吉田康一郎blog

01/05/2018 08:09:01 AM

2018/01/05

国連安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会専門家パネル元委員、古川勝久氏。 「日本は法整備が遅れている。日本国内の居住者が海外で国連制裁違反を起こしても取り締まる国内法がない。政府内にも、国連制裁に関する責任部門がない。外務省では安保理決議は国連政策課、履行は北東アジア課、国内法整備担当は安全保障政策課が担う事になっているが、ボールを互いに投げあっている。他国に比べ、縦割り行政の弊害、情報公開の壁、法制度の不備など。」 「取締当局は法律がなければ動けない。安保理決議が"ここまでやれ"と言っても、法律が届かない。さらに省庁間の連携が他国と比べてよくない。他国は"オール国連"と"オールフランス政府"みたいな形で協議ができるが、日本では省庁たらい回し、「通訳は国連の方でお願いします」。司法関係の情報公開も遅れている印象。裁判資料を入手するのも大変で、しかも手で書き写さなければならない」。 CIAの分析官も務めていたという専門家パネルの委員は「日本は北朝鮮関係者の巣窟だ」。 ちなみに、古川勝久氏は大学同窓の友人です。 — 《拠点は新橋の雑居ビル「1007号室」 国連制裁の裏で、北朝鮮貿易に暗躍する日本人が!》 2017.12.21 AbemaTIMES  北朝鮮に科せられた国連制裁。しかしその"抜け穴"に日本人が関与しているという事実が明らかになった。  22日発売の『北朝鮮 核の資金源「国連捜査」秘録』(新潮社)でその衝撃の実態を綴ったのは、国連安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会の専門家パネル元委員・古川勝久氏。  古川氏が昨年春まで務めていた「専門家パネル」とは、5つの常任理事国と日本・韓国・南半球代表の8人で構成され、安保理決議違反事件を捜査し、安保理や加盟国に改善策を勧告するほか、年次報告書を作成するチームだ。  北朝鮮への制裁にあたって実態調査する過程では、東南アジア諸国と北朝鮮の強い結びつきを感じたという。「専門家パネル」安保理に対し制裁対象を推薦することができるが、逮捕権などはなく、関係国に協力を求め、法的措置を促すなどのアプローチをするしかない側面もあるという。  「『この人は北朝鮮の情報機関の人間で、違反行為がある』と指摘すると、みんな黙ってしまう。例えば最初の頃は協力的だったマレーシアは、色々な情報が出るにつれ、非協力的になった。政治家や軍の元高官などの有力者が北朝鮮との貿易を仕切っているということも見えてきた。北朝鮮は石炭、鉄鋼石、金、天然ウランなどの資源が豊富な国。禁止になってもそれまでのビジネス関係があって続けざるを得ない事情や、アフリカ・中東では北朝鮮の安価な武器が重要。取引は手放せない事情もある。国連制裁によって、直接の取引は止めるけれども、今度は迂回させるようになる。仲介御者がマージンを取るようになるので、北朝鮮にとってコストは高まるが、貿易自体は続けられる仕組みだ」。 ■ 東京・新橋の雑居ビルにある「1007号室」  「元々、北朝鮮との貿易自体はOK。国連制裁はあくまでも核・ミサイルに絡むヒト・モノ・カネに対する『ターゲット制裁』。ところが北朝鮮は合法取引の中に非合法目的の取引を非常に巧みに潜り込ませている。そこに日本製や米国製の市販品も混じっており、それらをベースにして北朝鮮はシステムを作っている」。  古川氏によると、そのような実態を背景に北朝鮮貿易で暗躍する人々の中には、日本人もいるという。東京・新橋の雑居ビルにある「1007号室」がその拠点で、14の香港企業を取り仕切っているという。2013年7月、北朝鮮による武器密輸事件で貨物手配や海外送金などの関係が疑われ、キューバから北朝鮮に航行中に摘発されたパナマの貨物船からは、兵器は分解され砂糖で隠された旧ソ連製の「ミグ21戦闘機」や地対空ミサイルが見つかった。  「私たちが捜査をした結果、兵器密輸の隠蔽指示をしていたのが、貨物船の運行指示を行った北朝鮮最大の船舶企業OMM。このOMMのグローバルネットワークを解明していくと、香港にキーとなるフロント企業があることが分かった。さらに調べていくと、実はその新橋の企業だった。香港の企業登記簿を見ると、日本人の名前が出てきて、連絡先の住所が新橋の駅前の住所になっていた」。  このOMMのネットワークには関連企業が海外に187社、北朝鮮に52社あり、海外協力者は40人、北朝鮮人スタッフが119人いるという。これまでに船舶35隻を所有し、金融、商社、海運業、製造業と幅広く手がけている。外国船に偽装した船がアフリカ、ブラジル、日本、中国、ロシア、ギリシアなど、世界各地にいるのだという。  「私たちは分かる限りのフロント企業を叩きまくり、私が国連を退職する時点で、分かる限りほぼなくなった。しかしその後、新しい資料が出てきて、そこには見たこともない日本居住者の名前が書かれ、中東・南アジアにも拠点が残っているらしいということも分かった。今もまだ世界各国で摘発は続いている。制裁をしたつもりになっているが、実際にはいくらでも抜け道がある。そのルートの一つがシンガポールで、京都府警が先日3名摘発した。その一人が、新橋の企業でかつて取締役だった人物だった」。 ■ 「日本は北朝鮮関係者の巣窟だ」  国連が2006年に初めて制裁の安保理決議を行って以降も、日本からは様々な贅沢品などが輸出され続けてきた。 ・奢侈品不正輸出事件  2008年10月、12月   ピアノ34台、ベンツ4台(約670万円相当)  2008年、09年   中古ノートPC7196台  2009年5月   化粧品673点含む貨物(約270万円相当)  2009年、10年   化粧品含む貨物(約2億4700万円相当)  「北朝鮮の高級デパートなどに行くと、日本や欧米の高級時計や香水、化粧品、日本酒、焼酎など色々なものがある。今年9月の核実験後、厳しい安保理決議ができて安倍首相が"最強の圧力"と言った一方で、岩手県産の醤油や兵庫県産の日本酒などがまとめて北朝鮮に送られ、スーパーに並べられていた」。  こうした実態について古川氏は「日本は法整備が遅れている。日本国内の居住者が海外で国連制裁違反を起こしてもそれを取り締まる国内法がない。政府内にも、国連制裁に関する責任部門がない。外務省で言えば安保理決議は国連政策課、履行は北東アジア課、国内法整備担当は安全保障政策課が担うということになっているが、みんな面倒くさいのでボールをお互いに投げあっている状態が続いているのではないか」と指摘する。他国に比べ、縦割り行政の弊害、情報公開の壁、法制度の不備など様々な課題が解決されないままだというのだ。  「誤解のないように言うと、取締当局の人たちは一生懸命にやっている。ただ法律がなければ彼らも動けない。昔の様々な法律を延長して運用しているので、安保理決議が"ここまでやれ"と言っても、法律が届かない。さらに省庁間の連携が他国と比べてよくない。他国は"オール国連"と"オールフランス政府"みたいな形で協議ができるのだが、日本では省庁をたらい回しにされたり、"通訳は国連の方でお願いします"と言われたりする。また、司法関係の情報公開も遅れている印象だ。裁判資料を入手するのも大変で、しかも手で書き写さなければならない」。  そんな日本の状況に、古川氏の同僚で、かつてCIAの分析官も務めていたという専門家パネルの委員は「日本は北朝鮮関係者の巣窟だ」と話したという。  古川氏も「関与しているのは一握りの方々だが、丁寧に、徹底して法律に基づく執行をしないと、まったく北朝鮮とは関係ない方までもが誤解に基づいた差別を受けてしまう。そうならないためにもより有効な法整備をし、国内では税関、出入国管理などが協力しなければならないし、中国・台湾などとも実務レベルで関係を密にしなければならない」と訴えた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より) https://abematimes.com/posts/3418917 https://www.facebook.com/koichiro.yoshida.jp/posts/901108810056656

フーバー大統領が語る「誰があの戦争を始めたのか」

2018/01/05

フーバー大統領が語る「誰があの戦争を始めたのか」。 ◇ ◇ ◇ 《草思社 書評案内より》 『裏切られた自由 フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症 上・下』ハーバート・フーバー著/ジョージ・H・ナッシュ編/渡辺惣樹 訳/草思社 本書は、第31代アメリカ大統領ハーバート・フーバー(任期1929~33)が第二次世界大戦の過程を詳細に検証した回顧録です。第二次世界大戦とは何だったのか――。従来の見方とは真っ向から対立する歴史観をもつ本書は長い間、公にされませんでしたが、2011年に米国フーバー研究所から刊行され話題を呼んでいます。さまざまな情報にアクセスできたアメリカの政治指導者が、20年の歳月をかけて完成させた第一級の史料です。 ◇『裏切られた自由』より引用◇ 《本書では1941年以前の対日関係を詳しく記すことを目的としていない。しかし、我が国が戦争に突入することになった直接の原因に日本がなっている以上、真珠湾攻撃に至るまでの経緯を書かないわけにはいかない。アメリカ政府は(対日交渉の経緯を)国民に隠していた。そしてその後の教育でも、何があったかの歴史の真実を教えていない。だからこそ、対日交渉の経緯はしっかりと書いておかなくてはならない。》 《ナチス理解に役立ったのは、ヒトラーの右腕である陸軍元帥ヘルマン・ゲーリングとの会見である。……ゲーリングは私にチェコスロバキアの地図を示して、この形が何かに似ていないかと尋ねた。何も思い浮かばないでいるとゲーリングは、「ドイツに突きつけられた矢尻だ。我がドイツの体に突き刺さっている」と説明した。》 《いま(開戦時)二人の独裁者――ヒトラーとスターリンが死闘を繰り広げている。二人はイデオロギーに凝り固まった夢想家であり、兄弟のようなものである。……我が国(アメリカ)は防衛力をしっかりと整備し、両者の消耗を待つべきである。……我が国の掲げる理想にもかかわらずスターリンと組むことは、ヒトラーと同盟を組むことと同じであって、アメリカ的理念への叛逆である。》 《国民も議会も我が国(アメリカ)の参戦に強く反対であった。したがって、大勢をひっくり返して参戦を可能にするのは、ドイツあるいは日本による我が国への明白な反米行為だけであった。ワシントンの政権上層部にも同じように考える者がいた。彼らは事態をその方向に進めようとした。つまり我が国を攻撃させるように仕向けることを狙ったのである。》 《ハルは自身の回顧録の中で、ここ(本書)で記した日本政府との交渉の模様をほとんど書いていない。そして交渉についてはただ否定的に書いている。……その文章には真実がほとんど書かれていない。》 《近衛(首相)の失脚は二十世紀最大の悲劇の一つとなった。彼が日本の軍国主義者の動きを何とか牽制しようとしていたことは称賛に値する。彼は何とか和平を実現したいと願い、そのためには自身の命を犠牲にすることも厭わなかったのである。》 《ルーズベルト氏は「非帝国化構想」を持っていた。彼の標的はドイツ、イタリア、日本だけではなかった。彼はイギリス、フランス、オランダの非帝国化を目論んでいた。そうでありながら、彼の構想には一か国だけ例外があった。巨大できわめて攻撃的な帝国ソビエトであった。》 《あの(第一次世界大戦・戦後の)経験を踏まえればわかるように、アメリカには26もの民族がいるヨーロッパにも、それ以外の地域にも、自由や理想を力で押しつけることはできない。(そうしたことができると思うのは)狐火を見るようなものだ。そんな怪しい理想の実現のために再び若者の命を犠牲にしてはならない。》 《私は、日本との戦いは狂人[ルーズベルト]が望んだものだと言うと、彼[マッカーサー]はそれに同意した。》 《日本に対して原爆を使用した事実は、アメリカの理性を混乱させている。……原爆使用を正当化しようとする試みは何度もなされた。しかし、軍事関係者も政治家も、戦争を終結させるのに原爆を使用する必要はなかったと述べている。》 《本書執筆にあたって役立ったのは、収集した多くの資料である。第一次世界大戦が勃発した頃、フーバー研究所図書館(スタンフォード大学内)を発足させた。現在は250万点以上の貴重な文書、講演録、書籍、日記、パンフレット、会見記録、各国語による条約文書を所蔵している。……本書の準備に20年以上を費やしたが、各国語で書かれた文書を入念にチェックする必要があった。》 ハーバート・フーバー(Herbert Hoover) 1874年アイオワ生まれ。スタンフォード大学卒業後、鉱山事業で成功をおさめ、ハーディング大統領、クーリッジ大統領の下で商務長官を歴任、1929年~1933年米国大統領(第31代)。人道主義者として知られ、母校スタンフォードにフーバー研究所を創設。1964年死去。 ジョージ・H・ナッシュ(George H. Nash) 歴史家。ハーバード大学で歴史学博士号取得。2008年リチャード・M・ウィーヴァー賞受賞(学術論文部門)。フーバー研究の第一人者として知られる。著者に“Herbert Hoover and Stanford University”他。 渡辺惣樹(わたなべ・そうき) 日本近現代史研究家。北米在住。1954年静岡県下田市出身。77年東京大学経済学部卒業。30年にわたり米国・カナダでビジネスに従事。米英史料を広く渉猟し、日本開国以来の日米関係を新たな視点でとらえた著作が高く評価される。著書に『日本開国』『日米衝突の根源1858-1908』『日米衝突の萌芽1898-1918』(第22回山本七平賞奨励賞受賞)『朝鮮開国と日清戦争』『アメリカの対日政策を読み解く』など。訳書にマックファーレン『日本1852』、マックウィリアムス『日米開戦の人種的側面  アメリカの反省1944』など。 http://www.soshisha.com/book_wadai/43freedom/index.html ◇ ◇ ◇ 《草思社 書評案内より》 『誰が第二次世界大戦を起こしたのか: フーバー大統領『裏切られた自由』を読み解く』渡辺惣樹 著/草思社 本書は、第31代アメリカ大統領ハーバート・フーバー(任期1929~1933)の大著『裏切られた自由』を翻訳した渡辺惣樹氏が、同書の読みどころを紹介しながら、新解釈の「第二次世界大戦史」を提示する本です。『裏切られた自由』はフーバーが20年の歳月をかけて第二次世界大戦の経緯を詳細に検証した記念碑的な歴史書で、日本語版の上巻が本書と同時に刊行されました。この大著を翻訳した著者・渡辺氏は北米在住、日本開国以来の日米関係を新たな視点でとらえた著作群が高く評価されている近現代史研究家です。2013年に小社より刊行された『日米衝突の萌芽1898-1918』で第22回山本七平賞奨励賞を受賞しています。 アメリカが全体主義国と戦った「正義の戦争」という従来の大戦史観とはまったく異なる視点から第二次世界大戦を記述したフーバー元大統領ですが、渡辺氏は「フーバーは自身の感情を抑え、可能なかぎり『資料に語らせる』ことを心掛けて『裏切られた自由』を書き上げた」と書いています。世界各国の政治指導者、また軍関係者とも直接やりとりできる立場にいたフーバーの記録は第一級の史料と呼ぶにふさわしい価値があります。本書はその『裏切られた自由』をより深く理解するための格好の解説書であり、同時に、同書の克明な記録をもとに「始まりも終わりも腑に落ちないことばかり」(本書より)だった第二次世界大戦の謎に迫る意欲作でもあります。 第二次世界大戦をめぐる数々の疑問、たとえば、なぜあのタイミング(1939年9月)で大戦が始まったのか、なぜアメリカは恐怖政治の首魁スターリンと手を結んだのか、なぜ日本側の必死の対米和平交渉は実らなかったのか、そして、二度目の世界大戦という悲劇的な事態を招いた最大の責任は誰のどのような意思決定にあったのか――。こうした疑問に本書は明快な答えを出しています。その答えは、ぜひ本書および『裏切られた自由』をお読みいただきたいのですが、間違いなく言えるのは、フーバーの提示した論点に触れずして第二次世界大戦を語ることはもはやできない、ということです。これまでの歴史認識にラディカルな変更を迫る一冊です。 (担当/碇) 渡辺惣樹(わたなべ・そうき) 日本近現代史研究家。北米在住。1954年静岡県下田市出身。77年東京大学経済学部卒業。30年にわたり米国・カナダでビジネスに従事。米英史料を広く渉猟し、日本開国以来の日米関係を新たな視点でとらえた著作が高く評価される。著書に『日本開国』『日米衝突の根源1858-1908』『日米衝突の萌芽1898-1918』(第22回山本七平賞奨励賞受賞)『朝鮮開国と日清戦争』『アメリカの対日政策を読み解く』など。訳書にマックファーレン『日本1852』、マックウィリアムス『日米開戦の人種的側面  アメリカの反省1944』など。 http://www.soshisha.com/book_wadai/books/2277.html

01/04/2018 08:52:07 PM

2018/01/04

「中国の闇」これを見れば今の中国人が理解できる、モラルを失った民 https://www.facebook.com/koichiro.yoshida.jp/posts/900859780081559

ドメスティック思考の失敗

2018/01/04

この二階氏の考え方は間違っている。 「いちいち反発しては物事は成り立たない」ならば、中韓のみならず、世界の各国はなぜ、自国の国益を侵害された時に、いちいち反発して抗議し、場合によっては制裁や対抗措置を行うのか。そうしなければ、成り立たせるべき物事が成り立たないからだ。 この二階氏の思考法は、日本の社会でしか通用しない内輪の思考法を世界にも通用すると勘違いしている、典型的なドメスティック人間が陥っている失敗の発想法であり、我が国の外交が失敗し続けている基本的原因でもある。彼は、成り立たせるべき物事とは何なのか、中韓はじめ諸外国の思考と行動から少し謙虚に学ぶ必要がある。 日本の国家と国民の幸福の為に、多くの場合外国との友好関係を構築する事が必要なのであり、外国との友好の為に日本の国家と国民が存在している訳ではない。 ◇ ◇ ◇ 《二階氏「いちいち反発、成り立たない」…慰安婦》 2017.12.30 読売新聞 【北京=工藤淳】中国を訪問している自民党の二階幹事長は29日、慰安婦問題を巡る日韓合意に「重大な欠陥」があったとする文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領の声明について「(日本が)いちいち反発しては物事は成り立たない」と述べ、日本政府に冷静な対応を求めた。 北京市内で同行記者団の質問に答えた。 二階氏は「相手の立場を考えて理解するぐらいの大きな腹構えが(日本側に)なければ、近隣国と円満に進めることは難しい」とも主張した。 2015年末の日韓合意は慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認している。日本政府は文政権の対応を強く非難しており、再交渉には応じない方針だ。 http://www.yomiuri.co.jp/politics/20171230-OYT1T50021.html

01/04/2018 09:08:04 AM

2018/01/04

フーバー大統領が語る「誰があの戦争を始めたのか」。 — 《草思社 書評案内より》 『裏切られた自由 フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症 上・下』ハーバート・フーバー著/ジョージ・H・ナッシュ編/渡辺惣樹 訳/草思社  本書は、第31代アメリカ大統領ハーバート・フーバー(任期1929~33)が第二次世界大戦の過程を詳細に検証した回顧録です。第二次世界大戦とは何だったのか――。従来の見方とは真っ向から対立する歴史観をもつ本書は長い間、公にされませんでしたが、2011年に米国フーバー研究所から刊行され話題を呼んでいます。さまざまな情報にアクセスできたアメリカの政治指導者が、20年の歳月をかけて完成させた第一級の史料です。 ◇『裏切られた自由』より引用◇ 《本書では1941年以前の対日関係を詳しく記すことを目的としていない。しかし、我が国が戦争に突入することになった直接の原因に日本がなっている以上、真珠湾攻撃に至るまでの経緯を書かないわけにはいかない。アメリカ政府は(対日交渉の経緯を)国民に隠していた。そしてその後の教育でも、何があったかの歴史の真実を教えていない。だからこそ、対日交渉の経緯はしっかりと書いておかなくてはならない。》 《ナチス理解に役立ったのは、ヒトラーの右腕である陸軍元帥ヘルマン・ゲーリングとの会見である。……ゲーリングは私にチェコスロバキアの地図を示して、この形が何かに似ていないかと尋ねた。何も思い浮かばないでいるとゲーリングは、「ドイツに突きつけられた矢尻だ。我がドイツの体に突き刺さっている」と説明した。》 《いま(開戦時)二人の独裁者――ヒトラーとスターリンが死闘を繰り広げている。二人はイデオロギーに凝り固まった夢想家であり、兄弟のようなものである。……我が国(アメリカ)は防衛力をしっかりと整備し、両者の消耗を待つべきである。……我が国の掲げる理想にもかかわらずスターリンと組むことは、ヒトラーと同盟を組むことと同じであって、アメリカ的理念への叛逆である。》 《国民も議会も我が国(アメリカ)の参戦に強く反対であった。したがって、大勢をひっくり返して参戦を可能にするのは、ドイツあるいは日本による我が国への明白な反米行為だけであった。ワシントンの政権上層部にも同じように考える者がいた。彼らは事態をその方向に進めようとした。つまり我が国を攻撃させるように仕向けることを狙ったのである。》 《ハルは自身の回顧録の中で、ここ(本書)で記した日本政府との交渉の模様をほとんど書いていない。そして交渉についてはただ否定的に書いている。……その文章には真実がほとんど書かれていない。》 《近衛(首相)の失脚は二十世紀最大の悲劇の一つとなった。彼が日本の軍国主義者の動きを何とか牽制しようとしていたことは称賛に値する。彼は何とか和平を実現したいと願い、そのためには自身の命を犠牲にすることも厭わなかったのである。》 《ルーズベルト氏は「非帝国化構想」を持っていた。彼の標的はドイツ、イタリア、日本だけではなかった。彼はイギリス、フランス、オランダの非帝国化を目論んでいた。そうでありながら、彼の構想には一か国だけ例外があった。巨大できわめて攻撃的な帝国ソビエトであった。》 《あの(第一次世界大戦・戦後の)経験を踏まえればわかるように、アメリカには26もの民族がいるヨーロッパにも、それ以外の地域にも、自由や理想を力で押しつけることはできない。(そうしたことができると思うのは)狐火を見るようなものだ。そんな怪しい理想の実現のために再び若者の命を犠牲にしてはならない。》 《私は、日本との戦いは狂人[ルーズベルト]が望んだものだと言うと、彼[マッカーサー]はそれに同意した。》 《日本に対して原爆を使用した事実は、アメリカの理性を混乱させている。……原爆使用を正当化しようとする試みは何度もなされた。しかし、軍事関係者も政治家も、戦争を終結させるのに原爆を使用する必要はなかったと述べている。》 《本書執筆にあたって役立ったのは、収集した多くの資料である。第一次世界大戦が勃発した頃、フーバー研究所図書館(スタンフォード大学内)を発足させた。現在は250万点以上の貴重な文書、講演録、書籍、日記、パンフレット、会見記録、各国語による条約文書を所蔵している。……本書の準備に20年以上を費やしたが、各国語で書かれた文書を入念にチェックする必要があった。》 ハーバート・フーバー(Herbert Hoover) 1874年アイオワ生まれ。スタンフォード大学卒業後、鉱山事業で成功をおさめ、ハーディング大統領、クーリッジ大統領の下で商務長官を歴任、1929年~1933年米国大統領(第31代)。人道主義者として知られ、母校スタンフォードにフーバー研究所を創設。1964年死去。 ジョージ・H・ナッシュ(George H. Nash) 歴史家。ハーバード大学で歴史学博士号取得。2008年リチャード・M・ウィーヴァー賞受賞(学術論文部門)。フーバー研究の第一人者として知られる。著者に“Herbert Hoover and Stanford University”他。 渡辺惣樹(わたなべ・そうき) 日本近現代史研究家。北米在住。1954年静岡県下田市出身。77年東京大学経済学部卒業。30年にわたり米国・カナダでビジネスに従事。米英史料を広く渉猟し、日本開国以来の日米関係を新たな視点でとらえた著作が高く評価される。著書に『日本開国』『日米衝突の根源1858-1908』『日米衝突の萌芽1898-1918』(第22回山本七平賞奨励賞受賞)『朝鮮開国と日清戦争』『アメリカの対日政策を読み解く』など。訳書にマックファーレン『日本1852』、マックウィリアムス『日米開戦の人種的側面 アメリカの反省1944』など。 http://www.soshisha.com/book_wadai/43freedom/index.html — 《草思社 書評案内より》 『誰が第二次世界大戦を起こしたのか: フーバー大統領『裏切られた自由』を読み解く』渡辺惣樹 著/草思社  本書は、第31代アメリカ大統領ハーバート・フーバー(任期1929~1933)の大著『裏切られた自由』を翻訳した渡辺惣樹氏が、同書の読みどころを紹介しながら、新解釈の「第二次世界大戦史」を提示する本です。『裏切られた自由』はフーバーが20年の歳月をかけて第二次世界大戦の経緯を詳細に検証した記念碑的な歴史書で、日本語版の上巻が本書と同時に刊行されました。この大著を翻訳した著者・渡辺氏は北米在住、日本開国以来の日米関係を新たな視点でとらえた著作群が高く評価されている近現代史研究家です。2013年に小社より刊行された『日米衝突の萌芽1898-1918』で第22回山本七平賞奨励賞を受賞しています。  アメリカが全体主義国と戦った「正義の戦争」という従来の大戦史観とはまったく異なる視点から第二次世界大戦を記述したフーバー元大統領ですが、渡辺氏は「フーバーは自身の感情を抑え、可能なかぎり『資料に語らせる』ことを心掛けて『裏切られた自由』を書き上げた」と書いています。世界各国の政治指導者、また軍関係者とも直接やりとりできる立場にいたフーバーの記録は第一級の史料と呼ぶにふさわしい価値があります。本書はその『裏切られた自由』をより深く理解するための格好の解説書であり、同時に、同書の克明な記録をもとに「始まりも終わりも腑に落ちないことばかり」(本書より)だった第二次世界大戦の謎に迫る意欲作でもあります。  第二次世界大戦をめぐる数々の疑問、たとえば、なぜあのタイミング(1939年9月)で大戦が始まったのか、なぜアメリカは恐怖政治の首魁スターリンと手を結んだのか、なぜ日本側の必死の対米和平交渉は実らなかったのか、そして、二度目の世界大戦という悲劇的な事態を招いた最大の責任は誰のどのような意思決定にあったのか――。こうした疑問に本書は明快な答えを出しています。その答えは、ぜひ本書および『裏切られた自由』をお読みいただきたいのですが、間違いなく言えるのは、フーバーの提示した論点に触れずして第二次世界大戦を語ることはもはやできない、ということです。これまでの歴史認識にラディカルな変更を迫る一冊です。 (担当/碇) 渡辺惣樹(わたなべ・そうき) 日本近現代史研究家。北米在住。1954年静岡県下田市出身。77年東京大学経済学部卒業。30年にわたり米国・カナダでビジネスに従事。米英史料を広く渉猟し、日本開国以来の日米関係を新たな視点でとらえた著作が高く評価される。著書に『日本開国』『日米衝突の根源1858-1908』『日米衝突の萌芽1898-1918』(第22回山本七平賞奨励賞受賞)『朝鮮開国と日清戦争』『アメリカの対日政策を読み解く』など。訳書にマックファーレン『日本1852』、マックウィリアムス『日米開戦の人種的側面 アメリカの反省1944』など。 http://www.soshisha.com/book_wadai/books/2277.html https://www.facebook.com/koichiro.yoshida.jp/posts/900619390105598

沖縄県庁、財政統計数値を操作

2018/01/04

沖縄県庁は、恣意的に財政資料を操作し、特定の主張をする為に悪用しているのではないか。 今回、沖縄県が県民経済計算の参考資料で、観光収入と基地収入を異なる基準で計算して比較し、「反基地」「脱基地」の県政に沿う形で、観光収入を過大に発表していた。 昨年1月には、1人当たり県民所得に関して、平成21年度に戦後初めて最下位を脱出した翌年度に計算方式を変更し、22年度以降も最下位を維持している事が明らかになっている。 主張や要望の為に、適正な判断をする為の基礎資料である公の統計を操作する事は断じて許されない。 ◇ ◇ ◇ 《沖縄県が観光収入を過大発表 基地の恩恵少なく見せ、反米に利用か》 2018.1.4 産経新聞 沖縄県が県民経済計算の参考資料で、観光収入を過大計上していることが3日、分かった。異なる基準で計算して基地収入と比較し、結果的に「反基地」「脱基地」の県政に沿う形で、観光収入を大きく見せかけていた。県民経済計算は売上高などから経費を除いたいわゆる利益部分を公表するが、同県の観光収入は売上高をそのまま公表。統計上欠陥がある状態で米軍基地反対運動の材料にも利用されている。(大塚昌吾) 沖縄県は翁長雄志知事が講演や記者会見で、観光収入を引用して経済の基地依存の低下を強調し、「沖縄経済の最大の阻害要因は米軍基地」との主張を展開。地元2紙や基地反対派による「沖縄経済が基地に依存しているというのは誤り」とするキャンペーンや、運動の材料になっている。 沖縄県は平成26年度県民経済計算の参考資料で、同統計には表れない「観光収入」(5341億7200万円)と、基地収入である「米軍基地からの要素所得」(1519億8300万円)を公表している。 県民経済計算は本来、売上高や出荷額から中間投入額(原材料費や光熱水費など)を除くルール。基地収入は、米軍雇用者所得と軍用地料などの合計で、もともと経費はかからないため、県民経済計算のルールに沿った数字だ。 一方、観光収入は、県内空港でのサンプル調査などをもとに県内消費額(ツアーも含む交通費、宿泊、飲食費、レジャー施設入場料、おみやげ代など)を推計し、かかった経費を差し引かずに公表しており、数字が大きくなる。 沖縄振興に関わる政府関係者は「基準の異なる数字を比較材料として使うのは、統計上重大な欠陥」と指摘し、政府の沖縄振興策の適切な執行のためにも、早急な改善を求めている。 工業立国だった日本の統計は製造業が中心で、サービス統計は弱体との指摘がある。県民経済計算でも、産業分類で「観光業」、あるいは最終消費支出で「観光」の項目はなく、「観光収入」の定義もない。 沖縄が基地収入と比較している観光収入について、他県は、観光客が県内で落としたお金=「観光消費額」として単独で公表している。統計が弱体だからといって、自らが志向する反基地政策の補強のために都合良く使っていいわけではない。 政府の経済財政諮問会議でも「統計の改善」が問題提起され、各省庁で作業が進んでいる。沖縄県も、観光立県という政策の実現に向け、米ハワイ州観光局なども参考にした正確な統計づくりを目指す必要がある。 ◇ 【用語解説】県民経済計算 都道府県ごとの1年間の経済活動の状況を把握するための指標で、平成26年度が最新。国民経済計算に準拠し、県内総生産や県民所得の推計のほか、県の経済動向や産業構造を把握し、県の政策に生かす。 http://www.sankei.com/politics/news/180104/plt1801040003-n1.html ◇ ◇ ◇ 《沖縄県の県民所得、低く計算 計算方式変更で最下位維持…「基地問題が経済的足かせになっていることを示したいのでは」》 2017.01.05 産経新聞 都道府県ごとの経済力を示す指標である沖縄県の1人当たり県民所得が、他県の例よりも所得が低くなる方式で計算されていることが4日、分かった。沖縄県は平成21年度の1人当たり県民所得が高知県を抜き、戦後初めて最下位を脱出した翌年度に計算方式を変更し、22年度以降も最下位を維持している。政府関係者は、基地問題が経済的な足かせになっていることを県内外にアピールする狙いがあると指摘する。(大塚昌吾) 政府が28年に行った調査では、調査時点で最新の24年度の1人当たり県民所得ランキングで、沖縄県は全都道府県の中で最下位の47位の203万5000円。ところが、高知県(調査時点では45位)と同様の方式で計算し直すと、沖縄県の1人当たり県民所得は266万5000円で63万円増加し、全国28位に浮上することが判明した。県内総生産も、公表されている3兆8066億円から4兆6897億円に上昇する。 高知県方式だと、使用する統計やデータが異なり、従業者数が増え、給与格差の影響が排除されて県内総生産が上昇するといい、政府の担当者は「沖縄県は他県に比べ、所得が低くなる方式で計算している」と指摘する。 政府の担当者は「県民所得は沖縄振興予算などの予算措置の判断材料にはならない」としながらも、「昭和47年の沖縄返還後も基地問題を抱え、そのことが経済的な足かせになっていることを県内外に示したいのではないか」と分析する。 今回の結果について、沖縄県の企画部統計課は「22年度の計算方式の変更は国の基準見直しに伴って行った。統計は自らの県の実情を反映させて計算しているが、恣意的に最下位になるようにしているわけではない」と説明している。 ■ 地方創生の推進へ 正確な所得把握には統一基準が不可欠 政府は経済財政運営の基本方針である骨太方針に基づき、アジアの玄関口である沖縄を日本の経済再生の牽引役と位置づけ、沖縄振興策として、33年度まで毎年3千億円台の国の予算を投じている。12月22日にまとめた平成29年度予算案でも、沖縄振興予算として前年比200億円減の3150億円を計上した。 政府は、建前上は予算措置の判断材料にはならないとしているが、弱小県をアピールすることは、さまざまな支援獲得につながる。 統計の専門家も「現在の県民所得統計の計算方式は都道府県によってバラバラで、恣意的でないにしても数字を上ぶれさせたり、下ぶれさせることが可能」と問題視する。 県民所得は、国が示した大まかな基準に沿って、都道府県ごとのマニュアルに沿って推計されるが、具体的な方式は一般には公開されていない。12月に閣議決定した政府の地方創生の総合戦略の改訂版では、県民所得の向上が盛り込まれた。こうした政策の推進や国よる財政支援には、正確な所得把握や作成プロセスの公表が不可欠で今後、統計の統一基準や透明性の確保が急務になる。 ◇ 【1人当たり県民所得】都道府県の経済力を表す指標の一つ。最新の平成25年度の首位は東京都の450万8000円、最下位は沖縄県の210万2000円で2倍以上の開きがある。 http://www.sankei.com/politics/news/170105/plt1701050006-n1.html

正月、新海誠監督作品三昧。

2018/01/04

元旦の夜から3日間、『秒速5センチメートル』『星を追う子ども』『言の葉の庭』『雲のむこう、約束の場所』『君の名は。』(放送順)新海誠監督作品三昧、楽しみました。 良かった! こういうものを創る人と国をこのままに守りたい。

01/03/2018 09:54:35 PM

2018/01/03

この二階氏の考え方は間違っている。 「いちいち反発しては物事は成り立たない」ならば、中韓のみならず、世界の各国はなぜ、自国の国益を侵害された時に、いちいち反発して抗議し、場合によっては制裁や対抗措置を行うのか。そうしなければ、成り立たせるべき物事が成り立たないからだ。 この二階氏の思考法は、日本の社会でしか通用しない内輪の思考法を世界にも通用すると勘違いしている、典型的なドメスティック人間が陥っている失敗の発想法であり、我が国の外交が失敗し続けている基本的原因でもある。彼は、成り立たせるべき物事とは何なのか、中韓はじめ諸外国の思考と行動から少し謙虚に学ぶ必要がある。 日本の国家と国民の幸福の為に、多くの場合外国との友好関係を構築する事が必要なのであり、外国との友好の為に日本の国家と国民が存在している訳ではない。 — 《二階氏「いちいち反発、成り立たない」…慰安婦》 2017.12.30 読売新聞  【北京=工藤淳】中国を訪問している自民党の二階幹事長は29日、慰安婦問題を巡る日韓合意に「重大な欠陥」があったとする文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領の声明について「(日本が)いちいち反発しては物事は成り立たない」と述べ、日本政府に冷静な対応を求めた。  北京市内で同行記者団の質問に答えた。  二階氏は「相手の立場を考えて理解するぐらいの大きな腹構えが(日本側に)なければ、近隣国と円満に進めることは難しい」とも主張した。  2015年末の日韓合意は慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認している。日本政府は文政権の対応を強く非難しており、再交渉には応じない方針だ。 http://www.yomiuri.co.jp/politics/20171230-OYT1T50021.html https://www.facebook.com/koichiro.yoshida.jp/posts/900360640131473

01/03/2018 06:48:13 PM

2018/01/03

ユネスコ「世界の記憶」制度、見直し

2018/01/03

日本政府の働き掛けで、ユネスコ「世界の記憶」制度の見直しが始まりますが、2015年に中国申請で登録された偽「南京大虐殺文書」問題は残ります。 制度に反して中国が登録資料の開示に応じない以上、同文書の登録は取り消されなければなりません。 ◇ ◇ ◇ 《ユネスコ、「世界の記憶」を包括的見直し 「南京」登録後に紛糾…政治利用回避へ今春「行動計画」》 2018.01.03 産経新聞 【パリ=三井美奈】国連教育科学文化機関(ユネスコ)が「世界の記憶(記憶遺産)」の包括的見直しに向け、「行動計画」を策定することになった。2015年に中国申請の「南京大虐殺文書」が登録された後、ユネスコが政争の場と化しているのを正すためで、ユネスコ筋によると、今年4月、ユネスコ執行委員会に提出される予定。「世界の記憶」がようやく正常化に向けて動き出す。 新たな行動計画は、世界の記憶の登録審査プロセスをより透明化し、加盟国間の対立を防ぐ仕組みへの道筋を示すもの。世界の記憶として登録された資料のアクセス促進も課題になる。 「南京大虐殺文書」は資料の信憑性や事実認識で疑義が示されたが、非公開審査で登録が決まった。日本政府が登録資料の開示と検証を求めたのに対し、中国側は応じていない。 行動計画はこうした対立を招く現行制度の改善を視野に入れる。執行委員会(58カ国で構成)はユネスコの運営指針を決める機関で昨年10月、世界の記憶で「政治的緊張の回避」をユネスコ事務局に要求し、改革を求めていた。今年4月の執行委員会ではユネスコ韓国政府代表部の李炳鉉(イ・ビョンヒョン)大使が議長を務め、日本は6つの副議長国の一つ。方針が固まるまで、ユネスコは新規申請を受け付けない。 世界の記憶は、関係国間で認識が異なる事案が徹底した事実調査や現地視察もなく採用されることがあり、ユネスコが一方的な歴史解釈にお墨付きを与えるとの指摘があった。昨年は日中韓の民間団体などが申請した慰安婦関係資料をめぐり、日本が政治利用になると懸念を表明。結局、審査延期が決まった。 世界の記憶では昨年10月、係争案件の審査では関係者の対話の場を設ける新制度を2019年に導入することが決まったが、専門家が事実上、登録を決める仕組みは変わらず、「世界遺産をモデルに加盟国が関与する制度にすべき」という声は強い。 ユネスコでは昨年11月、中国寄りと指摘されたボコバ前事務局長(ブルガリア出身)の後任として、アズレ事務局長(フランス出身)が就任。アズレ氏は「ユネスコの信頼回復」を掲げて改革意欲を示している。ユネスコの政治利用については昨年、米国とイスラエルが「反イスラエル偏向」を理由にユネスコ脱退を表明しており、国際的にも改革圧力が強まっている。 http://www.sankei.com/world/news/180103/wor1801030003-n1.html