一般質問
1 武漢ウイルス(新型コロナウイルス)対策について
(1)策定中の区の各計画(基本計画、都市計画マスタープラン等)について
(2)PCR検査とその情報公開について
(3)深刻な影響を受けている業種の事業者への支援について
(4)地域の団体への支援について
(5)その他
2 防災対策について
(1)中野区ハザードマップについて
(2)その他
3 その他
- ○議長(高橋かずちか)
- 次に、吉田 康一郎議員。
- 〔吉田 康一郎議員登壇〕
- ○12番(吉田 康一郎)
- 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田 康一郎です。一般質問よろしくお願いいたします。
まず最初に、武漢(新型コロナ)ウイルス対策について伺います。
策定中の区の各計画、基本計画、都市計画マスタープラン等についてから質問を始めます。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、武漢ウイルスによる世界の死者数が、昨日、日本時間の10日、90万人を超えました。8月22日に80万人を超えてから、僅か20日間で10万人、死者が増加いたしました。
様々論じられ、報じられているとおり、武漢ウイルス感染症の感染拡大に伴う甚大な影響は、世界中で、そして我が国で、人々の生活や生命、そして経済、社会、さらに人々の行動、意識、価値観にまで波及しつつあります。これまで当たり前であった日常生活、経済商業活動、行事・文化活動、生活の習慣まで、ウイルス感染予防のため大きな変化を迫られています。
区政においても、ウイルスの影響は区民生活のあらゆる場面に広がり、区民サービスの在り方を根本から考え直す必要性に迫られています。区は現在、区政の基本となる基本構想及び基本計画の改定を進めており、また、都市計画マスタープランや住宅マスタープランの改定作業を進めています。今回の武漢ウイルス・パンデミックは、基本構想や基本計画、都市計画マスタープランの改定の検討において、昨年度は全く想定していなかったことであります。区長の様々な答弁あるいは報告をお聞きして、問題意識は感じますけれども、具体的なイメージがいまだつかめません。基本構想、基本計画の改定にパンデミックがどのような課題を与えたのか、新たに盛り込むべき視点があるのか伺います。
同様に、都市計画マスタープランの改定や住宅マスタープランの改定作業に、同じくパンデミックがどのような課題を与えたのか、新たに盛り込むべき視点はあるのか伺います。
そして、密を避けて、ゆとりある空間の中で生活と活動する「新しい生活様式」が求められ、交通機関の利用や道路や公園整備をはじめ、都市基盤整備にも対応が求められています。特に中野駅周辺のまちづくりなど現在進めている大規模開発事業において、このような観点から整備の検討を行っているのか伺います。
働き方についても、情報通信基盤のより一層の整備の推進が必須となり、在宅勤務の普及、テレビ会議、リモートワーク、サテライトオフィスの整備など、勤務スタイルを見直す社会変化が起きています。行政機関でも、国や都においてリモート会議やテレワークスタイルを積極的に取り入れており、実際に集まらないで会議をするスタイルも定着をしてきています。これは当然、我が区の区役所新庁舎の建設にも影響があります。
パンデミック前に、新庁舎の整備計画は検討が進められてきたわけですが、世の中全体で大きく働き方が変わっている中、区の計画も見直す必要はないのでしょうか。役所は民間と比べて、公共性と手続という制約の中で、意思決定の大胆さ、迅速さなどの点で大きな変化への対応という点でギャップが発生しやすいです。新庁舎ができた瞬間に旧式の建物だという事態は決してあってはなりません。先進的な取組をしている民間のオフィス、働き方の事例等を一層積極的に研究し、取り入れていく必要があると考えますが、区の見解を伺います。
また、新しい基本構想や新庁舎などができる前に、今から、区民と感染防止の観点から、直接の接触を防止しながらコミュニケーションを取って政策を立案し実行していくことが不可欠であり、ICTの活用は必須であります。リモート会議やテレワークなどの普及を含めた情報インフラの整備・推進についての区の取組の状況について伺います。
今回のウイルス流行という災いにしっかりと対応し、変えるべきをしっかりと変え、区民のためのよりよい環境形成に向け取り組んでいただくことを要望いたします。
次に、PCR検査とその情報公開について伺います。
8月28日の読売新聞朝刊に、「PCR検査陽性率」の記事が掲載されました。8月に20政令市と23区を対象に陽性率の公表について取材し、23区中13区が陽性率を非公表と回答したと。中区も非公表と回答したと、このように報じられています。一方、中野区のホームページでは、中野区PCR検査センターにおける検査件数、陽性者数を公表しており、同センターの検査によって陽性率は算出が可能です。区は読売新聞からの取材を受けたのか、またそうであれば、「陽性率は非公表」と回答したのはなぜか伺います。
そして、区のホームページでは、区民の感染者数、区内医療機関から届けられた週ごとの感染者数、PCRセンターで実施した検査数、陽性者数を公表しています。そして、この検査結果についてグラフ化し、陽性者の年代別分布も示し、陽性率はグラフで示しています。であれば、陽性率についても数字でも公表してはどうか伺います。
東京都が公表している新型コロナウイルスモニタリング項目で、検査の陽性率は8月31日現在、4%です。中野区PCR検査センターにおける検査数、陽性者数から計算すると、区における陽性率は東京都全体よりも高い状況であります。この理由について伺います。
この項の最後に、区内医療機関で実施したPCR検査数を含めて、検査数、陽性者数、陽性率を公表し、区民に分かりやすく公表していくことが必要と思いますが、見解を伺います。
次に、このウイルスで深刻な影響を受けている業種の事業者への支援について伺います。
区内の飲食店等の事業は、協力金の支給はあるとされながらも、この感染症により深刻な影響を受け続けています。区に確認したところ、「緊急応援資金の優遇」融資制度において、あっせん件数の2割以上が飲食業の事業者で、最も多くの割合を占めています。区は、コロナ禍における商店街活性化について、デリバリー等の支援やキャッシュレス化の推進、逸品グランプリオンライン版の実施など様々取組を進めていますが、事業者がいまだ困難な状況にあることは否めません。引き続き手を尽くして、これらの業種を支援していくことが必要であります。
せんだって中野区商店街連合会から、このコロナ禍におけるプレミアム付商品券事業の実施について強い要望が寄せられました。他区に30%のプレミアム商品券の先行事例も複数あり、新たな支援策としてかなり有効であろうと期待します。折しも、新型コロナの影響で多くの商店街イベントが中止となり、我が区の商店街振興予算の中で、東京都の補助制度チャレンジ戦略支援事業における相当額の残額が見込まれています。都も、イベント事業等について再度募集をかけるなど工夫を図っているようですが、今の状況下で、商店街が新たに感染対策も強化しつつイベント等を成功させることはかなり難しいものと考えます。予算編成時との目的の違いなど東京都との調整は必要でしょうが、この緊急時、今年度予算を柔軟に運用し、商業関連予算の本来の目的を達成することが本当に必要であります。チャレンジ戦略の補助金を原資とするなどして、プレミアム付商品券事業など、商店街、特に飲食店等深刻な影響を受け続けている業種を支援する事業に新たに取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
この項の最後に、町会・自治会の掲示板について御質問をしようと思っていましたけれども、若林議員が同趣旨の質問を寄せ、区から前向きな答弁がありました。区の助成金を使いやすくする、5年間というのをさらに検討する、サポートを引き続きつづける、私からもこれをお願い申し上げて、この項の質問を終わります。
最後に、中野区ハザードマップについて伺います。
先月、中野区ハザードマップが改訂されました。冊子版となり内容も充実し、地域からも好評だと聞いています。区民にとって大変重要な防災情報が示されていますが、今回改正した意義と変更点を伺います。
本年は7月、球磨川や筑後川、飛騨川、最上川など全国で大規模豪雨が発生し、昨年は台風19号による東日本の広い範囲に暴風、洪水等による深刻な被害、そして2018年には西日本豪雨災害など、これまで数十年に一度の記録的豪雨、経験のなかった想定外の豪雨災害という被害が毎年のように生じています。こうした中、自治体が各家庭に配布したハザードマップを活用して、住民が早めに避難して助かったという事例や、ハザードマップの危険区域どおりの水害が発生し、都市計画など河川改修や土地利用の在り方の反省材料になったという例があまたあります。
中野区においては、神田川や妙正寺川流域など浸水の危険性が特に高い地域について、半地下式駐車場や低層住宅建設の抑制、高床式の建物の推奨、白鷺せせらぎ公園のような大規模団地に付随した調整池の設置、高台への住宅の移転の促進などを区として誘導し、移転によって空いた土地を水と緑の基本軸とし、公園や緑地、あるいは遊歩道などの公共施設として積極的に土地利用を誘導して、洪水被害の危険を回避をしていくというような骨太の発想と施策が必要であると考えます。
都市計画マスタープラン改定などにおいて、ハザードマップの活用についてどのように考えているかお伺いをして、私の質問を終わります。
- 〔区長酒井直人登壇〕
- ○区長(酒井直人)
- 吉田 委員の御質問にお答えいたします。
最初に、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた基本構想、基本計画についての御質問です。
新型コロナウイルス感染症の発生により社会状況が大きく変化し、産業構造や働き方、人と人とのコミュニケーションの在り方など、新しい生活様式への移行が進んでいると考えております。基本構想につきましては、新しい生活様式への対応や行政サービスのデジタル化の推進等の視点から、本年1月に示した検討素案を見直し、本定例会において改定検討素案をお示しをいたします。基本計画についても、基本構想検討素案の改定内容を踏まえるとともに、新型コロナウイルス感染症の影響について整理した上で施策に反映する考えでございます。
次に、都市計画マスタープラン、住宅マスタープラン改定と新型コロナウイルスの影響でございます。新型コロナウイルス感染症は、新しい生活様式の定着によって、区民の住生活及び都市整備の在り方に大きな影響を与えるものと考えております。都市計画及び住宅マスタープランの改定におきましては、都市活動の変化に対応した住環境整備、オープンスペースや都市交通の在り方、また、複合災害を踏まえた防災まちづくりなどの課題整理を行ったところでございます。今後、学識経験者等の意見や国の動向等も踏まえ、計画の改定を進めてまいります。
続きまして、新型コロナ危機を契機としたまちづくりの方向性についてでございます。国が8月末に公表しました「新型コロナ危機を契機としたまちづくりの方向性」において、まちづくりと一体となった総合交通戦略の推進や、安全性、快適性、利便性を備えた駅周辺の空間整備が必要とされております。中野駅周辺まちづくりにおける公共空間整備では、歩行者の安全な通行を第一優先に考え、歩行空間の確保や動線整備を行っていくこととしております。
国が示す今後のまちづくりの方向性は、これまで取り組んできた中野駅周辺整備の考え方と一致していることから、今後とも着実に整備を進めてまいります。
続きまして、新庁舎における働き方についての御質問でございます。新庁舎では、今回の新型コロナウイルス感染症を踏まえ、そのときの状況に合わせた柔軟な働き方ができる職場環境となるよう検討を進めているところでございます。このような環境整備に向け、在宅勤務や遠隔会議などに対応した無線LANの構築やICT機器類の導入などを考えております。
続きまして、ICTを活用したコミュニケーション環境の整備についてでございます。区としてもICTを活用したコミュニケーション環境の整備は重要だと考えておりまして、現在は少人数、少数拠点で会議を行う場合にウェブ会議などを利用しておりますが、大人数、多拠点で会議を行う場合の環境整備については今後の課題と考えております。参加人数が多い場合には、集音マイク、スピーカー等、専用のウェブ会議用資機材の導入などにより快適なコミュニケーション環境を整えることができることなどから整備に向けて検討をしてまいります。
テレワーク環境の整備につきましては、現在導入に向けた調整を行っており、12月には稼働させたいと考えております。
続きまして、ハザードマップの改正意義と変更点についてでございます。今回の改正は、昨年の台風19号などを踏まえ、区民が水害に対する備えを一層強化できるよう地図の尺を1万6,000分の1から8,000分の1に変更するなどの地図の明瞭化、そして避難行動や情報収集手段などを充実させるとともに、洪水ハザードマップと土砂災害ハザードマップを統合し、新たに外国語版を作成したところでございます。
そして、ハザードマップと都市計画マスタープランについてでございます。都市計画マスタープラン改定におきましては、改定されたハザードマップを踏まえ、浸水予想区域における住宅の地下、半地下の抑制や高床式構造への建築誘導に加え、道路の透水性舗装の整備や官民施設への地下貯留施設の設置など、浸水被害を軽減する対策のさらなる推進の方向性について検討しているところでございます。
- 〔企画部長高橋昭彦登壇〕
- ○企画部長(高橋昭彦)
- PCR検査とその情報公開についてお答えいたします。PCR検査陽性率に関する新聞記事の取材対応についてのお尋ねでございます。新聞社からは電話で、中野区全体の陽性率の公表の可否について取材がございました。区では、区全体の陽性率のデータは有していないため、公表していないと回答したところでございます。
- 〔保健所長向山晴子登壇〕
- ○保健所長(向山晴子)
- まず、PCR検査センターの陽性率についてのお尋ねでございますが、令和2年8月26日から、区はPCR検査センターにおける週ごとの検査数等を公表してございます。
- ○議長(高橋かずちか)
- 答弁の途中ですが、質問時間は終了しております。答弁は結構でございます。
以上で吉田 康一郎議員の質問は終わります。