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2015/10/09 18:07
私は90年代、中国が東シナ海のガス田開発に着手した時から、我が国はガス田開発について狭義の採算性を至上命題とせず、東シナ海における我が国の主権と安全・国益全体を擁護するため、政府の関与・支援により日中中間線以東の海域における開発を行うべきだと主張してきました。それを実際に推進していれば、現在までの推移も交渉内容も大きく変わっていたでしょう。—《東シナ海ガス田開発問題――分岐点は2008年北京五輪》2015.07.24 遠藤誉 Yahoo!ニュース 中国は1982年からガス田開発に着手。しかし2008年3月にチベット騒乱が起き北京五輪開催が危ぶまれたので日本との共同開発に合意したが、売国政府と罵倒され自己開発を続けた。なぜ日本政府は公開しなかったのか? ◆80年代、海底資源に目をつけた中国 改革開放後まもなく、中国は陸地ではなく海底における石油掘削を始めようと、1982年にCNOOC(中国海洋石油総公司、シーヌーク)を設立した。背景には中国大陸沖合の海底における石油や天然ガス資源の探査・採掘がある。しかし陸における石油掘削に関しては毛沢東が中華人民共和国誕生後、中国人民解放軍の力をつぎ込んで開発したので、それなりの技術を持っている。海底となると未経験だ。外国の技術を借りるしかない。 そこでCNOOCという窓口を開設して、海外の技術導入に関して呼び掛けた。 結果、日本をはじめとするいくつかの国の企業が手を挙げて落札し、技術提携が始まった。翌83年、CNOOCは中国の中央行政省庁の一つである石油工業部から独立した中国石油化工総公司(Sinopec、シノペック)が統一して管轄するようになる。 石油閥で逮捕され、無期懲役となったチャイナ・ナイン(胡錦濤時代の中共中央政治局常務委員9人)の一人、周永康が石油閥を形成し始めたときのことである。 最初のころは渤海湾付近で技術を習得したが、技術を学び終えると中国は自立し、1996年の第九次五カ年計画で「海洋資源開発」を国家目標の一つに掲げた。こうして1999年に東シナ海ガス田開発が始まったのである。 日中中間線ギリギリの場所なので、日本も一部警戒し、ときには抗議もしたが、強い姿勢ではなかった。そのような中、日本側から共同開発にしてはという声が上がったが、中国は相手にしなかった。 ◆分岐点は北京オリンピック ところが中国が突然、共同開発に応じてもいいと言ってきた。 2008年8月8日、中国が100年の夢として待っていたオリンピックがようやく北京で開催されるというのに、2008年3月にチベット騒乱が起きてしまったからだ。人権を訴えるチベット自治区のチベット人たちを武力で弾圧したため、それまで北京オリンピックに参加すると言っていた西側諸国の首脳たちが、人権弾圧を理由に、いっせいに北京オリンピック欠席を表明したのである。 あわてたのは、ときの胡錦濤国家主席だ。 主要な西側諸国を訪問し、リップサービスを振りまいて、「どうか北京オリンピックに参加してくれ」と頭を下げた。 日本に関しては福田康夫が総理大臣だったときに東京で日中首脳会談を行い(5月7日)、胡錦濤はリップサービスとして「東シナ海ガス田開発の共同開発をします」と誓いを立てる。 帰国後、関連部署で内容をまとめさせ、6月18日に東シナ海における日中共同開発に関して日中共同プレスを発表したところ、大変な事態となった。 中国のネット空間が燃え上がり、胡錦濤政権を「売国政府」と罵倒し始めたのだ。 「ここはもともと中国が開発してきた中国の領土領海。なぜ日本と共同開発などしなければならないのか!」 「胡錦濤は現代の李鴻章(りこうしょう)だ!」 などとして、胡錦濤個人が売国奴呼ばわりされ、ネットが炎上。 このままでは中国人民自身が北京オリンピックを台無しにさせてしまう可能性がある。胡錦濤は真っ青になってしまい、それ以降、「日中共同開発」は封印されてしまった。 封印されたまま、中国はじわりじわりと、それまで通りに東シナ海ガス田開発を続けていたのである。 ◆日本はなぜ公開しなかったのか?――埋蔵量が少ないので海上の拠点に ただ、日中双方とも、東シナ海の天然ガス埋蔵量はあまり多くないということが分かっていた。そのため日本はコストをかけても採算が合わないとして軽視してきた。 中国はそれを良いことに、海上の拠点、プラットホームを作り始めたのである。 中国内で大々的に報道したわけではないが、しかしきちんと情報を公開し、関心のあるネットユーザーを納得させてきた。ネットユーザーの大多数を占める若者たちは、中国政府が「売国奴」と彼らが考えるような言動をすれば、すぐに炎上するが、そういう特別なことをしなければ、特に強い関心は払わない。だから「その程度」で静かに動くように、中国は開発を継続し、その事実を公表してきた。 問題は、逆に、日本だ。 日本政府、少なくとも防衛省や外務省は、これを知っていたはずだ。にもかかわらず、中国が着々とプラットホームを構築している事実を、なぜ日本国民に分かる形で公開してこなかったのか。 これまでの長い経緯を見てみると、(自民党とか民主党とか)どの党であるかによらず、必ず「親中派」あるいは「媚中派」の議員とか、それなりの政府高官がいるものである。そのため「わざわざ、そこまでして中国を刺激することはないでしょう」といった「配慮」をする人たちがいるのだ。 この「配慮」が日本国民のためになっているのか否か――。 ほとんどの場合、「否」である。 日本国民を守るという目的から考えたとき、それは「日本国民のため」にはなっていない。 問題はむしろ、ここにあると言っていいだろう。 埋蔵量が少なくても「開発」してプラットホームなどを建設するというのは、当然のことながら「見晴らしが良い」こととか「飛行機の離着陸ができる」とか、さまざまな防衛上、つまりは軍事上の目的があるからだろうことは誰にでも想像できる。 中国は中国の領域上で何をやろうと中国の自由だと主張しているが、日本の外交戦略というのは、こういうのでいいのだろうか? 程永華・駐日中国大使は「これまで中国がずっとやってきたことを、なぜ突然指摘して報道し、非難し始めるのか」という趣旨のことを言っているが、残念ながら、その通りだ。 日本が報道しなかった(つまり、政府が事実を公開しなかった)だけであって、中国の東シナ海共同開発は2008年6月18日から封印され、中国は胡錦濤のリップサービのときだけ「共同開発」と言っただけで、その瞬間以外は、ずっと自己開発を続けているのである。中国は別に、それを隠そうとはしていない。実際に近くまで行き見さえすれば、誰にでも見える形で開発してきたのである。日本が「見ても、言わなかった」だけである。 だから中国政府に「安保法案を可決させる環境をつくるために、今になって、わざわざ防衛白書を修正させてまで公開させたのだ」と日本を批難するすきを作ってしまうのである。 なお、日本のメディアの一部は、「2010年の尖閣諸島国有化以来、共同開発交渉が途絶えた」と報道しているが、それは如何なものだろうか。 分岐点はもっと前の、北京五輪の年だったことを見まちがえてはならない。 そうでないと、いったい何が起きているのか、事実が見えなくなるのではないだろうか? 遠藤誉東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 完全版』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『完全解読 「中国外交戦略」の狙い』など著書多数。 http://bylines.news.yahoo.co.jp/endohomare/20150724-00047851/ 地図:ウィキペディアより転載
2015/10/09 14:12
《チャンネルAJER『第2回 私が吉田康一郎です!「日本の直面する課題」①』》 2015.10.08 チャンネルAJER 第2回収録、公開されました。皆様、是非ご視聴下さい。 https://www.youtube.com/watch?v=T8Ck91-UUXE
2015/10/08 3:15
今回、ロシアがカスピ海からシリアにミサイルで攻撃し、成功させた事は、周辺国に対する大きな示威となりました。 — 《露、カスピ海からシリアにミサイル…攻撃を拡大》 2015.10.07 読売新聞 【モスクワ=田村雄】ロシア海軍は7日、カスピ海に配備したフリゲート艦などから計26発の巡航ミサイルを発射し、約1500キロ離れたシリア北部のイスラム過激派組織「イスラム国」の拠点11か所を攻撃した。 ロシアは9月30日、シリアで「イスラム国」への攻撃を開始。これまでは連日、空軍機で爆撃を行っていたが、これに加えて海軍を動員し、一気に軍事行動を拡大させた。 露国防省が7日に公開した映像によると、カスピ海南部から発射された巡航ミサイルは、イランとイラクの領空を通過し、シリア北部に着弾した。攻撃により、爆弾製造工場や弾薬庫、指揮拠点などを破壊したという。 ショイグ国防相は同日、プーチン大統領に、海軍による攻撃について、「全ての攻撃目標を破壊した。一般市民に負傷者はいない」と報告した。 http://www.yomiuri.co.jp/world/20151007-OYT1T50117.html
2015/10/07 0:41
この度、ノーベル医学・生理学賞を受賞された大村智 特別栄誉教授がおられる北里大学も、ノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章 宇宙線研究所所長がおられる東京大学も、必ずしも世界大学ランキングで高く評価されている訳ではありません。「大学の国際化」に狂奔する前に、この意味をよく考える必要があると思っています。
2015/10/07 0:19
梶田隆章 東京大学宇宙線研究所所長、ノーベル物理学賞ご受賞おめでとうございます。 — 《ノーベル物理学賞に梶田隆章さん》 2015.10.06 NHK ことしのノーベル物理学賞の受賞者に、物質のもとになる最も基本的な粒子のひとつ「ニュートリノ」に質量があることを世界で初めて観測によって証明し、「ニュートリノ」には質量がないと考えられてきたそれまでの素粒子物理学の定説を覆した東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さんが選ばれました。合わせて、カナダのクイーンズ大学の名誉教授、アーサー・マクドナルド氏も選ばれました。 日本人がノーベル賞を受賞するのは、アメリカ国籍を取得した人を含め、5日に医学・生理学賞の受賞が決まった大村智さんに続いて24人目で、物理学賞の受賞は、去年の赤崎勇さんと天野浩さん、中村修二さんに続いて11人目となります。 梶田さんは、埼玉県東松山市の出身で56歳。昭和56年に埼玉大学理学部を卒業したあと、東京大学大学院で、後にノーベル賞を受賞した小柴昌俊さんの教えを受けました。 平成11年に東京大学宇宙線研究所の教授になり、平成20年からは所長を務めています。 この間、梶田さんは小柴さんらと共に、物質のもとになる最も基本的な粒子である「素粒子」のひとつ「ニュートリノ」の研究を続けました。そして、岐阜県飛騨市神岡町の地下深くに設けられた観測施設「スーパーカミオカンデ」で、大気中から飛来した「ニュートリノ」の様子を詳しく観測することに成功しました。 その結果、「ニュートリノ」に質量、つまり「重さ」があることを世界で初めて突き止め、平成10年に開かれた国際学会で発表しました。 この研究成果は、「ニュートリノ」には質量がないと考えられてきたそれまでの素粒子物理学の定説を覆すもので、世界の研究者を驚かせました。 梶田さんはこの研究成果で、平成11年に物理学の大きな業績に与えられる「仁科記念賞」を受賞したほか、平成24年には、すべての学術分野の中から特に大きな業績をあげた研究者に贈られる日本学士院賞も受賞しています。 日本人がノーベル賞を受賞するのは、アメリカ国籍を取得した人を含め、5日に医学・生理学賞の受賞が決まった大村智さんに続いて24人目で、物理学賞の受賞は、去年の赤崎勇さんと天野浩さん、中村修二さんに続いて11人目となります。 梶田さんの受賞と合わせて、カナダのクイーンズ大学の名誉教授、アーサー・マクドナルド氏もことしの物理学賞の受賞者に選ばれました。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151006/k10010261161000.html