1育児支援政策について 2公園政策について 3道路政策について 4監査のあり方について 5生活保護政策について 6その他

一般質問

1 育児支援政策について

2 公園政策について

3 道路政策について

4 監査のあり方について

5 生活保護政策について

6 その他

○副議長(平山英明)
最初に、吉田 康一郎議員。
〔吉田 康一郎議員登壇〕
○12番(吉田 康一郎)
育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会の吉田 康一郎です。

まず初めに、育児支援政策について伺います。

6月の第2回定例会において、私より、政府が現在の少子化の状況について危機的状況にあるとの認識のもと、フランスやスウェーデンが長期にわたる少子化対策により、一旦は低下した出生率が2.0程度までの回復に成功したことを踏まえて、2025年に出生率1.8の実現を目指すとの目標を掲げて政府が取り組んでいることについて、子育て先進区を目指す区の施策について伺ったところ、区より、子育て先進区の実現に向けた検討の中で、子育てに関する指標や目標値などについても明らかにしていきたいなど、種々御答弁をいただきました。

子育て先進区の実現に取り組むに当たり、まず先進性をはかるための客観的な物差しとなる指標や数値目標を持つ必要があると考えます。今後、子育て先進区の実現に向けた戦略を明らかにするとのことでありますが、その中において具体的な指標や目標についても示す必要があると考えますが、区の見解を伺います。

次に、国は本年10月1日より幼児教育無償化を実施する予定です。私としても、長年主張し待ち望んできた施策でありますが、しかしその対象は保育園や幼稚園に通う子どもたちに限られます。一方、中野区では、5割弱の家庭では、在宅での育児がなされており、今回実施される施策の恩恵を受けることができません。在宅で育児をしておられる家庭に対しても、保育園や幼稚園に通う子どもと同じく支援策が講じられるべきものと考えますが、区の考え、取り組みについて伺います。

次に、公園行政について伺います。

第2回定例会において、都市に不可欠なインフラであるにもかかわらず劣悪の一言しかない中野区の公園の整備状況について、中野区が都内の自治体の中で唯一都立公園等の都立の緑地が存在しないことを指摘しつつ伺ったところ、区長より、区民1人当たりの公園面積は23区中22位、23区平均の3分の1にも及ばない状況について、可能な限り改善していかなければならない、大規模公園等の整備については、今後も適地等の条件が整えばさらなる整備を進めていきたい、東京都との連携等や整備手法について研究していく旨の答弁をいただきました。

公園の整備を検討する際、最重要であるのは、防災機能を担った公園の整備という観点であり、中野区の現状を考えれば、この推進は最優先の課題であろうと認識しています。特に、川沿いに防災公園を整備すれば、洪水時や増水時の遊水地となるほか、延焼遮断帯の形成、避難場所の確保等、さまざまな複合的な効果を生み出すことが可能です。

本年1月に区が策定したみどりの基本計画において、みどりのまちづくりを実現する施策としてみどりのネットワークの構築が掲げられています。その具体化として、河川沿いの緑化の推進や西武新宿線連続立体交差の進展を踏まえた新たなみどり軸の構築などが掲げられています。これらの施策を空文化せずに強力に進め、区内の公園面積及び緑地面積を拡大していくためにも、思い切った施策の転換が必要だと考えます。例えば、都と連携して財政負担の軽減策を図った上で、神田川や妙正寺川の川沿いの用地を先行取得し、みどりのネットワークの構築に向けた動きを加速させるべきではないかと考えます。都と連携した公園整備用地の取得について、区の見解を伺います。

次に、道路行政について伺います。

第2回定例会において、中野区は道路が狭く、幅員4メートル以上の道路に接していない住居が約43.3%をも占め、全国最下位の水準であること、道路率も全国最低水準であることなど、道路の整備が今なお重要な課題であることを指摘いたしました。

狭隘道路の整備について、第2回定例会でセットバックの部分の買い取りについて質問いたしましたが、区として狭隘道路の整備をさらに進めるための方策について伺います。

次に、区では商店街に対して補助金を交付する制度がありますが、商店街の力で道路などのインフラを維持していくには限界があります。地域の重要な機能として、商店街のにぎわい、温かみを創出するような、また高齢者、子ども、障害者など全ての人に優しい道路の整備など、道路が持っている機能を多面的に発揮するよう、中野区の現状に鑑み、もっと道路に投資すべきだと考えますが、区の見解を伺います。

そして、懸念されている中野区の防災性向上を考えたときに、まちの動線を考えた骨格となるような大胆な道路網が必要だと思いますが、区はこのような道路整備プランはあるのでしょうか。また、防災まちづくりで整備を行っている避難道路など、道路整備に向けた用地の先行取得は早期の完成に向けて有効だと考えますが、区の見解を伺います。

次に、会計監査について伺います。

地方自治体の自主性、自立性が拡大している中、自治体行政の活動が法令などにのっとって適正に、より効率的、効果的に行われるよう自治体みずからが検証することの必要性は一層高まっており、監査の果たす役割は一層増しています。また、区民に対し説明責任を果たすことにおいての区民の要請も一層強まっており、区長から独立した機関である区の監査委員が行った監査の結果をわかりやすく公表していくこともまた不可欠かつ重要性が高まっています。

ここでまず、国の会計検査院について見てみます。会計検査院が公表した平成29年度決算検査報告書では、無駄遣いや不正経理など不適切な経理処理の指摘は374件、計約1,156億円でありました。これに対し、会計検査院の予算額は平成30年度で約174億円。したがって、会計検査院の指摘金額は予算額の約6.6倍となります。

次に、東京都を見てみます。都が公表している平成30年度定例監査報告書を見ると、是正・改善すべき事項111件、意見・要望4件の計115件の指摘等を行い、指摘金額は6,001億余円でありました。これに対し、局の平成30年度の予算額は約10億円です。したがって、東京都監査事務局の指摘金額は局の予算額の約600倍にも上ります。

そこで、中野区の会計監査について調べたところ、監査委員費の予算額は8,673万円とわかりましたが、区の平成30年度定期財務監査結果報告書を見ると、個別の指摘事項は記載がされていますが、年間の指摘件数、そして指摘全額の総額等についての記載がなく、監査結果の全体像がわかりやすく公表されていないようであります。

監査の有効性は指摘金額の大きさのみではかれるものではないことはわかりますし、国や都とは規模も内容も異なることもわかりますが、1年間の監査の効果を全体的な金額で表示すること等にもう少し積極的に踏み込んで、明快さ、区民にとってのわかりやすさ、説明責任を果たすという観点から、またより積極的な監査の契機となる期待も含めて、指摘金額の算出とその公表のあり方について検討していただきたいと考えますが、監査委員の御見解を伺います。

生活保護政策について伺います。

昭和29年5月8日厚生省社会局長通知、平成24年7月4日一部改正、生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置についてには、生活保護法第1条により、外国人は法の適用対象とならないのであるが、当面の間、生活に困窮する外国人に対しては一般国民に対する生活保護の決定実施の取り扱いに準じて左の手続により必要と認める保護を行うこととした上で、保護の実施機関は、生活に困窮する外国人で保護を受けようとするものに対し、(中略)当該外国人が要保護状態にあると認めた場合には、(中略)都道府県知事に報告すること、保護の実施機関より報告を受けた都道府県知事は当該要保護者が、その属する国の代表部もしくは領事館等から必要な保護または援護を受けることができないことを確認し、その結果を保護の実施機関に通知することとしています。

同通知で、都道府県知事がこの確認をすることを求めていることから、法は、外国人の保護または援護は本来その属する国にその責務があることを前提としていると考えますが、区の認識を伺います。あわせて、これまでに区がこの報告を行った実績と、区の報告に対する都からの通知の実績を伺います。

同通知は、また、生活に困窮する外国人が朝鮮人及び台湾人である場合には、保護実施機関からの都道府県知事への報告や都道府県知事の確認等の手続は、当分の間これを必要としないと定めています。

そこで、これまで区において、生活に困窮する外国人が朝鮮人及び台湾人であり、上述の手続を経ずに保護または援護した実績を伺います。

次に、同通知は運用指針を以下のように定めています。

外国人については一般国民の場合と異なり、その生活実態、家族構成、稼働状況、収入状況等についての適確な把握が困難であるので申請者もしくは保護を必要とする者の協力を特に必要とする。したがって、申請に基づく種々の調査の際申請者もしくは保護を必要とする者が実施機関の必要とする協力を行わないため、(中略)実施機関が当該外国人についての生活実態の客観的事実が把握できないような場合には、実施機関としては、適正な保護事務の執行ができないので、申請者もしくは保護を必要とする者が急迫な状況にあって放置することができない場合でない限り、申請却下の措置をとるべきである。

そこで、国民と比べて、外国人の場合、生活実態、家族構成、稼働状況、収入状況等についての適確な把握が困難である具体例を伺います。あわせて、申請を却下した実績を伺います。

本日の質問に先立ち、区の生活保護行政に関し、外国人に係る保護世帯、保護人員数、生活保護費支給額その他の実績を伺ったところ、生活保護費支給額のみ、有効桁数上2桁の概数で示されました。この理由について区は、外国人の生活保護費データを集計するには、データを抽出し、1件ごとの確認が必要であるからとの御説明でありました。しかし、法的な位置付けの異なる日本国民と外国人の生活保護費支給額について、行政が膨大な手作業を経ず正確に把握できない現状は問題です。

保護の実施機関である区として、外国人の生活保護費支給額等について国や都に届け出を行うなどの仕組みを国に要望するなどして、外国人の生活保護の実態、外国人に対する生活保護支給規模を容易に把握し、区の政策判断に反映させていくべきと考えますが、区の見解を伺います。

以上で質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人)
吉田 議員の御質問にお答えいたします。

最初に、育児支援政策について、子育て先進区をはかる物差しについての区の見解を伺う御質問です。

区が目指す子育て先進区とは、子育てをする上で必要な環境が整っており、子育て家庭の満足度の高いまちであるとともに、区の子育て環境が区内外に認知されており、多くの子育て家庭から選ばれるまちであると考えております。子育て先進区の達成状況等をはかる指標については、どのようなものが適切であるか、子育て先進区の戦略を検討する中で研究してまいりたいと考えております。

次に、在宅育児への支援についての御質問です。

在宅育児を行う保護者の孤立化や精神的、経済的な負担感が生じているという声があることは認識しているところでございます。在宅育児への支援の拡充については、今後の先進区としての取り組みを検討する中で、在宅で育児をしている家庭の実態等も勘案しながら検討してまいります。

次に、公園政策について、公園整備用地の取得についての御質問です。

大規模公園の整備は、都市計画事業に位置付けて、国費や都費を活用しながら進めてまいりました。用地の取得においては、国費の活用とともに、都市計画交付金や都区財政調整制度も活用しながら区の財政負担の軽減に努めてきたところであります。今後も、新たな大規模公園の整備に当たっては、引き続き国や都と連携しながら進めていきたいと考えております。

次に、道路政策について、狭隘道路の整備についてでございます。

昨年度、生活道路拡幅整備の整備率向上に向けて、協議申請手続の運用方法の見直しを行いました。この変更によって、整備工事の承諾書の未提出があったものが改善され、確実に整備を行える体制となりました。また、整備対象地に隣接する土地で権利者の協力が得られた場合に任意整備を実施しておりますが、今後も、沿道の建てかえの機を捉えて、権利者への積極的な働きかけによって狭隘道路の拡幅整備を着実に進めていきたいと考えております。

次に、商店街のにぎわいとバリアフリー化についての御質問です。

薬師柳通りや鍋屋横丁通りなど、駅周辺の道路、歩道については、利用しやすく、景観にも配慮したバリアフリー化を進めております。さらに、今後は、現在策定を進めている中野区無電柱化推進計画に基づいて、地域の合意を得ながら、防災性や安全性、町並みの景観の向上を目的とした道路整備を進めていく考えであります。

防災性向上を考えた避難道路計画、道路用地の取得についての御質問です。

東京都防災都市づくり推進計画では、木密地域において延焼遮断帯となる都市計画道路の整備を積極的に行うことが示されて、こうした考えを踏まえて、都、区市町村が定める都市計画道路の整備方針(第四次)では、優先整備路線の計画を定めております。道路用地の取得については、権利者が物件補償や税の減免等を受けるために、都市計画事業の認可や道路法の適用が必要であります。区は、こうした手順を踏みながら、用地取得を早期の完成に向けて着実に進めているところでございます。

〔代表監査委員髙橋信一登壇〕
○代表監査委員(髙橋信一)
私からは、監査のあり方についてお答えいたします。

中野区の監査結果の公表は、定期財務監査をはじめ、工事監査、財政援助団体等監査、行政監査、決算・基金、健全化判断比率等の各審査、さらに住民監査請求に係る監査の結果や監査結果に対し区長等が講じた措置状況について、全て区のホームページで過去5年分にわたり掲載しており、区民への積極的な情報提供に努めてきたところでございます。

監査は、経済性、効率性及び有効性を合わせ、法令等の遵守という合規性の観点からも実施しており、監査結果には意見として分析やあるべき方向性も述べており、一概に数値だけではあらわせないものでございます。定期財務監査に指摘事項に対応したその累計金額等を算出し公表してはどうかにつきましては、今後、監査結果がより区民にわかりやすいものになるよう工夫や研究をしてまいりたいと考えてございます。

〔健康福祉部長朝井めぐみ登壇〕
○健康福祉部長(朝井めぐみ)
私からは、生活保護政策についての御質問にお答えいたします。

まず、外国人に対する保護または援護についての御質問でございます。

生活保護法では生活保護の対象を日本国民としており、外国人は生活保護法に基づく保護の対象ではありません。区は、国の通知に基づき、生活保護の決定実施の取り扱いに準じて、一定の範囲の外国人が要保護状態にあると認めた場合には、生活保護法と同様の保護を実施しているところでございます。国は、外国人の保護または援護といった生存権保障の責任は第一義的にはその者の属する国が負うべきであるとしており、区もそのように認識をしております。

次に、外国人に対する保護の報告についてでございます。

過去5年間においては、区から都への報告をした実績はございません。

続いて、生活保護の実績についてでございます。

令和元年9月1日現在、生活保護を受けている外国人のうち、在住カード等の国籍・地域欄に朝鮮と記されている人は11人です。台湾と記載されている人は2人でございます。

次に、外国人に対する生活実態等の把握についてでございます。

外国人の家族構成については、日本と同様の戸籍が取れないことから、把握が困難でございます。区は、外国人についての生活実態等を適正に把握するため、御本人との相談などの協力を得て生活実態を把握し、こうした課題を解決しているところでございます。過去5年間において、外国人に対しての生活保護申請要件を満たさないために申請を却下した例は1件でございますが、生活実態等の客観的事実が把握できずに却下した例はございません。

最後に、外国人に対する生活保護費等の把握についてでございます。

生活保護制度は国の制度であり、外国人の生活保護費支給状況等の把握について区が独自に検討することは考えておりませんが、今後の国の動向等をしっかり把握し、必要があれば対応していきたいと考えております。

○副議長(平山英明)
以上で吉田 康一郎議員の質問は終わります。