2014/04/26 2:10



う~ん、祝日ばかり増えるのはどうなんでしょうか?我が国は、勤労者が長期休暇を取れない半面、祝日は先進国でも最多の部類であり、この「一斉休業」重視が、長期休暇の実現を阻害している、との指摘があります。

《8月初の祝日誕生へ 「山の日」法案が衆院通過 今国会成立へ》

 衆院は25日午後の本会議で、8月11日を「山の日」と定める祝日法改正案を自民、民主など与野党9党の賛成多数で可決した。衆院に議席を持つ全党による議員立法で、参院審議を経て今国会中に成立する見通しだ。

 改正案は、山の日の意義を「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」と明記し、施行を平成28年からとした。

 施行により国民の祝日は年間15日から16日に増える。8月に初めて祝日ができ、祝日がないのは6月だけとなる。

 日本維新の会は改正案の共同提出に加わったが、党内に異論があるため党議拘束を外した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140425/plc14042513450023-n1.htm

《お上主導で祝日だらけ 効率の悪い日本の“休み方” 》より

■ 実感のわかない休日の多さ

 実は、休みとなる祝祭日の数も日本が抜きん出て多い。英国は8日、ドイツ、フランス、米国は10日だが、日本の祝日は15日ある。しかも正月は休日である元日だけでなく、2、3日を加えた三が日を慣例的に休む会社が多い。一斉休業日が日本は多いのである。

 だが休みが多いと言われても、実感がわかない人がほとんどだろう。欧米並みの長期休暇など夢のまた夢、というのが実態ではないか。

 あなたの今年の夏休みは連続何日だったろう。保険会社や旅行会社のアンケートでは平日ベースで3~4日という答えが多いようだ。土日を入れて1週間取れれば良い方といったところだろう。昔に比べれば休めるようになったという声は聞くものの、欧州で一般的な、夏2週間+冬1週間のバカンスというのは日本では実現していない。

 なぜか。日本では“お上主導”の労働時間短縮だったため、週休2日の導入や祝日の増加といった「一斉休業日」を増やすことに力点が置かれてきた。国民の祝日には「海の日」や「みどりの日」が加わり、さらに増やすべきだ、という議論もある。

 この「一斉休業」重視が、長期休暇の実現を阻害しているのだ。日本人の横並び意識も指摘されるが、「休みは全員一斉が当たり前」ということになると、他の人が働いている時にひとりだけ有給休暇を取ることは精神的に難しい。日本は欧米諸国に比べて有給休暇の取得率が極端に低いと言われる。

 多くのサラリーマンが感じていることだが、祝日が増えることによって仕事の能率が落ちているのではないか。8月の夏休みシーズンが終わったと思ったら、9月に2回、10月に1回、11月に2回の連休がやってくる。この時期、欧州では休みが少なく、クリスマス休暇に向けて、猛烈にアクセルを踏んで働く時期なのだが、日本ではアクセルを踏んだかと思うとブレーキをかけなくてはならない。

 いっそのこと、国民の祝日を公休日にするのを止めてしまうのはどうだろう。一斉に休む日を減らし、その分、自由に休める有給休暇日数に加えるのである。年間35日の有給休暇をそれぞれが自由なタイミングで取るようになれば、欧米型の長期休暇も実現する。

 工場では一度生産を止めると再スタートに時間がかかるなどロスが大きい。祝日に合わせて工場を止めていたら生産効率が大きく落ちてしまう。このため、祝日も稼働させ、従業員は交代勤務にするといった工夫をするところが増えている。ゴールデンウィークのような飛び石連休を、大工場を抱える製造業企業が連続休業にしてしまうのもこのためだ。

 小売業も年中無休が当たり前になって、交代制でシフトを組み、休みを取るケースが増えている。市役所なども土曜日に開庁する自治体が増えている。全国民が一斉に休む日、というのはもはや幻想かもしれない。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2247?page=2