米アップルの携帯電話「iPhone」やパソコン「Mac」を中国国内で使う場合、今後は情報が当局に漏れる事態を想定すべき。「iCloud」の情報保管場所が、米国内から中国国有企業の中国電信に移管されていた。
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《上海余話 アップルよ、おまえもか》
2014.08.21 産経新聞
米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)」やパソコン「Mac」を中国の国内で使う場合、今後はさまざまな個人情報が当局に漏れる事態を想定しておくべきだろう。
画像や文書など、端末の数多くのデータを外部にバックアップしておく「iCloud(アイクラウド)」と呼ばれるサービスの情報保管場所が、知らぬ間に米国内から中国国有企業の中国電信に移管されていたという。地元紙が14日に報じた。
アップルは「データはすべて暗号化されており中国電信が内容を見ることはできない」と苦しい説明をしているようだ。
だが、いったん中国側に握られたデータや個人情報が当局にどう利用されるか、不透明だ。
国家転覆扇動罪で10年の禁錮刑を言い渡された中国人の民主活動家が2005年に逮捕されたきっかけは、米ヤフーがこの活動家が利用していた電子メールの内容を、中国当局の要求に応じて提供したことだった。
米グーグルの場合、中国から要求された情報の提供と国内保管を拒否。10年に撤退して香港に拠点を移したが、中国本土ではその後、断続的にしかグーグルには接続できない状態だ。
アップルは新製品「アイフォーン6」の発売を控え、成長著しい中国市場で、当局側の軍門に下る選択をしたと考えるべきなのだろうか。(河崎真澄)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140821/chn14082103070001-n1.htm