一般質問
1 中野区基本計画について
(1)少子化対策について
(2)武力事態への対処について
(3)その他
2 人権施策について
(1)北朝鮮拉致問題について
(2)中華人民共和国の人権弾圧について
(3)その他
3 教科書について
4 ポイント還元事業について
5 東京五輪の武漢ウイルス対策について
6 その他
- ○議長(内川和久)
- 次に、吉田 康一郎議員。
- 〔吉田 康一郎議員登壇〕
- ○12番(吉田 康一郎)
- 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田 康一郎です。よろしくお願いいたします。
まず、中野区基本計画について伺います。
少子化対策について。
中野区基本計画の素案では「子ども女性比の一定の維持や出生数、合計特殊出生率の増加が必要です」とし、子ども女性比の現状値が0.135、1980年から90年代の子ども女性比の平均値が0.147であったことから、「こうした数値も踏まえ、さらなる子ども女性比の増加を目指し」としていますが、漠然とした表現ではなく、具体的に目標値を設定すべきであると訴えてまいりました。そして、そもそも1981年の中野区の合計特殊出生率は1.17、1990年は0.94であり、目標とすべき年であるとも考えられません。また、過去の数値を目指すのでは、子育て先進区としての理念と意欲が感じられません。基本計画(改定素案)においては、この部分についてどのように改定するのか伺います。
次に、武力事態への対処について伺います。
3月2日の予算特別委員会において、中野区基本構想と中野区基本計画(素案たたき台)に、武力攻撃事態における国民保護、住民保護対策について一切記載がなかったため、明確に記載をしなければならないとただしたところ、基本計画(素案)において「国民保護関連訓練」との文言が明確に記載され、高く評価するものであります。ただし、実動訓練に関しては災害訓練への言及しかないため、こちらにも武力攻撃事態への実動訓練を明確に記載し、基本計画に位置付けることが必要であり、引き続き基本計画のブラッシュアップを要望いたします。
そして、同じく予算特別委員会において、武力行使事態などを想定した区民・住民への対処、避難訓練の実施について伺ったところ、「今後必要に応じて、東京都など関係機関との協議なども検討してまいります」との答弁でありました。感染症拡大を防ぐため、訓練の実施は繰り延べる必要がありますが、こちらの都合で武力攻撃事態は待ってはくれません。むしろ我が国社会が災害等で混乱し、疲弊・弱体化しているときにこそ、我が国を侵害・侵略し、自国の意思を強要しようとする敵対国は武力行使をするのが鉄則であります。
住民参加による避難訓練の実施の準備等、武力攻撃事態における住民保護対策の検討を進めていただきたい。私は、この検討を区も区民も進めることにより、シェルターの必要性などについての認識も深まっていくものと期待をしています。見解を伺います。
次に、人権施策について伺います。
まず、北朝鮮による日本人拉致問題について。
いまだ解決の糸口が見えない北朝鮮による日本人拉致の解決のため、官民挙げて様々な取組が行われてきました。その一つとして、2010年から舞台劇「めぐみへの誓い」(脚本・演出 野伏翔監督)が劇団夜想会の自主公演として全国各地で上演が行われ、2014年から内閣府拉致対策本部の主催公演となり、地方公共団体との共催、入場無料で全国各地で公演が行われてきました。13歳のときに北朝鮮に拉致された横田めぐみさんを中心に、拉致被害者とその家族の苦悩と闘いを描いた劇です。
そして、国民へのさらなる啓発、拉致問題の悲劇を理解し、解決に向けて世論が高まるよう、昨年、この舞台劇を基に映画「めぐみへの誓い」が制作され、去る2月19日から上映が開始され、全国37館で公開がされていますが、まだまだ上映館が少ない現状にあります。
中野区としても、試写会の上映を含め、この映画を多くの区民の皆様に鑑賞していただけるよう支援すべきではないかと考えます。見解を伺います。
次に、共産党独裁中国政府による違法臓器収奪問題について伺います。
「ヒューマン・ハーベスト~中国の違法臓器収奪の実態~」というドキュメンタリー映画があります。アメリカ放送界・映像界最高峰と言われるピーボディ賞を受賞、英国国際放送協会(AIB)賞を受賞、その他数多くの賞を受賞した映画です。
この映画の元となったのは、デービッド・マタスという、カナダで人権派弁護士として知られ、民間に与えられる最高栄誉であるカナダ勲章を受賞した法曹界の大物弁護士と、デービッド・キルガーという、弁護士資格を持つ国会議員で、アジア太平洋担当大臣などの要職を歴任した政界の重鎮でもある政治家の2人が行った調査で、その結果は2009年、「Bloody Harvest」(邦題「中国臓器狩り」アスペクト)として1冊にまとめられました。
世界一の臓器移植国を掲げている中国が、世界最大の死刑大国でもあり、年間数千人の死刑を執行していますが、しかし、年間に行われる臓器移植は10万件に達する。この自らが宣言する臓器供給源をはるかに上回る手術を行いながら、臓器の出所を明らかにしていない。これらの出所不明の大量の臓器は、不当に投獄された共産党独裁中国政府の意に沿わない大量の無罪の人たちがその出所となっているとの当事者による証言を含む物的・人的証拠を収集し、彼らは臓器のために殺害されているというおぞましい事実を指摘しています。
2008年にはイスラエルで最初の臓器移植法が成立し、移植手術のための中国への渡航が禁止となり、国際移植学会は臓器売買と移植ツーリズムの禁止を求めたイスタンブール宣言を採択。2010年にはスペインが移植ツーリズムと臓器売買に対応できるよう刑法を改正。昨年には台湾が人体移植に関する法改正を行い、事実上中国大陸への移植渡航を禁止しました。
2016年6月には、アメリカ下院議会は「移植臓器販売の目的で宗教犯、政治犯を殺害することは言語道断な行為であり、生命の基本的権利に対する耐え難い侵害である」として、「全ての良心の囚人からの臓器狩りを即刻停止することを中華人民共和国政府と中国共産党に要求する」などの条文を含む6項目の決議案343号を採択しました。
昨年12月1日には、参議院議員会館で両デービッド氏が講演をした。この中で、我々日本人も無関係ではないということを指摘しました。中国臓器移植ツーリズムに日本人の利用者がいるからであります。
この映画以外にも、幾つものこの人類最大の人権侵害事案について映画や映像、書物があります。中野区でもこの問題について区民に啓発する映画の上映会、講演会等を企画・実施すべきと考えますが、見解を伺います。
次に、教科書について伺います。
小・中学校で使用されている教科用図書、いわゆる教科書すら、内閣において従軍慰安婦、強制連行、強制労働といった表現が不適切であるとの閣議決定が下されました。ようやくです。学校の教科書の選定は、政府の方針に基づいた基準で行われるものとされています。現在使用されている教科書は閣議決定前に採択されたものであり、それを使用しているため、以下の3点を確認します。
1、現在中野区の小・中学校で使用されている教科書は、閣議決定された方針に反する記載があるか。
2、過去、全国で、一部の偏った考えの教員たちが子どもたちに不適切な表現や思想を押しつけることが行われてきました。教育委員会として、区内の小・中学校においてそのような教員や行為の有無について調査・把握をしているか伺います。
3、不適切な表現が記載されている教科書を使用してきた場合、その被害を受けてきた子どもたちに対してどのように訂正等を行い、学び直しをさせていくのか伺います。
次に、生活応援事業について伺います。
補正予算に示された生活応援事業のキャッシュレス決済によるポイント還元事業は都の補助事業を活用したもので、中野区商店街連合会の状況等も踏まえ、様々な制約の中で最善の方法として、その手法を選択したものだと理解しています。一方で、昨年度実施した紙のプレミアム商品券事業は、中野区商店街連合会からも、私が個別に接する消費者の側の区民の方々からも評判がよく、また実施してほしいとの要望も寄せられています。
都の事業はキャッシュレス事業だけではなく、紙のプレミアム商品券への補助と併用する事業も用意されています。キャッシュレス化は中・長期的には進めるべき課題ですが、当面の状況としては、まず、スマホのポイント還元を使いこなせる一部の人しかプレミアムの恩恵を受けることができないこと、また、決済システムの個人情報保護等のセキュリティーに懸念があることなどから、もろ手を挙げて推進すべきと言えない状況にあります。
都と区の税を投入して実施する生活応援事業としては、高齢者等も利用でき、効果の高かった紙の商品券による応援も併用することが望ましいと思います。スピード、事務処理、予算等様々な制約があることはよく分かっていますが、工夫をしていただきたい。見解を伺います。
最後に、東京五輪の感染症対策について伺います。
中野総合体育館における感染症対策は組織委員会やIOCに責がありますので、私は7月17日のオリンピックの聖火リレー、そして、8月20日のパラリンピックの聖火リレー、中野区で行われるこのリレーについて伺います。
オリンピックについては、約600人のボランティア、パラリンピックについて約300人のボランティアが沿道に立ち、リレーの応援、運営を補助することになっています。このリレーの交通規制について、東京都の実行委員会が作成したチラシには、最初の注意事項として沿道での密集を避けることを求め、2番目の項目に、なるべくライブ中継を見るよう案内がされています。しかし、残念ながら、現在の状況ではこれは逆だと思います。まず、沿道に来ないでほしい。ライブで見てほしい。そして、どうしても来てくださる方には3密対策をしっかりする。このような順番で区民にも協力を要請するべきでありますし、東京都にもそのように広報すべき、このように東京都に申し入れる必要があると思いますが、見解を伺います。
感染症対策がしっかりできた中で、国際約束である東京オリンピック・パラリンピックがしっかりと開催されることを祈念して、質問を終わります。
以上で私の質問を終わります。簡明な答弁をお願いし、お礼とさせていただきます。ありがとうございました。
- 〔区長酒井直人登壇〕
- ○区長(酒井直人)
- 吉田 議員の御質問、私からまず中野区基本計画についてでございます。
少子化対策について。子ども女性比の目標値についてでございます。子ども女性比については、1980年から1990年代の平均値である0.147を目指す考えでございますが、目標値であることがより明確になるよう記述を改めたいと考えております。次に、子育て先進区の実現に向けて、子育て家庭の定住を促進していくために、子ども女性比の増加を目指し、その実現に向けた環境整備等に取り組んでいく考えでございます。
続きまして、武力攻撃事態における住民保護対策についてでございます。有事における想定外の状況の中でも、区民の生命、身体及び財産の保護を着実に行いつつ、機動的かつ迅速な対処策の実施がなされるよう万全を期していくことには変わりないところでございます。国民保護関連訓練の実施につきましては、今後も他自治体の状況なども含め、必要に応じて情報収集をしてまいります。また、引き続き、有事の際の対処能力の向上に向け、各関係機関と連携を図ってまいりたいと思います。
次に、人権施策についてで、北朝鮮拉致問題についてでございます。北朝鮮の拉致問題は重大な人権侵害であると考えております。東京都等が講演会や映画等による啓発に取り組んでいるところでございまして、区としても日本が現在抱えている人権課題の一つであると捉えております。区としても認識を深めるための啓発活動を行っているところでございまして、映画上映についても参考といたします。
最後に、中華人民共和国の人権弾圧についてでございます。日本としての対応ということにつきましては、外交問題であり、基本的に国が判断し対処すべき事項と捉えております。しかし、区としてこれは人権課題として捉えておりまして、国の動向を踏まえ対応してまいりたいと考えます。
- 〔教育長入野貴美子登壇〕
- ○教育長(入野貴美子)
- 教科書についてお答えをいたします。
区教科用図書の表記でございますが、中野区の小・中学校で使用している教科用図書につきましては、議員御指摘のような表現の記載はございません。
次に、教員の中立性についてです。教育基本法におきまして教員は政治的中立が求められており、また、学習指導要領に基づいて授業を行っているところでございます。管理職が定期的に全教員の授業観察を行っております。学校から教員の不適切な指導が報告された場合につきましては、教育委員会として適切に対応してまいります。
最後に、教科用図書の訂正についてです。教科用図書に訂正がある場合は、教科書会社より教育委員会や学校に連絡が入ってまいります。学校ではその都度適切に指導しております。
- 〔区民部長鳥井文哉登壇〕
- ○区民部長(鳥井文哉)
- ポイント還元事業での高齢者等への配慮についての御質問でございます。
区といたしましては、高齢者等でキャッシュレス決済の利用は難しいと感じている方につきましても、これを機にお使いいただきたいと考えておりまして、きめ細かく丁寧な対応を行っていく予定でございます。そのほかの対応につきましては、今後の状況を勘案しながら引き続き検討してまいります。
- 〔健康福祉部長岩浅英樹登壇〕
- ○健康福祉部長(岩浅英樹)
- 東京五輪の感染症対策についてお答えいたします。
区としてランナーや沿道の区民等の安全を確保することが重要であると考えておりまして、東京都聖火リレー実行委員会に対しましても、現場の課題を伝えたり、改善を求めるとともに、区として区民に対しては感染症対策の周知徹底等に努めてまいります。
- ○議長(内川和久)
- 以上で吉田 康一郎議員の質問は終わります。