必要な措置だと考えます。
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《富裕層の税逃れ防げ 海外移住者の株含み益に課税 政府・与党、15年度実施へ検討》
2014.10.22 日経新聞
政府・与党は21日、富裕層の税逃れ対策を強化する検討に入った。1億円を超える金融資産を持つ富裕層が海外に移住する場合は株式などの含み益に所得税を課税する。仏独などがすでに導入している仕組みで、日本では年間100人程度が対象になる見通しだ。2015年度からの実施を目指す。
21日の政府税制調査会で財務省が方針を説明した。与党内からは「対策を急がないといけない」(自民党税調幹部)との声が出ている。与党の税制調査会が12月にまとめる15年度の税制改正大綱に盛り込みたい考えだ。
譲渡益への課税は国内に住む人の株式売却益に所得税と住民税が合計20%かかる。含み益のある株を保有したまま移住すると、日本政府からは課税されず移住先の国が売却時に課税する。金融資産の売却益に課税しないシンガポールや香港、スイスに移住すれば税金がかからない。節税策としてこれらの国への移住が増えている。
フランスやドイツ、カナダなどはすでに出国時に課税する仕組みを導入している。日本は金融資産1億円超を対象にする方向で検討を進める。転勤などで海外に一時的に住み、日本に戻る人には課税しない。日本に戻る予定の人は納税の猶予を申告し、国が定めた期間内に株式を売却せずに戻れば課税を免除する。期間内に戻らない場合などは移住先の国の当局を通じて日本政府が税を徴収する。
低所得者ほど負担感が強いといわれる消費税の再増税の判断を前に、富裕層の節税策を封じて、公平性をアピールする狙いもありそうだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS21H1G_R21C14A0MM8000/
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《税収の国外流出に網 富裕層の日本離れに懸念も》
2014.10.22 日経新聞
政府・与党が富裕層への課税強化の検討を急ぐのは日本の税収が国外に流れるのを防ぐ狙いがある。
金融所得の売却益が非課税のシンガポールや香港などで永住権を持つ日本人はここ17年で2.5倍に増えた。シンガポールでは1850人(2013年10月時点)と2.3倍に増え、香港でも2150人と2.1倍になった。
快適な住環境などを求めて移住した人もいるが、シンガポールや香港は相続税も非課税で税率の低さに魅力を感じて移り住んだ人も多い。
政府は海外に資産を移して節税や脱税をする動きにも監視を強めている。今年からは海外に5000万円超の資産を持つ個人に税務署への報告義務を課す制度が始まった。海外にある金融資産や不動産を相続しながら相続税を申告しない人が増えているためだ。
15年からは富裕層の税負担も増える。4000万円超の所得にかかる所得税の最高税率が40%から45%に上がる。相続税も相続財産6億円超にかかる最高税率が50%から55%に上がる。社会保障費の増大など厳しい財政事情から富の再分配を強化する目的だが、富裕層を狙い撃ちにした課税強化を続ければ「富裕層の日本離れを加速する」との指摘もある。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO78716960S4A021C1EE8000/