08/31/2016 07:45:56 PM

北方領土、日本の主権が認められればロシア人の居住権を容認する事には賛成です。しかし、今のロシアを考えるとこれで返還交渉が進むとは思えませんが。

私自身は、千島及び樺太全島が我が国の歴史的領土だと考えていますが、我が国への返還或いは譲渡の交渉に当たっては、一定期間のロシア軍の駐留を認めてよいと考えています。

また、ロシア側のオホーツク海の戦略価値を低下させるため、オホーツク沿岸に対潜基地を増強する必要があると考えます。

《北方領土 ロシア人居住権を容認へ 政府方針》
2016.09.01 毎日新聞

 政府は、ロシアとの交渉で北方領土が日本に帰属するとの合意が実現すれば、既に北方領土で暮らすロシア人の居住権を容認すると提案する方針を固めた。5月の日露首脳会談では、領土交渉を進展させるために「新たなアプローチ」で臨むことで一致しており、今回の方針は新アプローチを具体化するものになる。歴史的経緯を巡って帰属を争う従来の協議が進展しなかった反省から、両国が合意した後の日本側の姿勢を示すことで、事態打開を図りたい考えだ。

 安倍晋三首相は9月2日から2日間の日程でロシア極東ウラジオストクを訪問する。今回の方針に基づくロシア側との協議は、2日のプーチン大統領との会談や、2カ月に1回のペースで行っている外務次官級の平和条約締結交渉を想定している。ロシア側の検討を促し、12月に来日する予定のプーチン氏から前向きな姿勢を引き出す構えだ。

 日本政府関係者によると、ロシア側は5月以降、「新アプローチを提案した日本が具体案を提示すべきだ」との意向を伝えてきた。北方四島には現在、約1万7000人のロシア人が居住し、主に水産業や水産加工業に従事している。政府はロシア人の退去や両国による共同統治は困難とみて、日本に帰属した場合でもロシア人の待遇を一定程度保障する必要があると判断した。政府内には、より幅広く権利を保障し、高度な自治を維持する考えもある。これまでも政府は領土問題解決時にロシア人の「人権や利益、希望」を尊重する方針を示してきたが、居住権の容認を明確に示すことで、具体的な返還時期や条件などの協議進展につなげる狙いがある。

 一方、首相は5月の首脳会談で、島民だった日本人の望郷の思いについて語っている。日本政府内では、両国が帰属問題で合意する場合には、ロシア側に元島民らの居住権を認めるよう要求し、日本人の移住を可能にする案もある。元島民らは現在、墓参や交流などを目的とする一時滞在のみ認められている。返還後のロシア人の権利容認の前例とする狙いだが、ロシアの実効支配を追認することにもなりかねず、政府内で異論が出る可能性もある。

 北方領土を巡っては、「第二次世界大戦の結果、自国領になった」と主張するロシアと、「固有の領土」と訴える日本が対立し、協議が行き詰まってきた。首相が提案した「新アプローチ」は、日本への帰属などで合意したとの想定で、統治制度のあり方について検討を目指すものと言える。

 ただ、ロシア側が領土問題でどこまで譲歩するかは不透明で、居住権だけでなく、住民自治や行政機構のあり方など詰めるべき点は多岐にわたる。私有地の登記やロシア企業の資産の扱い、学校教育のあり方などの難題も多く、日本の思惑通りに協議が進むかは未知数だ。【前田洋平】

http://mainichi.jp/articles/20160901/k00/00m/010/168000c

《北方領土協議 新アプローチで打開狙う》
2016.09.01 毎日新聞

 政府が、ロシアとの交渉で北方領土の日本への帰属で合意した場合、ロシア人の居住権を容認すると提案する方針を固めたのは、交渉の停滞局面を転換させる狙いがある。これまでの交渉は歴史的経緯を巡る対立に終始しただけに、日本への帰属移行の具体的な手法を議論する「新たなアプローチ」への転換の意義は大きい。ただ、プーチン政権が妥協するのは容易ではなく、厳しい交渉が予想される。政府関係者は「本格的な領土交渉を始めれば100年はかかる」と語る。

 安倍晋三首相は最近、外交の当面の重点をロシアに置く考えを周囲に示した。今年は1956年の日ソ共同宣言から60年の節目となる。5月にプーチン大統領に極東開発など8項目の協力計画を提示したのも、ロシア側の前向きな姿勢を引き出し、交渉を軌道に乗せる狙いからだった。

 プーチン氏が北方領土問題で前向きな姿勢を見せたのは国内経済優先を掲げた第1次政権時だった。2008年には中国に大ウスリー島の半分を返還し、国境線を画定させた。しかし、12年の大統領復帰後はウクライナ南部クリミア半島の編入など対外強硬路線で国内の支持を得ているのが現状だ。ソチの首脳会談後にロシアで実施された世論調査では、7割が北方領土の返還に反対だった。ロシアは北方領土を含む千島列島の軍事化を進めており、安全保障上も手放すのは困難だ。

 日露外交筋はロシア側が8月30日にプーチン氏の12月の訪日を発表した狙いを、「米大統領選直後に日米を分断したいのでは」と解説する。日本はロシア側の領土問題への本気度を図りかねており、9月2日の首脳会談ではプーチン氏の意図も見極める構えだ。

 北方領土ではロシアによる開発が進んでいる。交渉が本格化すれば土地の所有権やロシア企業の資産の取り扱いなど利害が対立する問題で議論が難航するのは必至だ。【前田洋平】

http://mainichi.jp/articles/20160901/k00/00m/010/170000c

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