レアアース磁石を生産する中国企業が、日立金属が持つ重要な特許の期限が今月切れるのを機に輸出の拡大を目指す。日立金属は、関連特許を全世界で600件以上保有、その特許網を全て回避した形で商業生産することは不可能と指摘。知財権侵害への監視と対処が重要です。
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《中国、レアアース磁石の輸出拡大狙う-日立金属の特許切れで》
2014.07.28 Bloomberg
レアアース(希土類)磁石を生産する中国企業は、日立金属が持つ重要な特許の期限が今月切れるのを機に輸出の拡大を目指している。
瀋陽汎用磁気のスン・パオユィ会長は、レアアース磁石の構造を規定する17年間続いた特許が切れることで、米国の顧客への販売に道が開けることになると述べた。同社は製品販売を促進し、多くの関連特許を持つ日立金属に対抗するため、他の中国企業6社と提携している。スン会長は「日本と米国が最も重要な海外の磁石市場だ」とも語った。
光大証券の上海在勤アナリスト、リ・ウェイフォン氏は日立金属の特許について、レアアース磁石にとって「非常に基本的」な特許だと説明した。
日立金属の広報担当者、南章雄氏によれば、同社は2000年以後の住友特殊金属の吸収に伴う取得分などを含め、世界で600件を超えるレアアース磁石の特許を保有している。
南氏は「中国7社の行動の詳しい内容は分からないため、コメントは控えたい」と述べながらも、「事実としては、日立金属はネオジム・鉄・ボロン焼結磁石に関する有効な特許を全世界で600件以上保有している。当社としてはこれら特許網を全て回避した形でネオジム・鉄・ボロン焼結磁石を商業的に生産することはほとんど不可能ではないかと考える」と指摘した。
原題:China Taking on Hitachi as 17-Year-Old Rare Earth PatentLapses(抜粋)