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2015/01/23 0:38
《今世紀末に川の水半減…温暖化影響、田植え期に》 2015.01.21 読売新聞 環境省の専門家委員会は20日、地球温暖化の影響で、今世紀末には東北や北陸地方の河川水量が、田植え時期に半減するなどとの将来予測をまとめた初の報告書案を公表した。 温室効果ガスの削減策を取らなかった場合、全国の年平均気温が20世紀末より4・4度上がるとも予測し、農業や自然災害などを中心に22項目について、影響が特に重大で緊急に対策が必要とした。 同省は、意見を一般公募して年度内に報告書を正式に決め、政府は8月までに被害を軽減する対策を盛り込んだ「適応計画」をまとめる。 専門委は13年7月から、57人の専門家が参加し、関連する論文や国際機関の報告書など529点を基に報告書案をまとめた。温暖化で人命が失われる危険や経済被害、自然景観の損失などを考慮し、22項目について影響が特に重大で対策を急ぐ必要があるとした。 www.yomiuri.co.jp/eco/20150120-OYT1T50077.html
2015/01/22 0:02
《『アンブロークン』に含まれる個々の話は事実なのか?》2015.01.21 ミツジのブログ 書籍「アンブロークン」には、つくり話としか思えない記述がたくさんあり、それについては、丸谷元人著「日本軍は本当に『残虐』だったのか」という本に詳細に書かれている。 同様の問題意識をもつ米国人もやはりいるようで、ニューヨークポスト紙は、去年の12月21日、「『アンブロークン』に含まれる個々の話は事実なのか?」という記事を配信した。《Is every detail in ‘Unbroken’ really true?》http://nypost.com/2014/12/21/is-all-of-the-powerful-tale-unbroken-really-true/ この記事は、この本の記述には信じがたい話がいくつかあるとして、3名の専門家の意見を掲載している。3名の専門家は次の通り。 クロード・ピアンタドッシ博士。デューク大学医学部内科教授。「サバイバル生物学―極限下での生と死」の著者。 トマス・コイン。カリフォルニア・サバイバル訓練学校のチーフインストラクター。米海兵隊、海軍、空軍にも訓練技術を指導している。 アレン・ケラー博士。ニューヨーク大学ベルビュー病院、拷問の犠牲者のためのプログラムの責任者。 ザンペリーニたちは、赤道に近い太平洋上を救命ボートで47日間漂流し、連日太陽の直射を受け、1週間ほど水も飲めなかったが、そんな状況で生きていられるのか、という質問について、ピアンタドッシ博士は「とても生きていられるとは思えませんが、涼しくて日陰がある状況なら、人間は1週間までなら生きていられるでしょう。直射日光を受けていれば、タイムリミットは48時間」と述べている。 機が墜落して、ザンペリーニが機とともに深く沈んでおぼれ、真っ暗な海中で意識を失い、その後意識を取り戻し、血やガソリンを含んだ海水を飲み込みつつ、機体から脱出、炭酸ガスで救命胴衣を膨らませて海面まで急浮上するシーンについて、ケラー博士やコインはこの話を信用しておらず、コインは「スパイ映画のようだ」と述べている。 ザンペリーニはクエゼリン島から日本に移送される船の中で、水兵に顔面を殴られ、鼻の骨が変形して骨が飛び出したという。3週間後、日本についたとき、将校に懐中電灯で顔面を殴られ、さらに鼻が変形したというが、無事でいられるのか、という質問について、ビアンドッジ博士は「ありそうもないですね。ひどい栄養失調状態にある人物が、骨が飛び出すような外傷を負ったら、高度な治療を受けなければ、感染する可能性が非常に高い」と述べ、コインは「最初の骨折は3週間では治りません。さらに懐中電灯で6発殴られたのなら、深刻なダメージとなります」と述べている。 ザンペリーニは、日本の収容所で、赤痢、飢えに苦しみ、40度の高熱が出ることもたびたびあったが、そんな状況で彼は、命令された100名の捕虜仲間から連続して、顔面を1発ずつ殴られている。220発だったという話もある。それだけ殴られて死なずにすむのか、という質問に対して、3人は次のように答えている。 ピアンタドッシ博士「ちょっと考えられません。非常に弱い力でなければ助かりません」ケラー博士「思い出しバイアスではないでしょうか。殴られた回数はわからないと思います」コニー「眼窩と鼻の骨は固くなく、顔面がひどく変形するでしょう。UFCの格闘家でも一発で気絶することがあります。連続して百発殴られて、生きていられるものなのか。私にはまったく分かりません」 ザンペリーニは、数日後、長さ1.8mの重い角材を37分間持ち上げたというが、そんな力はあったのか、という質問に対して、ピアンタドッシ博士は「角材の重さと衰弱の度合いによると思います」、ケラー博士は「ザンペリーニの時間の感覚が歪んでいるのではないでしょうか」と答えた。コインはその話を信用していないような答えだった。 この記事は、故意ではないにせよ、誇張あるいは記憶違いの部分があるのではないか、と考えて、専門家の意見を聞くことにしたというが、明らかに故意であろう。著者のヒレンブランドは物語を文字通り「劇的」に見せるために、そして、日本軍をとことん残虐に描いてザンペリーニの赦しを際立たせるために、故意に、誇張と捏造をたくさん入れているように思う。 「アンブロークン」と、同じ捕虜収容所での出来事が描かれているルイス・ブッシュの「おかわいそうに」とでは、まったく違った印象を受けるのは、アンブロークンの著者が真実を描こうとはしていないからである。 それに関しては、「おかわいそうに」と「アンブロークン」を対比した下記ブログ記事は参考になる。 《主人公について。大森収容所のエピソードから – 小説アンブロークンを読む -》http://blogs.yahoo.co.jp/islavista_seaside/40031588.html http://mituzi.blog.fc2.com/blog-entry-2.html
2015/01/21 14:20
長期金利、初の0.2%割れ 0.195%に。金利予測と財政に関し、高橋洋一 嘉悦大教授が《長期金利の予測が大外れでも「破綻論者」が生き延びるワケ》を解説。—《長期金利、初の0.1%台 5年物はマイナス 欧州緩和観測で》2015.01.20 日本経済新聞 金利低下が止まらない。20日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは一時、前日比0.005%低い(価格は高い)0.195%と初めて0.1%台を付けた。新発5年物国債も初めて流通利回りがマイナスになった。日欧の金融緩和で世界的な低金利が続いており、債券市場では金利が一段と低下するとの見方も広がっている。 新発10年物国債は6営業日連続で過去最低を更新した。新発5年物国債は流通市場で前日比0.010%低いマイナス0.005%と、5年債として初めて利回りがマイナスに低下した。財務省が20日実施した5年物国債の入札では、最高落札利回りがゼロ%と過去最低となった。 長期金利が下がっている主因は、日銀が大規模な金融緩和の一環として大量に国債を買い入れており、市場に出回る国債の量が減っていることだ。足元では原油安の影響で日銀が定める2%の物価安定目標に到達するメドはたたず、大規模な緩和が続くとの見方から金利が下がりやすい状態が続いている。 欧州の金融緩和観測も日本の金利を一段と押し下げる要因だ。19日にはフランスのオランド大統領が、22日の欧州中央銀行(ECB)理事会で「国債を購入すると決定するだろう」と明言した。デフレ懸念の強い欧州も本格的な量的緩和に踏み切るとの見方が広がり、世界的に金利を押し下げる結果となった。国際通貨基金(IMF)が20日、世界全体の成長率見通しを引き下げたことも、安全資産とされる日本国債の買いにつながった。 国債の金利が下がれば、企業や家計への貸出金利も低下し、設備投資や住宅購入を後押しする効果がある。一方で生命保険や年金基金の運用利回りが確保しづらくなり、家計への悪影響も出始めている。 http://www.nikkei.com/article/DGKKASGC20H0A_Q5A120C1MM0000/—《長期金利の予測が大外れでも「破綻論者」が生き延びるワケ》2015.01.14 ZAKZAK 高橋洋一 嘉悦大教授 長期金利が0・2%台まで下がっている。これは過去最低の水準だ。金融緩和や消費増税見送りで金利が上昇するとみていた一部の市場関係者の予測は見事に外れている。 筆者のところにきた年賀状でも、「いつか金利が上がるので財政破綻が心配」と書いているものがしばしばある。そうした差出人をみると、財務省時代の知り合いばかりだ。 本コラムで再三指摘しているが、財務省は景気に関係なく増税指向である。財務省は公式には絶対に認めないが、その理由は増税による予算歳出権の拡大を目的としているからだ。そう考えた方がいろいろなことをうまく説明できるという意味で、「仮説」といってもいい。 財政破綻論者の主張をそのまま言えば、金融緩和すれば、「実質金利+予想インフレ率=名目金利」というフィッシャー関係式によって金利が上がるという。 しかし、現実には、フィッシャー関係式はデフレギャップ(供給が需要を上回る状態)のあるときには働かず、それが解消するまでは名目金利は容易に上がらないことが過去のデータからも明らかになっている。しかも、今の金融緩和は日銀が国債を購入することによって行われているわけで、需給関係からみても金利が上がらないのは当然である。 また、消費増税を見送れば財政再建は遠のき、金利が上がるとの主張もあった。しかし、現実は、増税を先送りすれば景気が良くなり財政再建の近道になるので、金利は上がらない。 要するに、財政破綻論者は、財務省の狙いを知ってか知らずか、財務省の走狗になっているだけなのだ。一部の市場関係者は、財務省の取引先の金融機関に勤めていたり、親会社が金融機関となっているので、財務省との関係で、提灯持ちをしていることも多い。 実際、財務省の国債担当部署は、日常的に金融機関との対話をしており、金融機関やその子会社であるシンクタンクは財務省の機嫌をとるような対応になる。また、財務省の所管する外為資金の運用先になっている金融機関は、重要な稼ぎになる取引先の財務省を悪く言うはずない。 そうした構図をわかっていれば、金融緩和は名目国内総生産(GDP)を高めて税収を上げるので、増税による歳出権拡大を狙う財務省によって都合が悪いことが透けて見える。そして、消費増税先送りで財務省が困ることも簡単にわかるだろう。 そうした財政破綻論者や一部の市場関係者の意見をマスコミが取り上げ続けるから、金利予測がこれまで20年近くも外れているのに、間違った情報が相変わらず垂れ流されるのだ。 金利はそのうち景気回復とともに上がり出すはずだ。そのときには税収も伸びている。しかも、景気回復が持続すれば、金利増による利払い負担よりも税収増の方が大きくなる。景気が回復すれば、人々の暮らしも良くなり財政再建が容易なので、金利の上昇なんて気にすることはない。金利だけをとやかくいう人は全体が見えない人たちだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一) http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150114/dms1501140830003-n1.htm
2015/01/21 13:01
西村幸祐氏よりシェア(以下、同氏コメント) — 《ISIS(ISIL)日本人人質事件をどう読み解くか》 敬愛する池内恵氏からのメッセージ。池内氏は当たり前の事を書いているが、重要な点をほぼ押さえています。見事なものです。中東の専門家としてでなく、日本のメディアの歪んだ体質を彼は知悉しているからです。 NHKや朝日・TBS系(所謂反日メディア・含東京新聞)の有害情報を遮断し、まず、こちらを読むべきです。 — 《「イスラーム国」による日本人人質殺害予告について:メディアの皆様へ》 2015.01.20 池内恵 本日、シリアの「イスラーム国」による日本人人質殺害予告に関して、多くのお問い合わせを頂いていますが、国外での学会発表から帰国した翌日でもあり、研究や授業や大学事務で日程が完全に詰まっていることから、多くの場合はお返事もできていません。 本日は研究室で、授業の準備や締めくくり、膨大な文部事務作業、そして次の学術書のための最終段階の打ち合わせ等の重要日程をこなしており、その間にかかってきたメディアへの対応でも、かなりこれらの重要な用務が阻害されました。 これらの現在行っている研究作業は、現在だけでなく次に起こってくる事象について、適切で根拠のある判断を下すために不可欠なものです。ですので、仕事場に電話をかけ、「答えるのが当然」という態度で取材を行う記者に対しては、単に答えないだけではなく、必要な対抗措置を講じます。私自身と、私の文章を必要とする読者の利益を損ねているからです。 「イスラーム国」による人質殺害要求の手法やその背後の論理、意図した目的、結果として達成される可能性がある目的等については、既に発売されている(奥付の日付は1月20日)『イスラーム国の衝撃』で詳細に分析してあります。 私が電話やメールで逐一回答しなくても、この本からの引用であることを明記・発言して引用するのであれば、適法な引用です。「無断」で引用してもいいのですが「明示せず」に引用すれば盗用です。 このことすらわからないメディア産業従事者やコメンテーターが存在していることは残念ですが、盗用されるならまだましで、完全に間違ったことを言っている人が多く出てきますので、社会教育はしばしば徒労に感じます。 そもそも「イスラーム国」がなぜ台頭したのか、何を目的に、どのような理念に基づいているのかは、『イスラーム国の衝撃』の全体で取り上げています。 下記に今回の人質殺害予告映像と、それに対する日本の反応の問題に、直接関係する部分を幾つか挙げておきます。 (1)「イスラーム国」の人質殺害予告映像の構成と特徴 今回明らかになった日本人人質殺害予告のビデオは、これまでの殺害予告・殺害映像と様式と内容が一致しており、これまでの例を参照することで今後の展開がほぼ予想されます。これまでの人質殺害予告・殺害映像については、政治的経緯と手法を下記の部分で分析しています。 第1章「イスラーム国の衝撃」の《斬首による処刑と奴隷制》の節(23−28頁) 第7章「思想とシンボル−–メディア戦略」《電脳空間のグローバル・ジハード》《オレンジ色の囚人服を着せて》《斬首映像の巧みな演出》(173−183頁) (2)ビデオに映る処刑人がイギリス訛りの英語を話す外国人戦闘員と見られる問題 これまでイギリス人の殺害にはイギリス人戦闘員という具合に被害者と処刑人の出身国を合わせていた傾向がありますが、おそらく日本人の処刑人を確保できなかったことから、イギリス人を割り当てたのでしょう。欧米出身者が宣伝ビデオに用いられる問題については次の部分で分析しています。 第6章「ジハード戦士の結集」《欧米出身者が脚光を浴びる理由》(159−161頁) (3)日本社会の・言論人・メディアのありがちな反応 「テロはやられる側が悪い」「政府の政策によってテロが起これば政府の責任だ」という、日本社会で生じてきがちな言論は、テロに加担するものであり、そのような社会の中の脆弱な部分を刺激することがテロの目的そのものです。また、イスラーム主義の理念を「欧米近代を超克する」といったものとして誤って理解する知識人の発言も、このような誤解を誘発します。 テロに対して日本社会・メディア・言論人がどのように反応しがちであるか、どのような問題を抱えているかについては、以下に記してあります。 第6章「ジハード戦士の結集」《イスラーム国と日本人》165−168頁 なお、以下のことは最低限おさえておかねばなりません。箇条書きで記しておきます。 *今回の殺害予告・身代金要求では、日本の中東諸国への経済援助をもって十字軍の一部でありジハードの対象であると明確に主張し、行動に移している。これは従来からも潜在的にはそのようにみなされていたと考えられるが、今回のように日本の対中東経済支援のみを特定して問題視した事例は少なかった。 *2億ドルという巨額の身代金が実際に支払われると犯人側が考えているとは思えない。日本が中東諸国に経済支援した額をもって象徴的に掲げているだけだろう。 *アラブ諸国では日本は「金だけ」と見られており、法外な額を身代金として突きつけるのは、「日本から取れるものなど金以外にない」という侮りの感情を表している。これはアラブ諸国でしばしば政府側の人間すらも露骨に表出させる感情であるため、根が深い。 *「集団的自衛権」とは無関係である。そもそも集団的自衛権と個別的自衛権の区別が議論されるのは日本だけである。現在日本が行っており、今回の安倍首相の中東訪問で再確認された経済援助は、従来から行われてきた中東諸国の経済開発、安定化、テロ対策、難民支援への資金供与となんら変わりなく、もちろん集団的・個別的自衛権のいずれとも関係がなく、関係があると受け止められる報道は現地にも国際メディアにもない。今回の安倍首相の中東訪問によって日本側には従来からの対中東政策に変更はないし、変更がなされたとも現地で受け止められていない。 そうであれば、従来から行われてきた経済支援そのものが、「イスラーム国」等のグローバル・ジハードのイデオロギーを護持する集団からは、「欧米の支配に与する」ものとみられており、潜在的にはジハードの対象となっていたのが、今回の首相歴訪というタイミングで政治的に提起されたと考えらえれる。 安倍首相が中東歴訪をして政策変更をしたからテロが行われたのではなく、単に首相が訪問して注目を集めたタイミングを狙って、従来から拘束されていた人質の殺害が予告されたという事実関係を、疎かにして議論してはならない。 「イスラーム国」側の宣伝に無意識に乗り、「安倍政権批判」という政治目的のために、あたかも日本が政策変更を行っているかのように論じ、それが故にテロを誘発したと主張して、結果的にテロを正当化する議論が日本側に出てくるならば、少なくともそれがテロの暴力を政治目的に利用した議論だということは周知されなければならない。 「特定の勢力の気分を害する政策をやればテロが起こるからやめろ」という議論が成り立つなら、民主政治も主権国家も成り立たない。ただ剥き出しの暴力を行使するものの意が通る社会になる。今回の件で、「イスラーム国を刺激した」ことを非難する論調を提示する者が出てきた場合、そのような暴力が勝つ社会にしたいのですかと問いたい。 *テロに怯えて「政策を変更した」「政策を変更したと思われる行動を行った」「政策を変更しようと主張する勢力が社会の中に多くいたと認識された」事実があれば、次のテロを誘発する。日本は軍事的な報復を行わないことが明白な国であるため、テロリストにとっては、テロを行うことへの閾値は低いが、テロを行なって得られる軍事的効果がないためメリットも薄い国だった。つまりテロリストにとって日本は標的としてロー・リスクではあるがロー・リターンの国だった。 しかしテロリスト側が中東諸国への経済支援まで正当なテロの対象であると主張しているのが今回の殺害予告の特徴であり、重大な要素である。それが日本国民に広く受け入れられるか、日本の政策になんらかの影響を与えたとみなされた場合は、今後テロの危険性は極めて高くなる。日本をテロの対象とすることがロー・リスクであるとともに、経済的に、あるいは外交姿勢を変えさせて欧米側陣営に象徴的な足並みの乱れを生じさせる、ハイ・リターンの国であることが明白になるからだ。 *「イスラエルに行ったからテロの対象になった」といった、日本社会に無自覚に存在する「村八分」の感覚とないまぜになった反ユダヤ主義の発言が、もし国際的に伝われば、先進国の一員としての日本の地位が疑われるとともに、揺さぶりに負けて原則を曲げる、先進国の中の最も脆弱な鎖と認識され、度重なるテロとその脅迫に怯えることになるだろう。 特に従来からの政策に変更を加えていない今回の訪問を理由に、「中東を訪問して各国政権と友好関係を結んだ」「イスラエル訪問をした」というだけをもって「テロの対象になって当然、責任はアベにある」という言論がもし出てくれば、それはテロの暴力の威嚇を背にして自らの政治的立場を通そうとする、極めて悪質なものであることを、理解しなければならない。 http://chutoislam.blog.fc2.com/blog-entry-258.html
2015/01/21 12:24
ここまで政策が異なる人達が選挙の為に一つの党の体裁を取っていても、まともな政策は決められません。ものの役に立たない。 — 《変わらぬバラバラ「自衛権」「原発」「野党再編」…代表選でみえた民主の実体と前途》 2015.01.21 産経新聞 民主党代表選は18日の投開票の結果、岡田克也氏が細野豪志、長妻昭両氏を破り、9年4カ月ぶりに代表の座に返り咲いた。 岡田氏ら3人は選挙期間中、10カ所以上で地方遊説を行い、テレビ、インターネット番組への出演で盛り上げに必死だった。だが、議論を深めれば深めるほど、集団的自衛権や原発再稼働、野党再編などをめぐる党内の埋めがたい大きな溝が明らかになった。 岡田氏は18日の新代表就任直後の記者会見で、党内の見解の相違をどう乗り越えるかについて「丁寧に議論する」と述べたが、特に違いが明白なのは集団的自衛権の行使をめぐる見解だ。 岡田氏は閣議決定で行使を容認した政府の手法には反対だが、「集団的自衛権行使を認めないと叫んでも巨大与党がどんどん前に進んでいく。歯止めができれば賛成することもある」と、その必要性は否定していない。 細野氏も、代表選前から有志議員とともに限定容認を前提にした安全保障基本法の骨子案をまとめている。ところが岡田氏は18日の記者会見で、安保基本法案について「閣議決定の中身と変わらない。受け入れることはできない」とさっそく牽制した。 長妻氏はそもそも「個別的自衛権の範囲内で対応できる」との立場だ。「憲法を改正すれば集団的自衛権はいいとなってはならない」と、行使容認自体に反対の姿勢をとった。 安全保障関係では、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設も見解が異なる。迷走の末に辺野古移設に回帰した鳩山由紀夫政権の外相だった岡田氏は「沖縄の人を粘り強く説得するしかない」と推進の立場だ。 細野氏は「いろんな可能性を探るべきだ」と曖昧で、長妻氏は「辺野古の基地の規模、位置、進め方などについて柔軟に住民の理解を得られるよう話し合いを続ける」と計画の一部変更も検討すべきだとの考えを示した。 これは8日の日本記者クラブ主催の討論会での発言だが、長妻氏は12日、自身の発言が中途半端だと感じたのか、フェイスブックで「現状で辺野古基地建設を強行することには反対」と補足し、反対の立場をより鮮明にした。原発政策でも岡田、細野両氏は再稼働を否定しないが、長妻氏は明確に反対している。 代表選の1回目の投票で3位となった長妻氏には37人の国会議員が投票した。その中心は旧社会党出身の赤松広隆前衆院副議長らのグループで、社民党らとの護憲派の議員連盟「立憲フォーラム」代表の近藤昭一元環境副大臣は長妻氏の選対本部長を務めた。日教組、自治労の支援を受ける議員が多く、リベラル・左派勢力が結集した。132人の政党で集団的自衛権や移設問題で正反対と言っていいほど意見の違う37人の集団がいることが明らかになったわけだ。 だが、岡田氏が国会議員らによる細野氏との決選投票を制したのは、赤松氏らの票が流れ込んだからだった。ちなみに長妻氏の推薦人に名を連ねた近藤氏と篠原孝、福田昭夫両衆院議員、増子輝彦、有田芳生、徳永エリ各参院議員は昨年4月、トルコなどへの原発輸出を可能とする原子力協定の国会承認に賛成とした党方針に反し、採決を棄権・欠席した。岡田氏は、組織の決定に従うことさえできない実績を持つ人たちから支援を受けたことになる。 岡田、細野両氏は、野党再編への見解が正反対だ。 岡田氏は18日の記者会見でも、維新との合流を「到底考えられない」と否定し、あくまで民主党の原点回帰を訴えた。代表選では、昨年の衆院選前に維新の党との新党構想を自身に提案してきた細野氏の行動を暴露した。「細野氏の本心は野党再編」とあぶり出す狙いがあったのは間違いなく、「政治家として言葉に責任を持つべきだ」と激しく追及した。 細野氏は代表選に入ると「民主党を再生する」と訴え、維新との合流新党について声を大にすることはなかった。ただ、「同じ考えの人たちを結集することは政権を取るために必要だ」とも語り、野党再編志向を捨てたわけでもない。党再生を訴える岡田氏の攻撃には「それならば、なぜ大阪市で民主党候補を立てなかったのか」と切り返し、昨年の衆院選の責任者だった岡田氏を批判した。「本来の敵」は自民党だろうに、壮絶な身内の泥仕合となった。 こうした光景は、自民党総裁選ではあまりみられない。野党時代の平成24年9月の総裁選は、安倍晋三、石破茂、町村信孝、石原伸晃、林芳正の5氏が立候補した。歴史認識などに違いはあっても、安全保障政策で大差があったわけではない。 当選して政権を奪還した安倍首相は、総裁選中に病気となった町村氏を除く3氏を幹事長や閣僚で処遇した。石破氏は2年近く幹事長を務め、閣僚は一人も顔ぶれが変わらないまま617日続き、戦後最長を記録した。 民主党代表選の3候補がそろって足並みをそろえた重要政策もある。憲法9条の改正反対だ。 岡田氏は14日に札幌市で党員らを対象に開いた集会で、「安倍政権である限りは憲法改正の議論をしないというのが民主党の考え方であるべきだ」と述べ、代表に就けば党として改憲議論を封印する考えを示した。代表選の投票直前の演説でも繰り返した。 理由は「基本的な考え方が違う」からだという。「言論の府」に身を置きながら、考え方が違う人とは議論さえしないとの宣言だった。 札幌市の集会では長妻氏も「安倍内閣の下で9条をいじることは絶対あってはならない」と明言した。細野氏は「安倍政権や自民党の憲法観とは全く異なる。軍隊の不保持と交戦権の否認はしっかり守るべきだ」と語った。 ほかにも3候補は全員、衆院選への対応や政権時代の運営への反省を語り、党の多様性の尊重と結束の必要性も同時に訴えた。多様性と結束は二律背反になりかねない難題だが、「決めたことには従う」との政治文化を徹底することも約束した。 その具体的な克服の手段を示さないところまで共通していた。14日の集会では、会場から「代表選後に3人は協力できるのか」との質問が出た。長妻氏は「全面的に協力する」、細野氏は「約束する。大丈夫だ」、岡田氏は「当たり前だ」とそれぞれ答えた。さらに岡田氏は、こう付け加えた。 「政策が同じだったらおかしい。いろんな意見の違いがあっていい。しかし、それはあくまでも同じ土俵の中でどこに重点を置くかという違いだ。根本的に違わないということは3人の議論を聞いていたら分かると思う」 3人の議論を聞けば聞くほど、多くの点で根本的に違うことが判明したが、政策の違いを乗り越えられずに結束できなかったのが民主党の歴史だったはず。バラバラの党を今後はどう克服するかとなると、岡田氏は「丁寧に議論する」「皆さんの意見を聞いて合意形成したい」とお茶を濁した。民主党の実態と前途がよく分かる代表選となった。(政治部 酒井充) http://www.sankei.com/premium/news/150121/prm1501210006-n5.html