(EPA)に加え、日本の潜水艦技術など防衛装備品の共同開発に関する協定に調印する。集団的自衛権の行使の限定容認を決めた日本の閣議決定に対して、豪州側から歓迎の意が示される見通しだ。太平洋への強引な進出をはかる中国への牽制を念頭に、米国に次ぐ“準同盟国”とみなし、安全保障面での連携を強化する方針だ。  日本の首相の訪豪は平成19年の第1次安倍政権以来7年ぶり。安倍首相は8日午後、アボット首相との首脳会談や同国の国家安全保障会議(NSC)に出席する。  首脳会談では、共同訓練などで自衛隊と豪州軍が相手国での活動を容易にするため、新たな協定締結に向けた検討を開始することでも合意する見込み。米国を加えた日米豪3カ国が同盟・準同盟関係で結ばれることで、中国への大きな抑止力となりそうだ。  8日午前には日本の首相として初めて豪州連邦議会で演説。9日にはアボット首相とともに豪政府専用機で同国西部のウエスト・アンジェラス鉱山の鉄鉱石採掘現場も視察し、蜜月関係をアピールする。  豪州訪問に先立つ7日には、ニュージーランドのキー首相と会談し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結に向けた連携強化を確認。10日には、日本の首相として中曽根康弘氏以来29年ぶりにパプアニューギニアを訪れる。オニール首相との首脳会談で液化天然ガス(LNG)開発で協力を要請する。ニューギニアは先の大戦の激戦地であることから、11日に北部のウエワクを訪れ、戦没者を慰霊する。 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140706/plc14070600000001-n1.htm

2014/07/06 4:59

2014/07/06

中国が構想を提示して以来、私も我が国は出資せず監視すべきと訴えてきた「中国版アジ銀」、政府は参加を見送る方針。中国の対外援助は完全に自己利益を目的とし恣意的。安倍政権ならではの英断です。他の政権であったら揉み手で尻尾を振って、あるいは分別顔で出資したでしょう。国民の税金で。 — 《中国主導のアジア支援銀行、日本は出資断る 影響力強化を警戒》  中国が設立を目指している国際支援の金融機関「アジアインフラ投資銀行」をめぐり、日中両政府の担当責任者が6月に会談し、中国側が出資を要請していたことが5日分かった。日本は既存のアジア開発銀行との役割分担が明確ではないとして応じず、現行計画のままでは参加を見送る意向を表明した。  日本は公式の場では新銀行への参加の是非を明確にしていないが、中国が金融支援を通じてアジア各国への影響力を強めることを警戒している。日本は水面下で米国と協力し、東南アジア諸国やオーストラリアなどにも新銀行への出資を見送るよう求める方針だ。  中国は設立に向けた合意文書を今秋に取りまとめたい考えで、各国への働き掛けを強めている。新銀行をめぐる日中の争いが激しくなればアジアの経済協力に影響を及ぼす恐れがある。  新銀行は中国の習近平国家主席が設立を提唱した。途上国などのインフラ整備を資金面で支援するとし、主要国や中央アジア、中東の各国にも出資を呼び掛けている。 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140706/fnc14070600560001-n1.htm

2014/07/06 0:18

2014/07/06

フィリピンには、日本のODAで改装された小学校が多数有り、壁面にフィリピン国旗と日の丸が描かれていたが、昨年の台風で被害を受けた小学校を韓国軍部隊が復旧し、日の丸を太極旗に塗り替えている。抗議し、制裁措置を講じるべき案件です。—《【韓国】日本の支援で作られたフィリピンの小学校から「日の丸」が消され「太極旗」が描かれる》http://netouyonews.net/archives/8441313.html 《フィリピン小学校「日章旗から太極旗に」/ネイバーニュース/news1》 26日(現地時間)、フィリピンのレイテ州パルロシパラス小学校の壁にフィリピンの国旗と太極旗が一緒に描かれている。この学校は、昨年11月初めに強力な台風で教室と付帯施設8棟が崩れた。 アラウ部隊員たちは現在まで3市14校の屋根と割れた窓ガラスを補修し、外観まで変えた。 この地域の多くの学校は、日本政府が学校環境改善事業の一環として学校の建物を新しく改装し、壁面にフィリピンの国旗と日章旗が描かれていたが、最近アラウ部隊員たちが復旧し、日章旗の代わりに太極旗を学校の壁に描いている。 アラウ部隊は最近14つの学校を復旧し、病院や老人ホームなど公共施設25ヶ所を改修した。 ネイバーニュース/news1(韓国語)http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=100&oid=421&aid=0000895049

2014/07/05 4:50

2014/07/05

これまで日本側が一方的に譲歩してきた日韓漁業協定。その協定すら韓国側は守らず、日本のEEZと領海内で密漁と乱獲が横行、それを防ぐ為の漁船へのGPS導入すら延期してきました。各々自国EEZ・領海内で漁業を行うよう取り決め、取り締まる事が妥当です。日本のメディアはなぜ日本側の不利益を報じないのか。 — 《韓日漁業交渉決裂… EEZ内漁船自国に撤退することに/聯合ニュース》 海洋水産部カン・ジュンソク水産政策室長が30日午前、政府の世宗庁舎記者室で韓日両国が去る25日から三日間ハイレベル漁業交渉を開催したが、両国の総入漁規模と漁獲割当量、操業条件などの主要な議題をめぐり、合意点が見つからずに決裂したと明らかにしている。 海洋水産部は30日、最近開催された韓日ハイレベル漁業交渉で合意形成に失敗したと明らかにした。 これによって、韓日両国の排他的経済水域(EEZ)で操業する両国の漁船は、同日午前零時まで自国の水域に移動しなければならない。 海洋水産部と日本の水産庁は25日から三日間ソウルで「2014年漁期(2014.7.1〜2015.6.30)」のうち、両国の総総入漁規模と漁獲割当量、操業条件などの主要な議題をめぐり、韓日ハイレベル漁業交渉を行ったが、合意点を見出せなかった。 韓国側は、交渉が妥結されるまで、両国の漁業が中断することなく操業できるように、2013年漁期に準ずる暫定操業を提案したが、日本がこれを拒否したと海洋水産部は伝えた。 韓国側のタチウオ漁のはえ縄漁の操業条件の緩和とタチウオの割当量を2100tで8000tに増やすことを要求したが、日本は自国の水域での操業摩擦や資源の減少を理由に、韓国はえ縄漁船の操業規制と割当量の縮小を提案した。 日本は韓国水域でサバを獲る135t級の日本の巻き網漁船32通(165隻)のうち199t級漁船5隻を含め、建造予定である199t級27隻まで、韓国水域で永久的に操業することができる操業許可権を要求した。 しかし、韓国側は国内法上、サバ資源保護のため国内の巻き網漁船の総トン数規模を140t以上許可していないので現在操業中の韓国漁船31通(165隻)も130t級という点を挙げて199t級の日本の漁船の本操業を許可できないという意思を伝達した。 海水部は韓日両国が7月下旬に再び韓日ハイレベル会談を開いて主要議題に関する合意達成を図るだろうと述べた。 聯合ニュース(韓国語) http://www.ejanews.co.kr/sub_read.html?uid=94644&section=sc2&section2

2014/07/05 3:05

2014/07/05

6月29日に「イスラム国(Islamic State)」樹立を宣言した、内戦状態のシリア、イラクの一部を支配するスンニ派過激派武装勢力ISIL「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the Levant)」、シリア最大のオマル油田を制圧。懸念が深まります。 — 《「イスラム国」、シリア最大の油田制圧 アルカイダ系撤退で》  イラクとシリアの一部を支配するイスラム教スンニ派の過激派「イスラム国」は3日、イラクとの国境地帯にあるシリア最大のオマル油田を制圧した。同油田を支配していた国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」が撤退したのに伴い進出した格好だ。  シリア人権監視団(英国)の情報としてAFP通信などが伝えた。同油田は2011年まで、日量約3万バレルを産出していた。  中東の衛星テレビ、アルアラビーヤは3日、サウジアラビア軍がイラクとの国境地帯に3万人の部隊を配置したと報じた。「イスラム国」の勢力拡大を警戒した対応とみられる。イラク軍が国境警備から撤退したためとされるが、イラク軍報道官は撤退を否定した。  サウジとイラクの国境線の長さは約800キロメートル。サウジのアブドラ国王は同国の治安と安定のため「すべての必要な手段」で対抗する方針を示していた。  一方、トルコのダウトオール外相は3日、イラク北部で「イスラム国」に拉致されたままになっていたトルコ人のトラック運転手32人が解放されたことを明らかにした。 http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0303O_T00C14A7FF1000/

2014/07/05 0:58

2014/07/05

英で新空母「クイーン・エリザベス」命名式。英海軍史上最大の軍艦に。同型艦「プリンス・オブ・ウェールズ」も建造中。粛々と抑止力の維持・構築に努めています。POWと聞くと、どうしてもマレー沖海戦を想起しますが。—《英で新空母の命名式 「クイーン・エリザベス」》  英北部スコットランドのロサイス造船所で4日、2017年の就役が予定される英海軍の新空母「クイーン・エリザベス」の命名式が行われ、エリザベス女王やキャメロン首相らが参加した。  女王は「この船がわれわれにとって誇りの源になると信じている」とあいさつ。式ではスコットランドにちなみ、スコッチウイスキーのボトルを船体にぶつけて割り、節目を祝った。同艦は排水量6万5千トン、全長は280メートルで、英海軍史上最大の軍艦となる。  将来的にヘリコプターやF35戦闘機などが搭載される。英政府は姉妹艦として同型の「プリンス・オブ・ウェールズ」も建造している。http://sankei.jp.msn.com/world/news/140705/erp14070500130003-n1.htm

2014/07/05 0:12

2014/07/05

【ご注意を】以前、都議時代に「少子化対策・子育て支援」を質疑した時に「まず君が結婚して子供を作らなきゃ」とヤジを受けた件を投稿しましたが、今日まで同件で取材を受けた事はありません。この記事中の取材を受けた「都議だった男性」とは私ではありませんので、誤解無きようお願いします。 — 《都議時代から「やじ将軍」 同僚ら冷ややかな反応》  国会でも4月にあったセクハラやじ問題は、自民党の大西英男衆院議員(67)が発言主と判明した。東京都議会で自民党幹事長を務めた経験もあるベテラン。都議時代から「やじ将軍」で知られ、取材にも「やじはよくやります」と答えていた。ただ、その内容に関しては他の議員から「品がないと思ったこともある」との声も出ている。  「まさにやじ将軍。ぎりぎりな発言だと思ったこともある」。以前、民主党の都議だった男性はこう話す。男性によると一般質問で都の少子化対策を問いただした男性議員に「子どもをつくってから質問をしなさい」といった趣旨のやじを飛ばしたことがあったという。  都議会で一緒だった共産党の女性都議も「大声でやじを言っていた。威圧的な印象」。ある衆院議員も「あの人のやじは品がない」と冷ややかに話す。 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140704/stt14070417490004-n1.htm

2014/07/04 0:44

2014/07/04

【会合のご案内】吉田康一郎も講演をさせて頂きます。—《あなたが拓く日本の未来 -少子高齢化・人口減対策への提言-》 少子高齢化対策を考える講演会&ワークショップ 日時 7月12日(土) 18:15 – 21:00 講演 吉田康一郎氏 (前都議会議員) 講演 金刺知徳氏 (貯蓄コンサルタント) 提言書作成場所 江東区豊洲文化センター(東京都江東区豊洲2-2-18)費用 1,000円主催 移民・多文化共生政策に反対する日本国民の会(八重桜の会) 「少子高齢化の時代において、移民や外国人労働者に頼らずに日本が経済成長するにはどのような政策を行えばいいか」を、皆で話し合い、政策提言としてまとめます。対象は、保守はもちろん歓迎ですが、今回は子育て世代を中心とした一般層をメインターゲットとしております。 はじめに、5月の講演会が大変好評だった吉田康一郎 元都議会議員、貯蓄コンサルタントの金刺知徳氏から、政治、 経済を中心に、在日外国人の実態、なぜ外国人労働者や移民は人口減対策にならないのか、なぜ彼らがいなくても日本は経済成長が可能なのか、少子高齢化対策とともに語っていただきます。そのうえで、考えうる施策について、議員や金刺FPにもご参加いただき、現実性と具体的数字を伴った政策提言として、参加者全員でまとめます。この会で作成した提案は、「八重桜の会」運営にてその後提言書としてまとめ、政府、関連議員、すべての省庁への送付ならびにプレスリリース配信、業界団体、調査会社など企業への送付を行います。 https://www.facebook.com/events/747549595288132/

2014/07/03 23:30

2014/07/03

チベット人の高地適応能力は、絶滅人類種デニソワ人から獲得、米教綬チーム。ヘモグロビンの生成を調整する遺伝子「EPAS1」の特異な変異が、高地における「低酸素症」を防ぐ。デニソワ人との交配により獲得したこの遺伝子変異をチベット人の87%が持ち、他民族は喪失。 — 《チベット人の高地適応能力、絶滅人類系統から獲得か 国際研究》  チベット人が高地で暮らすことができるのは、現在は絶滅した謎の人類系統から受け継いだ特殊な遺伝子のおかげだとする研究論文が、2日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。 中国、チベット、米国の国際研究チームによると、現在のチベット人の祖先は、血液中の酸素量を調整する重要な遺伝子変異を、デニソワ人(Denisovans)と呼ばれる人類種と交配した際に獲得したという。 ネアンデルタール人と同時代に生きていたデニソワ人の存在が明らかになったのは、わずか4年前のことだ。デニソワ人もネアンデルタール人と同様に、解剖学的現代人の現生人類(ホモサピエンス)によって絶滅に追い込まれた可能性がある。 デニソワ人の存在は、ロシア・シベリア(Siberia)南部のアルタイ山脈(Altai Mountains)にあるデニソワ洞穴(Denisova Cave)で発掘された、約8万年前の指節骨の破片1個と臼歯2個によって判明した。 デニソワ人は、分岐した系統の一つとして姿を消す前に、ホモサピエンスと交配して、現在のヒトDNAプール中に残存している特徴を残したことが、遺伝子配列の解読によって分かった。 研究チームは、チベット人40人と中国漢民族40人のゲノム(全遺伝情報)の比較を行った。 その結果、血液に酸素を行き渡らせるヘモグロビン分子の生成を調整する「EPAS1」と呼ばれる遺伝子の特異な変異が、チベット人の遺伝子コードに埋め込まれているのを研究チームは発見した。 EPAS1は、血液中の酸素濃度が低下した場合に発現し、ヘモグロビンの生成量を増加させる。 高地では、EPAS1の一般的な変異によってヘモグロビンと赤血球が過剰に生成され、血液が濃くドロドロになる。これは高血圧症や、新生児の低体重および死亡の原因になる。 だが新たに見つかった変異は、生成量の増加を過剰にならないように抑制するため、標高4000メートルを超える場所に移住する多くの人々が経験する「低酸素症」の問題を防いでいる。 米カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)のラスムス・ニールセン(Rasmus Nielsen)教授(統合生物学)は「われわれは、EPAS1のこの変異がデニソワ人に由来するという非常に明白な証拠を手にした」と語る。 「人類は他の人類種から遺伝子を獲得することで進化し、新しい環境に適応するようになったことを、これは非常に明確に、そして直接的に示している」 ■ チベット人の例外 チベットの人々が持つEPAS1の変異は、デニソワ人のサンプルで見つかった変異とほぼ同じものだった。 だがこの変異の痕跡は、漢民族以外の、デニソワ人の名残を受け継ぐとされる他の民族集団には全く存在しない。デニソワ人由来のゲノムの割合が5%と民族の中で最も高いメラネシア人にも、その痕跡はみられない。 アフリカを出たホモサピエンスのグループは、中国へ向かう途中でアジア中部を通過した際にデニソワ人と交配したとの説を論文は提唱している。 中国に移住したホモサピエンスのグループは、その後2つに分裂した。一つはチベットに移動し、もう一つは低地に残り今日の漢民族となった。 研究によると、種族間で交配を重ねた結果、チベット人の87%がEPAS1の貴重な変異を獲得するに至ったという。それに対し漢民族は、共通の祖先を持っているにもかかわらず、全体の9%しかこの変異を持っていない。 http://www.afpbb.com/articles/-/3019567

2014/07/03 17:23

2014/07/03

「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日」の著者、門田隆将氏。福島原発事故で、吉田所長の命令に「従って」福島第二に9割の所員が「退避した」事を、全く逆に「命令に違反して現場から逃げた」と捏造し世界に喧伝した朝日新聞から「抗議」を受けて。 — 《朝日新聞の「抗議」を受けて/門田隆将》 昨日、名古屋で講演があった。テーマは、「極限の現場に立つ日本人の底力とは」というものである。サブタイトルは、「太平洋戦争と福島第一原発事故から何を学ぶか」というものだった。 私は、さまざまなジャンルでノンフィクションを書かせてもらっているが、文庫も含めて25冊の著作のうち10冊が戦争ノンフィクションであり、また福島原発の事故を扱った作品もある。共通しているテーマは、日本人の「現場力」であり、毅然とした「生きざま」である。 前回のブログで、私は朝日新聞の「吉田調書」キャンペーン記事のお粗末さについて書かせてもらった。これを読んだ週刊誌や写真誌、月刊誌等から原稿依頼や取材依頼が来た。私は、次作のノンフィクションの取材と執筆に忙殺されてはいるが、できるだけその要望にお応えしたいと思い、時間を割いた。 ちょうどそのことについて書いた記事(6ページ)を掲載した『週刊ポスト』が昨日、発売になった。講演では、そのことをまず話させていただいた。 それは、「東電本店」の命令にも逆らって、現場で事故と闘った原発職員たちの話である。彼らの凄まじい闘いについては、拙著『死の淵を見た男―吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日―』に書かせてもらっている。 しかし、本を読んでくれている人は少ないので、私はぎりぎりの土壇場で日本を救った無名の「現場の人々」の話をさせていただいたわけである。聴いてくれた人たちが驚いたのは、現場の人々が「東電本店とも闘って日本を救った」という点だった。 日本のマスコミは、「東電本店」と「福島第一の現場」を同一視して報道しているが、そもそも、そこが間違っている。東電本店は、優秀な大学を卒業して就職してきた「エリート集団」である。一方、福島第一原発の現場職員たちの中心は、地元の高校、工業高校、高等専門学校……等々を卒業して就職した叩き上げの「地元の人」たちだ。 私が描いたのは、「家族と故郷」を守るために放射能汚染の中で命をかけて作業をおこなったその「現場の人々」の姿と思いである。彼らは、福島第一原発に就職し、プラントエンジニアとして成長していった人など、多くが「浜通り」に生まれ育った人たちなのだ。 私は現場の人たちの証言を聞くうちに、吉田所長のもとであそこまで彼らが踏ん張れた理由がわかった気がした。あるプラントエンジニアは、いざ生と死をかけて原子炉建屋に突入する時、自分には「やり残したことがある」ことに気づき、「心が折れそうになった」と語ってくれた。外部との連絡もできず、家族が無事かどうかもわからない中でのことである。 「やり残したこと」とは、「ありがとう。今まで幸せだった」という言葉を妻に告げることだった。せめてそのことだけでも伝えてから汚染された原子炉建屋、すなわち“死の世界”に「飛び込みたかった」というのである。 家族を背負い、故郷を思い、決死の覚悟で突入を繰り返した人々の話に、私は何度も心が震えた。吉田所長の生前、私はジャーナリストとして唯一、吉田さんからも話を伺うことができた。そこでも、極限の現場に立った人間の思いを聞くことができた。 東電本店のとんでもない命令に反して、現場はどう闘ったか――今は亡き吉田さんは、部下たちの凄さを語ってくれたのである。 朝日新聞は、その福島第一の現場から「9割の人間が所長命令に違反して撤退した」と書いている。吉田さんが政府事故調の聴取に応じたいわゆる「吉田調書」にそう書いている、というのだ。 だが、根拠とされる「吉田調書」には、そんな部分はない。朝日で紹介された吉田調書の中の証言を素直に読めば、一糸乱れず福島第二に行ってくれた部下たちのことを、吉田氏は含羞をこめた彼独特の言いまわしで、むしろ「自慢」しているのである。 震災から5日も経った2011年3月15日朝、福島第一の免震重要棟には、女性社員を含む総務、人事、広報など、事故に対応する「現場の人間」ではない“非戦闘員”、さらには協力会社を含む作業員たちが計700名近くもいた。 事態が刻々と悪化し、大気が放射能で汚染されていく中で、「外部への脱出」の機会が失われていったからだ。彼ら、彼女らをどう福島第二原発まで脱出させるか。吉田さんは、そのことに頭を悩ませている。 そして、3月15日午前6時過ぎ、ついに大きな衝撃音と共に2号機の圧力抑制室(通称・サプチャン)の圧力がゼロになった時、吉田所長は「各班は、最少人数を残して退避!」と叫んでいる。 吉田所長たちは、彼ら“非戦闘員”たちを福島第二へ撤退させることを前夜から話し合っており、「各班は、最少人数を残して退避!」というのは、イコール「福島第二への退避」を意味している。 しかし、朝日新聞はこれを「所長命令」に違反して「9割が福島第二に撤退した」、すなわち職員の「9割」が吉田さんの命令に違反して逃げたと報じ、今、世界中の新聞がそのことを報道しているのである。 彼ら現場で闘った人々を曲解によって貶める報道は、日本人の一人として私はいかがなものかと思っている。しかし、本日、朝日新聞から私の記事に対して、「当社の名誉と信用を著しく毀損している。法的措置を検討している」との抗議書が来た。 朝日の記事によって名誉を毀損された福島の「現場の人々」の嘆きが私のもとには続々寄せられている。しかし、その内容について「言論」によって指摘した私の記事に対して、言論機関である朝日新聞が「言論」で闘うのではなく、「法的措置」云々の文書を送りつけてきたことに私は、唖然としている。 私は週刊ポストの記事の最後に「記者は訓練によって事実を冷徹に受け止め、イデオロギーを排する視線を持たなければならない」というジャーナリズムの基本を問う言葉を書いた。しかし、朝日新聞には、とてもその意味を理解してもらうことはできなかったようだ。ジャーナリズムの人間として寂しい限りである。 http://blogos.com/article/88262/ (関連) 《お粗末な朝日新聞「吉田調書」のキャンペーン記事》 http://blogos.com/article/87529/