カテゴリ:区議会での質疑
1中野区基本計画について 2武漢ウイルス対策 3在留・在外外国人施策について 4商業振興対策について 5その他
一般質問 1 中野区基本計画について (1)育児分野について (2)都市基盤分野について (3)その他 2 武漢ウイルス対策について 3 在留・在住外国人施策について 4 商業振興対策について 5 その他 ○議長(内川和久) 次に、吉田 康一郎議員。 〔吉田 康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田 康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田 康一郎です。よろしくお願いいたします。 まず、基本計画における子育て先進区の客観的指標について伺います。 私は、子育て環境が先進的であるかを示す指標として合計特殊出生率など客観的な指標と目標値を設定すべきだと訴えてまいりました。我が区では、現行の10か年計画やまち・ひと・しごと創生総合戦略の中で、「区がめざす将来推計」として、合計特殊出生率の目標を掲げてきましたが、2月に示された基本計画(素案たたき台)では合計特殊出生率の指標はなく、将来人口推計の項目に、子ども女性比の増加と維持が必要であると記載されているのみでした。 そこで私は、新しい基本計画にも現在と同じく合計特殊出生率の目標を提示すべきであるし、あるいは、国立社会保障人口問題研究所が示している理想子ども数や今回の基本計画で用いた子ども女性比について目標値を設定すべきであると訴えてきました。 5月に示された改定素案では、「子ども女性比の一定の維持や出生数・合計特殊出生率の増加が必要です。妊娠・出産、子育て期にあたる20・30歳代が生まれた1980年~1990年代の子ども女性比は、現状値0.135よりも高い水準でした(平均値0.147)。この水準を目指し、さらなる子ども女性比の増加を図る」との記述が入りました。この出生数、合計特殊出生率の増加が必要ですとしたこと、そして子ども女性比について具体的な数値を示したこと、それを目指すとしたことは高く評価します。ようやく数字に基づく議論と検討が行えるところまでまいりました。 しかし、この数値自体は理解しがたいものであります。なぜ今、妊娠・出産、子育て期に当たる20代、30代が生まれた時代の数値を目標にするのか分かりません。今より高かったからというならば、もっと高い時代があったのではないでしょうか。なぜ、一番高い時代の数値を目標としないのか。そして、何より1980年代から1990年代とは、合計特殊出生率が昭和56年で1.17、昭和58年1.22、昭和60年1.18、昭和62年1.12、平成元年1.01、平成3年0.92と年々、今の数値よりも低い水準まで下がり続けた時代であります。 人口置換水準2.07なければ人口は維持ができないところ、1.2から0.9まで下がり続けていった時代の指標を目標として掲げるのはいかがなものでしょうか。その時代の中野区が子育て先進区だったのか、他の自治体より出生率が高かったのかといえば、その時代も全国最低水準でありました。 改定素案には、「この水準を目指し、さらなる子ども女性比の増加を図る」とあります。将来さらなる増加を図るのであれば、当面目指す水準についても先進区という目標にふさわしい水準を示すべきだと考えます。区は、本定例会において基本計画の策定に関する報告を予定しています。子ども女性比の目標値については明確に意欲的な数値の設定が必要と考えますが、区の見解を伺います。 次に、都市基盤分野について伺います。 中野区の道路が狭いという問題について、私は様々な機会に様々な指標を用いて、全国最下位の水準であることを訴えてまいりました。例えば、幅員4メートル以上の道路に接していない住居の比率は23区の平均が27.3%であるのに対し、中野区は37.3%で最下位。全国でも最下位水準です。この道幅が4メートルに満たない狭隘道路が区内の道路の約43%という高い比率を示していることもあります。道路率も23区平均が16.5%であるのに対し、中野区は13.9%であり、下から3番目です。区が様々な施策を用いて努力していることは理解しています。しかし、この中野区の道が狭いという現状の認識と様々な観点から優先して取り組むべき課題であることについて、基本計画の該当分野において明示的に記載していただきたいと思います。区の見解を伺います。 次に、武漢ウイルス対策について伺います。 自宅療養者については、様々、他の議員の議論がありましたので割愛させていただき、後遺症について伺います。 世田谷区が武漢ウイルスに感染した区民約9,000人を対象にして実施した後遺症に関するアンケートがあります。3,710人から有効回答があり、そのうち後遺症があると回答した人が1,786人、48.1%であったと報じられています。症状、年齢など、内容の詳細についてはこの場で触れませんが、数千人規模の調査は全国でも珍しく、貴重な調査結果であるとのことであります。区としてこの48.1%の方が後遺症があったと、このように回答している、これをどう受け止めているか。そして今後の対応を含めて伺います。 次に、在留・在住外国人対策について伺います。 9月3日、「中国当局が米国在住のウイグル人をハッキングしているとFBIが警告、一般にも捜査協力求める」というタイトルの報道がなされました。FBIは、中国政府関係者がトランスナショナル・リプレッション(国境を越えた抑圧)を行っていると警告しています。これは外国政府が国境を越えて物理的、デジタル的な手段で国外の居留者・居住者や亡命コミュニティのメンバーを脅したり、口止めしたりすることを示す言葉です。 FBIは、共産党独裁中国政府が直接訪問とデジタル戦略、両方の手法を使って米国在住のウイグル人、チベット人、法輪功修練者、台湾、香港の活動家など難民や反体制派の人たちを脅迫し、口を封じ、嫌がらせ行為を行い、中国政府への服従を強要しようとしていると警告しています。 従わなかった場合の脅しとしては、米国在住者の家族や友人、中国国内での拘束、中国国内の資産の差押え、継続的なデジタル及び対面での嫌がらせ、中国政府による強制送還の試み、コンピュータや携帯電話のハッキング、デジタル攻撃、オンラインID乗っ取りなどが日常的に行われているとFBIは警告しています。 そして、このような国境を越えた抑圧活動は、米国の法律や個人の権利を侵害するのですと指摘し、米国の法執行機関職員及び一般市民に対して、中国政府による嫌がらせの疑いがある事件を報告するよう求めています。 この共産党独裁中国政府による国境を越えた抑圧は、我が日本国内においても平然と行われています。例えば、昨年10月19日の西日本新聞は、「スパイ行為を要求」、「家族を人質に」、「在日ウイグル人に中国の抑圧」という記事を報じました。その中では、「中国・新疆ウイグル自治区出身で、今は日本に暮らす少数民族ウイグル族が中国当局の圧力にさらされている。当局側は故郷に残る家族を“人質”に取り、日本で反中国活動に関わるウイグル族組織の情報を流すよう『スパイ行為』を要求。自治区に住む両親が収容施設に送られ、仕送りを断たれた留学生もいる。中国の抑圧政策が在日ウイグル社会にも影を落としている」と書き起こし、具体的な事例を生々しく紹介しています。 この記事で紹介されている。ハリマト・ローズさんは、現在日本ウイグル協会の理事を務め、在日ウイグル人社会の代表として活動しています。私は2008年6月、今から13年前の日本ウイグル協会立ち上げに関わって以来、在日ウイグル人の支援に取り組んできました。現在は、ウイグルを応援する全国地方議員の会の理事長を拝命し、地方議員の有志の皆様、仲間とともに活動を続けており、中国国内、そしてまた日本においてウイグル人が置かれている状況について、直接当事者たちから聞く機会を得ています。 過去には、日本ウイグル協会の初代会長が、えたいの知れない中国人に襲われたときには、夜いきなり支援者から連絡があって、被害者である当人を私が身元引受人となって品川の高輪警察署に迎えに行ったこともあります。 ウイグル人や南モンゴル人、チベット人は我が国の入管難民法では中国籍の中国人として取り扱われていますけれども、実際には中国政府に保護されているのではなく、抑圧され、本人も親戚も命の危険にすらさらされています。 この現実に鑑み、議員の会では、在留カードの国籍・地域欄に、中国の新疆ウイグル、チベット、内モンゴルの各自治区と香港の記載を認めるよう、国に入管難民法の政令改正を求める等の活動を行っており、去る8月28日には、この感染症の状況でオンライン上ではありますけれども、上川陽子法務大臣に直接面談し、要望を行いました。また、去る6月15日には、この議場におられる同僚議員各位の御賛同により、中華人民共和国による人権侵害問題に対する調査及び抗議を求める意見書を可決していただき、中野区議会としてこの問題について明確な意思表示をしていただき、感謝にたえません。実際に住民を預かる中野区としても、人権侵害を受けている事実上の難民に対して支援する姿勢が必要だと考えます。 そこで、まず、区では難民を把握しているのか。次に、区における難民の所管はどこか。そして最後に、区長は、現在策定中の基本計画においてもSDGsの推進を掲げています。そのような立場であるならば、入管難民法に自治体の責務が明示的に定められていないとしても、経済的な利益を求めてではなく、ウイグル人などのように、政治的な理由により帰国できない区内の居住者が支援を求めてきたときに、これを支援することができる区であることが必要であると考えますが、区の見解を伺います。 最後に、生活応援事業について伺います。今月1日から30日まで、生活応援事業のキャッシュレス決済によるポイント還元事業が行われています。第2回定例会において、都の補助金事業は、キャッシュレス事業だけではなく、紙のプレミアム付商品券への補助と併用する事業も用意されていること、そして昨年我が区が実施したプレミアム付商品券事業は、区商連からも、消費者の区民の方々からも評判がよく、また実施をしてほしいとの要望も寄せられていることから、紙の商品券事業の検討をお願いいたしました。 本事業について、他区の状況を伺うと、23区中、紙の商品券事業も実施した区が17区、しなかった区は中野区を入れても6区でありました。おおむね4分の3の自治体が実施し、4分の1の自治体が実施しなかったということであります。 キャッシュレス化は、中長期的には進むものと考えますけれども、現状としてはスマホのポイント還元を使いこなせる一部の人しかプレミアム分の恩恵を受けることができないこと、また、決済システムの個人情報保護等のセキュリティにいまだ懸念が払拭できないことなど課題があります。 他方、紙の商品券事業については、費用、事務処理等の問題があることを重々理解しています。そこでこの費用の削減、業務委託の在り方など、障害となっている問題の改善・解決に向けて、区として研究・検討していただきたいと思いますけれども、見解を伺い、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 吉田 議員の御質問にお答えいたします。 初めに、中野区基本計画についてで、子ども女性比の目標値についてでございます。近年、中野区の子ども女性比は横ばいから減少の傾向にあることから、今後は増加傾向に転じていくことを目指し、基本計画(案)において目標値を設定しているところでございまして、適切な目標値だと考えております。子育て先進区の実現に向けて子育て家庭の定住を促進していくためにも、子ども女性比の増加を目指すものでございまして、そのために必要となる環境や経費等を考慮しながら着実に取り組んでいく考えでございます。 続きまして、狭隘道路が多い中野区の現状についての記載についてであります。基本計画、施策42、防災まちづくりの推進におきまして、狭隘道路が多い中野区の現状は、まちの課題の大きな要因となっております。このため、区民にその現状を知っていただくことは極めて重要であることから、中野区の管理道路の構成は4メートル未満の狭隘道路が占める割合が最も高いこと、これについて追記を検討してまいります。 次に、後遺症に対するアンケートや今後の対応についてでございます。世田谷区において、新型コロナウイルス感染症の後遺症に関するアンケートが行われ、幅広い年代において出現率が高かったことについては把握をしております。この結果につきまして、本年2月に国立国際医療研究センターから報告されたものと同様であることから、本区においても同じ状況であると認識をして相談対応を充実してまいります。後遺症の症状は個別性も高く、その治療は長期間にわたることもあるため、相談窓口を設置している都立・公社病院だけでなく、身近な医療機関においても対応ができることが望ましいと考えます。区としては、これまでの後遺症に関する知見を分かりやすくホームページに掲載するとともに、区医師会と連携して受診しやすい環境を整備してまいります。 次に、外国人難民の把握についてでございます。区では、外国人の住民登録手続を在留カードに記載されている内容に基づいて行っておりますが、この在留カードには、難民であるかどうかの記載がございません。こうしたことから、区として外国人が難民であるかどうかというのは、直接は把握はできていないところでございます。 次に、外国人難民の所管部署と区の支援についてでございます。難民については、専門に対応する部署は設置しておりません。難民を含め、区に在住する全ての外国人住民が安心して暮らすことができるよう支援をしてまいります。 最後に、紙の商品券事業の検討についての御質問です。プレミアム付商品券事業は、中野区商店街振興組合連合会への補助事業でございまして、区内の消費喚起策としてこれまで4回実施をし、一定の成果を上げてきております。しかし、紙の商品券には、印刷、販売、在庫管理、集計、コールセンター設置等の事務経費が多額になる上に処理に時間がかかる、余剰金が発生するといった課題がございます。また、利用者にとっては、お釣りが出ない。購入場所、時間等の制約が生じるなど使い勝手の問題もございます。新型コロナウイルス感染症対策として、新しい生活様式が求められていることもあり、区としては区内商業施設における決済の電子化を進めていく考えでございますが、高齢者や零細な事業者など、すぐにはデジタルへの対応が難しい方々に対しても十分配慮をしながら、商品券事業の在り方について研究してまいります。 […]
中華人民共和国による人権侵害問題に対する調査及び抗議を求める意見書
議員提出議案第12号 中華人民共和国による人権侵害問題に対する調査及び抗議を求める意見書 ○議長(内川和久) 日程第13、議員提出議案第12号、中華人民共和国による人権侵害問題に対する調査及び抗議を求める意見書を上程いたします。 提案者代表の説明を求めます。吉田 康一郎議員。 〔吉田 康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田 康一郎) ただいま議題に供されました議員提出議案第12号、中華人民共和国による人権侵害問題に対する調査及び抗議を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。 なお、提案説明は案文の朗読をもってかえさせていただきたいと存じますので、御了承願います。 中華人民共和国による人権侵害問題に対する調査及び抗議を求める意見書。 新疆ウイグル自治区で、大規模な恣意的勾留、人権弾圧が中国当局によって行われていることを国際社会は深く憂慮しています。国連の人種差別撤廃委員会は、平成30年(2018年)9月、中国に関する総括所見を発表し、多数のウイグル人やムスリム系住民が法的手続きなしに長期にわたって強制収容されて「再教育」が行われていることなどについて、「切実な懸念」を表明しています。 令和2年(2020年)10月には国連総会第3委員会でドイツなど39カ国が、香港とウイグル自治区での人権侵害に重大な懸念を表明する共同声明を発表し、ウイグルとチベットでの人権尊重と調査、香港の事態の即時是正を求めています。 本年2月3日には、ウイグル女性が報道機関に対し「新疆ウイグル自治区の収容施設に収容された際に女性に対する組織的な性的暴行被害があった。」と証言しました。2月5日、アントニー・ブリンケン米国務長官と中国の楊潔?(ヤンチェチー)政治局員が電話対談を行った際にブリンケン米国務長官は楊氏に対し「新疆ウイグル自治区、チベット自治区、香港における人権と民主的な価値観を米国は擁護し続ける」と言う趣旨を発言しました。この発言は、ドナルド・トランプ前米国大統領政権時のポンペオ国務長官が「中国による新疆ウイグル自治区における少数民族ウイグル族らへの弾圧を国際法上の犯罪となるジェノサイド(民族大量虐殺)と認定する」という旨の発表の流れを継続する発言であります。同時にポンペオ国務長官は声明で「党の指示と支配のもとで中国政府はウイグル族らへの罪を犯してきた」と指摘、100万人超の市民の恣意的な投獄や不妊手術の強制、拷問、強制労働などが課されてきたと指弾しました。「虐殺はいまも続いていると確信している」との声明も発表し、ドミニク・ラーブ英国外相も「中国西部の新疆ウイグル自治区でおぞましく、甚だしい人権侵害が起きている」として中国政府を厳しく非難しました。オーストラリアのマリス・ペイン外相も「調査をするべきだ。」と発言しており、国や政党を超えて大きな人権問題として認識されています。また、本年、1月21日に中国政府は「英国BBCニュースは中国国内の放送を禁止する」と発表があり、人権に加えて「言論の自由」も奪われそうになっています。 日本政府は、「人権状況について懸念をもって注視している」という趣旨の発言に留まっています。 よって中野区議会は、日本政府として調査をし、各種問題があった場合は、抗議をすることを要請します。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。 年月日。 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、国土交通大臣、防衛大臣、内閣官房長官あて。 中野区議会議長名。 以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。 ○議長(内川和久) 本件について御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(内川和久) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(内川和久) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(内川和久) 御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。 上程中の議案を原案どおり可決するに賛成の方は御起立願います。 〔賛成者起立〕 ○議長(内川和久) 起立多数。よって、上程中の議案は可決するに決しました。
1中野区基本計画について 2人権施策について 3教科書について 4ポイント還元事業について 5東京五輪の武漢ウイルス対策について 6その他
一般質問 1 中野区基本計画について (1)少子化対策について (2)武力事態への対処について (3)その他 2 人権施策について (1)北朝鮮拉致問題について (2)中華人民共和国の人権弾圧について (3)その他 3 教科書について 4 ポイント還元事業について 5 東京五輪の武漢ウイルス対策について 6 その他 ○議長(内川和久) 次に、吉田 康一郎議員。 〔吉田 康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田 康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田 康一郎です。よろしくお願いいたします。 まず、中野区基本計画について伺います。 少子化対策について。 中野区基本計画の素案では「子ども女性比の一定の維持や出生数、合計特殊出生率の増加が必要です」とし、子ども女性比の現状値が0.135、1980年から90年代の子ども女性比の平均値が0.147であったことから、「こうした数値も踏まえ、さらなる子ども女性比の増加を目指し」としていますが、漠然とした表現ではなく、具体的に目標値を設定すべきであると訴えてまいりました。そして、そもそも1981年の中野区の合計特殊出生率は1.17、1990年は0.94であり、目標とすべき年であるとも考えられません。また、過去の数値を目指すのでは、子育て先進区としての理念と意欲が感じられません。基本計画(改定素案)においては、この部分についてどのように改定するのか伺います。 次に、武力事態への対処について伺います。 3月2日の予算特別委員会において、中野区基本構想と中野区基本計画(素案たたき台)に、武力攻撃事態における国民保護、住民保護対策について一切記載がなかったため、明確に記載をしなければならないとただしたところ、基本計画(素案)において「国民保護関連訓練」との文言が明確に記載され、高く評価するものであります。ただし、実動訓練に関しては災害訓練への言及しかないため、こちらにも武力攻撃事態への実動訓練を明確に記載し、基本計画に位置付けることが必要であり、引き続き基本計画のブラッシュアップを要望いたします。 そして、同じく予算特別委員会において、武力行使事態などを想定した区民・住民への対処、避難訓練の実施について伺ったところ、「今後必要に応じて、東京都など関係機関との協議なども検討してまいります」との答弁でありました。感染症拡大を防ぐため、訓練の実施は繰り延べる必要がありますが、こちらの都合で武力攻撃事態は待ってはくれません。むしろ我が国社会が災害等で混乱し、疲弊・弱体化しているときにこそ、我が国を侵害・侵略し、自国の意思を強要しようとする敵対国は武力行使をするのが鉄則であります。 住民参加による避難訓練の実施の準備等、武力攻撃事態における住民保護対策の検討を進めていただきたい。私は、この検討を区も区民も進めることにより、シェルターの必要性などについての認識も深まっていくものと期待をしています。見解を伺います。 次に、人権施策について伺います。 まず、北朝鮮による日本人拉致問題について。 いまだ解決の糸口が見えない北朝鮮による日本人拉致の解決のため、官民挙げて様々な取組が行われてきました。その一つとして、2010年から舞台劇「めぐみへの誓い」(脚本・演出 野伏翔監督)が劇団夜想会の自主公演として全国各地で上演が行われ、2014年から内閣府拉致対策本部の主催公演となり、地方公共団体との共催、入場無料で全国各地で公演が行われてきました。13歳のときに北朝鮮に拉致された横田めぐみさんを中心に、拉致被害者とその家族の苦悩と闘いを描いた劇です。 そして、国民へのさらなる啓発、拉致問題の悲劇を理解し、解決に向けて世論が高まるよう、昨年、この舞台劇を基に映画「めぐみへの誓い」が制作され、去る2月19日から上映が開始され、全国37館で公開がされていますが、まだまだ上映館が少ない現状にあります。 中野区としても、試写会の上映を含め、この映画を多くの区民の皆様に鑑賞していただけるよう支援すべきではないかと考えます。見解を伺います。 次に、共産党独裁中国政府による違法臓器収奪問題について伺います。 「ヒューマン・ハーベスト~中国の違法臓器収奪の実態~」というドキュメンタリー映画があります。アメリカ放送界・映像界最高峰と言われるピーボディ賞を受賞、英国国際放送協会(AIB)賞を受賞、その他数多くの賞を受賞した映画です。 この映画の元となったのは、デービッド・マタスという、カナダで人権派弁護士として知られ、民間に与えられる最高栄誉であるカナダ勲章を受賞した法曹界の大物弁護士と、デービッド・キルガーという、弁護士資格を持つ国会議員で、アジア太平洋担当大臣などの要職を歴任した政界の重鎮でもある政治家の2人が行った調査で、その結果は2009年、「Bloody Harvest」(邦題「中国臓器狩り」アスペクト)として1冊にまとめられました。 世界一の臓器移植国を掲げている中国が、世界最大の死刑大国でもあり、年間数千人の死刑を執行していますが、しかし、年間に行われる臓器移植は10万件に達する。この自らが宣言する臓器供給源をはるかに上回る手術を行いながら、臓器の出所を明らかにしていない。これらの出所不明の大量の臓器は、不当に投獄された共産党独裁中国政府の意に沿わない大量の無罪の人たちがその出所となっているとの当事者による証言を含む物的・人的証拠を収集し、彼らは臓器のために殺害されているというおぞましい事実を指摘しています。 2008年にはイスラエルで最初の臓器移植法が成立し、移植手術のための中国への渡航が禁止となり、国際移植学会は臓器売買と移植ツーリズムの禁止を求めたイスタンブール宣言を採択。2010年にはスペインが移植ツーリズムと臓器売買に対応できるよう刑法を改正。昨年には台湾が人体移植に関する法改正を行い、事実上中国大陸への移植渡航を禁止しました。 2016年6月には、アメリカ下院議会は「移植臓器販売の目的で宗教犯、政治犯を殺害することは言語道断な行為であり、生命の基本的権利に対する耐え難い侵害である」として、「全ての良心の囚人からの臓器狩りを即刻停止することを中華人民共和国政府と中国共産党に要求する」などの条文を含む6項目の決議案343号を採択しました。 昨年12月1日には、参議院議員会館で両デービッド氏が講演をした。この中で、我々日本人も無関係ではないということを指摘しました。中国臓器移植ツーリズムに日本人の利用者がいるからであります。 この映画以外にも、幾つものこの人類最大の人権侵害事案について映画や映像、書物があります。中野区でもこの問題について区民に啓発する映画の上映会、講演会等を企画・実施すべきと考えますが、見解を伺います。 次に、教科書について伺います。 小・中学校で使用されている教科用図書、いわゆる教科書すら、内閣において従軍慰安婦、強制連行、強制労働といった表現が不適切であるとの閣議決定が下されました。ようやくです。学校の教科書の選定は、政府の方針に基づいた基準で行われるものとされています。現在使用されている教科書は閣議決定前に採択されたものであり、それを使用しているため、以下の3点を確認します。 1、現在中野区の小・中学校で使用されている教科書は、閣議決定された方針に反する記載があるか。 2、過去、全国で、一部の偏った考えの教員たちが子どもたちに不適切な表現や思想を押しつけることが行われてきました。教育委員会として、区内の小・中学校においてそのような教員や行為の有無について調査・把握をしているか伺います。 3、不適切な表現が記載されている教科書を使用してきた場合、その被害を受けてきた子どもたちに対してどのように訂正等を行い、学び直しをさせていくのか伺います。 次に、生活応援事業について伺います。 補正予算に示された生活応援事業のキャッシュレス決済によるポイント還元事業は都の補助事業を活用したもので、中野区商店街連合会の状況等も踏まえ、様々な制約の中で最善の方法として、その手法を選択したものだと理解しています。一方で、昨年度実施した紙のプレミアム商品券事業は、中野区商店街連合会からも、私が個別に接する消費者の側の区民の方々からも評判がよく、また実施してほしいとの要望も寄せられています。 都の事業はキャッシュレス事業だけではなく、紙のプレミアム商品券への補助と併用する事業も用意されています。キャッシュレス化は中・長期的には進めるべき課題ですが、当面の状況としては、まず、スマホのポイント還元を使いこなせる一部の人しかプレミアムの恩恵を受けることができないこと、また、決済システムの個人情報保護等のセキュリティーに懸念があることなどから、もろ手を挙げて推進すべきと言えない状況にあります。 都と区の税を投入して実施する生活応援事業としては、高齢者等も利用でき、効果の高かった紙の商品券による応援も併用することが望ましいと思います。スピード、事務処理、予算等様々な制約があることはよく分かっていますが、工夫をしていただきたい。見解を伺います。 最後に、東京五輪の感染症対策について伺います。 中野総合体育館における感染症対策は組織委員会やIOCに責がありますので、私は7月17日のオリンピックの聖火リレー、そして、8月20日のパラリンピックの聖火リレー、中野区で行われるこのリレーについて伺います。 オリンピックについては、約600人のボランティア、パラリンピックについて約300人のボランティアが沿道に立ち、リレーの応援、運営を補助することになっています。このリレーの交通規制について、東京都の実行委員会が作成したチラシには、最初の注意事項として沿道での密集を避けることを求め、2番目の項目に、なるべくライブ中継を見るよう案内がされています。しかし、残念ながら、現在の状況ではこれは逆だと思います。まず、沿道に来ないでほしい。ライブで見てほしい。そして、どうしても来てくださる方には3密対策をしっかりする。このような順番で区民にも協力を要請するべきでありますし、東京都にもそのように広報すべき、このように東京都に申し入れる必要があると思いますが、見解を伺います。 […]
中野区基本構想について
第13号議案、中野区基本構想について 討論 ○議長(高橋かずちか) 次に、吉田 康一郎議員。 〔吉田 康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田 康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田 康一郎です。今回の基本構想に反対の立場で討論をいたします。 予算特別委員会でも申し上げたとおり、この基本構想には決定的に欠けている面があります。 多くの議員の皆様が御指摘されたとおり、基本構想は中野区の最上位の構想である、これは論をまちません。区の最上位であるということは、これは美辞麗句を並べるのが目的ではなくて、区民に必要な行政の内容が少なくとも網羅されている必要がある、ここから全ての計画や様々な政策が引き下ろされる、そういうものでなければなりません。 ところが、この基本構想には、国民保護法制に基づく国民保護計画に基づく住民の防護、擁護、避難、こういったことに係る言及、文面、文言が全くありません。 この賛否を問う、あるいはこの構想の説明を受ける段階で区から受けた説明は、10ページぐらいから成るこの構想の一番最後、「危機の発生に備えた体制を強化します」、この文言が国の自治体に対する責務を定めた国民保護法制に関する文面だ、このように説明を受けました。 そこで、この僅か4行の文言を読みます。「自然災害や感染症などの危機の発生時においても区民の生命・健康・財産が守られるよう、リスク管理や危機管理を徹底し、区民生活に密着する行政サービスの提供を維持するための仕組みと機能を強化します。」 これ以外に該当する文面はない、区はこのように説明をいたしました。「自然災害や感染症などの危機の発生時において」、これは国民保護法が求める武力攻撃事態への自治体の対処、住民保護を説明する文言ではありません。 確認をすれば、武力攻撃事態を国は法律で四つに類型を定め、自治体に責務を定めています。一つはミサイル攻撃事態、二つ目に着上陸事態、三つ目に航空攻撃事態、四つ目にテロ・特殊部隊による攻撃事態。この四つのいずれも、自然災害や感染症などの危機ではありません。 どのような美辞麗句を並べることも結構でありますけれども、最低限国が法律で自治体に定めた責務について、たった一言でいいから、武力攻撃事態における住民の保護、これをきちんと推定させる文言が入っていなければ、基本的な最上位の中野区の構想と私は認めることはできません。 区長は、誰一人取り残さない、こういう区政を目指す、このように標榜しておられるはずですけれども、このような武力攻撃事態において誰一人守ることができない、守ることを定めない構想、これでは欠陥構想であると判断せざるを得ません。 そして、これを予算特別委員会でも申し上げましたし、他の状況でも申し上げましたけれども、区の説明は、パブリック・コメントが終わったから文言は変えられません、こういう御説明でありました。憲法に定められた議会、これが行政手続法で定められたパブリック・コメントよりも劣位にある、このような区の説明は、二元代表制の一角を占める議会として決して認めてはいけない。 この構想の賛否ではなく、これが議案で出されたときに議会から指摘があったときに、議会がどのような指摘をしても、パブリック・コメントが終わったから変えられないんだ、このような区の姿勢をきちんと指摘し、是正させないでこの構想に賛成することは議会の否定です。 でありますので、私は、この構想、内容にも不備がある、手続にも不備がある、この二点において賛成することができない。ぜひ議会としてきちんと機能を発揮するべく、パブリック・コメントが終わった議案は一字一句変えられないなどという区の姿勢に、きちんと、それではいけません、このような意思表示を求め、反対を全会一致でしていただくことを求め、反対討論といたします。 ○議長(高橋かずちか) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
令和3年度中野区一般会計予算
第6号議案 令和3年度中野区一般会計予算 討論 ○議長(高橋かずちか) 次に、吉田 康一郎議員。 〔吉田 康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田 康一郎) 声が小さいので、マスクを外させていただきます。 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田 康一郎です。令和3年度中野区一般会計に反対の立場で討論をさせていただきます。 まず冒頭、今回の武漢ウイルスによって大きな被害を受けている皆様に心よりお見舞いを申し上げます。また、犠牲者の方にお悔やみを申し上げます。そして、東日本大震災から10年。このときの大きな被害、犠牲者の方に、こちらにもお悔やみを申し上げ、そして今も被害を受け続けている皆様にお見舞いを私からも申し上げる次第でございます。 討論に入ります。 中野区の今回の予算、賛成したい、賛成すべき予算がたくさん含まれております。ほとんどの予算について、問題点はあっても、期待を込めて賛成をする、こういう気持ちでいることをまず冒頭に意思表示をさせていただきます。 例えば、予算特別委員会で申し上げたとおり、国民保護法制について、中野区の基本構想、基本計画で全く言及がないことについて検討すると、このような御答弁もいただいているので、期待を持って、この内容が修正されることを祈って、取組をまた注視してまいりますし、あるいは、区長が、子育て先進区、これを区政の一番大事な施策だと、このように標榜されている中、これも計画において合計特殊出生率など客観的な指標が示されるよう、これも期待を持って注視をするところであります。 これらは反対の理由にはなりません。賛成をしつつ、期待をしつつ、注視をしていきたいと考えております。 しかし、中野駅新北口駅前エリアの再開発については、これは到底賛成することができない経緯、内容であります。まず、予算特別委員会でも申し上げましたとおり、中野区は区議会に対して全く数値を示さないで今に至るまま議会の賛成を求め続けてきた、これは予特で確認をした事実であります。 まず、定期借地制度、豊島区やほかの区では当たり前のように行っている70年定借などの方式、これと都市再開発計画、この土地を貸すのか売るのか、この選択に当たって、数値を区議会に示さずに、定借という方法は無理だと、このような雰囲気だけをにおわせて、区議会に対して、土地を売ってしまう、この方式による再開発の計画をどんどんと承認を求め続けてきました。 一昨年12月の駅周・観光の特別委員会において、多くの議員、私も含めて、きちんと定期借地制度による前払い地代だと幾らになるのか、これを執拗に区に提示を求めたところ、ようやく、それまで一切出さなかった数字ですけれども、新区役所の整備費は254億円かかるけれども、前払い地代は180億円しか地代を受け取れないという全くでたらめな数字を示してきました。 これについては、他の議員からも指摘があったとおり、区議会議員有志が日本で一番大きな不動産鑑定会社に調査を依頼して、簡単に言えば、600億円の前払い地代が、ホテルやそのようなあまり事業採算性がない事業も組み込んでも前払い地代600億円が出ると、このような報告を得て、これを区に提出し、区の、要するに土地を貸すときに利率ゼロと、このあり得ないような前提のでたらめな数字ではなくて、きちんと法に基づいた、日本にはちゃんと不動産の鑑定の方法がありますから、これに基づいた算定をしてくれと言いましたけれども、これをいまだにせず、そして区の適当な計算でやったものについてきちんと否定したにもかかわらず、それに基づいて土地を売り払うという方式の開発計画を推し進め、そして、しかし議会の要望で、ようやく土地を売らない場合のやり方について、プロポーザルに応じた企業には、応募の内容、選定には影響しないけれども、考え方を示せと言って示させた。 そして、今年3月2日の今回の予算特別委員会でも示しましたとおり、その結果についても示さない。私が申し上げた質問の中でようやく、この選定候補事業者となった野村不動産が令和元年の路線価でもって従前資産を評価した。この数字は大体区と同じですから560億円。しかし、落選をした東京建物、ここは100億円上積みをした。令和2年、中野区の駅前の土地は15%地価が増加していますから、100億円多く区の財産を算定してくれて、それだけ出しても、それだけ評価をしても事業の採算が取れると、この能力を示した。これも、駅周・観光の特別委員会では説明がなく、予算特別委員会で執拗に質問した結果ようやく公表するという、議会に対して数字を示さない、しかも、これは数字を前向きに出したのではなくて、私がこの計算で合っていますねと聞いたら、その計算で合っていると思いますと、こういう形でようやく議会に数字が示された。ですから、議会に対して区はいまだに数字を出していないんです。数字を出していないで、今回の令和3年度の予算も承認してくれと、賛成してくれと言ってきている。非常に不適切な議会に対する態度であります。エビデンスに基づく区政の運営をすると、これを標榜する区長が、議会がこの議決をするに際してエビデンスを示さない、このような姿勢は到底認められるものではありません。 ほかの問題について、様々な問題点は各会派、各議員の方々が指摘しました。失敗はあるでしょう。失敗は改善をすればいい。しかし、土地を売ってしまうというこの決定は、売ってしまった後では後戻りはできません。反省してもその土地は戻ってこないんです。 そして、予算特別委員会の最後に、区長に対して、今からでもいいから、この区の大切な駅前の一等地、サンプラの土地を売らずに同じような再開発の計画ができると、これは次点に漏れた東京建物、あるいはほかの企業さんもそういうことができると区に表明していることを私は調査で把握をしています。これも区はいまだに区議会に開示していない。両手両足を縛って泳げと、でたらめな判断に付き合えと、このような議会に対する情報提供のなさ、この中で区の令和3年度の予算案、これを認めることは私はできません。改めて、予特のときに、区の虎の子の駅前の一等地を売らずに貸しても全く同じ再開発ができるのだと、だから考え直してくださいと、このように最後念押しでお聞きをしても、協定を野村不動産と結んでから区議会には情報を提供してもいいかもしれないと、こういう御答弁でしたので、私はこの御答弁をもって、この駅前のエリアの開発についての事業は賛成できないと、このように今の段階では結論を下しております。 これが覆って、70年たっても何年たっても、何回でも区が持っている土地を利用して再開発が行われる。我々の世代はこれを売ったから再開発できたけど、次の世代は売る土地がないから再開発できませんなどということのないように、区長、あるいは区が態度を改めることを改めて念願をして、反対の討論といたします。この案件以外の全ての区の事業については、期待を持って進めていただきたい、改めてこのようにお願いをして、討論を終わります。ありがとうございました。