台湾のひまわり運動の学生達は、馬総統と国民党の大陸臭のプンプンする妨害工作に対して、清清しく見事に戦っています。
—
《台湾のサンフラワー学生運動》
Andy Chang
馬英九政権が中国政府とサービス貿易協定(服貿協定)を作成し、国会を経ず行政命令で勝手にサイン、さらに国民党の国会優勢を使って強行採決を宣言したので、学生たちが立法院(国会)を包囲し、会議場を占拠した。国会が麻痺して10日目になる。
学生たちはこれを「太陽花学運」(ヒマワリ学運)と名付け、馬英九政府に服貿協定の撤回など4ヶ条の要求を突きつけた。馬英九は学生たちの要求に応じないので、抗議運動は長引く。
太陽花学運は馬英九独裁でサービス貿易協定(服貿協定)にサインしたあと、国会で強行通過を宣言したことだが、服貿協定が台湾の存亡に関わる問題だから大問題となり、学生の太陽花学運は全国人民の賛同と援助を受けている。
●服貿協定と馬英九の独裁
馬英九が中国側と経済便か交流問題で協議したのち、総統の行政命令でサインし、これを国会で通そうとした。
服貿協議は二国間の条約だが、条約は国会審議を経てから総統がサインをするべきで、総統が国会に内容を隠したまま先にサインしたのは違法である。違法行為でサインした条例を国会が審議するなら総統の違法行為を認めることとなり、二重に違法となる。
ところが国会では国民党系の張慶忠主審が審議を宣告したあと、たった30秒で法案の批准を宣言したのである。これが国会議員や国民の憤怒を買い、結果として学生たちが国会に侵入、占領して協定の撤回を要求した。
太陽花学運は馬英九独裁に抗議しただけではない。服貿協議とは中国の経済乗っ取りと中国人の移住に便宜を与える実質的な台湾併呑の条約である。こんな条約を締結すれば数年内に台湾経済は中国と一体化し、中国人の大量移入で台湾は併呑されてしまう。台湾の存亡に関する協定にサインをした馬英九の大罪である。
●ヒマワリ学運の要求
学生たちは暴力を使わず国会を占拠して会議ができなくなったので馬英九は学生代表と話し合った。学生代表は馬英九に4ヶ条の要求を突きつけた。4ヶ条とは(1)服貿協定の撤回、(2)中国と協議する前に「両岸協議の監督」を法制化し、立法してから再審議する、(3)公民憲政会議を開く、(4)朝野の議員の参与と人民の要求に答える。
馬英九は4ヶ条に返事をしなかったので、学生たちは馬英九が同意するまで国会占拠を続けると宣言した。
太陽花学運はこれまで台湾であった抗議運動とはまったく違う特徴を持っている。学生運動が冷静で平和を維持し、暴動でない。従って警察も暴力を行使できない。グループの団結と連絡が緊密で、内ゲバを起こしていない。国民全体の賛同と応援があり、食料や必需品の差し入れがある。学生たちは秩序を保ち、国会に入る人のために通路を開け、計画的な座り込みを続け、医療室、食料班、ゴミ処理なども完備している。世界に類を見ない平和な国民運動である。
●国民党の陰謀に対抗する学生の「ヒマワリの歌」
ヒマワリ学運は全国民の支持があり、国民はこれが中国の侵略を防ぐ抗議と認識している。太陽花学運はヒマワリの如く明るく平静な公民運動である。馬英九政府はこれまでのように警察を使って強制退去を命じることもできず、陰湿な手段で学生運動を潰そうとしている。
国民党は竹聯幇ヤクザを学生の内部に混入させ、議会のオフィスを破壊したり、議員の引き出しからお菓子を盗んだりして学生たちの行為を誹謗したが、刺青のあるヤクザはすぐに身元がバレテ追い出された。次に国民党はメディアを使って学生たちが違法行動をしているとか国会の行事を妨害したなどと書きたてた。メディアは勝手なでっち上げでリーダーの誹謗記事を書いたが、たちまち学生たちに反論された。群集にスパイを混入させてデマを流し、分裂を図ったが学生たちに見抜かれて逃走した。
国民党が新しく考えたのは、ヒマワリ運動に対抗する「カーネーション運動」と名付けたグループが市内4箇所で「反・反服貿運動」デモを開始したのである。
カーネーションは母親の親愛を表す意味があるから、このグループは学生に呼びかけるのではなく母親が子供の安全を心配することを狙った運動である。学生たちよ、父母に心配させるな、早く家に帰りなさいと書いたスローガンを掲げて町を練り歩いている。国民党は資金が潤沢だから千人ほどを動員して4箇所で「反・反服貿運動」を始めたのである。
カーネーション運動に対抗して学生たちはすぐ「太陽花学運の歌:島々の夜明け」を作って楽器演奏や学生の合唱などをしている。これで学生の気勢は更に上がった。国民党の妨害は逆効果だったのだ。
お母さん、心配しないでください。
私たちは許せない人に抗議しているのです。
私たちは怖がらない。
私たちが貴女を守る日がきたのです。
私たちの夢を守るために、私たちは勇敢に戦う。
夜が明けてだんだん明るくなってきた。
希望の光がこの島のすべての人を照らすまでわれわれは歌い続ける。
今回の太陽花学運に対し、世界各国の台湾人が応援デモを行っていることと、ザ・エコノミストやビジネスウィークなど有名な雑誌がこの運動を取り上げて報道した。アメリカ国会議員も台湾の学生運動を支持する声明を出している。
馬英九が譲歩しないなら太陽花学運はまだまだ終わらないだろう。結果がどうなるかは予測できないが、世界の注目を集めた大衆運動は天安門事件のような流血惨事にならないだろう。