防衛努力なく平和は守れません。
賛同致しました。
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《日本学術会議は防衛研究(軍事研究)禁止声明を撤廃して下さい》
2017.02.12 防衛研究推進を求める自由市民の会
日本学術会議
会長 大西隆様
各部会ご担当者様
安全保障と学術に関する検討委員会各位
貴会議が1950年ならびに1967年に出された所謂「軍事研究禁止声明」(以下「同声明」)を見直し、撤廃をお願いいたします。
理由は二点あげさせていただきます。
一点目は「軍事研究禁止声明」が、日本国憲法に保障された学問の自由・思想良心の自由を侵害する可能性が高いということです。
言うまでもなく、学問の自由・思想良心の自由とは、公権力による学者・研究者の研究や思想信条への束縛・侵害を禁止し、自由を保証するものです。
軍事研究に反対のご意見が多数あることは承知しております。しかし一方で、賛成や中立的な信条を持ち、防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度への応募を考える研究者も少なくないと聞き及んでおります。
個人的な反対を理由にして、賛成・中立の考えを封じ込め、一律禁止してよい権限はありません。
軍事研究や安全保障技術研究推進制度に賛成・中立・反対それぞれの立場・考えで、時には議論しつつも、各自の自由に基づいて行動すればよいのです。
貴会議は私的団体ではなく、日本学術会議法に定められた、内閣府所管の政府外郭団体です。法的拘束力はないとはいえ、例えば日本学術会議法第5条にあるように声明などを政府に勧告する権限もあります。各種の声明や意見が研究者一人一人に与える政治的拘束力は大きなものがあります。
これは明らかな「公権力の行使」であり、日本国憲法に保障された学問の自由・思想良心の自由が直接適用されうる事案と言えます。
よって、同声明は見直し、撤廃し、各人の自由に任せるべきです。
二点目は、我が国をめぐる安全保障環境が、同声明の時とはまるで違うということです。
各種報道でご承知の通り、中国の海洋進出や東シナ海・南シナ海の覇権を狙った挑発的行動、北朝鮮による核兵器・ミサイル兵器の開発、そしてアメリカの核の傘による抑止力低下など、わが国が独自に防衛力・抑止力を高めて平和を維持していかなければならない、非常に緊迫・流動化した国際情勢があります。
今までいろいろな科学者・哲学者・政治家などが知恵を絞ってきていますが、軍事力による抑止力でしか平和を維持できないという冷厳な現実があります。
激変する国際情勢の中、社会や国民が、豊かで平和な社会の維持を願っているのです。
社会や国際情勢が変化すれば、求めるべき正義も真理も変わってしかるべきなのです。また、防衛力の整備は一般国民や自衛隊員の命を守ることにつながります。貧弱な装備でバンザイ突撃させた、戦前の愚を犯すべきではありません。
何が正義で何が真理か?これは科学者にとって永遠のテーマでしょうが、決して社会から遊離し古色蒼然とした考えに固執することなく、日本学術会議憲章第2項の「普遍的な観点と俯瞰的かつ複眼的な視野の重要性を深く認識して行動する」ことが今こそ求められているのではないでしょうか。
同声明は撤廃したうえで、研究者各人の自由を尊重してください。
貴会議が、検討委員会の意見を経て、今年春にも結論を出すと伺いました。反対派の声が大きく聞こえるようですが、賛成・中立の意見も若手研究者を中心に増加傾向にあると伺っております。
どうか、時世の変化を汲んだうえで、真に平和を維持するためにどうあるべきか、考え、結論を急がれないよう重ね重ねでございますが、お願い申し上げます。
平成29年2月12日
防衛研究推進を求める自由市民の会
参考資料 軍事研究への賛成が25%、中立が35%というアンケートです。決して反対派は絶対的な多数ではありません。
大学の軍事研究「反対」40%「賛成」25% 岐阜大
2016年12月10日09:11
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20161210/201612100911_28598.shtml
https://www.facebook.com/koichiro.yoshida.jp/posts/736690483165157