カテゴリ:区議会での質疑

1武漢ウイルス(新型コロナウイルス)対策について 2その他

2020/06/04

一般質問 1 武漢ウイルス(新型コロナウイルス)対策について (1)避難場所・避難所について (2)9月入学制について (3)二足制について (4)区の対策組織の在り方と物品調達の在り方について (5)その他 2 その他 ○議長(高橋かずちか) 次に、吉田 康一郎議員。 〔吉田 康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田 康一郎) 一人会派となりました政治団体であります、育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、[4]吉田 康一郎です。 本日は、武漢ウイルス(新型コロナウイルス)対策について、伺います。 質問の順番を一つ入れ替えまして、9月入学制については時間が残れば最後に質問いたします。 まず、避難場所・避難所について、伺います。 先般、内閣府から、避難所における武漢ウイルス感染症への対応について、示されました。本通知には、避難所の密を回避するため、指定避難所以外の避難所の指定や避難所におけるソーシャルディスタンスの確保等について助言があったところであり、現在、区でも対応方針について検討していると伺っています。 そこでまず、震災時を想定した場合、避難者一人当たりの避難スペースは、都が示す基準、避難所で1.65平米、避難場所で1平米が確保できているのか、伺います。 次に、同通知では、避難所のソーシャルディスタンスとして、できる限りの範囲での対応と前置きをしつつ、人と人との間隔や避難スペース間の間隔を1メートル以上確保するよう推奨しています。 そこで、区が確保している避難所や都が指定している避難場所の避難有効面積から試算すると、この推奨を満たした場合、充足率はどのくらいになるのか、伺います。 都市部では、国が推奨する避難所のソーシャルディスタンスの確保が難しいことは理解できますが、各会派から、避難所における対策について、種々早急の対応が求められており、私も賛同、そしてお願いするところであります。一方、避難場所については、東京都が指定するため、区として具体的な対応が困難であることは承知していますが、これからの避難所や避難場所は、今回のパンデミックの知見を踏まえ、これまでとは全く異なる危機管理の視点や避難者の安全と生活を考えた空間確保が求められています。そのため、今回の武漢ウイルス等の感染症予防を考慮した視点から、避難場所の拡充について都に必要な働きかけを行っていくことも必要と考えますが、見解を伺います。 ソーシャルディスタンスは、避難所と避難場所の計画に、そして中野区が様々な公共施設の配置や公園やオープンスペース等の基盤整備計画、例えば、区の政策の柱となる基本構想・基本計画策定を考えるに当たっても考慮しなければならない、新たな危機管理の視点であります。東京都に深く強く働きかけるとともに、区の危機管理行政を進めるに当たっても真剣に、例えば地震と疫病といった複合災害の際にも区民の命と生活と安全を確保できる取組を実践していただくよう強く要望します。 次に、二足制について、伺います。 本年4月10日、CDC(米国疾病管理予防センター)の専門誌「Emerging Infectious Diseases」電子版に新しい研究結果が発表されました。中国・武漢でウイルス感染者を収容した病院のウイルス汚染状況を調査したところ、コンピュータのマウス、ごみ箱、手すりなど広範にウイルスが検出された中で、特に問題となったのが床であり、集中治療室で働く医療従事者の約半数が靴底で武漢ウイルスを運んでいることが分かりました。この結果から、論文では、医療スタッフの靴底は保菌物として機能するかもしれない、患者がいる病棟を出る前に靴底を消毒することを強く勧めると注意喚起がされています。 3月25日の「Huffingtonpost UK」誌でも、人口の多いエリアや職場で履いた靴が汚染源になる可能性が高いとし、同記事で公衆衛生の専門家は家へ入る前に玄関で靴を脱ぐことを推奨しています。こうした研究を受け、日本の感染者数、死者数が外国に比べて少ない一因として、玄関で靴を脱ぐ日本古来の習慣がある可能性があると指摘されています。 現在、教育委員会が進めている小・中学校施設整備計画では、今後建て替えを行う小・中学校は上履きを用いない、一足制の校舎を整備していくこととしていますが、これらの研究結果から、一足制による学校整備に大きな危惧を感じています。 東日本震災に際しても、先人の知恵を無視して、海辺に家を建て、まちをつくり、痛ましい大きな犠牲が出ることとなりました。国が設置した新型コロナウイルス感染症専門家会議の提言を受けて、新しい生活様式への切替えが求められている中、教育委員会においても、このコロナ以前に策定された旧来の計画に固執することなく、二足制についても感染症対策という新たな物差しによる見直しを行い、高温多湿のこの国土の中で先人が選び取ってきた、二足制による学校整備を再検討するべきと考えますが、教育委員会の見解を伺います。 次に、区の感染症対策組織の在り方と物品調達の在り方について、伺います。 今回の感染症対策のための物品の調達について、区全体として、部門間の調整が十分に行われず、一体的・効率的に行われていない点があると感じています。今回調達が行われる、また行われてきた物品として、空気清浄機、非接触型体温計、マスク、消毒液、手袋、窓口や各課の執務室等の飛散防止のためのアクリル板パネル、ビニールシート等がありますが、各部からおのおの購入するのではなく一括購入することで、スケールメリットにより単価が下がることや事務の集約、入札が行われ、透明性・公開性が分かりやすく確保できることなどが想定されます。 物品購入は、80万円以上で区長契約、指名競争入札もしくは業者指定、80万円以下で主管課契約、随意契約と理解していますが、区民から随契にするために分割して購入しているのではないかと意図せざる疑念を抱かれるおそれもあります。文房具等について用品の集中購買制度を実施していた時期もありますが、今は廃止されたとも聞いています。文房具のように日々消耗する物よりも、今回の感染予防物品のように一度に大量に調達するような場合はより一層、各課がそれぞれ同じような検討と作業をするのではなく、全庁まとめて一括調達ができる体制を構築することが必要だろうと考えます。飛沫防止のビニールシートとアクリル板パネルの設置も各課の努力に依存する面が大きく、専門的な防疫の知識がある人のチェックがあったわけでもないことが分かりました。 初めての感染症対策でやむを得ない点があることはもちろんありますが、次も同じことの繰り返しであってはなりません。しかし、今の中野区には、感染症対策に関する調達について全庁を調整して一括調達を行える仕組みがそもそもありません。限られた区の予算と人員の中で、アメリカのFEMAのような組織をつくれとは言いませんが、感染症対策が必要なときに組織が素早く立ち上がり、担当部局が適切に予算や全庁調整を行うための権限や人員を確保でき、機能できるよう、今回の事態を契機に、実際に物品の調達の一括調達を実施すべきと考えますが、見解を伺います。 次に、育児支援について、伺います。 政府は、5月29日の閣議で、今後5年間の少子化対策の指針となる第4次少子化社会対策大綱を決定しました。大綱は、希望出生率1.8を今後5年間で実現する目標を明記しました。2018年の合計特殊出生率は1.42にとどまっていますので、希望出生率1.8という目標を改めて提起したことは、人口置換水準2.07には及びませんが、我が国の将来を真剣に考えた使命感ある決定であり、評価したいと思います。 中野区は、全国でも最も出生率の低い自治体の一つであり、酒井区長は子育て先進区を目標として掲げています。私もそれに意を強くして、我が区の育児環境全体の底上げを図るため、区独自の子ども手当を創設するなど、欧州に比べて最も不足している現金給付による支援を提案してきたところでございます。 今回の武漢ウイルスという事態に直面をして、育児世帯が特に大変だということで、国とは別に独自の現金給付に取り組んでいる自治体があります。兵庫県明石市はひとり親家庭支援として児童扶養手当の対象に5万円を給付、神戸市など児童手当の対象に国の給付金とは別に1万円を給付、千葉県八千代市は今年4月から来年3月31日に生まれた新生児の保護者に1万円を給付、23区では、目黒区、北区、練馬区は児童扶養手当の対象者に5万円を給付、板橋区は児童育成手当の対象者に現金給付、品川区はこの1日、育児世帯支援ではありませんが、全区民に一人3万円、中学生以下には一人5万円を給付すると発表しました。 子育て先進区を掲げる我が区は、育児世代への支援として、他の自治体の取組を参考に、区独自の現金給付に取り組むべきだと考えます。育児世代の生活不安が高まっている今だからこそ、国の制度に頼るのみならず、区独自の支援策に力を入れて取り組むべきと考えますが、見解を伺います。 時間となりましたので、質問は以上で終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 吉田 議員の御質問にお答えいたします。 まず1点目に、避難者一人当たりの確保面積ということで御質問がございました。震災時における区内の避難想定者数は約5万人と東京都地域防災で計画されております。国の指定避難所は、避難有効面積を約10万平方メートル確保していることから、一人当たり約2.2平方メートルを確保しているところでございます。一方、広域避難場所は、隣接自治体からの避難者を含め約54万人の収容を想定しておりまして、都の地域防災計画では広域避難場所の避難有効面積は約81万平方メートルを確保していることから、一人当たり約1.5平方メートルを確保しているものと認識しております。 次に、社会的距離を踏まえた確保面積と充足状況でございます。ソーシャルディスタンスを踏まえた避難所の一人当たりの必要避難スペースは通常の約3倍の5.35平方メートルとなり、避難想定者数を必要避難有効面積で除した充足率は約40%となります。一方、広域避難場所は、一人当たりの必要避難スペースが4平方メートルとなり、充足率は約37%になると認識しております。 避難場所の拡充についての都への働きかけということでございます。国や都の動向を注視しつつ、今後都が実施する広域避難場所の指定見直しに合わせて、広域避難場所や避難有効面積の拡充について必要な申入れをしてまいりたいと考えております。 次に、物品調達の在り方についての御質問です。今回の物品調達に当たりまして、感染拡大期におきましては、マスクや消毒液をはじめとする様々な物資は全国的な流通量の不足によって一括調達が極めて困難であったことから、個別に調達可能な物品について各所管で対応を図ったものでございます。現在も全庁的に必要となる物品については取りまとめて購入できるよう調整しているところでございまして、今後のコストやスケールメリットなどの観点から適切に物品購入ができるように取り組んでまいります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、二足制についての御質問にお答えいたします。 教育委員会では、新しい時代の新しい学校を整備する上で、今後の新校舎に備えるべき教育環境の一つとして一足制を導入することとしております。一足制により校庭と教室の間を円滑に移動できることとなり、教育活動の効率性が向上するほか、災害時等における安全な避難が可能となるなど安全性の向上につながり、また特定の昇降口以外でも出入りが可能となるなど利便性の向上についても期待できるものと考えております。 新型コロナウイルスの感染症の拡大防止に当たっては、一足制校舎であろうと、二足制校舎であろうと校舎内の消毒を定期的に行うことが肝要であり、加えて、児童・生徒、教職員の手洗い、うがい等の励行を徹底するなど衛生管理を強化してまいります。/dd<> 〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕 […]

第11号議案 中野区男女共同参画・多文化共生推進審議会条例

2020/03/23

第11号議案 中野区男女共同参画・多文化共生推進審議会条例 討論 ○議長(高橋かずちか) これより討論に入ります。 吉田 康一郎議員、近藤さえ子議員から討論の通告書が提出されていますので、順次通告議員の討論を許します。 最初に、吉田 康一郎議員。 〔吉田 康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田 康一郎) ただいま上程されました第11号議案、中野区男女共同参画・多文化共生推進審議会条例について、反対の討論を育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野をつくる会の立場から行います。 予算特別委員会の総括質疑でも申し上げましたとおり、今から10年前の2010年10月16日、今も首相を務めるメルケルドイツ首相は、「ドイツの多文化主義は完全な失敗だった」と断言しました。「ドイツに多文化社会を建設するという試みは完全な失敗だった。そして、この30年から40年の失敗はすぐには穴埋めできないと訴え、その上で、移民はドイツ語を学び、ドイツ社会に融合しなければならない。すぐにドイツ語を話さない人は誰一人歓迎されない。ドイツ社会で生きていくなら法に従うだけでなく、私たちの言語を習得しなければならない」と言い切り、世界に大きな反響を呼びました。 次に、2011年2月6日、イギリスの当時の首相であったキャメロン首相は、ミュンヘン安全保障会議において、国内の若いイスラム教徒が過激思想に走るケースが相次いでいることを念頭に、「イギリスでの多文化主義は失敗した」と述べました。 「多文化主義国家のドクトリンは、様々な文化が互いに干渉せず、主流文化からも距離を置いて存在することを推奨してきた、そうしたいわば隔離されたコミュニティが我々の価値観と正反対の行動を取ることすら許容してきました」とし、「異なる価値観を無批判に受け入れる受動的な寛容社会であってはならない」としました。 本年1月31日、イギリスは正式にEUを離脱しましたが、多くの専門家が「他国からの移民の急増が大きな要因として挙げられる」としています。寛容な目的で悲寛容な人々を受け入れて、その非寛容な考え方を寛容に受け入れることが社会にあつれきをもたらしたということであります。 予算特別委員会の総括質疑では、九州大学施光恒教授の研究を紹介しましたが、本日は和光大学挽地康彦准教授の研究を紹介します。 欧州では、1970年から1980年代にかけて、リベラルな移民政策を共通して採用してきました。移民集団の文化を尊重し、ホスト社会の文化に同化させることなく、多様な文化の維持を容認する多文化主義の政策であります。多様性と平等の理念に基づく多文化主義は、人種差別を禁止する法律制定、母語教育の機会の保障、多文化教育、公費援助による、例えばムスリム学校の設立など各種の政策へと結びついていました。そして、もう一つの共通点は、永住市民権デニズン、シチズンに対してデニズン――の浸透であり、国民国家における法的、政治的、社会的権利の共有主体を国籍を保持する国民に限定することなく、永住者としての移民へと拡張していこうという政策でありました。 しかし、ホスト社会への移民の包摂に向けた多文化主義政策やデニズンシップ政策は、1980年代以降から陰りを見せ始め、1990年代になると統合政策に向けて大きく修整を迫られました。 その理由は、まず移民の人口比率の高まり、多くの移民が西欧諸国の人口構成に不可逆的な変化をもたらしたこと、次に、リベラルな移民政策による移民の包摂が期待どおりに進まず、むしろネイティブの住民との間の格差や対立の深まりが認識されるようになったこと、次に、移民に対する社会的給付がホスト社会にとっての負担となることが改めて問題視されるようになったこと、多文化共生推進の理念や政策は、ホスト国の言語習得や異文化間接触へのインセンティブを移民に与えず、主流社会の労働市場への参加を低下させ、移民の飛び地の形成を促した。移民の側でのホスト国の価値観を否定するような原理主義運動が広がった。そして、2000年代以降、移民の失業や犯罪の増加、アメリカ同時多発テロ事件による不安や不信の高まりは、各国国内における分裂の進化をもたらした。 予算特別委員会で質疑をしたイギリスのロザラム児童性的搾取事件やドイツのケルン大晦日集団性暴行事件などはこのような中で起きた事件であり、今の欧州でこのような事件は枚挙にいとまがありません。 このような現実を受け、他国の文化、特に欧州においては、ムスリムの文化がヨーロッパの文化と対立するとみなされることで、ヨーロッパの各国、各地域でミナレットの禁止、これはスイス、ブルカの禁止、フランス、いとこ同士の結婚の禁止、オランダ、といった法律制定の動きが相次ぎました。 福祉国家が発達し、移民にも寛容であったオランダは当初、多文化主義の成功例として知られていましたが、今や多文化主義の最初の失敗例となったケースとして認識されています。 以上のような経緯から、今日、多くのヨーロッパ諸国では、移民政策を多文化共生政策から同化主義的な統合政策、より制限的な規制路線へと転換し、1、移民規制の厳格化、2、選択的な移民の受入れ、3、社会統合に向けた市民化政策の推進という相互補完的な三つの方針によって実施する傾向が強まっています。この1の移民規制の厳格化とは、新規移民の領域内への参入抑制、ビザや就労許可の発給要件の厳格化や非合法移民の入国管理の強化など、そして、国内からの非正規滞在者の排除。そして、2つ目の選択的な移民の受入れとは、新規の労働移民、これをハイテク部門、底辺部門に向けて、この確保を制限し、変えること、定住の可能性を否定した一時的、期間限定的な可処分労働力の調達、そして、3つ目に市民化政策の推進、長期滞在許可や市民権取得の義務要件としての統合テスト(市民テスト)の導入、合法的な定住者の規制強化(永住条件の厳格化や社会的コストの抑制など)、このような政策であります。 1990年代以降、登場してきたこの新しい移民政策は、ヨーロッパの要塞化、そして市民的価値を称揚する同化主義的な統合レジームの形成をもたらしている。ヨーロッパの要塞化はヨーロッパ外部からやってくる新たな移民たちの入国や権利を制限し、そうした権利対象者の制限を踏まえて、ヨーロッパ域内にいる既存の移民達の権利を擁護しようとする。ただし、新規移民を制限することで要塞化を目指すヨーロッパは、既存の移民の権利に対しても、多文化主義ではなく、同化主義的な手法で擁護するように移民政策を転換してきた。このように総括をしています。 これが多文化共生政策を進めてきたヨーロッパの現在の姿であり、多文化共生政策を推進する日本の将来の姿であるでしょう。 そもそも多文化主義は、多民族国家が分裂・解体することなく、国民国家として生き残るためのイデオロギーとして機能するものでありました。 我が国のように、世界でもまれなほど、ほぼ単一民族国家に近い国の場合、他国からの移住者を統合せず、多文化を推進するという政策が国家の解体を推進する側面をどうしても有します。我が国の場合は、残念ながら、隣に共産党一党独裁の中国があり、例えばオーストラリアでも、サイレントインベージョン、こういう政策について大変な警戒、中国系の移民に対する様々な法的な制限、こういうものが行われ始めている。そして、世界中で孔子学院、多文化共生の象徴とも考えられる孔子学院が本当は中国の文化的なあるいは政治的な、経済的な侵略の機関である、このようなことから、世界中の大学で孔子学院の閉鎖が相次いでいます。そして、そもそも中国には国防動員法という法律があって、海外における中国人が中国政府の命令の下、様々な行動、活動、工作をしなければならないことが義務づけられています。 他国の悪意ある干渉に無防備なまま、時代遅れの多文化共生推進という政策を推進することには慎重でなければならない、我々はこのように考えます。 地獄への道は善意で舗装されている、このように言いますけれども、平和で寛容な我が国が世界から失われることのないよう、外国の人々を日本に受け入れるに当たっては、ヨーロッパを見習って、多文化な歌をそのまま日本に統合しないでいさせるということではなく、日本に統合していく、このような政策を進めるべきであることを強く主張して、この審議会の条例の反対の討論といたします。ありがとうございました。

総括質疑

2020/02/26

総括質疑 〇山本委員長  次に、吉田 康一郎委員、質疑をどうぞ。 〇吉田 委員  育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会の吉田 康一郎です。よろしくお願いいたします。 まず、私からは、中野区基本構想・基本計画、男女平等基本条約等について伺います。 区長は、2018年第2回定例会の施政方針説明において、他の事項に続けて、国籍等によって分け隔てられることなく、多文化共生を推進する、差別のない地域社会づくりを進めますと述べています。 区は、中野区基本構想・基本計画、男女平等基本条例の改正案について検討を進めており、本年1月31日には、男女共同参画、多文化共生等の推進に向けた今後の取組についてが出され、この中で、国籍等を理由とする差別や偏見等は根強く、「国籍等を理由とする差別的取扱いや、あらゆるハラスメント等を根絶し」と記載され、中野区男女平等基本条例の改正の項で、多文化共生等の推進における指針として位置付け、国籍等を理由とした差別的取扱いの禁止について新たに規定するとし、さらに、(仮称)男女共同参画多文化共生推進審議会を設置する等としています。 そこで、国籍という点について、絞って伺ってまいります。 今から10年前の2010年10月16日、今も首相を務めるアンゲラ・メルケルドイツ首相は、ドイツの多文化主義は完全な失敗だったと講演で断言しました。ポーランド系の先祖を持ち、移民の受入れに寛容で、国際協調を重んじ、リベラルな政治姿勢で国内外をリードしたメルケル氏と、朝日新聞に評されるメルケル氏でありますが、ドイツに多文化社会を建設するという試みは完全な失敗だった、そして、この30から40年の失敗は、すぐには穴埋めできないと訴え、その上で、移民はドイツ語を学び、ドイツ社会に融合しなければならない、すぐにドイツ語を話せない人は誰一人歓迎されない、ドイツ社会で生きていくなら、法に従うだけでなく、私たちの言語を習得しなければならないと言い、世界に大きな反響を呼びました。 ドイツでは、この発言に先立つ2005年に移民法を制定しました。それまでにドイツ社会から遊離した移民による並行社会が形成されつつあり、これが将来のドイツ社会に脅威を与えるおそれがあることから、移民をドイツ社会に統合することが不可欠であるとの認識の下、移民にドイツ語教育やドイツの社会、歴史などを学ぶ市民教育を統合講習として受講を義務化し、移民の社会統合を目指し始めました。これを統合政策と呼びます。 同時に、この移民法には、特別な危険、またはテロの疑いがある外国人に対する入国制限と退去強制令が盛り込まれました。これにより、既に入国している外国人に対し、事実に基づく危険予測に基づいて国外退去を命じることができるようになりました。多文化共生政策から統合政策への転換、しかし、これでドイツ社会の深刻な分断が簡単に解決されたわけではないことを後に述べます。 次に、2011年2月6日、イギリスの当時の首相であったキャメロン首相は、ミュンヘン安全保障会議において、国内の若いイスラム教徒が過激思想に走るケースが相次いでいることを念頭に、イギリスでの多文化主義は失敗したと述べました。多文化主義国家のドクトリンは、様々な文化が互いに干渉せず、主流文化からも距離を置いて存在することを推奨してきました。そうしたいわば隔離されたコミュニティが我々の価値観と正反対の行動をとることすら許容してきましたとし、異なる価値観を無批判に受け入れる受動的な寛容社会であってはならないとしました。これをTBSは、多文化主義は同化を妨げてきたとの認識に立ったものですと報じています。 イギリスの一つの現実を示す事例として、CNNが報じたのが、アンジェム・チャウダリーというロンドンを拠点に活動するイスラム教の指導者が率いるイスラム系移民たちが、イギリス、ひいては世界中にイスラム国家を樹立することを目的に、イスラム法シャーリアをイギリスで施行するよう要求し、バッキンガム宮殿をモスクに変えるよう主張し、エリザベス女王はイスラム教に改宗するか、イギリスを去るかどちらかだという活動をしています。 本年1月31日、イギリスは正式にEUを離脱しましたけれども、多くの専門家が、この離脱の理由は、他国からの移民の急増が大きな要因として挙げられるとしています。 次に、最も早くから多文化主義政策を進めてきたオランダです。例えば、ヒンズー教やイスラム教系宗教学校など、マイノリティたちによる言語や文化の民族教育は、国が全額補助しました。国営放送のテレビやラジオの放送時間の20%は、民族マイノリティ向けの番組に充てることが法律で義務付けられるなどしていました。さらに、民族コミュニティ内の自治を認め、国は一切干渉しないこととしていました。しかし、それらの多文化共生政策がもたらしたものは、国の中に移民の別のルールの国がたくさんできるという結果でありました。オランダで移民について批判的な言論がタブーであった2000年、大きな反響を呼んだ記事、多文化のドラマというものを書いたアムステルダム大学教授のポール・シェファー氏は、移民政策の失敗が社会不安を引き起こす最大の脅威となっていると指摘し、多文化主義は完敗したと結論づけました。人口構成の大きな変化の結果、オランダの最大都市アムステルダムや第2の都市ロッテルダムでは、人口の半分が移民出身となっていて、アムステルダムの学校の子どもの3分の2が移民家庭の出身です。イスラム教はオランダ第2の宗教になり、異なる価値観や文化を持つムスリムコミュニティをホスト社会にどう融合させるのか、どうやって共に生きていくのか、多くの人が懸念しています。 パリ、ブリュッセル、ベルリン、ロンドンなど欧州中で、イスラム系テロが発生するので、その懸念が強まるばかりだとしています。ホーム・グロウン・テロリズムの温床になっているというわけです。 かつてアムステルダムが同性愛者に対して非常に寛容であった、しかし、今は、まちじゅうでこれまでどおりに同性愛者であることをオープンにはできなくなったと言います。同性愛者への暴力事件が発生するからだ。これは、英国のロンドンやバーミンガムでも発生している。学校ではホロコースト、ユダヤ人大虐殺について教えることが難しくなっている。ムスリムの子どもたちが、ホロコーストは起きなかったと言うからだ。起きたということを認める子どもも、非常によいことだったと言ってしまう。生物を教えることも難しくなった。ムスリムの子どもたちは進化論を否定するからだ。性教育も同様だ。親が性教育の教科書の一部を破り捨てるからだ。男女共学も嫌がる親がいる。中東やアフリカの伝統的社会から来た移民たちの中には、個人の自由や人権よりも、グループの伝統を重んじて、彼らの慣習が法的に問題となっている。一夫多妻や、女性性器の割礼、名誉のための殺人、これはすなわち家族や地域の名誉を傷つけたとして、レイプ被害者などを殺害してしまう、こういったものです。 また、LGBTなど性的マイノリティへの暴力も起きている。パレスチナ、イスラエルの紛争の国際問題に触発されて、露骨な反ユダヤ主義を唱え、殺傷事件を起こすイスラム教徒も後を絶たない。こうした異文化は、一般市民の反発を買い、そして過激なマイノリティに対して弱腰な政府への不信、国としての結束、信頼と文化の違いという二つの理念のバランスがとれなくなってしまった。 さらに続きます。 カリスマ的政治家、リム・フォルタインは、オープンなゲイで、元は左派の大学教授だったけれども、反イスラム活動家に転向した直接の原因は、イスラム系移民によるゲイへのハラスメントだったと言われています。彼の政党は、2002年に総選挙で政権奪取することが予想されていましたが、党首自身が熱狂的動物愛護者によって暗殺され、実現しませんでした。このフォルタインの暗殺と、2004年の映画監督、テオ・ファン・ゴッホの2人の殺害事件を契機に、オランダ世論は決定的に転換しました。 ありのままでという多文化主義が行き詰まり、オランダ政府も方向転換を余儀なくされました。国としての結束を重視し、移民に対してシビック、公民としての自覚を持たせるように、政策はシフトしています。例えば、市民権取得テストに、オランダ国憲法や政治制度、歴史など、公民基礎知識の問題が加わりました。また、生活保護を申請する移民や外国人には、オランダ語や文化についての集中講義を義務付けました。永住を希望する移民、入国後3年以内にオランダ文化についての有料の試験に合格しなければならない。一方、マイノリティの社会統合を阻害していると批判の多かった民族教育への助成金普及制度も、2004年に打ち切られました。小学校でのバイリンガル授業も全廃されました。また、2011年には、ブルカの禁止を閣議決定しました。フランスと一緒です。マイノリティの文化や宗教の自由を規制する方向に転換していることが明らかです。 次に、デンマークの事例、これは時間の関係で省略します。 政治学者の施光恒九州大学教授が、欧州が移民受入れで国が壊れた4ステップが、認識の甘い日本にもこれから同じことが起きると指摘しています。 以下、欧州が大量の移民受入れによってどのような深刻な社会問題が生じたかを描いたイギリスのジャーナリスト、ダグラス・マレー氏の「西洋の自死、移民・アイデンティティ・イスラム」の施教授による解説を紹介します。 欧州諸国は、戦後、移民を大量に受け入れた。そのため、欧州各国の国の形が大きく変わり、私たちの知る欧州という文明が自死の過程にある――自死というのは、自ら死ぬですね――とマレー氏は警鐘を鳴らします。イギリスで出版された原書は350ページを超える大著であるにもかかわらず、ベストセラーとなった。その後、欧州を中心に23か国語に翻訳され、話題を巻き起こしている。 著者は、同書の冒頭に、次のように記します。欧州は自死を遂げつつある。少なくとも欧州の指導者たちは自死することを決意した。結果として、現在欧州に住む人の大半が、まだ生きているうちに欧州は欧州でなくなり、欧州人が家、ホームと呼ぶべき世界で唯一の場所を失っているだろう。 この書では、イギリスをはじめとする欧州諸国が、どのように外国人労働者、移民を受け入れ始め、そしてそこから抜け出せなくなったのか。その結果、欧州や文化がいかに変容しつつあるか。マスコミや評論家、政治家などのインテリの世界で、移民受入れへの懸念を表明することがどうして半ばタブー視されるようになったか。彼らがどのような論法で、一般庶民から生じる大規模な移民政策への疑問や懸念を脇にそらしてきたかなどを詳細に論じています。 イギリスをはじめとする欧州各国では、大量移民の影響で、民族構成が大きく変わっています。各国のもともとの国民、典型的には白人のキリスト教徒ですが、これは少数派に転落していっています。2011年のイギリス国勢調査で、ロンドンの住人のうち、白人のイギリス人が占める割合は44.9%、ロンドン33地区のうち23地区で白人は少数派です。2014年にイギリス国内で生まれた赤ん坊の33%は、少なくとも両親のどちらかが移民です。オックスフォード大学のある研究者の予測では、2060年までには、イギリス全体でも白人のイギリス人は少数派になると指摘されています。 スウェーデンでも、今後30年以内に、主要都市で全てスウェーデン民族は少数派になると予測されています。国全体としても、スウェーデン民族は、現在生きている人の寿命が尽きる前に少数派になると推測されています。 民族構成が変わるだけでなく、欧州諸国の文化的、宗教的性格も変容します。イギリスのキリスト教徒の割合は、過去10年間で72%から59%に減少し、2050年までには国民の3分の1に減る見込みです。2016年にイギリスで生まれた男児のうち、最も多かった名前がモハメッドでした。 同様に、ウイーン人口問題研究所は、今世紀半ばまでに15歳未満のオーストリア人の過半数がイスラム教徒であろうと予測しています。それ以降、オーストリアはイスラム国家になる可能性が高いということであります。 欧州諸国でイスラム教徒の影響が増大することは、宗教や文化が大きく変容するだけでなく、政治文化が変わることも懸念されます。欧州が伝統的に育んできた言論の自由や寛容さが失われるという懸念です。従来、欧州の知識人は、移民出身者であっても、欧州で長年暮らすうちに自由民主主義的価値観になじみ、それを受容すると想定しました。しかし、そうはならなかった。そして、欧州では、イスラム教徒に対する批判を行うことは既にかなりハードルが高くなっています。批判者は人種差別主義者、排外主義者などのレッテルを貼られ、社会的地位を失いかねない状況になっている。イスラム教徒の利害を守る圧力団体が欧州各地で数多く組織化されていると言います。あるいはシャルリー・エブド事件など、イスラム教に不敬を働いたという理由で襲撃される事件も、さほど珍しいことでなくなりました。 本書を読むと、移民の大規模受入れに至った欧州の状況は、現在や近い将来の日本によく似ているのではないかと感じざるを得ないと、この施教授は言います。そして、欧州諸国の移民大量受入れの推進をした者たちの論拠は、次のようなものでした。移民受入れは経済成長にプラスである、少子高齢化では受け入れるしかない、社会の多様性が増すのでよい、グローバル化が進むので仕方がない、止められない。著者は、これらの論拠について一つひとつ証拠を挙げながら反駁し、どれも説得力がないものだと示しています。 そして…… 〇山本委員長 吉田 委員、質疑をどうぞ。 〇[6]吉田 委員 質疑、やりますよ。 説明をはしょりますけれども――この施教授の指摘、四つの指摘というのは、次のようなものです。 学者やマスコミは、政治的な正しさ、ポリティカルコレクトネスに過敏になり、移民受入れに肯定的な見解や調査結果は積極的に報じる一方、否定的なものは報じない。そして、移民の受入れは財政的に大きなマイナスだなどという研究結果は報道されない。そして、移民の犯罪についても、人種差別だというレッテル貼りを恐れて、警察もマスコミもはっきりと犯人の社会的属性や事件の背景などを発表しなくなる。そして、移民受入れを懸念する動きが一般国民に広がると、ことごとく極右排外主義、人種差別など攻撃する。問題そのものではなく、問題が引き起こす症状のほうを攻撃するようになる。こうしたことが続く結果、エリートと一般国民の間の意識のずれがますます大きくなり、国民の分断が生じるというわけであります。 そして、この施教授の指摘は、現実に日本にも懸念がされるんですけれども、日本が学ぶべき事件を二つ確認したいと思います。 英国のロザラム児童性的搾取事件とドイツのケルン大みそか集団性暴行事件です。この二つの事件を中野区が把握、理解しているか、伺います。 〇杉本企画課長 委員が指摘する二つの事件は、児童や女性に対する人権侵害が行われた事件であるというふうに認識をしております。 〇吉田 委員 大変短い把握ですけれども、このロザラム児童性的搾取事件というのは、1997年から2013年という16年にわたって――16年間ですよ――イギリスのサウスヨークシャー州ロザラム及び近郊都市において広範に組織化された児童性的虐待事件です。主にイギリスに住むパキスタン系住民の男性たちの集団により、少なくとも1,400名の児童が性的虐待を受け続けていたと推定されている事件です。報告された虐待には、児童に対する強姦、集団強姦、誘拐、拉致、拷問、人身売買が含まれていました。この事件は、白人の少女への虐待が問題となりましたけれども、アジア系の少女たちに行った性的暴行はほとんど表沙汰にならず、泣き寝入りし、問題はより大きいと見られています。 そして問題なのは、この問題を人種差別だと批判されることを恐れた地元の警察当局や、問題を把握しながら、長年問題を放置し続けてきた同州の政府の怠慢があり、さらに同州の議会議長を含むパキスタン系地方議員らが、人種差別や反移民などの分断を招くとして、問題の解決を妨げてきたと指摘されていることです。 そして、ケルン大みそか集団暴行事件というのは、2015年の大みそか、ドイツのハンブルグ、ケルンその他において、アラブ人、北アフリカ人を主体とした1,000名による、女性に対する強姦を含む集団性的暴行、強盗、そして被害者のほとんどが10代から20代前半の女性であったという事件であります。この事件についても問題なのは、事件があった翌日の1月1日元旦、ケルン警察は、おおむね平安であったと発表し、そして翌週になるまで事件についてメディアに公表をしなかった。そして、ドイツ当局は、4日間にわたり事件を隠蔽しようとした。そして、ドイツ公共放送、第2ドイツテレビは、事件から5日たってやっと取り上げた。そして、数百人が抗議を行っているにもかかわらず、事件について速やかに報じなかったことを後に謝罪しました。 […]

1公共用地取得の原則について 2治水対策について 3国旗及び国旗に準ずる旗の取扱いについて 4中野区新北口エリア再整備について 5桃園第二小学校、昭和区民活動センター建替及び文園児童館について 6その他

2019/11/27

一般質問 1 公共用地取得の原則について 2 治水対策について 3 国旗及び国旗に準ずる旗の取扱いについて 4 中野駅新北口駅前エリア再整備について 5 桃園第二小学校、昭和区民活動センター建替え及び文園児童館について 6 その他 ○議長(高橋かずちか) 次に、吉田 康一郎議員。 〔吉田 康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田 康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会の吉田 康一郎です。若干、他の方の質疑とかぶる面が出ましたけれども、論旨の都合上、通告どおり質問させていただきます。 まず、公共用地取得の原則について伺います。 先日、しらさぎ親子農園用地と白鷺たんぽぽ広場用地の返還についての報告がありました。数十年にわたり、区に用地を無償貸与してくれた地権者に改めて感謝を申し上げます。 この親子農園と広場の間の道路は幅4メートル未満の部分があります。多くの区民が利用してきたこの道路は、長期間そのままの状態が続いていたことになります。私も折に触れ通るこの道路は、今も区民にとって重要な路線だと考えます。地先の地権者が区に協力的な、このような4メートル未満の狭隘な道路において、数十年間放置することなく、建築計画がない場合でも道路を拡幅するための用地を取得していく方策はないのか伺います。 次に、都市計画道路や防災まちづくりといった大きな計画がなくとも、狭隘な道路を改善するために可能な用地を区が先行取得しておくことで、街区の整形化や道路の直線化など、道路計画の自由度は高まり、まちの質と価値が向上すると考えます。例えば、私道の寄附にはいろいろと条件があるようですが、土地所有者が土地を寄附する場合に、測量や分筆等の費用を区が負担することで道路整備はより進むと考えますが、見解を伺います。 次に、治水対策について伺います。 先般の台風19号は各地に大きな被害を出しました。被害者に改めてお見舞いを申し上げ、犠牲者に心よりお悔やみを申し上げます。 中野区内を流れる川の流域の降雨量は比較的少なく、平成17年の豪雨を契機とした激特事業の効果もあり、区内で溢水や氾濫はありませんでしたが、降雨量が多かった地域では、1日の総降雨量が900ミリを超え、1時間に70ミリ以上の豪雨があった地域もあり、甚大な被害が生じました。同規模の豪雨があった場合、神田川や妙正寺川などに溢水や氾濫の危険性はあるのかないのか伺います。 そして、このような豪雨が我が流域で発生する可能性も十分に考えられ、そして今後、気候変動でさらなる豪雨のおそれもあります。今後の治水対策について区の見解を伺います。 次に、国旗に準ずる旗である旭日旗の取扱いについて伺います。 我が国の伝統的意匠として古来親しまれてきた旭日の意匠は、祭り、祝事、祈願、応援等、さまざまな場面で愛用されてきました。スポーツの応援で使用されることも多く、ことしはラグビーワールドカップが日本で開催され、赤と白のジャージに身を包んだ日本代表選手の活躍とともに、各国の応援団が旭日旗で日本チームをも応援してくれたことが印象深い大会でした。中野区内でも、初戦の日本対ロシア戦のパブリックビューイングが開催され、中野体育館では多くの区民が盛り上がったと伺っています。 来年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。中野区でも平和の森公園内に整備される新総合体育館が卓球競技の公式練習会場となりますが、これまで以上に区内の施設やさまざまな場所で、区民のみならず、さまざまな人々がさまざまな競技を観戦し、声援を送ることになると思います。 そこで、オリンピックやラグビーワールドカップの競技会場への旭日旗の持ち込みについて、政府、そして東京オリンピック・パラリンピック組織委員会、ラグビーワールドカップ2019組織委員会の見解を伺います。 そして、次いで国等の見解を踏まえ、区内の施設等に旭日旗を持ち込むことについての区の見解を伺います。 次に、中野駅新北口駅前エリア再整備について伺います。 現在の計画では、市街地再開発事業における転出補償により新区役所整備の財源を確保することとしています。豊島区役所跡地や板橋駅前の再開発では、土地を売らず、70年間の定期借地権を設定し、前払い地代を得て事業を行っています。一度売れば、次は売れないからです。我が区では、定借を活用した事業の試算はしているのか、検討しているのであれば示していただきたい。 次に、民間参画事業者の公募のプロポーザルに当たり、転出補償のみならず、定期借地を活用した提案をしてもらい、比較すべきだと考えます。そのような公募は可能なのか、あるいはそれにかわる比較検討の手段を確保していただきたいですが、見解を伺います。 最後に、桃園第二小学校、昭和区民活動センター建替え及び文園児童館について伺います。 桃園第二小学校の建て替えについて、中野区立小中学校施設整備計画では、建て替え期間中は上高田小学校を仮校舎として使用する案が示されましたが、踏切を越えることなど、上高田小学校まで通学することへの安全上の不安などから、桃園第二小学校の保護者や地域から計画の見直しが強く望まれてきました。これを受け、教育委員会は桃園第二小学校の敷地に仮設校舎を設置し、現地に通学しつつ建て替えを行う案も示しましたが、この案は工期が6年かかり、長期間、校庭や体育館などが使えないこともあり、こちらも地域の支持が得られていません。 地域では、急遽アンケート調査が行われ、また5町会長・PTA会長・同窓会長連名で区長に対話集会を求め、去る23日、区長に同集会を催していただき、感謝をしているところであります。同集会では、区長より、今後は地域とよく相談しつつ、他の所管も連携して新たな視点を持ちながら検討を進めていく旨の方針を示していただきました。 そこで、現在、地域では昭和区民活動センターの建て替えも計画されています。区民活動センターは桃園第二小学校と隣接しており、小学校の建て替えと連携させることで、双方のより効果的・効率的な整備は可能となると考えます。現在の区民活動センターの建て替えに向けた作業を一旦とめて、学校改築とあわせて計画を検討すべきと考えます。見解を伺います。 次に、桃園第二小学校と区民活動センターのすぐ近くに文園児童館があります。児童館は今、再編が検討されていますけれども、文園児童館の今後の取り扱いについて、桃園第二小学校の建て替えとの関係の中でどう考えていくのか伺います。また、改築後の桃園第二小学校内に学童クラブを併設するキッズ・プラザを設置する計画と理解していますが、新校舎の建て替え計画にどのように配慮していただけるのか、伺います。 最後に、上高田小を仮校舎とする計画ありきではなく、区民活動センターや文園児童館なども含めた形で、桃園第二小学校の改築の進め方について改めて検討していただきたいと考えますが、見解を伺い、質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 吉田 議員の御質問で、2番、治水対策について私からお答えいたします。 河川の溢水や氾濫の危険性についてでございますけれども、想定雨量を超える雨量があった場合、当然溢水の危険性はあると認識しております。これまで時間雨量75ミリの降雨により生じる浸水被害に対して、安全を確保するために、危険性の高い地域を中心に東京都が護岸整備を進めているところでございます。東京都では浸水被害の早期解消を目指し、計画的に護岸整備に取り組んでいると聞いております。 今後の治水対策についてでございます。中野区では流域対策として、神田川流域関係各市等の協議会で平成30年3月に改定された神田川流域豪雨対策計画で、令和19年度における整備目標としている時間雨量75ミリ対策を達成するために、平成30年7月に中野区豪雨対策実施計画を策定し、道路工事にあわせ、道路の地下に雨水貯留・浸透施設の設置を実施しております。また、300平方メートル以上の敷地での建設工事を行う場合、雨水流出抑制施設の設置を指導しております。東京都では内水氾濫等の防止を目的として、第二桃園川幹線整備事業に着手しております。また、河川の溢水を防止するため、環状7号線の地下に設置している神田川・環状7号線地下調節池を延伸し、白子川地下調節池と連携させる工事に着手しております。このほか、神田川や妙正寺川での護岸改修工事を引き続き進めていく予定であると聞いております。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、桃園第二小学校改築の進め方の検討についてお答えいたします。 桃園第二小学校の改築手法について、昭和区民活動センターの土地を含めた仮設校舎の設置や、区民活動センターとの一体的な改築も含め、引き続き児童の保護者や地域から十分に意見を聞きながら検討を進めてまいります。 〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕 ○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、公共用地取得の原則の御質問についてお答えいたします。 まず、建築を伴わない道路拡幅についての御質問でございます。御質問にございましたしらさぎ親子農園事業用地と白鷺たんぽぽ広場用地の間の区有通路は、建築基準法の道路ではないため、狭隘道路拡幅整備事業の対象外となりますが、一般的には建築基準法42条2項道路に接する敷地については、建築行為が伴わない場合におきましても、地権者等の、権利者の同意があれば、任意のセットバック工事により道路拡幅を行うことは可能でございます。 次に、土地を道路として寄附する際の費用についての御質問でございます。都市計画道路や地区計画における避難道路等の公益上必要な道路用地につきましては、測量費用の負担を含め、必要な補償を行っているところでございます。それ以外の宅地等の一部を道路として寄附していただく際には、道路部分を分筆するため、土地の境界確定が必要となってまいります。個人等が所有する財産の境界を確定するために、区が測量費等の費用を負担することは適切ではないと考えてございます。 〔健康福祉部長朝井めぐみ登壇〕 ○健康福祉部長(朝井めぐみ) […]

1育児支援政策について 2公園政策について 3道路政策について 4監査のあり方について 5生活保護政策について 6その他

2019/09/12

一般質問 1 育児支援政策について 2 公園政策について 3 道路政策について 4 監査のあり方について 5 生活保護政策について 6 その他 ○副議長(平山英明) 最初に、吉田 康一郎議員。 〔吉田 康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田 康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会の吉田 康一郎です。 まず初めに、育児支援政策について伺います。 6月の第2回定例会において、私より、政府が現在の少子化の状況について危機的状況にあるとの認識のもと、フランスやスウェーデンが長期にわたる少子化対策により、一旦は低下した出生率が2.0程度までの回復に成功したことを踏まえて、2025年に出生率1.8の実現を目指すとの目標を掲げて政府が取り組んでいることについて、子育て先進区を目指す区の施策について伺ったところ、区より、子育て先進区の実現に向けた検討の中で、子育てに関する指標や目標値などについても明らかにしていきたいなど、種々御答弁をいただきました。 子育て先進区の実現に取り組むに当たり、まず先進性をはかるための客観的な物差しとなる指標や数値目標を持つ必要があると考えます。今後、子育て先進区の実現に向けた戦略を明らかにするとのことでありますが、その中において具体的な指標や目標についても示す必要があると考えますが、区の見解を伺います。 次に、国は本年10月1日より幼児教育無償化を実施する予定です。私としても、長年主張し待ち望んできた施策でありますが、しかしその対象は保育園や幼稚園に通う子どもたちに限られます。一方、中野区では、5割弱の家庭では、在宅での育児がなされており、今回実施される施策の恩恵を受けることができません。在宅で育児をしておられる家庭に対しても、保育園や幼稚園に通う子どもと同じく支援策が講じられるべきものと考えますが、区の考え、取り組みについて伺います。 次に、公園行政について伺います。 第2回定例会において、都市に不可欠なインフラであるにもかかわらず劣悪の一言しかない中野区の公園の整備状況について、中野区が都内の自治体の中で唯一都立公園等の都立の緑地が存在しないことを指摘しつつ伺ったところ、区長より、区民1人当たりの公園面積は23区中22位、23区平均の3分の1にも及ばない状況について、可能な限り改善していかなければならない、大規模公園等の整備については、今後も適地等の条件が整えばさらなる整備を進めていきたい、東京都との連携等や整備手法について研究していく旨の答弁をいただきました。 公園の整備を検討する際、最重要であるのは、防災機能を担った公園の整備という観点であり、中野区の現状を考えれば、この推進は最優先の課題であろうと認識しています。特に、川沿いに防災公園を整備すれば、洪水時や増水時の遊水地となるほか、延焼遮断帯の形成、避難場所の確保等、さまざまな複合的な効果を生み出すことが可能です。 本年1月に区が策定したみどりの基本計画において、みどりのまちづくりを実現する施策としてみどりのネットワークの構築が掲げられています。その具体化として、河川沿いの緑化の推進や西武新宿線連続立体交差の進展を踏まえた新たなみどり軸の構築などが掲げられています。これらの施策を空文化せずに強力に進め、区内の公園面積及び緑地面積を拡大していくためにも、思い切った施策の転換が必要だと考えます。例えば、都と連携して財政負担の軽減策を図った上で、神田川や妙正寺川の川沿いの用地を先行取得し、みどりのネットワークの構築に向けた動きを加速させるべきではないかと考えます。都と連携した公園整備用地の取得について、区の見解を伺います。 次に、道路行政について伺います。 第2回定例会において、中野区は道路が狭く、幅員4メートル以上の道路に接していない住居が約43.3%をも占め、全国最下位の水準であること、道路率も全国最低水準であることなど、道路の整備が今なお重要な課題であることを指摘いたしました。 狭隘道路の整備について、第2回定例会でセットバックの部分の買い取りについて質問いたしましたが、区として狭隘道路の整備をさらに進めるための方策について伺います。 次に、区では商店街に対して補助金を交付する制度がありますが、商店街の力で道路などのインフラを維持していくには限界があります。地域の重要な機能として、商店街のにぎわい、温かみを創出するような、また高齢者、子ども、障害者など全ての人に優しい道路の整備など、道路が持っている機能を多面的に発揮するよう、中野区の現状に鑑み、もっと道路に投資すべきだと考えますが、区の見解を伺います。 そして、懸念されている中野区の防災性向上を考えたときに、まちの動線を考えた骨格となるような大胆な道路網が必要だと思いますが、区はこのような道路整備プランはあるのでしょうか。また、防災まちづくりで整備を行っている避難道路など、道路整備に向けた用地の先行取得は早期の完成に向けて有効だと考えますが、区の見解を伺います。 次に、会計監査について伺います。 地方自治体の自主性、自立性が拡大している中、自治体行政の活動が法令などにのっとって適正に、より効率的、効果的に行われるよう自治体みずからが検証することの必要性は一層高まっており、監査の果たす役割は一層増しています。また、区民に対し説明責任を果たすことにおいての区民の要請も一層強まっており、区長から独立した機関である区の監査委員が行った監査の結果をわかりやすく公表していくこともまた不可欠かつ重要性が高まっています。 ここでまず、国の会計検査院について見てみます。会計検査院が公表した平成29年度決算検査報告書では、無駄遣いや不正経理など不適切な経理処理の指摘は374件、計約1,156億円でありました。これに対し、会計検査院の予算額は平成30年度で約174億円。したがって、会計検査院の指摘金額は予算額の約6.6倍となります。 次に、東京都を見てみます。都が公表している平成30年度定例監査報告書を見ると、是正・改善すべき事項111件、意見・要望4件の計115件の指摘等を行い、指摘金額は6,001億余円でありました。これに対し、局の平成30年度の予算額は約10億円です。したがって、東京都監査事務局の指摘金額は局の予算額の約600倍にも上ります。 そこで、中野区の会計監査について調べたところ、監査委員費の予算額は8,673万円とわかりましたが、区の平成30年度定期財務監査結果報告書を見ると、個別の指摘事項は記載がされていますが、年間の指摘件数、そして指摘全額の総額等についての記載がなく、監査結果の全体像がわかりやすく公表されていないようであります。 監査の有効性は指摘金額の大きさのみではかれるものではないことはわかりますし、国や都とは規模も内容も異なることもわかりますが、1年間の監査の効果を全体的な金額で表示すること等にもう少し積極的に踏み込んで、明快さ、区民にとってのわかりやすさ、説明責任を果たすという観点から、またより積極的な監査の契機となる期待も含めて、指摘金額の算出とその公表のあり方について検討していただきたいと考えますが、監査委員の御見解を伺います。 生活保護政策について伺います。 昭和29年5月8日厚生省社会局長通知、平成24年7月4日一部改正、生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置についてには、生活保護法第1条により、外国人は法の適用対象とならないのであるが、当面の間、生活に困窮する外国人に対しては一般国民に対する生活保護の決定実施の取り扱いに準じて左の手続により必要と認める保護を行うこととした上で、保護の実施機関は、生活に困窮する外国人で保護を受けようとするものに対し、(中略)当該外国人が要保護状態にあると認めた場合には、(中略)都道府県知事に報告すること、保護の実施機関より報告を受けた都道府県知事は当該要保護者が、その属する国の代表部もしくは領事館等から必要な保護または援護を受けることができないことを確認し、その結果を保護の実施機関に通知することとしています。 同通知で、都道府県知事がこの確認をすることを求めていることから、法は、外国人の保護または援護は本来その属する国にその責務があることを前提としていると考えますが、区の認識を伺います。あわせて、これまでに区がこの報告を行った実績と、区の報告に対する都からの通知の実績を伺います。 同通知は、また、生活に困窮する外国人が朝鮮人及び台湾人である場合には、保護実施機関からの都道府県知事への報告や都道府県知事の確認等の手続は、当分の間これを必要としないと定めています。 そこで、これまで区において、生活に困窮する外国人が朝鮮人及び台湾人であり、上述の手続を経ずに保護または援護した実績を伺います。 次に、同通知は運用指針を以下のように定めています。 外国人については一般国民の場合と異なり、その生活実態、家族構成、稼働状況、収入状況等についての適確な把握が困難であるので申請者もしくは保護を必要とする者の協力を特に必要とする。したがって、申請に基づく種々の調査の際申請者もしくは保護を必要とする者が実施機関の必要とする協力を行わないため、(中略)実施機関が当該外国人についての生活実態の客観的事実が把握できないような場合には、実施機関としては、適正な保護事務の執行ができないので、申請者もしくは保護を必要とする者が急迫な状況にあって放置することができない場合でない限り、申請却下の措置をとるべきである。 そこで、国民と比べて、外国人の場合、生活実態、家族構成、稼働状況、収入状況等についての適確な把握が困難である具体例を伺います。あわせて、申請を却下した実績を伺います。 本日の質問に先立ち、区の生活保護行政に関し、外国人に係る保護世帯、保護人員数、生活保護費支給額その他の実績を伺ったところ、生活保護費支給額のみ、有効桁数上2桁の概数で示されました。この理由について区は、外国人の生活保護費データを集計するには、データを抽出し、1件ごとの確認が必要であるからとの御説明でありました。しかし、法的な位置付けの異なる日本国民と外国人の生活保護費支給額について、行政が膨大な手作業を経ず正確に把握できない現状は問題です。 保護の実施機関である区として、外国人の生活保護費支給額等について国や都に届け出を行うなどの仕組みを国に要望するなどして、外国人の生活保護の実態、外国人に対する生活保護支給規模を容易に把握し、区の政策判断に反映させていくべきと考えますが、区の見解を伺います。 以上で質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 吉田 議員の御質問にお答えいたします。 最初に、育児支援政策について、子育て先進区をはかる物差しについての区の見解を伺う御質問です。 区が目指す子育て先進区とは、子育てをする上で必要な環境が整っており、子育て家庭の満足度の高いまちであるとともに、区の子育て環境が区内外に認知されており、多くの子育て家庭から選ばれるまちであると考えております。子育て先進区の達成状況等をはかる指標については、どのようなものが適切であるか、子育て先進区の戦略を検討する中で研究してまいりたいと考えております。 次に、在宅育児への支援についての御質問です。 在宅育児を行う保護者の孤立化や精神的、経済的な負担感が生じているという声があることは認識しているところでございます。在宅育児への支援の拡充については、今後の先進区としての取り組みを検討する中で、在宅で育児をしている家庭の実態等も勘案しながら検討してまいります。 次に、公園政策について、公園整備用地の取得についての御質問です。 […]