2014/01/28 2:05

《貿易赤字:過去最大11兆円 円安で燃料費膨張…13年》

貿易赤字の定着は不味いです。今は貿易赤字を所得収支の黒字でカバーできていますが。

以下、記事抜粋。

 財務省が27日発表した2013年の貿易統計(速報、通関ベース)は、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が11兆4745億円の赤字となった。統計が比較可能な1979年以降、暦年ベースの赤字額は12年の6兆9410億円(確定値)を上回って過去最大となり、初めて10兆円の大台を超えた。原発停止に伴い火力発電用燃料の輸入量が高止まりする中、円安で円換算の輸入額が膨張。一方で輸出は伸び悩んだ。1〜12月すべての月で赤字を計上したのも初めてで、貿易赤字の定着を裏付けた。

 東日本大震災後は火力発電燃料の輸入が増えて赤字に転落。暦年ベースの貿易赤字は3年連続となり、第2次石油危機の原油高で赤字になった79、80年の2年連続を超えた。

 貿易赤字が膨らんだ主因は円安だ。13年の平均為替レートは1ドル=96.91円となり、12年の1ドル=79.55円から21.8%下落。円安が進むと、ドル建てで輸入される原油や天然ガスの円換算の価格が膨らむ。このため原油の輸入量が前年比0.6%減ったものの、輸入額は16.3%増加。液化天然ガス(LNG)も輸入量が同0.2%の微増だったが、額は17.5%膨らんだ。輸入額全体の3割強を占める鉱物性燃料は同13.9%増え、輸入の総額は同15.0%増の81兆2622億円で過去最大を更新した。

 SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「貿易赤字自体は長期化する可能性がある。原発停止による燃料輸入の増加が年4兆円程度に上る一方、円安や海外経済回復の割に輸出が増えにくくなっている可能性がある」と指摘している。