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02/18/2018 01:28:34 AM
分かり易い解説です。 ◇ ◇ ◇ 《『極東のビッグブラザー』と言論統制~ソーシャルゲームに見る中国の最新表現規制について。》 2018.02.12 うぐいすリボン 中国当局によるインターネット・ゲームの規制強化が話題になっています。 この問題について中国共産党の情報通信政策等に詳しい中川幸司さん (経営学博士 北京大学大学院) に解説をして頂きました。 – 『極東のビッグブラザー』と言論統制~ソーシャルゲームに見る中国の最新表現規制について。 1990年代から2000年代にかけてパクリ作品、ズッコケプロパガンダ作品が跋扈していた中国コンテンツ産業(アニメ・コミック・ゲーム産業。ACG産業)。アングラな違法利益を謳歌するパクリコンテンツ販売ビジネスと、中国政府のプロパガンダ作品制作に勤しむバブリーなズッコケ補助金ビジネスでした。実はその傍らで、ゆるやかにオリジナル作品を作り出すレベルも徐々に向上してきていたことは、日本ではあまり知られてないかもしれません。 中国のコンテンツビジネスについて、この数年を振り返れば、いまや高品質の中国独自作品が勃興しつつある状況になっています。また、中国内でヒットしたソシャゲ(ソーシャルゲーム)の『アズールレーン』が、日本に紅船(黒船の中国船版)として上陸し大成功をおさめたこともエポックメイキングでした。中国コンテンツの品質は相当に上がってきています。 高品質な中国独自コンテンツの勃興と称しましたが、中でも別次元でレベルが高いのがオンラインゲームやソシャゲです。映画、アニメやコミックのレベルではないほど成熟ステージに入っています。実はこの背景は、中国の統治機構に起因するもの。本稿は、今般加速しているソシャゲの中国当局による表現規制・禁止措置について主に解説いたします。まず初めに中国のコンテンツ規制全般についてご紹介しましょう。 ■ 中国流の規制とは? 多くの日本人に誤解されていることが多いのですが、そもそも中国に「言論の自由がない」という明文化規定はありません。中華人民共和国憲法第三十五条によれば、「中華人民共和国公民は、言論、出版、集会、結社、行進、デモの自由を有する。」とされています。さらにその憲法にはその他「民主的」な条文も明記されています。 しかし同第三条によって「中華人民共和国の国家機構は、民主集中制の原則を実行する。」とされており、ここに金科玉条の如く守られる中国共産党(中共)指導部の絶対性と正統性の源があるわけです。民主集中制は、「指導部」に国家権力を集中させ、その指導によって国民が統治される体制です。これによって中共指導部の領導のもとにすべての国家統治機構が規定され、中国公民生活の隅々に至るまで(ときには個人の思想にまで)中共指導部が介入することが正当とされるのです。ですから、根本的に論理矛盾を抱え、「中国は言論統制の国。言論の自由も、表現の自由もない。」と諸外国から批判されるわけですね。 さて、実質的に言論統制国家である中国のコンテンツ産業の表現を規制する行政組織についてご紹介しましょう。 もともと、中国のコンテンツ産業の管轄当局は、過去数十年間に渡って、大まかに国家広播電影電視総局(略称:広電総局)、国家新聞出版総署(「国家版権局」と組織一体・名称違いの不思議構造)、国務院文化部(日本の省に相当)が担当していました。紙媒体の出版物は主に国家新聞出版総署が管轄し、デジタル等のコンテンツは広電総局が管轄し、それぞれ作品が世に出る前に「審査・検閲」をしていました(これにパスしなければ出版が認められないわけです!)。そして、コンテンツ規制という文脈では、文化部はコンテンツの公序良俗違反等を事後的に調査チェックする機関であって行政指導を実施します。 2013年3月の中国の省庁再編によって広電総局、国家新聞出版総署、国家版権局が統合され国家新聞出版広電総局が新設されたことにより、コンテンツを網羅して「審査・検閲」が一本化されました。新聞出版広電総局はネット上の言論統制(検索エンジンや、中国版ツィッター・ブログなどのSNSも含む)も担当しているので、その強大なパワーをもってネット民に恐れられています。政府の意向に反する文書がネット上に上がれば即座にあらゆる伝統メディア・ネットメディアから関連情報を削除する権限と力。民主主義国家の権力中枢の為政者は、この力が欲しくてたまらないかもしれません。 一方で、新聞出版広電総局が必死に「火消し」に走る態度からネット民から批判の的になったり、茶化されたりもしています(本筋とは外れた中国公民のボヤキや批判は、とくに当局から弾圧されることはありません)。現在は新聞出版広電総局と文化部の2組織が中国コンテンツ産業の管轄・規制当局ということになります。 また、文化部は日本の「省」に該当するので純粋な行政組織の官庁としてイメージがわきやすいかと思いますが、新聞出版広電総局は、共産党中央宣伝部の下位組織であり国務院直属機関(省級)でもあります。政党に属する組織でもあり、行政組織でもある。このあたりが、多くの日本人にとってはわかりにくいところかもしれません。 オフィシャルには新聞出版広電総局と文化部は、権力構造上並列レベルで国務院の省級国家組織の位置付け。実態は、中共指導部の宣伝工作方針をモロに受けて党の影響が直接的に強い新聞出版広電総局と、相対的には党から独立性のある文化部といったイメージです。 時の政権によって、この2組織のパワーバランスが若干変化しますが、現在の両組織のトップは十九大(中国共産党第十九回全国代表大会。2017年10月に開催。5年に1度の党大会、党内序列・人事が発表される。)において、ともに中央委員会委員に選出されているので、トップの人事的にもさほど上下関係は明確ではありません。ただし、その組織構造から、新聞出版広電総局のほうが政権中枢から暗躍を期待される特務機関(!)の性質があるといえます。 ■ 管轄の抜け穴で成長したゲームビジネス 中国のコンテンツ産業で突出して制作レベルが高くなったのがオンラインゲームやソシャゲです。これは、中国内で他のコンテンツがパクられるものであった(音楽CD、DVD、アニメ、パッケージゲーム、コミックなど。違法にコピーされて販売される。違法ではあるが取り締まられなかった。)が、本質的にオンラインゲームコンテンツはパクられ難かったこと。GSM規格世代の携帯電話時代から携帯上決済やプリペイドカード課金が可能であったこと。といったオンラインゲームとソシャゲだけ特殊で有利なコンテンツビジネス環境があったことに加えて、他のコンテンツでは軒並み制作サイドの足かせになっていた商業コンテンツの当局による事前「審査・検閲」がオンラインゲームとソシャゲだけ手薄だったことが大きな追い風になっていました。 当時、中国のコンテンツ産業においては、広電総局が映画、テレビ番組の媒体に流れるドラマやアニメ上の表現を規制し、国家新聞出版総署がコミック上での表現を規制していたのですが、ネット上のデジタルゲームコンテンツは実店舗でパッケージソフト販売する出版物でもなく既存の伝統媒体を必要としないビジネスでした。つまり20年間近く偶然にも規制から緩やかに免れる聖域になっていたのです。 更には、この20年間は中国政府がICT振興策を国策として奨励していた時期とも重なります。インターネット領域の事業に関しては次世代国家根幹産業として、ある程度、規制を緩めて民間を育てようという国家の大方針もありました。そのような状況で、デジタルゲームコンテンツを厳密に所管する行政組織がどこになるかについてまとまりきらず、その行政対応(規制)が本気にはなされませんでした(当時、政権が本気になれば何らかの方策で簡単に取り締まることは出来たはずです。)。 そのため、デジタルゲームコンテンツビジネスには熱烈歓迎モードで民間の開発マネーが流れ込み、そのビジネス成長スピードが凄まじい業界になっていったのでした。業界全体が政府の色がついていない民間資金を潤沢に持つ生態系となったのです。 これが中国のオンラインゲームやソシャゲの礎になり、現在の中国ゲームコンテンツのレベルの高さに至っています。コミック、アニメ、映画などのコンテンツレベルはまだまだ後進国ですがゲームは超級爆進中。現在では14億人のうち半数以上がネットにつながっていると言われる中国、広大なマーケット需要に対応して優良ゲームコンテンツが続々登場してくるでしょう。 ■ 第2期習近平政権で、強まる言論統制(規制開始の動機) 中国内のコンテンツビジネスにもかかわらず事業環境が良く、偶然にも規制抜け穴となり同時に当局から意図的に規制野放しにされてきた歴史から、次第に発展してきた中国ゲームコンテンツビジネス。しかし、いよいよ中国当局が「表現規制」国家の本性を現すようになります。 前述の十九大を経て習近平総書記(国家主席)政権第2シーズンがスタートしました。中国の政権(ひとりの国家主席のもとでの指導体制)は、1期5年間×2期で10年間が区切りです(習近平氏はこれを延長するかもしれないと噂されていますが)。政権1期目は権力基盤を安定させるための期間、そして2期目が総書記のイデオロギーを具現化していく期間と言われます。つまり習近平氏の本領発揮はまさに2017年末からなのです。 特にこれまでの近年の中国政権(江沢民政権、胡錦濤政権)に比べて、習近平政権は、政権第1期の政敵粛清を徹底的におこない(「反腐敗」キャンペーンを名目的に利用)、超大物政治家を投獄し、党内の反発も抑えつけることに成功したため、近年に類を見ない強大なワンマンリーダー体制になっていることが特徴です。 十九大では、「社会主義文化強国」の実現を高らかに掲げ、習近平指導部からトップダウンで大衆思想コントロールを巧妙に実行していくようです(大衆に芽吹く不満分子は、小さなうちから刈り取る)。 このような状況から、もはやゲームコンテンツも規制の蚊帳の外ではありません。国家経済にビッグインパクトを与えるほどではない規模のコンテンツ産業の多少の落ち込みがあったとしても、大衆の不満・世論コントロールのほうが政治的重要課題である、という意気込みが習近平氏の発言に見え隠れします。当局が世論コントロールしやすいようにあらゆる言論・表現活動を手中におさめておくという方針になってきました。 十九大が閉幕した2017年10月から習近平氏の「報告(指導方針)」を関係機関が忖度し、2018年初めから急激に中国ゲームコンテンツ業界に表現規制の嵐が吹き始めています。 ■ 文化部を使って出口をコントロール(規制の手法) 今般の中国ゲームコンテンツ業界への規制は、コンテンツ規制の急先鋒であった新聞出版広電総局ではなく主に文化部が主体となっておこなわれています。日本に漏れ伝わる関連ニュースなどをみても「文化部が・・・」という主語で語られているものが多いですよね。 先に解説したようにゲームコンテンツは管轄の穴。「入り口」で規制をかけることは難しいので、「出口」で規制をかけるという運用方針にしている、と捉えるとわかりやすいかもしれません。これまでの中国のコンテンツは新聞出版広電総局の「審査・検閲」によって事前に規制の網をかけてきました。しかしゲームコンテンツは現状では検閲の抜け穴になっているため、すでにリリースされているゲームについて「文化的指導(公序良俗違反等)」として規制をかけるテクニックを使っています。 事後的な規制をかけることで業界を律する政権の意図がみえてきます。ゲームコンテンツ開発企業としても、リリースした瞬間に当局から規制をうけるのは経済的損失になりますので、自主規制をしていくことになるわけです。当局はリリースをとめることはしないけど、過度な違反表現でのリリースとして行政指導ペナルティを与えます。 ちなみに、管轄の主導権争いは官僚制度の常。本件に絡んで文化部の動きが突出して活発化していますので、新聞出版広電総局と文化部のコンテンツ規制管轄権争いの可能性も想定しましたが、第2期習近平政権は発足したばかりですので、習近平指導部の両組織へのコントロールが効いた上で文化部が動いていると観察していたほうが現状では適正かと思われます。新聞出版広電総局も動いていますが、主に文化部主導案件が多い印象です。 ■ 上意下達と忖度による現場の猛烈実績アピール(規制の実施) 十九大が中国共産党最高指導層の人事にあたりますが、数ヶ月かけてゆるやかに省単位、市単位までの共産党人事(≒行政担当官人事)がおこなわれます。2017年10月に十九大が閉幕し、2018年前半は各レベルの行政単位で新任の行政担当者が着任して、その手腕をこれから発揮しようとするタイミングです。次の出世を狙って鼻息が荒い! 担当者がかわれば、前任者よりもあからさまに実績をあげたいアピールをするのが中共の伝統。各地の省の文化部や、市の文化部などが(ときには、中央の思惑よりも度を越して)、取締・規制を強化してきているのが、まさにいま、2018年前半の状況といえるでしょう。 2018年1月下旬、中国本土の「アズールレーン」の表現規制も文化部の主導によって安徽省蕪湖市当局が「文化的指導」を行いました。「アズールレーン」開発会社(上海蛮啾網絡科技有限公司と厦門勇仕網絡技術有限公司)への指導ではなく、同タイトル中国内パブリッシャーとしてのゲーム運営・コンテンツプラットフォーム「ビリビリゲーム(嗶哩嗶哩ゲーム)」に対して「女性キャラクターの裸の露出が多く、社会の公共道徳に背く禁止内容があった」として、行政指導(処分)したものです。 中国のSNSではこの措置をうけて、やや自嘲気味に「文化部はじまった!」的な書き込みが目立ちました。民主的な選挙もないので政治批判の受け皿もありませんが、今のところ総じて「しゃーないなぁ」程度で収まっているようです。 中国経済全体のパイから見れば小規模な特定産業(コンテンツ産業など)の振興よりも、言論統制社会の厳格化を望む第2期習近平政権。今回、槍玉に挙げられたのはゲームコンテンツ業界でした。急速に大衆から自由な言論と表現の空間を奪ってゆく中国共産党。 『一帯一路(現代版シルクロード経済振興策)』で古典的な重厚長大産業から経済を活性化させ、国策のAI開発で産業振興と言論統制を強める姿勢はますます先鋭化しそうです。 […]
02/17/2018 04:07:50 PM
創氏改名は、強制ではありませんでした。 《【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】 (2)創氏改名は「強制ではない」 是々非々貫いた朝鮮人検事》 2018.01.21 産経新聞 創氏改名は、強制ではない。 https://www.facebook.com/koichiro.yoshida.jp/posts/926149197552617
02/17/2018 11:03:29 AM
愚か者と侵略国の手先は、「外国が攻めてきたら降伏すれば良い」と言う。それらの甘言に乗ると、こうなるのだ。 — 《ウイグル「絶望」収容所──中国共産党のウイグル人大量収監が始まった》 2018.02.16 Newsweek 水谷尚子(中国現代史研究者) (写真:古都カシュガルでも公安当局の取り締まりは強まる一方 Kevin Frayer/GETTY IMAGES) <著名ウイグル人学者が突然自宅から消えた――中国共産党が新疆各地でウイグル人を強制収容所に収監している> 著名なウイグル人イスラーム学者で、『クルアーン』のウイグル語訳者として名を知られる82歳のムハンマド・サリヒ師が17年12月中旬、中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチの自宅から突然何者かに連行された。サリヒ師は中国共産党の強制収容施設に収監され、約40日後の18年1月24日に死亡した。 サリヒ師は36年、南新疆のアトシュ市に生まれ、長く中国政府のシンクタンクである中国社会科学院に所属。87年からは新疆イスラーム学院の学長も務めた。『ウイグル語・アラビア語大辞典』をはじめ多くの著作もある。イスラーム学の大家として、新疆ムスリム社会で崇敬されていたため、その知らせはテュルク系ムスリムに深い悲しみと衝撃をもたらした。 サリヒ師と共に作家の娘と娘婿、さらに2人の孫も連行されたが、一家が今どこに収容されているのか依然不明だ。この事件に憤慨した国外のウイグル人諸団体は、直後に各国の中国大使館に対して抗議デモを行った。かくも高齢な老学者がなぜ、「思想改造のための強制収容施設」に収監されたのか。 新疆ウイグル自治区では今、中国の主体民族である漢人以外の人々が、社会的地位も収入も一切関係なく、何の罪もなくして強制収容施設に収監されているとの報告が数多く寄せられている。ターゲットの大部分がウイグル人だ。 ウイグル人の10人に1人は拘束されているとの説もあるほど、多数の人々が「行方不明」になっている。アメリカの短波ラジオ放送「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」によれば、総人口約360万人のうち90%をウイグル人が占める南部カシュガル地区で、ウイグル人口の約4%に当たる約12万人が拘束されているという。 ■ 要注意人物の「点数表」 連行は強引で、職場から突然警官に「頭に黒い布をかぶせられて」連れ去られたとのケースも報告されている。収容所は、かつてウイグル語教育を行っていた学校の校舎などを転用。一部屋に何十人もが寝泊まりし、衛生状況も劣悪で既に多くの死者を出しているとの告発もある。 在日ウイグル人も例外ではない。日本に留学したり、日本の会社に勤務していたりしたウイグル人で、昨年夏に新疆へ一時帰郷し、日本に戻ってこられなかった人々が筆者の知る限り複数存在する。 彼らは帰郷した後、地元警察にパスポートを没収され、強制収容施設に連行されているらしい。収監者の親族は、身内が施設内でひどい扱いをされないよう気を使ってメディアや外国人に接触しようとせず、また親族自身も詳細を把握していない。 「もうこの半年、両親や兄弟と1本の電話も繋がらない」と嘆くウイグル人に、筆者は何人も会った。 強制収容所に関する情報は16年末あたりから現れ始めた。RFAウイグル語部門が本格的に取り上げたのが、17年8月初旬。以後、関連報道は急激に増え、現在に至るまで数日に1回の割合で取り上げられている。 (写真:流出した「点数表」の写真 (c)RFA) (写真:突然拘束され死亡したサリヒ師 (c)RFA) 昨年夏頃、ウルムチの河北西路居住区から、ウイグル人の中から要注意人物を抽出するための点数表が流出した。点数は100点で、(1)ウイグル人である (2)イスラームの礼拝をしている (3)宗教知識がある (4)(当局が要注意とする中東など)26カ国に行ったことがある (5)外国に身内がいる (6)外国留学した子供がいる……といった項目に該当すれば10点ずつ減点され、点数が低ければ要注意人物、つまり収容所送り対象者となる。 新疆では自治区の成立から現在まで、ウイグル人による反政府蜂起が頻発してきた。それでも、民族浄化を目的とすると言っても過言ではない、強制収容所をつくるという国際人権規約に反する行為を一国の政府が行うのは異常事態である。そしてこの収容所建設と、習近平(シー・チンピン)国家主席の経済圏構想「一帯一路」政策は大いに関係があると筆者は考えている。 胡錦濤(フー・チンタオ)主席時代の10年に第1次中央新疆工作会議が開かれ、新疆での「西部大開発」と経済活性化が目標とされた。しかし、結果としてその政策は新疆に住む漢人とウイグル人の格差を広げ、ウイグル人亡命者を増大させただけだった。その後、習が国家主席に就任した翌年の14年5月に第2次中央新疆工作会議が開催され、同11月から習は一帯一路政策を各地で本格的に提唱し始めた。 かつて日本が提唱した「大東亜共栄圏」の拡大版とも言える経済圏構想の実現には、中国からユーラシア大陸の出入り口となる新疆の安定化が必須だ。90年代から最近にかけてウイグル人反政府主義者が行ってきた公安当局や党幹部を狙った自爆攻撃などに、共産党は業を煮やしていた。反政府運動を効率的に弾圧し一帯一路を粛々と推進するため、以前のチベット自治区党委員会書記でチベット弾圧に積極的に荷担した陳全国(チェン・チュエングオ)が、16年8月から新疆ウイグル自治区党委員会書記に着任した。 ■ スクープ記者による告発 RFAは96年に米議会が出資して首都ワシントンで設立された。言論の自由が保障されているとは言い難いアジアの地域に情報提供し、民主化・自由化を促すことを目的としている。 ウイグル語放送部門スタッフの中でも、ショフレット・ウォシュルは、ずば抜けて取材力のある記者で、片っ端から新疆に電話をかけ、中国語とウイグル語を駆使して繋がった相手から情報を入手する手法で情報を取り、スクープを連発してきた。 17年12月6日放送の記事によれば、新疆の公安当局は微信(WeChat)などのソーシャルメディアで国外留学中のウイグル人に連絡を取り、「帰国しなければ母親を強制収容所に送る」などと脅迫している。以下はトルコ在住のウイグル人留学生に対する、公安当局の脅しの一部だ。 「私は収容所の者だ。母親が大切ならこのアカウントを追加せよ」「トルコで暮らし、留学しているウイグル人の家族や親戚を収容所に収監し、強制的に『再教育』するようにとの上層機関からの命令がある」「おまえがトルコ留学中だから、母親がおまえの代わりに『再教育』をされる」「トルコ国内にいる全てのウイグル人家族が、代償を支払うことになる」 (写真:8か月も収容所で拘束されたオムルベク・アリ(上)は体重が40キロも減った(下)(c)RFA) これだけの人々が拘束されていたら、当然ながら産業や経済は崩壊していく。17年10月18日放送の記事では、南新疆ホタン市で大勢の商人が収容所送りとなったため、市内最大のバザールで店の3割が閉鎖され、顧客も半分程度に落ち込んでいる状況が紹介された。 同じく南新疆カシュガルのベシケリム村では、2000万平方メートルのブドウ畑のブドウが腐り始め、村民の暮らしを直撃しているという。取引をするウイグル人商人のほとんどが収容所送りとなり、買い手がなくて市場に出回らなくなったためだ。一方で、「商売敵がいなくなって、取引がうまくいっている」と語る漢人商人のインタビューも紹介された。 ■ キリスト教徒にも魔の手 新疆では今「2つの顔を持つ不逞分子らを一掃する運動」が行われている。共産党幹部という顔と、実は民族主義者らを心の中で支持している顔という二面性を持つ者の意味であろう。この運動により、新疆各地の共産党幹部クラスも容赦なく収容所に送られているようだ。 17年12月21日放送の記事によれば、南新疆コルラ市のある地域の党書記を務めたこともあり、「民族団結模範」として表彰されたこともあるというナマン・バウドゥン(おそらく仮名)は、健康状態があまりに悪いため収容所に連行はされなかった。しかし、かつて「(党の)宣伝活動模範」として当局に表彰された妻のパティグリ・ダウット(彼女もこの10年で3回も手術を受けており、健康状態はよくない)は17年10月9日に拘束され、今も消息不明だ。 一旦はバウドゥンも収容施設に入れられる手続きのため警察署に行かされた。その際、「500人ほどが非常に広い会議室に並んでいた」と、彼は証言する。コルラには強制収容施設が4カ所あり、1500人以上が「再教育」を受けている。警察署で人の「仕分け」がなされ、脅迫や拷問を含む取り調べを受けて、その結果によって収容所に行くか、拘置所や刑務所に入れられるかが決まると、バウドゥンは語った。 彼は警察署で検査のために過ごした3日間のうちに、コルラの住民であるムタリプ・アブドゥウェリという25歳の青年が、鉄製の椅子に縛られ、手錠をかけられ手から血を流した状態で取り調べを受けているのを目撃した。こうした証言が命懸けであることは言うまでもない。 18年1月23日放送の記事で、カザフスタンのアルマトイから取材に応じたオムルベク・アリは、カザフ人とウイグル人の両親の間に生まれ、カザフ国籍を持つ人物だ。多言語に通じることから、カザフスタンの旅行会社に勤務していた。 アリは新疆東部ピチャンにある両親宅に突然現れた警察官に黒い布を頭にかぶせられて身柄を拘束され、どこかへ連行された。その際指紋や血液も採取され、警察の「仕分け」の結果、危険分子として「カラマイ市技術研修センター」の名の看板が掛かる収容所に送られた。カザフスタン外交官たちの働き掛けで、8カ月後にようやく「一切の訴えを起こさない」ことを条件に釈放されたが、収容所内の環境は劣悪で出所したときには体重が40キロも減少。帰国と同時に入院した。 アリは、現段階で収容所を体験した唯一の生還者だ。彼によれば、少なくとも収容所には約1000人が収容され、8割がウイグル人で2割がカザフ人だった。被収容者の年齢層は16歳から老人までと幅広い。農民から「2つの顔を持つ不逞分子」とされる公務員まで、1つの部屋に20人以上がすし詰め状態で寝泊まりしていた。 コミュニケーションは全て中国語で行うよう強要され、毎朝7時に点呼集合と中国国旗掲揚があり、国家と共産党に忠誠を誓うスローガンを叫ばされる。収容所側は、共産党の政策の素晴らしさを学ぶ政治学習や、愛国主義の講義を強要。プロパガンダ歌謡を中国語で正しく歌い、共産党への忠誠と感謝を述べるスローガンを大声で斉唱しなくては食事をもらえない。警察から最短でも1年の学習を厳命されており、彼の滞在中、誰一人として「卒業」した者はいなかった。 拘束されているのは、ウイグル人などのテュルク系ムスリムだけではないようだ。収容所には新疆のキリスト教徒が少なからず収監されたとの証言もある。 漢人でプロテスタントのキリスト教徒である張海濤(チャン・ハイタオ)は、16年に「国家政権転覆扇動罪」で有期刑19年の判決を受け、新疆中部シャヤール県の監獄で服役している。彼はネットの中で共産党の新疆政策とウイグル人弾圧を批判していた。妻子はキリスト教諸団体の尽力で、アメリカに政治亡命した。声を上げ、異議を唱えるキリスト教徒にも、政府は厳しい姿勢を取っている。 ウイグル人をはじめとする「良心の囚人」の命を担保に、一帯一路構想は進んでいる。 […]
02/17/2018 04:26:23 AM
羽生結弦さん、持ってるなぁ~、と思います。 — 羽生結弦の金が冬季五輪の1000個目の金メダルに 2018.02.17 日刊スポーツ 国際オリンピック委員会(IOC)は17日、フィギュア男子で羽生結弦(23)が取った金メダルが、冬季五輪の記念すべき1000個目の金メダルだと発表した。 1個目は、24年シャモニー大会で、ジュートロー(米国)がスピードスケート男子500メートルで獲得した。94年をかけて、羽生のメダルに、歴史が刻まれた。 写真:金メダルに輝いた羽生は表彰台で、フリー曲に合わせてポーズを決める(撮影・山崎安昭) https://www.nikkansports.com/olympic/pyeongchang2018/figureskate/news/201802170000471.html https://www.facebook.com/koichiro.yoshida.jp/posts/925798267587710
02/16/2018 01:55:24 PM
国民が長年にわたり保険料を支払っている中、3ヶ月の滞在で外国人が健康保険を使え、高額の医療を少ない本人負担で利用できる様になった我が国の国民健康保険制度はおかしい。 外国人は自国の制度を利用する様に変えるべきだ。自国民に対しどの様な制度をつくるかは、その国が決める事だ。 — 《性善説に基づく出産一時金42万円等 健康保険を外国人が乱用》 2017.12.01 NEWSポストセブン 「国民皆保険」がいつの間にか外国人に有利な制度として“活用”され、医療現場で疑問の声があがっている。その現状をフリーライターの清水典之氏がレポートする。 * * * 都内の総合病院で受付業務をしている事務員の男性が、こんな体験を話す。 「高齢の中国人男性が健康保険証を持って来て、『留学ビザで取った』と言っていた。あの歳で本当に学校に通っているのでしょうか」 別の病院に勤務している受付担当者もこう話す。 「心臓血管カテーテルの手術を受けた中国人の高齢女性がいて、実費で300万円近く支払ったんですが、何か月か後の再診では、経営・管理ビザで取ったという保険証を持ってきた」 最近、中国人が健康保険証を提示して受診するケースが増えているという。 外国人でも後述するような条件を満たせば日本の健康保険に加入できる。保険が適用されると、医療費が3割負担ですむだけでなく、オプジーボによる肺がん治療や人工関節置換術、冠動脈バイパス術など、実費なら何百万円もかかるような治療も、「高額療養費制度」の適用で8000円から最大でも30万円程度(収入や年齢による)で受けられることになる。 さらに1児につき42万円が支給される出産育児一時金も受給できる。これに疑義を唱えているのが小坂英二・荒川区議だ。 「平成28年度の荒川区の出産育児一時金支払い件数は、総数が304件でうち中国籍が79件(国内出産:48件、海外出産:31件)にのぼります。荒川区の人口比で中国籍は3%なのに、支給先の26%を占める。 出産育児一時金は海外で出産しても受給可能で、病院の出生証明書があれば申請できます。海外出産の実に63%が中国籍です。しかし、出生証明書が本物かどうか、区は確認していない。紙切れ1枚あれば42万円が受け取れるのです」 この問題は全国で起きている可能性があるという。外国人が日本の健康保険を“有効利用”している実態が浮かび上がってくる。 ◆本国にいる親や子にも適用 背景には2012年に外国人登録法が廃止されて、3か月超の在留資格(ビザ)を持つ外国人は日本人と同様に住民登録する制度に変わったことがある。住民登録すると、勤務先の健康保険組合などに加入しない場合、自動的に国民健康保険に加入することになる。 それまで外国人の保険加入には1年超の在留が必要だったが、3か月超へと短縮されたため、対象者が増加したのである。 3か月超のビザで取得しやすいのは、「留学ビザ」と「経営・管理ビザ」だ。メディカルツーリズムの高額な医療費を実費負担するより、渡航費、学費を払って日本語学校に短期留学した上で日本の健康保険を利用したほうが安くつくケースは多々あるし、500万円の“見せ金”があれば、ペーパーカンパニーを設立して経営・管理ビザを取得することもできる。 加入方法は他にもある。日本企業に就職すれば、会社の健康保険組合(中小企業の場合は「全国健康保険協会」)に加入できるが、健康保険法では本人と生計を一にしている兄弟姉妹、配偶者、子、孫、父母、祖父母、曽祖父母は、“同居していなくても”扶養家族と認め、保険に加入できると定めている。 また、本人から三親等までの親戚も、生計を一にして“同居していれば”扶養家族にできる。つまり、本国に残した親や子などの他、同居している親戚でも加入OKなのだ。 全国健康保険協会加入者の扶養家族認定を行っている日本年金機構に聞いたところ、「日本人と外国人で分類を分けておらず、家族や親戚であることを証明する書類の提出は原則、必要ありません」(広報室)という。 そもそも、健康保険証には顔写真がないので、なりすましも簡単だ。出産育児一時金支給の偏りについて、荒川区国保年金課はこう答える。 「荒川区の総人口で見れば、中国籍の方は3%ですが、区民全員が国保に加入しているわけではありません。荒川区の国保加入者は約5万7000人で、うち中国籍の方は3757人(平成27年度)なので6.6%になります。 また、高齢化で荒川区の25~40歳の人口は減少傾向にありますが、外国人は留学や仕事で来ている若い人が多い。出生率が高くても不思議ではない」 しかし、留学ビザで来日した中国人が子供をもうけるケースがそんなに多くあるだろうか。特に、海外での出生証明書が本物かどうかについては疑問が残る。 「海外出産の場合、パスポートを提示して出産日に海外にいたことを証明してもらっています。現在、海外の医療機関に電話で確認することも検討中です」(荒川区国保年金課) 海外にいたことを証明したからといって出産しているとは限らず、「子供は本国の実家に預けた」と言われたら、その先は確認しようがないのが現状だ。 ◆合法であることが問題 “出産偽装”のような悪用は言語道断だが、冒頭で挙げたようなケースは、ビザを不正取得したり、親戚になりすましたりしていないのなら、違法ではない。建前上の留学や法人設立もグレーではあるが、合法、違法の線引きは難しい。 要するに、この問題の本質は、外国人を日本人と同じように扱い、緩い基準で健康保険に加入させて恩恵を与えている点にある。前出の小坂区議はこう憤る。 「日本の健康保険は、若い頃に高額な保険料を負担させられ、高齢になってようやく元が取れるシステムです。 ところが、外国人の場合、本国でどれだけ高収入を得ていても、日本で無収入なら保険料は最低額で月何千円しか払わない。数年で国に帰るような人に出産育児一時金をあげたり、高額医療を格安で受けさせたりするのはおかしい」 日本の国民医療費は42兆円に達し、保険料だけでは足りず税金が投入されている。外国人に大盤振る舞いする余裕があるのかということだ。この問題について厚労省に見解を聞いた。 「今年3月から留学や経営・管理ビザを不正に取得して健康保険を利用している事例を全国の自治体で調査しています。自宅を訪問するなど手間のかかる調査で、まだ結果は出ていません」(国民健康保険課) 調査結果を踏まえて制度の見直しを検討するという。 これに対し、NTT東日本関東病院の外国人向け医療コーディネーター、海老原功氏はこう指摘する。 「ビザの不法取得というより、制度自体に問題があるのです。私は『疾患のある人の留学ビザ発給停止』『会社設立資本金の引き上げ』『海外在住の扶養家族には保険適用しない』などの対策が必要だと考えます」 小坂区議も「外国人を別枠にした健康保険制度を作るべき」と訴える。性善説に基づく制度設計が通用しない時代になりつつあるとは言えそうだ。 ● しみず・みちゆき/1966年愛知県生まれ。大阪大学工学部卒業。1991年よりフリーランス。著書に『「脱・石油社会」日本は逆襲する』(光文社刊)がある。 ※SAPIO2017年11・12月号 写真:中国にも健康保険はあるが手厚い制度ではない Imaginechina/AFLO https://www.news-postseven.com/archives/20171201_629291.html https://www.facebook.com/koichiro.yoshida.jp/posts/925437224290481