プラユット国家平和秩序評議会議長(陸軍司令官)、暫定首相に。政争を続けたタクシン派、反タクシン派とも容認の姿勢。タイの政情が安定する事を願います。
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《タイ暫定首相に陸軍司令官》
2014.08.21 産経新聞
【シンガポール=吉村英輝】軍事政権下にあるタイの暫定議会は21日、暫定首相に、クーデターで全権を掌握した軍主導「国家平和秩序評議会(NCPO)」議長のプラユット陸軍司令官(60)を指名した。国王の承認後に就任する。
7月下旬に発効した暫定憲法は、NCPOが選出した暫定議会メンバー(現197人)が首相を決めると規定しているが、候補はプラユット氏のみで、事実上の信任投票となった。結果、議長、両副議長と、3人の棄権を除く191人全員がプラユット氏の首相指名に賛成した。議員の過半数は軍・警察関係者で、無記名投票だった。
プラユット氏は「国が前進することを望む」とだけコメント。ロイター通信はこれに対し、プラユット氏について「軍が批判を押さえ込む中、自らが選んだ議会に指名され、正統性に化粧を施した」と批判した。
一方、インラック前政権と対立した民主党党首のアピシット元首相は「タイは非常事態下にあり、例外措置は仕方ない」との立場。また、インラック前首相の兄で海外逃亡中のタクシン元首相は来年中に実施するという総選挙を見据え「今は軍に従っておけ」と側近に指示しているという。
プラユット氏は今月18日、スーツ姿で暫定議会に臨み、来年度(2014年10月~15年9月)予算案の承認を得るなど、すでに実質的な首相職をこなしている。9月中にも暫定政権を発足させるが、主要ポストは軍人が独占する見通しだ。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140821/asi14082121330001-n1.htm