令和4年度中野区一般会計予算

第7号議案 令和4年度中野区一般会計予算

討論

○議長(内川和久)
次に、吉田 康一郎議員。
〔吉田 康一郎議員登壇〕
○12番(吉田 康一郎)
育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田 康一郎です。

まず、討論に先立ちまして、このたびのロシアのウクライナ侵略に満身の怒りをもって抗議を表明いたします。

それでは、討論に入ります。

令和4年度中野区一般会計予算に反対の立場で討論をいたします。

この反対の理由の第一は、育児支援予算であります。

日本国を構成する基礎自治体である中野区、この中野区においての一番大事な責務は何かといえば、我々の日本、我々の国が未来に存続をしていくこと、我々が先達から受け継いできたこの国、この地域を次の世代に受け継ぐことでありますので、ほかの全ての自治体と同じく我が中野区においても、次の世代を産みやすく、育てやすくして次の世代につないでいく、これが政策の一番の基礎にあると考えます。

その点において、酒井区長が、子育て先進区、これを選挙の公約の一番大事な政策として掲げ、この4年間もそれを訴えてきたことは、私もたびたび表明しているとおり賛成でありまして、そのような区政であってほしいと考えてまいりました。

しかし、1日の予算特別委員会の総括質疑において確認をしたことですけれども、この子育て先進区という区長の選挙公約について、この4年間の酒井区政で、中野区の出生率は上がるどころか23区最下位に落ちました。全国最下位に落ちたと言っても過言ではありません。

社会動態について見ても、ゼロ歳から9歳の子どもが転出超過となっている、ゼロ歳から9歳の子どもが中野からよその自治体に移っていく、このような状況が続いています。それにもかかわらず、令和4年度の子ども関係の予算が前年度よりも減少していること、そして、その減少している予算の中身が、在宅育児家庭を対象とした予算と就労育児家庭を対象とした予算に分けて比較すると、子ども1人当たりで年間180万円の差額が生じており、在宅で育児をするより子どもを預けて働いたほうが毎年180万円区の予算を多く享受できるという格差が生じ続けていること、重点プロジェクトで掲げている事業も就労育児支援に偏っており、この格差を是正するものではないことが明らかになりました。

このため、私から、子育て先進区を目指していると言うのであれば、予算も事業ももっと増やすべきではないか、そして、その中身は子ども1人当たり年間180万円も少ない在宅育児家庭への支援が含まれるべきではないか、そして、具体的な新しい施策としては、区独自の手当とか、あるいは給食費の一部無償化なども提案をいたしました。しかし、育児環境の大幅な改善や出生率の上昇や、子どもの区外流出が止まり逆に子どもが増えてくるようなことを期待できる答弁を得ることはできませんでした。

区長の子育て先進区というのは、スローガンとしてはすばらしいけれども、実態が伴っていない、中身がない。この区政、政策を続けては、中野の出生率はずっと全国最下位付近をうろつくだけ。中野の子育ては、ほかの全ての自治体よりも厳しい子育て残酷区だ、この状況が変わることはない、このように失望しています。

理由の二つ目は、中野駅新北口駅前エリアの再開発事業であります。

これまで繰り返し再考を促してまいりましたけれども、この地区について、民間事業者に売り払うのではなくて、区が土地を持ち続けて、定期借地などの制度を用いて区が持ったままでも再開発ができますよ、このようなことをお示しし、これまでいろいろな場において確認してきましたが、区は区議会に対して、事業の在り方について判断するために必要な様々な情報を示さないまま再開発の賛成だけを求め続けてきたことについて確認をいたしました。

そして、直近では、中野駅新北口駅前エリア拠点施設の容積率を、プロポーザルによる選定が終わってから、議会への説明も相談もなく900%から突然1000%に変更した。これは、プロポーザルに参加した別の事業者からしても納得が得られるものではないだろう。

そしてまた、今回の予算特別委員会で、平成17年3月制定の議会の議決すべき事件等に関する条例と、その条例に基づき平成20年10月に定めたサンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針についての「3.中野区は、株式会社まちづくり中野21に「区役所・サンプラザエリア」周辺一体のまちづくりの中心として主体的に取り組ませるものとする。」「4.中野区は、株式会社まちづくり中野21日に将来にわたって同社の所有地を保有させ、中野駅周辺のまちづくりをけん引させるものとする。」に反して土地の保有を含めた基本協定書を野村不動産と締結したことは問題ではないかとの指摘がありました。

提案されている令和4年度一般会計予算は、様々な問題を含んでいる現在の事業を何の改善もなく進める予算となっています。このような予算を承認しては、この中野駅北口、手放したら二度と区が取り戻すことはできない土地について、そして、手放さなくても再開発ができる、このような状況が整っているにもかかわらずこれを手放してしまうということを座視することになる。このような予算に賛成することはできません。

その他の様々な事業についての予算には賛成できることも多々あるということを申し述べて、私の反対の討論を終わります。

御清聴ありがとうございました。

○議長(内川和久)
他に討論がなければ、討論を終結いたします。