中国国営中央テレビが「歴史転換期の鄧小平」という全48話のテレビドラマを放送中。共産党が「歴史を忠実に再現」と自賛するが、趙紫陽はいない事に。鄧小平の政敵、保守派の陳雲は鄧の理解者に。習近平主席の父、習仲勲は重要人物に。全捏造国家。信じよという人の知性を疑う。
—
《【外信コラム】北京春秋 歴史捏造に唖然》
2014.09.09 産経新聞
中国を改革開放に導いたトウ小平はこの8月、生誕110周年を迎えた。国営中央テレビ(CCTV)はこの時期に合わせて、「歴史転換期のトウ小平」という全48話のテレビドラマを連日のように放送している。
文化大革命末期の1976年から改革開放が本格的にスタートする84年までの8年間についてトウ小平の人物像とともに、党中枢の政策決定などを紹介する内容だ。脚本は共産党中央文献研究室が作成し、「歴史を忠実に再現した」と自賛している。
党の宣伝工作の一環であることは明らかだが、大きな違和感を覚えた。
改革開放の最大の功労者の一人で、当時は首相などの要職を務め、のちに失脚した趙紫陽氏は、ドラマの中で完全に無視された。会議に出席するシーンすらなく、趙氏の業績はみな別の人の手柄にされた。トウ小平の最大の政敵、保守派の陳雲はトウの良き理解者として登場している。党内の対立を視聴者に知られたくないためであろう。そして、党最高指導部メンバーではなかった習仲勲氏を、政策を左右する重要人物として扱った。習近平主席の父親に対し、特別に配慮したことは言うまでもない。
日本の歴史認識問題を批判しながら、自国の最近の歴史をここまで捏造できるとは。唖然とした。(矢板明夫)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140909/chn14090903030001-n1.htm