2014/08/27 5:43



アフリカゾウが絶滅の危機にあります。象牙を中国人が高値で買い漁るため密猟や密輸が一向に減らず。象牙の90%はケニアのナイロビ空港やケニア港から中国人によって中国に運ばれている。厳罰を。

《アフリカゾウ「100年後には絶滅」 象牙、中国で価格暴騰 3年で10万頭密猟》
2014.08.26 産経新聞

 象牙を目的とする密猟のせいで、2010~12年の3年間にアフリカ諸国で約10万頭のゾウが殺されていたことが、米コロラド州立大学のジョージ・ウィッテマイヤー准教授率いる研究チームの調査でこのほど分かった。最も被害が深刻な中央アフリカではこの10年間で64%も頭数が減っており、このペースで減り続けると100年後にはアフリカでゾウが絶滅するという。象牙はワシントン条約で国際取引が禁止されているが、中国人が高値で買いあさるため密猟や密輸が一向に減らないのが現状だ。研究者らは巨大な体を持つゾウが減少すると、他の動物たちの生活にも大きな影響が出て、アフリカの生態系が崩れると懸念を示している。

■ 手口が悪質化

 ウィッテマイヤー准教授らは調査結果を科学アカデミー紀要で発表、AP通信や米ネイチャー系ニュースサイト、ナショナル・ジオグラフィック・ニュースなどが18日に報じた。

 報道によると、ウィッテマイヤー准教授らは、アフリカ大陸でアフリカゾウの頭数を調べる初の大規模調査を実施。ワシントン条約の運用団体が02年から使用中のシステムのデータなどを利用し、ゾウの死骸から自然死か密猟かを特定して初めて密猟の正確な数をまとめた。

 それによると、10~12年に密猟で殺されたアフリカゾウは、中央アフリカでは4万2000頭、東アフリカでは2万4000頭、南アフリカでは4万1000頭で、計10万7000頭。さらに狩猟が禁止されている東アフリカ・タンザニアのセルース猟獣保護区のアフリカゾウが4万頭から1万3000頭に激減するなど、密猟の手口が悪質化していることなどが分かった。

■ 中国で価格暴騰

 アフリカ大陸ではこの3年間、毎年、対前年比で7%ずつ頭数が減少。出産で毎年5%ずつ頭数が増えていたものの、結局、密猟のせいで全体の個体数は減少傾向をたどっていた。

 アフリカゾウの密猟は08年から急増。12年にはカメルーン北部のブバ・ンジダ国立公園で約300頭が自動小銃や手榴弾で殺され、象牙が奪われた。一方で、象牙の最大消費地、中国ではここ数年、象牙の価格が暴騰。今春以降、闇市場で1キロ約2100ドル(約22万円)もの高値で取引されているという。

 自然保護活動家のイアン・クレイグ氏は米CBSニュースに「中国では象牙人気が大変なことになっており、象牙の90%はケニアのナイロビ空港やケニア港から中国人によって中国に運ばれている」と説明。ウィッテマイヤー准教授も中国での高い需要が「罪を犯す危険性を承知でゾウを殺す行為につながっている」と憤慨する。

 国際的な非難の高まりを受け、中国政府は今年1月、「人民の意識を高め、野生生物の不正取引と戦うわが国の決定を広く知らしめる」として、国内で押収した象牙6トンを破棄するセレモニーを実施。香港でも5月、過去に押収した象牙28トンを今後2年間で焼却処分にすることを決めた。ケニアでは最近、厳しい反密猟法が制定され、ある業者が懲役7年の刑を言い渡されている。

 しかしCBSは、人口13億人の中国で増え続ける中産階級が闇市場で象牙価格を暴騰させていると報道。中国の急激な経済発展で中産階級が増える限り、密猟はなくならないと指摘している。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140826/mds14082610300003-n1.htm