《大阪朝鮮学園、社会保険料2億円超す滞納 私学事業団は強制徴収せず》
2015.02.10 産経新聞
大阪府内の朝鮮学校10校を運営する学校法人「大阪朝鮮学園」(大阪市)が平成24年度以降、日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)へ納付が義務づけられている社会保険料の掛け金を滞納していることが9日、関係者への取材で分かった。教職員給与・賞与からの天引き分と法人負担分を合わせた未納額は2億円超に上るという。事業団は強制徴収などに踏み切らないまま、教員らに健康保険や年金の給付を続けており、批判の声が高まりそうだ。
■ 滞納なのに健保や年金の給付…批判の声
大阪朝鮮学園の社会保険料の掛け金は、私立学校教職員共済法に基づき、教職員の給与・賞与の約22%を教職員と折半で負担。学園が給与・賞与を支払った翌月末までに、事業団に一括して支払う義務を負うことになっている。
一方、複数の関係者によると、大阪朝鮮学園では数年前から掛け金をたびたび滞納。24年度以降は滞納額が急激に膨らみ、現在は2億円を超えているという。
事業団によると、加入する全国の学校法人からの保険料の徴収率は99・9%以上で、1年を超える長期滞納は極めてまれ。事業団は「個別の納付状況は答えられない」とした上で、滞納を理由にした教員らへの給付差し止めは「教職員個人に不利益を被らせることはできない」として、一切していないと説明している。
事業団が長期滞納した法人に対し、資産の差し押さえなどで強制徴収できるとの規定はあるが、「政治案件で手を出せない」(関係者)とみられる。滞納理由や今後の納付計画について、産経新聞は大阪朝鮮学園に質問状を出したが、期限までに回答はなかった。
北朝鮮問題に詳しい関西大の李英和(ヨンファ)教授は「他の学校に掛け金を負担させることになり、決して許される話ではない。学園側はただちに納付を行うべきだ」と話している。
http://www.sankei.com/west/news/150210/wst1502100009-n1.html