カテゴリ:区議会での質疑

第11号議案 中野区男女共同参画・多文化共生推進審議会条例

2020/03/23

第11号議案 中野区男女共同参画・多文化共生推進審議会条例 討論 ○議長(高橋かずちか) これより討論に入ります。 吉田 康一郎議員、近藤さえ子議員から討論の通告書が提出されていますので、順次通告議員の討論を許します。 最初に、吉田 康一郎議員。 〔吉田 康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田 康一郎) ただいま上程されました第11号議案、中野区男女共同参画・多文化共生推進審議会条例について、反対の討論を育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野をつくる会の立場から行います。 予算特別委員会の総括質疑でも申し上げましたとおり、今から10年前の2010年10月16日、今も首相を務めるメルケルドイツ首相は、「ドイツの多文化主義は完全な失敗だった」と断言しました。「ドイツに多文化社会を建設するという試みは完全な失敗だった。そして、この30年から40年の失敗はすぐには穴埋めできないと訴え、その上で、移民はドイツ語を学び、ドイツ社会に融合しなければならない。すぐにドイツ語を話さない人は誰一人歓迎されない。ドイツ社会で生きていくなら法に従うだけでなく、私たちの言語を習得しなければならない」と言い切り、世界に大きな反響を呼びました。 次に、2011年2月6日、イギリスの当時の首相であったキャメロン首相は、ミュンヘン安全保障会議において、国内の若いイスラム教徒が過激思想に走るケースが相次いでいることを念頭に、「イギリスでの多文化主義は失敗した」と述べました。 「多文化主義国家のドクトリンは、様々な文化が互いに干渉せず、主流文化からも距離を置いて存在することを推奨してきた、そうしたいわば隔離されたコミュニティが我々の価値観と正反対の行動を取ることすら許容してきました」とし、「異なる価値観を無批判に受け入れる受動的な寛容社会であってはならない」としました。 本年1月31日、イギリスは正式にEUを離脱しましたが、多くの専門家が「他国からの移民の急増が大きな要因として挙げられる」としています。寛容な目的で悲寛容な人々を受け入れて、その非寛容な考え方を寛容に受け入れることが社会にあつれきをもたらしたということであります。 予算特別委員会の総括質疑では、九州大学施光恒教授の研究を紹介しましたが、本日は和光大学挽地康彦准教授の研究を紹介します。 欧州では、1970年から1980年代にかけて、リベラルな移民政策を共通して採用してきました。移民集団の文化を尊重し、ホスト社会の文化に同化させることなく、多様な文化の維持を容認する多文化主義の政策であります。多様性と平等の理念に基づく多文化主義は、人種差別を禁止する法律制定、母語教育の機会の保障、多文化教育、公費援助による、例えばムスリム学校の設立など各種の政策へと結びついていました。そして、もう一つの共通点は、永住市民権デニズン、シチズンに対してデニズン――の浸透であり、国民国家における法的、政治的、社会的権利の共有主体を国籍を保持する国民に限定することなく、永住者としての移民へと拡張していこうという政策でありました。 しかし、ホスト社会への移民の包摂に向けた多文化主義政策やデニズンシップ政策は、1980年代以降から陰りを見せ始め、1990年代になると統合政策に向けて大きく修整を迫られました。 その理由は、まず移民の人口比率の高まり、多くの移民が西欧諸国の人口構成に不可逆的な変化をもたらしたこと、次に、リベラルな移民政策による移民の包摂が期待どおりに進まず、むしろネイティブの住民との間の格差や対立の深まりが認識されるようになったこと、次に、移民に対する社会的給付がホスト社会にとっての負担となることが改めて問題視されるようになったこと、多文化共生推進の理念や政策は、ホスト国の言語習得や異文化間接触へのインセンティブを移民に与えず、主流社会の労働市場への参加を低下させ、移民の飛び地の形成を促した。移民の側でのホスト国の価値観を否定するような原理主義運動が広がった。そして、2000年代以降、移民の失業や犯罪の増加、アメリカ同時多発テロ事件による不安や不信の高まりは、各国国内における分裂の進化をもたらした。 予算特別委員会で質疑をしたイギリスのロザラム児童性的搾取事件やドイツのケルン大晦日集団性暴行事件などはこのような中で起きた事件であり、今の欧州でこのような事件は枚挙にいとまがありません。 このような現実を受け、他国の文化、特に欧州においては、ムスリムの文化がヨーロッパの文化と対立するとみなされることで、ヨーロッパの各国、各地域でミナレットの禁止、これはスイス、ブルカの禁止、フランス、いとこ同士の結婚の禁止、オランダ、といった法律制定の動きが相次ぎました。 福祉国家が発達し、移民にも寛容であったオランダは当初、多文化主義の成功例として知られていましたが、今や多文化主義の最初の失敗例となったケースとして認識されています。 以上のような経緯から、今日、多くのヨーロッパ諸国では、移民政策を多文化共生政策から同化主義的な統合政策、より制限的な規制路線へと転換し、1、移民規制の厳格化、2、選択的な移民の受入れ、3、社会統合に向けた市民化政策の推進という相互補完的な三つの方針によって実施する傾向が強まっています。この1の移民規制の厳格化とは、新規移民の領域内への参入抑制、ビザや就労許可の発給要件の厳格化や非合法移民の入国管理の強化など、そして、国内からの非正規滞在者の排除。そして、2つ目の選択的な移民の受入れとは、新規の労働移民、これをハイテク部門、底辺部門に向けて、この確保を制限し、変えること、定住の可能性を否定した一時的、期間限定的な可処分労働力の調達、そして、3つ目に市民化政策の推進、長期滞在許可や市民権取得の義務要件としての統合テスト(市民テスト)の導入、合法的な定住者の規制強化(永住条件の厳格化や社会的コストの抑制など)、このような政策であります。 1990年代以降、登場してきたこの新しい移民政策は、ヨーロッパの要塞化、そして市民的価値を称揚する同化主義的な統合レジームの形成をもたらしている。ヨーロッパの要塞化はヨーロッパ外部からやってくる新たな移民たちの入国や権利を制限し、そうした権利対象者の制限を踏まえて、ヨーロッパ域内にいる既存の移民達の権利を擁護しようとする。ただし、新規移民を制限することで要塞化を目指すヨーロッパは、既存の移民の権利に対しても、多文化主義ではなく、同化主義的な手法で擁護するように移民政策を転換してきた。このように総括をしています。 これが多文化共生政策を進めてきたヨーロッパの現在の姿であり、多文化共生政策を推進する日本の将来の姿であるでしょう。 そもそも多文化主義は、多民族国家が分裂・解体することなく、国民国家として生き残るためのイデオロギーとして機能するものでありました。 我が国のように、世界でもまれなほど、ほぼ単一民族国家に近い国の場合、他国からの移住者を統合せず、多文化を推進するという政策が国家の解体を推進する側面をどうしても有します。我が国の場合は、残念ながら、隣に共産党一党独裁の中国があり、例えばオーストラリアでも、サイレントインベージョン、こういう政策について大変な警戒、中国系の移民に対する様々な法的な制限、こういうものが行われ始めている。そして、世界中で孔子学院、多文化共生の象徴とも考えられる孔子学院が本当は中国の文化的なあるいは政治的な、経済的な侵略の機関である、このようなことから、世界中の大学で孔子学院の閉鎖が相次いでいます。そして、そもそも中国には国防動員法という法律があって、海外における中国人が中国政府の命令の下、様々な行動、活動、工作をしなければならないことが義務づけられています。 他国の悪意ある干渉に無防備なまま、時代遅れの多文化共生推進という政策を推進することには慎重でなければならない、我々はこのように考えます。 地獄への道は善意で舗装されている、このように言いますけれども、平和で寛容な我が国が世界から失われることのないよう、外国の人々を日本に受け入れるに当たっては、ヨーロッパを見習って、多文化な歌をそのまま日本に統合しないでいさせるということではなく、日本に統合していく、このような政策を進めるべきであることを強く主張して、この審議会の条例の反対の討論といたします。ありがとうございました。

総括質疑

2020/02/26

総括質疑 〇山本委員長  次に、吉田 康一郎委員、質疑をどうぞ。 〇吉田 委員  育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会の吉田 康一郎です。よろしくお願いいたします。 まず、私からは、中野区基本構想・基本計画、男女平等基本条約等について伺います。 区長は、2018年第2回定例会の施政方針説明において、他の事項に続けて、国籍等によって分け隔てられることなく、多文化共生を推進する、差別のない地域社会づくりを進めますと述べています。 区は、中野区基本構想・基本計画、男女平等基本条例の改正案について検討を進めており、本年1月31日には、男女共同参画、多文化共生等の推進に向けた今後の取組についてが出され、この中で、国籍等を理由とする差別や偏見等は根強く、「国籍等を理由とする差別的取扱いや、あらゆるハラスメント等を根絶し」と記載され、中野区男女平等基本条例の改正の項で、多文化共生等の推進における指針として位置付け、国籍等を理由とした差別的取扱いの禁止について新たに規定するとし、さらに、(仮称)男女共同参画多文化共生推進審議会を設置する等としています。 そこで、国籍という点について、絞って伺ってまいります。 今から10年前の2010年10月16日、今も首相を務めるアンゲラ・メルケルドイツ首相は、ドイツの多文化主義は完全な失敗だったと講演で断言しました。ポーランド系の先祖を持ち、移民の受入れに寛容で、国際協調を重んじ、リベラルな政治姿勢で国内外をリードしたメルケル氏と、朝日新聞に評されるメルケル氏でありますが、ドイツに多文化社会を建設するという試みは完全な失敗だった、そして、この30から40年の失敗は、すぐには穴埋めできないと訴え、その上で、移民はドイツ語を学び、ドイツ社会に融合しなければならない、すぐにドイツ語を話せない人は誰一人歓迎されない、ドイツ社会で生きていくなら、法に従うだけでなく、私たちの言語を習得しなければならないと言い、世界に大きな反響を呼びました。 ドイツでは、この発言に先立つ2005年に移民法を制定しました。それまでにドイツ社会から遊離した移民による並行社会が形成されつつあり、これが将来のドイツ社会に脅威を与えるおそれがあることから、移民をドイツ社会に統合することが不可欠であるとの認識の下、移民にドイツ語教育やドイツの社会、歴史などを学ぶ市民教育を統合講習として受講を義務化し、移民の社会統合を目指し始めました。これを統合政策と呼びます。 同時に、この移民法には、特別な危険、またはテロの疑いがある外国人に対する入国制限と退去強制令が盛り込まれました。これにより、既に入国している外国人に対し、事実に基づく危険予測に基づいて国外退去を命じることができるようになりました。多文化共生政策から統合政策への転換、しかし、これでドイツ社会の深刻な分断が簡単に解決されたわけではないことを後に述べます。 次に、2011年2月6日、イギリスの当時の首相であったキャメロン首相は、ミュンヘン安全保障会議において、国内の若いイスラム教徒が過激思想に走るケースが相次いでいることを念頭に、イギリスでの多文化主義は失敗したと述べました。多文化主義国家のドクトリンは、様々な文化が互いに干渉せず、主流文化からも距離を置いて存在することを推奨してきました。そうしたいわば隔離されたコミュニティが我々の価値観と正反対の行動をとることすら許容してきましたとし、異なる価値観を無批判に受け入れる受動的な寛容社会であってはならないとしました。これをTBSは、多文化主義は同化を妨げてきたとの認識に立ったものですと報じています。 イギリスの一つの現実を示す事例として、CNNが報じたのが、アンジェム・チャウダリーというロンドンを拠点に活動するイスラム教の指導者が率いるイスラム系移民たちが、イギリス、ひいては世界中にイスラム国家を樹立することを目的に、イスラム法シャーリアをイギリスで施行するよう要求し、バッキンガム宮殿をモスクに変えるよう主張し、エリザベス女王はイスラム教に改宗するか、イギリスを去るかどちらかだという活動をしています。 本年1月31日、イギリスは正式にEUを離脱しましたけれども、多くの専門家が、この離脱の理由は、他国からの移民の急増が大きな要因として挙げられるとしています。 次に、最も早くから多文化主義政策を進めてきたオランダです。例えば、ヒンズー教やイスラム教系宗教学校など、マイノリティたちによる言語や文化の民族教育は、国が全額補助しました。国営放送のテレビやラジオの放送時間の20%は、民族マイノリティ向けの番組に充てることが法律で義務付けられるなどしていました。さらに、民族コミュニティ内の自治を認め、国は一切干渉しないこととしていました。しかし、それらの多文化共生政策がもたらしたものは、国の中に移民の別のルールの国がたくさんできるという結果でありました。オランダで移民について批判的な言論がタブーであった2000年、大きな反響を呼んだ記事、多文化のドラマというものを書いたアムステルダム大学教授のポール・シェファー氏は、移民政策の失敗が社会不安を引き起こす最大の脅威となっていると指摘し、多文化主義は完敗したと結論づけました。人口構成の大きな変化の結果、オランダの最大都市アムステルダムや第2の都市ロッテルダムでは、人口の半分が移民出身となっていて、アムステルダムの学校の子どもの3分の2が移民家庭の出身です。イスラム教はオランダ第2の宗教になり、異なる価値観や文化を持つムスリムコミュニティをホスト社会にどう融合させるのか、どうやって共に生きていくのか、多くの人が懸念しています。 パリ、ブリュッセル、ベルリン、ロンドンなど欧州中で、イスラム系テロが発生するので、その懸念が強まるばかりだとしています。ホーム・グロウン・テロリズムの温床になっているというわけです。 かつてアムステルダムが同性愛者に対して非常に寛容であった、しかし、今は、まちじゅうでこれまでどおりに同性愛者であることをオープンにはできなくなったと言います。同性愛者への暴力事件が発生するからだ。これは、英国のロンドンやバーミンガムでも発生している。学校ではホロコースト、ユダヤ人大虐殺について教えることが難しくなっている。ムスリムの子どもたちが、ホロコーストは起きなかったと言うからだ。起きたということを認める子どもも、非常によいことだったと言ってしまう。生物を教えることも難しくなった。ムスリムの子どもたちは進化論を否定するからだ。性教育も同様だ。親が性教育の教科書の一部を破り捨てるからだ。男女共学も嫌がる親がいる。中東やアフリカの伝統的社会から来た移民たちの中には、個人の自由や人権よりも、グループの伝統を重んじて、彼らの慣習が法的に問題となっている。一夫多妻や、女性性器の割礼、名誉のための殺人、これはすなわち家族や地域の名誉を傷つけたとして、レイプ被害者などを殺害してしまう、こういったものです。 また、LGBTなど性的マイノリティへの暴力も起きている。パレスチナ、イスラエルの紛争の国際問題に触発されて、露骨な反ユダヤ主義を唱え、殺傷事件を起こすイスラム教徒も後を絶たない。こうした異文化は、一般市民の反発を買い、そして過激なマイノリティに対して弱腰な政府への不信、国としての結束、信頼と文化の違いという二つの理念のバランスがとれなくなってしまった。 さらに続きます。 カリスマ的政治家、リム・フォルタインは、オープンなゲイで、元は左派の大学教授だったけれども、反イスラム活動家に転向した直接の原因は、イスラム系移民によるゲイへのハラスメントだったと言われています。彼の政党は、2002年に総選挙で政権奪取することが予想されていましたが、党首自身が熱狂的動物愛護者によって暗殺され、実現しませんでした。このフォルタインの暗殺と、2004年の映画監督、テオ・ファン・ゴッホの2人の殺害事件を契機に、オランダ世論は決定的に転換しました。 ありのままでという多文化主義が行き詰まり、オランダ政府も方向転換を余儀なくされました。国としての結束を重視し、移民に対してシビック、公民としての自覚を持たせるように、政策はシフトしています。例えば、市民権取得テストに、オランダ国憲法や政治制度、歴史など、公民基礎知識の問題が加わりました。また、生活保護を申請する移民や外国人には、オランダ語や文化についての集中講義を義務付けました。永住を希望する移民、入国後3年以内にオランダ文化についての有料の試験に合格しなければならない。一方、マイノリティの社会統合を阻害していると批判の多かった民族教育への助成金普及制度も、2004年に打ち切られました。小学校でのバイリンガル授業も全廃されました。また、2011年には、ブルカの禁止を閣議決定しました。フランスと一緒です。マイノリティの文化や宗教の自由を規制する方向に転換していることが明らかです。 次に、デンマークの事例、これは時間の関係で省略します。 政治学者の施光恒九州大学教授が、欧州が移民受入れで国が壊れた4ステップが、認識の甘い日本にもこれから同じことが起きると指摘しています。 以下、欧州が大量の移民受入れによってどのような深刻な社会問題が生じたかを描いたイギリスのジャーナリスト、ダグラス・マレー氏の「西洋の自死、移民・アイデンティティ・イスラム」の施教授による解説を紹介します。 欧州諸国は、戦後、移民を大量に受け入れた。そのため、欧州各国の国の形が大きく変わり、私たちの知る欧州という文明が自死の過程にある――自死というのは、自ら死ぬですね――とマレー氏は警鐘を鳴らします。イギリスで出版された原書は350ページを超える大著であるにもかかわらず、ベストセラーとなった。その後、欧州を中心に23か国語に翻訳され、話題を巻き起こしている。 著者は、同書の冒頭に、次のように記します。欧州は自死を遂げつつある。少なくとも欧州の指導者たちは自死することを決意した。結果として、現在欧州に住む人の大半が、まだ生きているうちに欧州は欧州でなくなり、欧州人が家、ホームと呼ぶべき世界で唯一の場所を失っているだろう。 この書では、イギリスをはじめとする欧州諸国が、どのように外国人労働者、移民を受け入れ始め、そしてそこから抜け出せなくなったのか。その結果、欧州や文化がいかに変容しつつあるか。マスコミや評論家、政治家などのインテリの世界で、移民受入れへの懸念を表明することがどうして半ばタブー視されるようになったか。彼らがどのような論法で、一般庶民から生じる大規模な移民政策への疑問や懸念を脇にそらしてきたかなどを詳細に論じています。 イギリスをはじめとする欧州各国では、大量移民の影響で、民族構成が大きく変わっています。各国のもともとの国民、典型的には白人のキリスト教徒ですが、これは少数派に転落していっています。2011年のイギリス国勢調査で、ロンドンの住人のうち、白人のイギリス人が占める割合は44.9%、ロンドン33地区のうち23地区で白人は少数派です。2014年にイギリス国内で生まれた赤ん坊の33%は、少なくとも両親のどちらかが移民です。オックスフォード大学のある研究者の予測では、2060年までには、イギリス全体でも白人のイギリス人は少数派になると指摘されています。 スウェーデンでも、今後30年以内に、主要都市で全てスウェーデン民族は少数派になると予測されています。国全体としても、スウェーデン民族は、現在生きている人の寿命が尽きる前に少数派になると推測されています。 民族構成が変わるだけでなく、欧州諸国の文化的、宗教的性格も変容します。イギリスのキリスト教徒の割合は、過去10年間で72%から59%に減少し、2050年までには国民の3分の1に減る見込みです。2016年にイギリスで生まれた男児のうち、最も多かった名前がモハメッドでした。 同様に、ウイーン人口問題研究所は、今世紀半ばまでに15歳未満のオーストリア人の過半数がイスラム教徒であろうと予測しています。それ以降、オーストリアはイスラム国家になる可能性が高いということであります。 欧州諸国でイスラム教徒の影響が増大することは、宗教や文化が大きく変容するだけでなく、政治文化が変わることも懸念されます。欧州が伝統的に育んできた言論の自由や寛容さが失われるという懸念です。従来、欧州の知識人は、移民出身者であっても、欧州で長年暮らすうちに自由民主主義的価値観になじみ、それを受容すると想定しました。しかし、そうはならなかった。そして、欧州では、イスラム教徒に対する批判を行うことは既にかなりハードルが高くなっています。批判者は人種差別主義者、排外主義者などのレッテルを貼られ、社会的地位を失いかねない状況になっている。イスラム教徒の利害を守る圧力団体が欧州各地で数多く組織化されていると言います。あるいはシャルリー・エブド事件など、イスラム教に不敬を働いたという理由で襲撃される事件も、さほど珍しいことでなくなりました。 本書を読むと、移民の大規模受入れに至った欧州の状況は、現在や近い将来の日本によく似ているのではないかと感じざるを得ないと、この施教授は言います。そして、欧州諸国の移民大量受入れの推進をした者たちの論拠は、次のようなものでした。移民受入れは経済成長にプラスである、少子高齢化では受け入れるしかない、社会の多様性が増すのでよい、グローバル化が進むので仕方がない、止められない。著者は、これらの論拠について一つひとつ証拠を挙げながら反駁し、どれも説得力がないものだと示しています。 そして…… 〇山本委員長 吉田 委員、質疑をどうぞ。 〇[6]吉田 委員 質疑、やりますよ。 説明をはしょりますけれども――この施教授の指摘、四つの指摘というのは、次のようなものです。 学者やマスコミは、政治的な正しさ、ポリティカルコレクトネスに過敏になり、移民受入れに肯定的な見解や調査結果は積極的に報じる一方、否定的なものは報じない。そして、移民の受入れは財政的に大きなマイナスだなどという研究結果は報道されない。そして、移民の犯罪についても、人種差別だというレッテル貼りを恐れて、警察もマスコミもはっきりと犯人の社会的属性や事件の背景などを発表しなくなる。そして、移民受入れを懸念する動きが一般国民に広がると、ことごとく極右排外主義、人種差別など攻撃する。問題そのものではなく、問題が引き起こす症状のほうを攻撃するようになる。こうしたことが続く結果、エリートと一般国民の間の意識のずれがますます大きくなり、国民の分断が生じるというわけであります。 そして、この施教授の指摘は、現実に日本にも懸念がされるんですけれども、日本が学ぶべき事件を二つ確認したいと思います。 英国のロザラム児童性的搾取事件とドイツのケルン大みそか集団性暴行事件です。この二つの事件を中野区が把握、理解しているか、伺います。 〇杉本企画課長 委員が指摘する二つの事件は、児童や女性に対する人権侵害が行われた事件であるというふうに認識をしております。 〇吉田 委員 大変短い把握ですけれども、このロザラム児童性的搾取事件というのは、1997年から2013年という16年にわたって――16年間ですよ――イギリスのサウスヨークシャー州ロザラム及び近郊都市において広範に組織化された児童性的虐待事件です。主にイギリスに住むパキスタン系住民の男性たちの集団により、少なくとも1,400名の児童が性的虐待を受け続けていたと推定されている事件です。報告された虐待には、児童に対する強姦、集団強姦、誘拐、拉致、拷問、人身売買が含まれていました。この事件は、白人の少女への虐待が問題となりましたけれども、アジア系の少女たちに行った性的暴行はほとんど表沙汰にならず、泣き寝入りし、問題はより大きいと見られています。 そして問題なのは、この問題を人種差別だと批判されることを恐れた地元の警察当局や、問題を把握しながら、長年問題を放置し続けてきた同州の政府の怠慢があり、さらに同州の議会議長を含むパキスタン系地方議員らが、人種差別や反移民などの分断を招くとして、問題の解決を妨げてきたと指摘されていることです。 そして、ケルン大みそか集団暴行事件というのは、2015年の大みそか、ドイツのハンブルグ、ケルンその他において、アラブ人、北アフリカ人を主体とした1,000名による、女性に対する強姦を含む集団性的暴行、強盗、そして被害者のほとんどが10代から20代前半の女性であったという事件であります。この事件についても問題なのは、事件があった翌日の1月1日元旦、ケルン警察は、おおむね平安であったと発表し、そして翌週になるまで事件についてメディアに公表をしなかった。そして、ドイツ当局は、4日間にわたり事件を隠蔽しようとした。そして、ドイツ公共放送、第2ドイツテレビは、事件から5日たってやっと取り上げた。そして、数百人が抗議を行っているにもかかわらず、事件について速やかに報じなかったことを後に謝罪しました。 […]

1公共用地取得の原則について 2治水対策について 3国旗及び国旗に準ずる旗の取扱いについて 4中野区新北口エリア再整備について 5桃園第二小学校、昭和区民活動センター建替及び文園児童館について 6その他

2019/11/27

一般質問 1 公共用地取得の原則について 2 治水対策について 3 国旗及び国旗に準ずる旗の取扱いについて 4 中野駅新北口駅前エリア再整備について 5 桃園第二小学校、昭和区民活動センター建替え及び文園児童館について 6 その他 ○議長(高橋かずちか) 次に、吉田 康一郎議員。 〔吉田 康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田 康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会の吉田 康一郎です。若干、他の方の質疑とかぶる面が出ましたけれども、論旨の都合上、通告どおり質問させていただきます。 まず、公共用地取得の原則について伺います。 先日、しらさぎ親子農園用地と白鷺たんぽぽ広場用地の返還についての報告がありました。数十年にわたり、区に用地を無償貸与してくれた地権者に改めて感謝を申し上げます。 この親子農園と広場の間の道路は幅4メートル未満の部分があります。多くの区民が利用してきたこの道路は、長期間そのままの状態が続いていたことになります。私も折に触れ通るこの道路は、今も区民にとって重要な路線だと考えます。地先の地権者が区に協力的な、このような4メートル未満の狭隘な道路において、数十年間放置することなく、建築計画がない場合でも道路を拡幅するための用地を取得していく方策はないのか伺います。 次に、都市計画道路や防災まちづくりといった大きな計画がなくとも、狭隘な道路を改善するために可能な用地を区が先行取得しておくことで、街区の整形化や道路の直線化など、道路計画の自由度は高まり、まちの質と価値が向上すると考えます。例えば、私道の寄附にはいろいろと条件があるようですが、土地所有者が土地を寄附する場合に、測量や分筆等の費用を区が負担することで道路整備はより進むと考えますが、見解を伺います。 次に、治水対策について伺います。 先般の台風19号は各地に大きな被害を出しました。被害者に改めてお見舞いを申し上げ、犠牲者に心よりお悔やみを申し上げます。 中野区内を流れる川の流域の降雨量は比較的少なく、平成17年の豪雨を契機とした激特事業の効果もあり、区内で溢水や氾濫はありませんでしたが、降雨量が多かった地域では、1日の総降雨量が900ミリを超え、1時間に70ミリ以上の豪雨があった地域もあり、甚大な被害が生じました。同規模の豪雨があった場合、神田川や妙正寺川などに溢水や氾濫の危険性はあるのかないのか伺います。 そして、このような豪雨が我が流域で発生する可能性も十分に考えられ、そして今後、気候変動でさらなる豪雨のおそれもあります。今後の治水対策について区の見解を伺います。 次に、国旗に準ずる旗である旭日旗の取扱いについて伺います。 我が国の伝統的意匠として古来親しまれてきた旭日の意匠は、祭り、祝事、祈願、応援等、さまざまな場面で愛用されてきました。スポーツの応援で使用されることも多く、ことしはラグビーワールドカップが日本で開催され、赤と白のジャージに身を包んだ日本代表選手の活躍とともに、各国の応援団が旭日旗で日本チームをも応援してくれたことが印象深い大会でした。中野区内でも、初戦の日本対ロシア戦のパブリックビューイングが開催され、中野体育館では多くの区民が盛り上がったと伺っています。 来年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。中野区でも平和の森公園内に整備される新総合体育館が卓球競技の公式練習会場となりますが、これまで以上に区内の施設やさまざまな場所で、区民のみならず、さまざまな人々がさまざまな競技を観戦し、声援を送ることになると思います。 そこで、オリンピックやラグビーワールドカップの競技会場への旭日旗の持ち込みについて、政府、そして東京オリンピック・パラリンピック組織委員会、ラグビーワールドカップ2019組織委員会の見解を伺います。 そして、次いで国等の見解を踏まえ、区内の施設等に旭日旗を持ち込むことについての区の見解を伺います。 次に、中野駅新北口駅前エリア再整備について伺います。 現在の計画では、市街地再開発事業における転出補償により新区役所整備の財源を確保することとしています。豊島区役所跡地や板橋駅前の再開発では、土地を売らず、70年間の定期借地権を設定し、前払い地代を得て事業を行っています。一度売れば、次は売れないからです。我が区では、定借を活用した事業の試算はしているのか、検討しているのであれば示していただきたい。 次に、民間参画事業者の公募のプロポーザルに当たり、転出補償のみならず、定期借地を活用した提案をしてもらい、比較すべきだと考えます。そのような公募は可能なのか、あるいはそれにかわる比較検討の手段を確保していただきたいですが、見解を伺います。 最後に、桃園第二小学校、昭和区民活動センター建替え及び文園児童館について伺います。 桃園第二小学校の建て替えについて、中野区立小中学校施設整備計画では、建て替え期間中は上高田小学校を仮校舎として使用する案が示されましたが、踏切を越えることなど、上高田小学校まで通学することへの安全上の不安などから、桃園第二小学校の保護者や地域から計画の見直しが強く望まれてきました。これを受け、教育委員会は桃園第二小学校の敷地に仮設校舎を設置し、現地に通学しつつ建て替えを行う案も示しましたが、この案は工期が6年かかり、長期間、校庭や体育館などが使えないこともあり、こちらも地域の支持が得られていません。 地域では、急遽アンケート調査が行われ、また5町会長・PTA会長・同窓会長連名で区長に対話集会を求め、去る23日、区長に同集会を催していただき、感謝をしているところであります。同集会では、区長より、今後は地域とよく相談しつつ、他の所管も連携して新たな視点を持ちながら検討を進めていく旨の方針を示していただきました。 そこで、現在、地域では昭和区民活動センターの建て替えも計画されています。区民活動センターは桃園第二小学校と隣接しており、小学校の建て替えと連携させることで、双方のより効果的・効率的な整備は可能となると考えます。現在の区民活動センターの建て替えに向けた作業を一旦とめて、学校改築とあわせて計画を検討すべきと考えます。見解を伺います。 次に、桃園第二小学校と区民活動センターのすぐ近くに文園児童館があります。児童館は今、再編が検討されていますけれども、文園児童館の今後の取り扱いについて、桃園第二小学校の建て替えとの関係の中でどう考えていくのか伺います。また、改築後の桃園第二小学校内に学童クラブを併設するキッズ・プラザを設置する計画と理解していますが、新校舎の建て替え計画にどのように配慮していただけるのか、伺います。 最後に、上高田小を仮校舎とする計画ありきではなく、区民活動センターや文園児童館なども含めた形で、桃園第二小学校の改築の進め方について改めて検討していただきたいと考えますが、見解を伺い、質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 吉田 議員の御質問で、2番、治水対策について私からお答えいたします。 河川の溢水や氾濫の危険性についてでございますけれども、想定雨量を超える雨量があった場合、当然溢水の危険性はあると認識しております。これまで時間雨量75ミリの降雨により生じる浸水被害に対して、安全を確保するために、危険性の高い地域を中心に東京都が護岸整備を進めているところでございます。東京都では浸水被害の早期解消を目指し、計画的に護岸整備に取り組んでいると聞いております。 今後の治水対策についてでございます。中野区では流域対策として、神田川流域関係各市等の協議会で平成30年3月に改定された神田川流域豪雨対策計画で、令和19年度における整備目標としている時間雨量75ミリ対策を達成するために、平成30年7月に中野区豪雨対策実施計画を策定し、道路工事にあわせ、道路の地下に雨水貯留・浸透施設の設置を実施しております。また、300平方メートル以上の敷地での建設工事を行う場合、雨水流出抑制施設の設置を指導しております。東京都では内水氾濫等の防止を目的として、第二桃園川幹線整備事業に着手しております。また、河川の溢水を防止するため、環状7号線の地下に設置している神田川・環状7号線地下調節池を延伸し、白子川地下調節池と連携させる工事に着手しております。このほか、神田川や妙正寺川での護岸改修工事を引き続き進めていく予定であると聞いております。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、桃園第二小学校改築の進め方の検討についてお答えいたします。 桃園第二小学校の改築手法について、昭和区民活動センターの土地を含めた仮設校舎の設置や、区民活動センターとの一体的な改築も含め、引き続き児童の保護者や地域から十分に意見を聞きながら検討を進めてまいります。 〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕 ○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、公共用地取得の原則の御質問についてお答えいたします。 まず、建築を伴わない道路拡幅についての御質問でございます。御質問にございましたしらさぎ親子農園事業用地と白鷺たんぽぽ広場用地の間の区有通路は、建築基準法の道路ではないため、狭隘道路拡幅整備事業の対象外となりますが、一般的には建築基準法42条2項道路に接する敷地については、建築行為が伴わない場合におきましても、地権者等の、権利者の同意があれば、任意のセットバック工事により道路拡幅を行うことは可能でございます。 次に、土地を道路として寄附する際の費用についての御質問でございます。都市計画道路や地区計画における避難道路等の公益上必要な道路用地につきましては、測量費用の負担を含め、必要な補償を行っているところでございます。それ以外の宅地等の一部を道路として寄附していただく際には、道路部分を分筆するため、土地の境界確定が必要となってまいります。個人等が所有する財産の境界を確定するために、区が測量費等の費用を負担することは適切ではないと考えてございます。 〔健康福祉部長朝井めぐみ登壇〕 ○健康福祉部長(朝井めぐみ) […]

1育児支援政策について 2公園政策について 3道路政策について 4監査のあり方について 5生活保護政策について 6その他

2019/09/12

一般質問 1 育児支援政策について 2 公園政策について 3 道路政策について 4 監査のあり方について 5 生活保護政策について 6 その他 ○副議長(平山英明) 最初に、吉田 康一郎議員。 〔吉田 康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田 康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会の吉田 康一郎です。 まず初めに、育児支援政策について伺います。 6月の第2回定例会において、私より、政府が現在の少子化の状況について危機的状況にあるとの認識のもと、フランスやスウェーデンが長期にわたる少子化対策により、一旦は低下した出生率が2.0程度までの回復に成功したことを踏まえて、2025年に出生率1.8の実現を目指すとの目標を掲げて政府が取り組んでいることについて、子育て先進区を目指す区の施策について伺ったところ、区より、子育て先進区の実現に向けた検討の中で、子育てに関する指標や目標値などについても明らかにしていきたいなど、種々御答弁をいただきました。 子育て先進区の実現に取り組むに当たり、まず先進性をはかるための客観的な物差しとなる指標や数値目標を持つ必要があると考えます。今後、子育て先進区の実現に向けた戦略を明らかにするとのことでありますが、その中において具体的な指標や目標についても示す必要があると考えますが、区の見解を伺います。 次に、国は本年10月1日より幼児教育無償化を実施する予定です。私としても、長年主張し待ち望んできた施策でありますが、しかしその対象は保育園や幼稚園に通う子どもたちに限られます。一方、中野区では、5割弱の家庭では、在宅での育児がなされており、今回実施される施策の恩恵を受けることができません。在宅で育児をしておられる家庭に対しても、保育園や幼稚園に通う子どもと同じく支援策が講じられるべきものと考えますが、区の考え、取り組みについて伺います。 次に、公園行政について伺います。 第2回定例会において、都市に不可欠なインフラであるにもかかわらず劣悪の一言しかない中野区の公園の整備状況について、中野区が都内の自治体の中で唯一都立公園等の都立の緑地が存在しないことを指摘しつつ伺ったところ、区長より、区民1人当たりの公園面積は23区中22位、23区平均の3分の1にも及ばない状況について、可能な限り改善していかなければならない、大規模公園等の整備については、今後も適地等の条件が整えばさらなる整備を進めていきたい、東京都との連携等や整備手法について研究していく旨の答弁をいただきました。 公園の整備を検討する際、最重要であるのは、防災機能を担った公園の整備という観点であり、中野区の現状を考えれば、この推進は最優先の課題であろうと認識しています。特に、川沿いに防災公園を整備すれば、洪水時や増水時の遊水地となるほか、延焼遮断帯の形成、避難場所の確保等、さまざまな複合的な効果を生み出すことが可能です。 本年1月に区が策定したみどりの基本計画において、みどりのまちづくりを実現する施策としてみどりのネットワークの構築が掲げられています。その具体化として、河川沿いの緑化の推進や西武新宿線連続立体交差の進展を踏まえた新たなみどり軸の構築などが掲げられています。これらの施策を空文化せずに強力に進め、区内の公園面積及び緑地面積を拡大していくためにも、思い切った施策の転換が必要だと考えます。例えば、都と連携して財政負担の軽減策を図った上で、神田川や妙正寺川の川沿いの用地を先行取得し、みどりのネットワークの構築に向けた動きを加速させるべきではないかと考えます。都と連携した公園整備用地の取得について、区の見解を伺います。 次に、道路行政について伺います。 第2回定例会において、中野区は道路が狭く、幅員4メートル以上の道路に接していない住居が約43.3%をも占め、全国最下位の水準であること、道路率も全国最低水準であることなど、道路の整備が今なお重要な課題であることを指摘いたしました。 狭隘道路の整備について、第2回定例会でセットバックの部分の買い取りについて質問いたしましたが、区として狭隘道路の整備をさらに進めるための方策について伺います。 次に、区では商店街に対して補助金を交付する制度がありますが、商店街の力で道路などのインフラを維持していくには限界があります。地域の重要な機能として、商店街のにぎわい、温かみを創出するような、また高齢者、子ども、障害者など全ての人に優しい道路の整備など、道路が持っている機能を多面的に発揮するよう、中野区の現状に鑑み、もっと道路に投資すべきだと考えますが、区の見解を伺います。 そして、懸念されている中野区の防災性向上を考えたときに、まちの動線を考えた骨格となるような大胆な道路網が必要だと思いますが、区はこのような道路整備プランはあるのでしょうか。また、防災まちづくりで整備を行っている避難道路など、道路整備に向けた用地の先行取得は早期の完成に向けて有効だと考えますが、区の見解を伺います。 次に、会計監査について伺います。 地方自治体の自主性、自立性が拡大している中、自治体行政の活動が法令などにのっとって適正に、より効率的、効果的に行われるよう自治体みずからが検証することの必要性は一層高まっており、監査の果たす役割は一層増しています。また、区民に対し説明責任を果たすことにおいての区民の要請も一層強まっており、区長から独立した機関である区の監査委員が行った監査の結果をわかりやすく公表していくこともまた不可欠かつ重要性が高まっています。 ここでまず、国の会計検査院について見てみます。会計検査院が公表した平成29年度決算検査報告書では、無駄遣いや不正経理など不適切な経理処理の指摘は374件、計約1,156億円でありました。これに対し、会計検査院の予算額は平成30年度で約174億円。したがって、会計検査院の指摘金額は予算額の約6.6倍となります。 次に、東京都を見てみます。都が公表している平成30年度定例監査報告書を見ると、是正・改善すべき事項111件、意見・要望4件の計115件の指摘等を行い、指摘金額は6,001億余円でありました。これに対し、局の平成30年度の予算額は約10億円です。したがって、東京都監査事務局の指摘金額は局の予算額の約600倍にも上ります。 そこで、中野区の会計監査について調べたところ、監査委員費の予算額は8,673万円とわかりましたが、区の平成30年度定期財務監査結果報告書を見ると、個別の指摘事項は記載がされていますが、年間の指摘件数、そして指摘全額の総額等についての記載がなく、監査結果の全体像がわかりやすく公表されていないようであります。 監査の有効性は指摘金額の大きさのみではかれるものではないことはわかりますし、国や都とは規模も内容も異なることもわかりますが、1年間の監査の効果を全体的な金額で表示すること等にもう少し積極的に踏み込んで、明快さ、区民にとってのわかりやすさ、説明責任を果たすという観点から、またより積極的な監査の契機となる期待も含めて、指摘金額の算出とその公表のあり方について検討していただきたいと考えますが、監査委員の御見解を伺います。 生活保護政策について伺います。 昭和29年5月8日厚生省社会局長通知、平成24年7月4日一部改正、生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置についてには、生活保護法第1条により、外国人は法の適用対象とならないのであるが、当面の間、生活に困窮する外国人に対しては一般国民に対する生活保護の決定実施の取り扱いに準じて左の手続により必要と認める保護を行うこととした上で、保護の実施機関は、生活に困窮する外国人で保護を受けようとするものに対し、(中略)当該外国人が要保護状態にあると認めた場合には、(中略)都道府県知事に報告すること、保護の実施機関より報告を受けた都道府県知事は当該要保護者が、その属する国の代表部もしくは領事館等から必要な保護または援護を受けることができないことを確認し、その結果を保護の実施機関に通知することとしています。 同通知で、都道府県知事がこの確認をすることを求めていることから、法は、外国人の保護または援護は本来その属する国にその責務があることを前提としていると考えますが、区の認識を伺います。あわせて、これまでに区がこの報告を行った実績と、区の報告に対する都からの通知の実績を伺います。 同通知は、また、生活に困窮する外国人が朝鮮人及び台湾人である場合には、保護実施機関からの都道府県知事への報告や都道府県知事の確認等の手続は、当分の間これを必要としないと定めています。 そこで、これまで区において、生活に困窮する外国人が朝鮮人及び台湾人であり、上述の手続を経ずに保護または援護した実績を伺います。 次に、同通知は運用指針を以下のように定めています。 外国人については一般国民の場合と異なり、その生活実態、家族構成、稼働状況、収入状況等についての適確な把握が困難であるので申請者もしくは保護を必要とする者の協力を特に必要とする。したがって、申請に基づく種々の調査の際申請者もしくは保護を必要とする者が実施機関の必要とする協力を行わないため、(中略)実施機関が当該外国人についての生活実態の客観的事実が把握できないような場合には、実施機関としては、適正な保護事務の執行ができないので、申請者もしくは保護を必要とする者が急迫な状況にあって放置することができない場合でない限り、申請却下の措置をとるべきである。 そこで、国民と比べて、外国人の場合、生活実態、家族構成、稼働状況、収入状況等についての適確な把握が困難である具体例を伺います。あわせて、申請を却下した実績を伺います。 本日の質問に先立ち、区の生活保護行政に関し、外国人に係る保護世帯、保護人員数、生活保護費支給額その他の実績を伺ったところ、生活保護費支給額のみ、有効桁数上2桁の概数で示されました。この理由について区は、外国人の生活保護費データを集計するには、データを抽出し、1件ごとの確認が必要であるからとの御説明でありました。しかし、法的な位置付けの異なる日本国民と外国人の生活保護費支給額について、行政が膨大な手作業を経ず正確に把握できない現状は問題です。 保護の実施機関である区として、外国人の生活保護費支給額等について国や都に届け出を行うなどの仕組みを国に要望するなどして、外国人の生活保護の実態、外国人に対する生活保護支給規模を容易に把握し、区の政策判断に反映させていくべきと考えますが、区の見解を伺います。 以上で質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 吉田 議員の御質問にお答えいたします。 最初に、育児支援政策について、子育て先進区をはかる物差しについての区の見解を伺う御質問です。 区が目指す子育て先進区とは、子育てをする上で必要な環境が整っており、子育て家庭の満足度の高いまちであるとともに、区の子育て環境が区内外に認知されており、多くの子育て家庭から選ばれるまちであると考えております。子育て先進区の達成状況等をはかる指標については、どのようなものが適切であるか、子育て先進区の戦略を検討する中で研究してまいりたいと考えております。 次に、在宅育児への支援についての御質問です。 在宅育児を行う保護者の孤立化や精神的、経済的な負担感が生じているという声があることは認識しているところでございます。在宅育児への支援の拡充については、今後の先進区としての取り組みを検討する中で、在宅で育児をしている家庭の実態等も勘案しながら検討してまいります。 次に、公園政策について、公園整備用地の取得についての御質問です。 […]

1中野区の出生率と育児支援政策について 2公園政策について 3道路行政について 4その他

2019/06/27

一般質問 1 中野区の出生率と育児支援政策について 2 公園行政について 3 道路行政について 4 その他 ○議長(高橋かずちか) 次に、吉田 康一郎議員。 〔吉田 康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田 康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会の吉田 康一郎です。新人議員2名で新たに結成しました会派でありまして、この会派の名前になっております三つの課題に取り組むとともに、中野区民が安全・安心で、そして将来に期待と活力と誇りを持って暮らせる、そのような区になるよう、精力的に、誠実に取り組んでまいる所存でございます。 まず初めに、中野区の出生率と育児支援政策について、主に財政的な側面から伺います。 我が国は、2008年の1億2,808万人をピークに人口減少が始まっています。この状況に対し政府は、「現在の少子化の状況は、個人・地域・企業・国家に至るまで多大な影響を及ぼし、社会経済の根幹を揺るがす危機的状況にある」とした上で、「スウェーデンやフランスでは、子育て支援の充実や仕事との両立支援策など、長期にわたる少子化対策により、一旦は低下した出生率が2.0程度までの回復に成功した。少子化危機は、決して解決不可能な課題ではなく、克服できる課題である」との認識のもと、「少子化社会対策基本法」と同法に基づく、「少子化社会対策大綱」を定め、施策に取り組んでいます。 さらに、2016年、政府は「ニッポン一億総活躍プラン」を閣議決定し、その中で、人口1億人を維持するため、2025年に出生率1.8の実現を目指すとの目標を掲げ、本年10月1日からの幼児教育・保育の無償化も打ち出しました。基本的にこれを歓迎するものであります。 この「少子化社会対策基本法」では、第4条で、「地方公共団体の責務」として、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、少子化に対処するための施策に関し、国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」と定めています。そこで、中野区の少子化対策・子育て支援政策についての認識と姿勢を伺います。 まず、中野区の合計特殊出生率の現状と推移について、国や東京都との比較、またフランス、イギリス、スウェーデンといった先進諸国との比較においてどのような状況にあるのか、また傾向が見られるのか、区の認識を伺います。 ここで、この今挙げた三つの国々では、OECDの統計などによれば、子ども家庭分野について、対GDP比において3%から4%の予算を支出している。これに対し、日本は1.3から1.4%と、3分の1から4分の1しか予算を計上していないということを付言して伺います。 次に、区長は、区政運営の柱として「中野区を子育て先進区へ」と、こういう目標を掲げておられます。子育て先進区の実現に取り組むとおっしゃるのであれば、「先進区」ということが実現をした姿というのは、出生率において、当然国の目標である1.8を超えて、人口置換水準である2.07が実現した姿なのだろうと私は考えますが、見解を伺います。 次に、子どものためにかける財政の規模も大変重要な指標となります。子ども1人当たりの予算、経費は、我が中野区は23区の中でどのくらいに位置しているのか。子育て先進区の実現に取り組むのであれば、予算措置についても、少なくとも23区の中でトップレベルでなければ成し遂げることはできないと考えますが、見解を伺います。 そしてこの項の最後に、一部の対象ではなく、全ての子どもを対象として、中野区の育児環境全体の底上げを図るため、フランス、イギリス、スウェーデンなどが手厚く行い、他の区市町村でもさまざまな事例のある区独自の子ども手当の支給は意義がある政策だと考えますが、御見解を伺います。 次に、中野区の公園行政について伺います。 都市環境を健康で良好なものとし、災害に対する安全性を向上させ、住民の活躍の場、憩いの場を形成し、豊かな地域づくり、地域の活性化の拠点として不可欠である公園の意義については、改めて論じる必要はないと思います。 しかし、この都市の機能に不可欠なインフラである公園の整備状況に関して、中野区の状況は、長年にわたり劣悪の一言しかないと言わざるを得ません。区からいただいた資料ですけれども、人口1人当たりの公園面積は、中野区については1.38平米、1人当たりです。23区中22位。そして23区の平均は4.27平米で、中野の3.09倍、東京都全体の平均は7.4平米で、中野の5.36倍。諸外国を見ると、アメリカニューヨークは18.6平米で、中野の13.48倍、ロンドンは26.9平米で19.49倍、ベルリンは27.9平米で20.22倍、ワシントンDCは52.3平米で37.9倍、ストックホルム(スウェーデン)80平米で、中野の57.97倍の面積が1人当たりあります。中野区民が支払っている税金は、今挙げた他の先進国と比べても、都内の他の市区町村と比べても同等と見なせると考えますが、公園行政に関しては、負担に見合う行政サービスを提供しているとは到底考えられないと言わざるを得ません。 そして次に、区内172カ所の公園の規模別、面積別の分布を見ると、500平米未満の公園が61カ所で、36.9%、このうち、さらにその半分、250平米に満たない小規模な公園が17カ所、500から1,000平米は47カ所で28.5%、つまり、1,000平米以下の公園は108カ所で、65.4%を占めます。ここで、国が定める最少の単位である街区公園の標準面積は0.25ヘクタール、2,500平米であります。これを満たす中野区の公園は30しかありません。 震災等により大規模火災が発生した場合、輻射熱の影響は100メートルを見るので、小規模の公園は有効避難面積を確保することができません。したがって、同じ面積であるならば、小さな公園が数多くあるよりも、数は減っても、ある程度の広さの公園であることが災害時に機能する、こういうことも踏まえる必要がございます。そこで、現状の中野区の公園の整備状況、そして課題についてどのように認識をしているか、見解を伺います。 次に、公園は区民の生活環境を支える都市インフラとして重要であることから、最低限、23区平均のレベルまで、そして先進諸外国の実情を踏まえれば、それ以上に整備を進めるべきと考えますが、今後の公園整備に関する区の見解を伺います。 そして、これまで申し述べたとおり、中野区の公園は、他の先進国はもとより、都内の他の自治体と比較しても少ない上に小規模であります。しかし、区の限られた財源の中では、区単独で整備していくことには大変限界があります。ここで私が指摘したいのは、中野区は、東京都内の自治体の中で唯一、都立公園などの都立の緑地が設置されていないという事実であります。東京都の潤沢な公園予算が、中野区にだけ使われていないということであります。今後、都と一層連携した用地の取得、都有地の利活用のみならず、さらに、新たな都市計画公園の立案と整備等も検討していくべきと考えますが、区の見解を伺います。 次に、中野区の道路行政について伺います。 道路もまた都市の根幹的なインフラであり、その整備状況が、その都市の機能と価値を形づくるといっても過言ではありません。しかし、中野区は道路が狭く、幅員4メートル以上の道路に接していないという住居が約43.3%をも占めており、全国最下位の水準であります。23区の平均が28%であることを考えても、中野区の状況は深刻であります。この状況を区はどのように認識し、また改善をしていくのか伺ってまいりたいと思います。 まず、区民の意見や要望をお聞きしていますと、狭隘道路の拡幅整備部分、あるいはセットバック部分を区が買い取ることが、狭隘道路解消の促進に有効であるとよく感じます。この点について区の見解を伺います。 次に、道路率で見ても、23区平均の16.5%に対し、中野区は13.8%であり、これもまた全国最低の水準であります。この全国最低の道路率の状況について、区はどのように認識しているのか伺います。そして、狭隘道路の整備について、積極的に道路幅を広げる努力をしているのか伺います。 そして次に、我が国の高齢化に伴い、高齢者や障害者等を含めた誰もが安全・安心、快適に利用できる道路を整備していくことは、国全体の課題となっています。そこで、道路のバリアフリー化、歩道の段差解消について、現状をどのように認識しているのか、また、今後どのように進めていくのか伺います。 そして最後に、私は、私の地元の商店会長も務めていることから、切実な要望として区にお願いをしてまいったんですけれども、一昨年来、私がおります新井薬師柳通り、ここの早稲田通りとの交差点に中野五丁目停留所というバス停がございます。ここには何も停留所にベンチなどがないものですから、ここでバス待ちをする高齢者の方々は、ずっと吹きさらしの中で立ってお待ちになっています。しかし、このすぐ近くの早稲田通り、ここには各町会などが設置をしたベンチがある。この状況を調べますと、早稲田通りは都道でありますので、東京都は、例えば商店街、あるいは町会がベンチを停留所に設置した場合には、これを私的占有、しかし使用料を免除するということを都はやっております。しかし中野区は、月6,000円の使用料を取る。私も商店街の一員として、商店街の会計をよくわかっておりますので、毎月6,000円、年間で7万2,000円になりますが、これを恒常的に支出していくのは大変難しいというか、ほぼ不可能でありますので、高齢者の方の役に立ちたいと思いつつも、ベンチの設置を躊躇しております。こういう状況にありましたことから、区にお願いをしてまいりました。東京都は免除していますよと。前の田中区長のときに、当局、現局のほうはですね、これは都に倣って頑張っていきたいとおっしゃっていたのですけれども、区長選の後、動きがとまっております。ぜひ新区長におかれても、この区道の歩道上にあるバス停、ここにベンチを設置したいと、このような地域の要望がある場合に、都に倣ってこの使用料を免除することをぜひ検討していただきたい、このようにお願いを申し上げます。これは区商連からの要望をさせていただきました。 以上で質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 私からは、吉田 議員の質問のうち、公園行政についてお答えをいたします。 まず最初に、現状と今後の公園整備についてでございます。区内に167の公園が現在ございますが、小規模な公園が多数を占めているというのが現状です。公園条例では、1人当たりの標準公園面積を5平方メートルとしておりますが、現時点では児童遊園も含めた1人当たりの公園面積は1.38平方メートルでございます。区民1人当たりの公園面積は23区中22位でございまして、23区の平均4.27平方メートルにも遠く及ばない状況については、可能な限り改善していかなければならないと認識しております。 大規模公園等の整備については、全区的な配置や地域特性に応じて適正な配置に努めてきたところでございまして、今度も適地等の条件が整えば、さらなる整備を進めてまいりたいと考えております。 次に、東京都と連携した整備等についてでございます。区の財政負担の軽減を目指していきたいところでございますので、都との連携等や整備手法について研究してまいります。 〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕 ○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、中野区の出生率と育児支援政策についての御質問にお答えさせていただきます。 まず、合計特殊出生率の推移でございます。我が国の合計特殊出生率は、2005年に過去最低の1.26まで落ち込んだ後、微増傾向でございまして、2017年は1.43でした。東京都でもほぼ同様の傾向でございまして、2001年に過去最低の1.00となった後、2017年には1.21となっております。中野区は東京都と同様の傾向を示しておりまして、2004年に過去最低の0.75となった後、近年は微増傾向が続いておりますが、依然として都内では最低の水準でございまして、2017年は1.04でございます。また、フランス、イギリス、スウェーデンの3カ国は、1980年代に1.5から1.6の台まで低下した後、2000年ごろから回復傾向となり、2017年は、いずれの国も1.7を超えている状況でございます。区としては、以上のような傾向が見られるというふうに認識しております。 次に、合計特殊出生率の目標についての御質問でございます。子育て先進区を実現し、出生率の向上や子育て家庭の転入・定着による年少人口の増加、将来の人口減少の緩和など、まちの活力の維持・向上を図ることは、区の将来にとりまして非常に重要な課題であるというふうに認識してございます。基本構想・基本計画についての検討や子育て先進区の実現に向けた検討の中で、子育てに関する指標や目標値などについても明らかにしていきたいと考えております。 次に、23区におけます子ども関連の予算額でございます。子ども1人当たりの経費につきましては、東京都が作成しました平成29年度特別区決算状況に基づきますと、中野区は23区中14位となっておりますが、今年度予算につきましては、校割予算の増額など子ども関連予算の充実を図ったところでございます。子どもにかかわる予算につきましては、中野区の未来を担う人づくりの重要性を踏まえつつ、持続可能で効果的な財政支出になるよう十分考慮していきたいと考えております。 最後に、区独自の子ども手当についてのお尋ねでございます。区独自の子ども手当につきましては、子育て家庭の経済的負担の軽減を図るものではございますが、一方、区の財政負担が大きな課題となるため、費用対効果などを慎重に検討する必要があると考えております。他の自治体におけます事例など、政策効果のあるものにつきまして今後研究してまいります。 〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕 ○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、中野区の道路行政についてお答えをいたします。 まず、中野区の狭隘道路のセットバック事業についてでございます。中野区内の道路の幅員が狭いということは、これは区でも以前から課題としているところでございまして、昭和59年より、狭隘道路拡幅整備事業を開始いたしまして、東京都の中でも先行的に取り組んでまいったところでございます。拡幅整備につきましては、主に建物建てかえにあわせて行っておりまして、今後も確実に拡幅整備を行っていきたいと考えております。 […]