2014/03/12 12:43

《「河野談話」検証 結論ありきは納得できぬ》

事実を基に考え、行動する。そして常に事実を確認する。政治も外交も、それこそが最も立場を強くし、信頼を得る事ができます。小手先の「外交配慮」で事実を歪める事は、結局は侮りを受け国益を損なう結果しか招きません。「見直すことは考えていない」という結論が先にある事は有り得ません。
「河野談話見直し」を、署名活動等で大きな国民の声として示して参りましょう。

以下、記事。

 慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の「河野洋平官房長官談話」について、菅義偉官房長官が「見直すことは考えていない」と明言した。

 根拠ない談話で日本の名誉は著しく傷つけられている。結論ありきの検証では、国民も納得できまい。談話の見直しは急務である。

 菅氏は10日の記者会見で、談話見直しはしないものの、検証については「きちんと行っていく」とした。

 見直さないなら、なんのために検証を行うのか。批判をかわすために、形式的に行うだけとも受けとられかねない。

 談話で慰安婦募集の強制性を認める唯一のよりどころとされた元慰安婦16人の聞き取り調査は、裏付けをとらずに行われていた。談話作成の事務方トップだった当時の官房副長官、石原信雄氏が先月20日の衆院予算委で証言し、認めている。

 さらに談話の原案段階から韓国側とすりあわせを行い、政治決着を急いだ日韓合作の作文であることが分かっている。事実を無視し謝罪を優先した「虚構の談話」であることが分かっているのに、見直さないというのは、検証を行うことと明らかに矛盾する。

 談話では「従軍慰安婦」という戦後の造語も使われ、誤解や曲解が海外に広がっている。検証では河野氏のほか、韓国との折衝経緯を知る当時の内閣外政審議室長の谷野作太郎氏らから談話作成の背景も含め、詳しい聴取を早急に行ってもらいたい。

 聞き取り調査対象の元慰安婦の人選は、韓国側が行ったことが分かっている。強く韓国に協力を求め再調査を行わねばならない。

 菅氏は、検証結果を「国会からの要請があれば提出する用意がある」としたが、日本の名誉、信頼に関わる問題であり、公表が当然だ。真摯(しんし)に検証すれば、談話見直しが欠かせないことはおのずと分かるはずだ。

 河野談話の検証に対し、韓国側は強く反発している。米国務省の報道官は、菅氏が談話を見直さないとしたことに、「前向きな一歩だと感じている」とした。

 日韓関係が重要なのはもちろんだ。しかし外交的配慮と事実の検証とは別だ。謝罪を重ねれば友好が深まるわけでもないことは過去の経緯からみて明らかだ。事実を歪(ゆが)めることこそ関係を損なう。