ドメスティック思考の失敗

この二階氏の考え方は間違っている。

「いちいち反発しては物事は成り立たない」ならば、中韓のみならず、世界の各国はなぜ、自国の国益を侵害された時に、いちいち反発して抗議し、場合によっては制裁や対抗措置を行うのか。そうしなければ、成り立たせるべき物事が成り立たないからだ。

この二階氏の思考法は、日本の社会でしか通用しない内輪の思考法を世界にも通用すると勘違いしている、典型的なドメスティック人間が陥っている失敗の発想法であり、我が国の外交が失敗し続けている基本的原因でもある。彼は、成り立たせるべき物事とは何なのか、中韓はじめ諸外国の思考と行動から少し謙虚に学ぶ必要がある。

日本の国家と国民の幸福の為に、多くの場合外国との友好関係を構築する事が必要なのであり、外国との友好の為に日本の国家と国民が存在している訳ではない。

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《二階氏「いちいち反発、成り立たない」…慰安婦》
2017.12.30 読売新聞

【北京=工藤淳】中国を訪問している自民党の二階幹事長は29日、慰安婦問題を巡る日韓合意に「重大な欠陥」があったとする文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領の声明について「(日本が)いちいち反発しては物事は成り立たない」と述べ、日本政府に冷静な対応を求めた。

北京市内で同行記者団の質問に答えた。

二階氏は「相手の立場を考えて理解するぐらいの大きな腹構えが(日本側に)なければ、近隣国と円満に進めることは難しい」とも主張した。

2015年末の日韓合意は慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認している。日本政府は文政権の対応を強く非難しており、再交渉には応じない方針だ。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20171230-OYT1T50021.html