2014/07/05 3:05

6月29日に「イスラム国(Islamic State)」樹立を宣言した、内戦状態のシリア、イラクの一部を支配するスンニ派過激派武装勢力ISIL「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the Levant)」、シリア最大のオマル油田を制圧。懸念が深まります。

《「イスラム国」、シリア最大の油田制圧 アルカイダ系撤退で》

 イラクとシリアの一部を支配するイスラム教スンニ派の過激派「イスラム国」は3日、イラクとの国境地帯にあるシリア最大のオマル油田を制圧した。同油田を支配していた国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」が撤退したのに伴い進出した格好だ。

 シリア人権監視団(英国)の情報としてAFP通信などが伝えた。同油田は2011年まで、日量約3万バレルを産出していた。

 中東の衛星テレビ、アルアラビーヤは3日、サウジアラビア軍がイラクとの国境地帯に3万人の部隊を配置したと報じた。「イスラム国」の勢力拡大を警戒した対応とみられる。イラク軍が国境警備から撤退したためとされるが、イラク軍報道官は撤退を否定した。

 サウジとイラクの国境線の長さは約800キロメートル。サウジのアブドラ国王は同国の治安と安定のため「すべての必要な手段」で対抗する方針を示していた。

 一方、トルコのダウトオール外相は3日、イラク北部で「イスラム国」に拉致されたままになっていたトルコ人のトラック運転手32人が解放されたことを明らかにした。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0303O_T00C14A7FF1000/