中華人民共和国による人権侵害問題に対する調査及び抗議を求める意見書

議員提出議案第12号 中華人民共和国による人権侵害問題に対する調査及び抗議を求める意見書

○議長(内川和久)
日程第13、議員提出議案第12号、中華人民共和国による人権侵害問題に対する調査及び抗議を求める意見書を上程いたします。

提案者代表の説明を求めます。吉田 康一郎議員。

〔吉田 康一郎議員登壇〕
○12番(吉田 康一郎)
ただいま議題に供されました議員提出議案第12号、中華人民共和国による人権侵害問題に対する調査及び抗議を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。

なお、提案説明は案文の朗読をもってかえさせていただきたいと存じますので、御了承願います。

中華人民共和国による人権侵害問題に対する調査及び抗議を求める意見書。

新疆ウイグル自治区で、大規模な恣意的勾留、人権弾圧が中国当局によって行われていることを国際社会は深く憂慮しています。国連の人種差別撤廃委員会は、平成30年(2018年)9月、中国に関する総括所見を発表し、多数のウイグル人やムスリム系住民が法的手続きなしに長期にわたって強制収容されて「再教育」が行われていることなどについて、「切実な懸念」を表明しています。
令和2年(2020年)10月には国連総会第3委員会でドイツなど39カ国が、香港とウイグル自治区での人権侵害に重大な懸念を表明する共同声明を発表し、ウイグルとチベットでの人権尊重と調査、香港の事態の即時是正を求めています。
本年2月3日には、ウイグル女性が報道機関に対し「新疆ウイグル自治区の収容施設に収容された際に女性に対する組織的な性的暴行被害があった。」と証言しました。2月5日、アントニー・ブリンケン米国務長官と中国の楊潔?(ヤンチェチー)政治局員が電話対談を行った際にブリンケン米国務長官は楊氏に対し「新疆ウイグル自治区、チベット自治区、香港における人権と民主的な価値観を米国は擁護し続ける」と言う趣旨を発言しました。この発言は、ドナルド・トランプ前米国大統領政権時のポンペオ国務長官が「中国による新疆ウイグル自治区における少数民族ウイグル族らへの弾圧を国際法上の犯罪となるジェノサイド(民族大量虐殺)と認定する」という旨の発表の流れを継続する発言であります。同時にポンペオ国務長官は声明で「党の指示と支配のもとで中国政府はウイグル族らへの罪を犯してきた」と指摘、100万人超の市民の恣意的な投獄や不妊手術の強制、拷問、強制労働などが課されてきたと指弾しました。「虐殺はいまも続いていると確信している」との声明も発表し、ドミニク・ラーブ英国外相も「中国西部の新疆ウイグル自治区でおぞましく、甚だしい人権侵害が起きている」として中国政府を厳しく非難しました。オーストラリアのマリス・ペイン外相も「調査をするべきだ。」と発言しており、国や政党を超えて大きな人権問題として認識されています。また、本年、1月21日に中国政府は「英国BBCニュースは中国国内の放送を禁止する」と発表があり、人権に加えて「言論の自由」も奪われそうになっています。

日本政府は、「人権状況について懸念をもって注視している」という趣旨の発言に留まっています。

よって中野区議会は、日本政府として調査をし、各種問題があった場合は、抗議をすることを要請します。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

年月日。

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、国土交通大臣、防衛大臣、内閣官房長官あて。

中野区議会議長名。

以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(内川和久)
本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久)
御質疑なければ、質疑を終結いたします。

本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久)
御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久)
御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。

上程中の議案を原案どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕
○議長(内川和久)
起立多数。よって、上程中の議案は可決するに決しました。