第6号議案 令和3年度中野区一般会計予算
討論
- ○議長(高橋かずちか)
- 次に、吉田 康一郎議員。
- 〔吉田 康一郎議員登壇〕
- ○12番(吉田 康一郎)
- 声が小さいので、マスクを外させていただきます。
育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田 康一郎です。令和3年度中野区一般会計に反対の立場で討論をさせていただきます。
まず冒頭、今回の武漢ウイルスによって大きな被害を受けている皆様に心よりお見舞いを申し上げます。また、犠牲者の方にお悔やみを申し上げます。そして、東日本大震災から10年。このときの大きな被害、犠牲者の方に、こちらにもお悔やみを申し上げ、そして今も被害を受け続けている皆様にお見舞いを私からも申し上げる次第でございます。
討論に入ります。
中野区の今回の予算、賛成したい、賛成すべき予算がたくさん含まれております。ほとんどの予算について、問題点はあっても、期待を込めて賛成をする、こういう気持ちでいることをまず冒頭に意思表示をさせていただきます。
例えば、予算特別委員会で申し上げたとおり、国民保護法制について、中野区の基本構想、基本計画で全く言及がないことについて検討すると、このような御答弁もいただいているので、期待を持って、この内容が修正されることを祈って、取組をまた注視してまいりますし、あるいは、区長が、子育て先進区、これを区政の一番大事な施策だと、このように標榜されている中、これも計画において合計特殊出生率など客観的な指標が示されるよう、これも期待を持って注視をするところであります。
これらは反対の理由にはなりません。賛成をしつつ、期待をしつつ、注視をしていきたいと考えております。しかし、中野駅新北口駅前エリアの再開発については、これは到底賛成することができない経緯、内容であります。まず、予算特別委員会でも申し上げましたとおり、中野区は区議会に対して全く数値を示さないで今に至るまま議会の賛成を求め続けてきた、これは予特で確認をした事実であります。
まず、定期借地制度、豊島区やほかの区では当たり前のように行っている70年定借などの方式、これと都市再開発計画、この土地を貸すのか売るのか、この選択に当たって、数値を区議会に示さずに、定借という方法は無理だと、このような雰囲気だけをにおわせて、区議会に対して、土地を売ってしまう、この方式による再開発の計画をどんどんと承認を求め続けてきました。一昨年12月の駅周・観光の特別委員会において、多くの議員、私も含めて、きちんと定期借地制度による前払い地代だと幾らになるのか、これを執拗に区に提示を求めたところ、ようやく、それまで一切出さなかった数字ですけれども、新区役所の整備費は254億円かかるけれども、前払い地代は180億円しか地代を受け取れないという全くでたらめな数字を示してきました。
これについては、他の議員からも指摘があったとおり、区議会議員有志が日本で一番大きな不動産鑑定会社に調査を依頼して、簡単に言えば、600億円の前払い地代が、ホテルやそのようなあまり事業採算性がない事業も組み込んでも前払い地代600億円が出ると、このような報告を得て、これを区に提出し、区の、要するに土地を貸すときに利率ゼロと、このあり得ないような前提のでたらめな数字ではなくて、きちんと法に基づいた、日本にはちゃんと不動産の鑑定の方法がありますから、これに基づいた算定をしてくれと言いましたけれども、これをいまだにせず、そして区の適当な計算でやったものについてきちんと否定したにもかかわらず、それに基づいて土地を売り払うという方式の開発計画を推し進め、そして、しかし議会の要望で、ようやく土地を売らない場合のやり方について、プロポーザルに応じた企業には、応募の内容、選定には影響しないけれども、考え方を示せと言って示させた。そして、今年3月2日の今回の予算特別委員会でも示しましたとおり、その結果についても示さない。私が申し上げた質問の中でようやく、この選定候補事業者となった野村不動産が令和元年の路線価でもって従前資産を評価した。この数字は大体区と同じですから560億円。しかし、落選をした東京建物、ここは100億円上積みをした。令和2年、中野区の駅前の土地は15%地価が増加していますから、100億円多く区の財産を算定してくれて、それだけ出しても、それだけ評価をしても事業の採算が取れると、この能力を示した。これも、駅周・観光の特別委員会では説明がなく、予算特別委員会で執拗に質問した結果ようやく公表するという、議会に対して数字を示さない、しかも、これは数字を前向きに出したのではなくて、私がこの計算で合っていますねと聞いたら、その計算で合っていると思いますと、こういう形でようやく議会に数字が示された。ですから、議会に対して区はいまだに数字を出していないんです。数字を出していないで、今回の令和3年度の予算も承認してくれと、賛成してくれと言ってきている。非常に不適切な議会に対する態度であります。エビデンスに基づく区政の運営をすると、これを標榜する区長が、議会がこの議決をするに際してエビデンスを示さない、このような姿勢は到底認められるものではありません。
ほかの問題について、様々な問題点は各会派、各議員の方々が指摘しました。失敗はあるでしょう。失敗は改善をすればいい。しかし、土地を売ってしまうというこの決定は、売ってしまった後では後戻りはできません。反省してもその土地は戻ってこないんです。
そして、予算特別委員会の最後に、区長に対して、今からでもいいから、この区の大切な駅前の一等地、サンプラの土地を売らずに同じような再開発の計画ができると、これは次点に漏れた東京建物、あるいはほかの企業さんもそういうことができると区に表明していることを私は調査で把握をしています。これも区はいまだに区議会に開示していない。両手両足を縛って泳げと、でたらめな判断に付き合えと、このような議会に対する情報提供のなさ、この中で区の令和3年度の予算案、これを認めることは私はできません。改めて、予特のときに、区の虎の子の駅前の一等地を売らずに貸しても全く同じ再開発ができるのだと、だから考え直してくださいと、このように最後念押しでお聞きをしても、協定を野村不動産と結んでから区議会には情報を提供してもいいかもしれないと、こういう御答弁でしたので、私はこの御答弁をもって、この駅前のエリアの開発についての事業は賛成できないと、このように今の段階では結論を下しております。
これが覆って、70年たっても何年たっても、何回でも区が持っている土地を利用して再開発が行われる。我々の世代はこれを売ったから再開発できたけど、次の世代は売る土地がないから再開発できませんなどということのないように、区長、あるいは区が態度を改めることを改めて念願をして、反対の討論といたします。この案件以外の全ての区の事業については、期待を持って進めていただきたい、改めてこのようにお願いをして、討論を終わります。ありがとうございました。