06/16/2016 04:04:55 PM

おめでとうございます!

《イチロー 日米通算で最多安打記録を超える》
2016.06.16 NHK

大リーグ、マーリンズのイチロー選手が15日のパドレス戦でヒット2本を打って、日米通算の安打数を4257本とし、ピート・ローズ氏の持つ大リーグ通算最多安打記録を上回りました。

イチロー選手は15日、パドレスの本拠地カリフォルニア州サンディエゴで行われた試合に1番・ライトで先発しました。

イチロー選手は1回の第1打席で、大リーグ1年目の23歳、ペルドモ投手からキャッチャー前への内野安打を打って大リーグ通算最多安打記録に並びました。

このあと第2打席から第4打席までは凡退しましたが、9回の第5打席に抑えのロドニー投手からライト線へのツーベースヒットを打ちました。42歳のイチロー選手はこれで大リーグ16年間で打ったヒット数を2979本とし、日本のプロ野球で打った1278本と合わせて日米通算で4257本とし、シンシナティ・レッズなどでプレーしたピート・ローズ氏の大リーグ通算最多安打記録4256本を上回りました。

球場の電光掲示板には二塁ベース上のイチロー選手の映像とともに、イチロー選手の日米通算安打数とローズ氏の通算安打数が紹介され、スタンドのファンが立ち上がって大きな歓声と拍手を送ると、イチロー選手はヘルメットを取って応えていました。

イチロー選手はこの試合5打数2安打、三振1つという内容でした。試合は3対6でマーリンズが敗れました。

イチロー選手の通算安打の記録は大リーグでは日米通算の注釈がついた参考扱いとなりますが、この日の2本のヒットで大リーグ通算3000本安打まであと21本となりました。

■ 「そんなに大きいことという感じしない」

イチロー選手は試合後の記者会見で、「ここにゴールを設定したことはないので、実はそんなに大きなことという感じは全くしていないが、チームメートやファンにああいう反応をしてもらえてすごくうれしかった。それがなかったら、何も大したことはない」と淡々と話しました。

そのうえで、「日米を合わせた記録というところが難しい。だから、いつかアメリカで、ピート・ローズ氏の記録を抜く選手が出てきてほしいし、もっと言えば日本だけでローズ氏の記録を抜くことが、おそらくいちばん難しい記録だと思うので、これを誰かにやってほしい。とてつもなく難しいことだが、それを見てみたい」と述べ、アメリカでは、日本のプロ野球の評価がまだまだ低いという認識を示しました。

そして、みずからが大リーグの通算安打数でピート・ローズ氏の記録を抜くことについて尋ねられると、「小学生の頃に毎日野球を練習してプロ野球選手になり、大リーグでも首位打者を2回獲得するなど、僕は子どもの頃から人に笑われてきたことを常に達成してきているという自負はある。これからも、それをクリアしていきたいという気持ちはもちろんある」と真剣な表情で話し、これから、さらに1200本余りのヒットを打って大リーグの記録として更新したいという意欲を示しました。

■ ピート・ローズ氏 日米通算安打数に否定的

ピート・ローズ氏はオハイオ州シンシナティ出身の75歳です。

独特のクラウチングスタイルのバッティングフォームから左右に打ち分けるスイッチヒッターで、24年間の現役生活のうち、19シーズンを地元のレッズでプレーし、「ビッグレッドマシ-ン」と呼ばれた強打の打線の中心として、1970年代にチームを2回のワールドシリーズ優勝に導きました。

個人としては首位打者を3回獲得したほか、1973年にはナショナルリーグの最優秀選手に輝きました。そして1985年からの現役最後の2年間はレッズの監督も務めながら、大リーグ史上最多の通算4256本のヒットを打ちました。

しかし、現役引退後の1989年、レッズの監督としてみずからのチームの試合も対象にした野球賭博に関わっていたことが明らかになったとして大リーグ機構から永久追放処分を受け、現在も野球殿堂入りが認められていません。

イチロー選手の日米通算安打数を、みずからの記録と比較することについて、ローズ氏は「大リーグよりレベルが低い日本のプロ野球で打ったヒット数を加えるのはおかしい」などとして、一貫して否定的な見方を示しています。

■ 王貞治さん「称賛に値する」

大リーグ記録を超える868本のホームランをプロ野球で打っているソフトバンクの王貞治球団会長は、「これまで数多くのヒットを積み重ね、42歳にしてさらなる高みを目指し突き進むイチロー君の姿は、私を含め世界の野球ファンを魅了するものであり、その闘志あふれるプレーは称賛に値します。これからも、より一層の活躍を期待するとともに、一本でも多くヒットを増やしてほしいです」とコメントしました。

■ 父親の宣之さん「自然と涙」

イチロー選手の父親、鈴木宣之さん(73)は「記録に並んだキャッチャー前のヒットも記録を上回ったライトへのクリーンヒットも、すべて『イチローらしい』と言われることがうれしい。特にライトへのヒットは、イチローが初めて日本でシーズン200本安打を達成したときと同じライトへの打球だったと思い出し、自然と涙が出た」と話していました。

また、今後について、「子どもの頃、『野球で一流になって世間で認められるようになれ』と言ったが、これからも、もっと頑張ってほしい」エールを送っていました。

■ 首相「日本人として本当に誇り」

安倍総理大臣は、総理大臣官邸で記者団に対し、「すごい記録だと思う。日本選手が再び、金字塔を打ち立てた。日本人として本当に誇りに思う」と述べ、イチロー選手の記録をたたえました。

■ 街角でも喜びの声

東京の新橋駅前の広場では新聞の号外が配られました。

イチロ-選手の昔からのファンだという40代の会社員の男性は「号外が欲しくて新橋に立ち寄りました。おめでとうと言いたいですが、これを通過点としてぜひ5000本のヒットを達成してほしいです」と話していました。ピート・ローズ氏の持つ大リーグ記録に対して、イチロ-選手は日米通算での記録だという点については、「1本1本を積み重ねた結果が4257本だと思うので、日米は関係なく、私としては、ただ、その記録を祝福したいです」と話していました。

また、40代の会社員の男性は「同い年なので本当にうれしく、日本の誇りです。自分も頑張らないといけないなと思いました。まだまだ現役で頑張ってもらいたいです」と話していました。

50代の会社員の男性は日米通算での記録達成について、「日本とアメリカでレベルの違いもあるので、さまざまな考え方があってもいいかと思います。ただ、僕の中ではイチロー選手は世界一です」と話していました。

また、20代の会社員の男性は「テレビで見ていてとても感動しました。ピート・ローズ氏が日本のヒットを含めるなと言っていましたが、同じプロなので世界一と言ってもいいと思います。40代のイチロー選手がこんなにも頑張っているので、20代の私も負けずに頑張ります」と話していました。

■ 出身地の役場には垂れ幕も

イチロー選手の出身地、愛知県豊山町の役場では庁舎が開く午前8時半に合わせ、垂れ幕が掲げられました。

垂れ幕には「祝日米通算4257安打イチロー選手」などと書かれ、今回の記録をたたえています。

テレビで観戦したという72歳の男性は「先発メンバーに入っていたので記録達成を信じていました。とてもすばらしい記録で、自分の人生の中で、いちばんうれしい」と話していました。

また、イチロー選手の子どもの頃を知っているという68歳の男性は「中学生の頃練習している姿を見たが、体が細かったので、とてもプロになれるとは思わなかった。その彼が記録を達成したのは地元の誇りです」と話していました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160616/k10010558091000.html

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