韓国では従来の慰安婦像23体に加え、昨年の日韓合意後、新たに4体が設置された。米国では新たな慰安婦碑建立計画、加州教科書に「慰安婦は性奴隷」との記述が追加。豪州でも新像。
10億円を新たに出しても解決しません。政府が河野談話を破棄し、国連クマラスワミ報告・マクドゥーガル報告の撤回、米国下院決議の無効化を求めていく事等が必要です。
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《【山本優美子のなでしこアクション(5)】
慰安婦財団への10億円拠出は、日本政府が「慰安婦=性奴隷」と認めたことになってしまいます》
2016.08.22 産経新聞
「コンフォート・ウーマン」(Comfort Woman)という英単語を聞いたことがありますか?
「Comfort Zone=居心地の良い場所」や「Comfort Food=幸福感を満たす料理」という単語は英英辞書に載っていますが、「コンフォート・ウーマン」は一般に使われる英単語ではなく辞書にも載っていません。ですから、海外のニュースでこの単語が使われるときには必ず以下の説明が追記されています。
「コンフォート・ウーマンとは、第二次世界大戦中に日本軍が強制的に性奴隷にした占領地域の数十万の女性・少女の人身売買被害者であり、この性奴隷制度はアジアのホロコーストである」
お気づきと思いますが、コンフォート・ウーマンは「慰安・婦」の直訳です。日本語の「慰安婦」は戦時中の軍人相手の売春業の女性のことですが、その単語を直訳した「コンフォート・ウーマン」は英語圏では「日本軍の性奴隷」ということになっています。
つまり、日本が「コンフォート・ウーマン」に謝れば謝るほど、お金を出せば出すほど、英語圏の人はそのニュースを読み「ああ、やっぱり日本軍は幼気な10代前半の少女を何十万人も拉致して強姦して奴隷の様に扱って心身ともに傷つける酷いことをしたんだな。だからまた謝ってお金出したんだな」と理解します。日韓合意に基づく韓国慰安婦財団への10億円の拠出は「少女を性奴隷にする残虐な日本軍」というイメージをさらに強く刷り込むことになるのを日本政府は分かっているのでしょうか?
そもそも日本は元慰安婦に対して、充分すぎるほど謝罪をし、お金を支給しています。日本は平成7年(1995年)「アジア女性基金」を設立し、平成19年(2007年)の事業終了までの間に日本国民から約5億6500万円の募金を集め、政府から約48億円を拠出しました。この基金から韓国の元慰安婦に対し、一人当たり500万円(償い金200万円、医療福祉支援金300万円)ものお金と総理大臣の「心からおわびと反省」手紙を渡しています。
果たして、米大統領が、終戦直後の占領軍の日本人慰安婦や朝鮮戦争での韓国人慰安婦に対して、「おわびと反省」の手紙を送ったりするでしょうか? 韓国がベトナム戦争時にベトナム女性に行った蛮行を謝罪して一人当たり数百万円もの償い金を出すでしょうか? そんなことは到底考えられません。日本のように元慰安婦に配慮した国は他にないのです。
当時、この「アジア女性基金」に猛反対したのが、挺身隊問題対策協議会(挺対協)という韓国の慰安婦支援団体です。挺対協は「アジア女性基金」からお金を受け取った元慰安婦を徹底的に虐めました。挺対協にとっては慰安婦問題が解決してしまうと活動することがなくなってしまい、本当は困るからです。虐められた元慰安婦たちは抗議文を発表し、こう訴えています。
「挺対協と広州ナヌムの家は、慰安婦のハルモニを売りながら数年間世界各国等、全国各地を回って募金した基金の出所を明らかにせよ。挺対協幹部と側近の財産とあらゆる汚職を調査せよ。慰安婦のハルモニの胸に刀を差し、その血潮をむさぼる挺対協は、死んだあとで記念館が、慰霊碑が何の役に立つというのか! 挺対協はハルモニ達に汚れた金は受け取るなと言い、なぜ日本に金を要求するのか!」
挺対協は、今回の日韓合意と慰安婦財団にも猛反対しており、アジア女性基金の時と同じような事態が起こる可能性があります。そもそも日韓合意は政府間の合意であって民間団体の活動を縛るものではありません。韓国内には、確認した範囲で慰安婦少女像がすでに27体設置されていますが、そのうち4体は日韓合意後の今年(平成28年・2016年)に入って設置されたものです。
米国では、中韓団体が連携を強めており、サンフランシスコのセントメアリー公園に慰安婦碑建立計画を進め、現在デザインを募集中です。7月にはカルフォルニア州教育委員会で教科書に「慰安婦は性奴隷」が記述されることが決まりました。
豪州では8月に韓国系団体が中心となり、慰安婦少女像を披露する派手なセレモニーが開催されました。日韓合意反対に勢いづいた韓国の民間団体の活動は第三国、それも日本の安全保障上の大切な同盟国である米国と豪州において益々盛んになっています。
さて、どうして現在の様に「コンフォート・ウーマン」の誤った解釈が広まったのでしょうか。「慰安婦=性奴隷」は、もともとは日本人が国連で発信したものですが、それがさらに広まったのは国連レポートや米国下院決議の影響です。
どんなことが書いてあるのか、その一部をご紹介しましょう。
【1996年 国連 クマラスワミ特別報告者 レポート】
-中隊長ヤマモトは剣で打てと命じました。私たちの目の前で彼女(慰安婦)を裸にして手足を縛り、釘の出た板の上でころがし、釘が彼女の血や肉片でおおわれるまでやめませんでした。
-病気に罹っているとわかると、殺されてどこかへ埋められました。……彼女は中庭に連れ出され私たち全員が見ている前で剣で首をはねられ、身体を切り刻まれました。
【1998年 国連 マクドゥーガル特別報告者 レポート】
-日本軍によって奴隷化された女性たちの多くは11歳から20歳であったが、この女性たちは日本支配下のアジア全域の指定地区に収容され、毎日数回強制的にレイプされ、厳しい肉体的虐待にさらされ、性病をうつされたのである。
-こうした連日の虐待を生き延びた女性はわずか25%にすぎないと言われる。
【2007年 米国下院決議121号】
-日本政府による強制的な軍隊売春制度「慰安婦」は、「集団強姦」や「強制流産」「恥辱」「身体切断」「死亡」「自殺を招いた性的暴行」など、残虐性と規模において前例のない20世紀最大規模の人身売買のひとつであり、日本は公式に認めて謝罪し、歴史的な責任を負い、現世代と未来世代に残酷な犯罪について教育をしなければならない。
余りにも残虐で惨い内容で驚きます。でも国連のレポートや米国議会の決議に書いてあるから「きっと専門家が調査と研究を重ねた結果で、本当なのだろう」と多くの人は思うでしょう。実は全く学術的な検証はされておらず、元慰安婦の話や一方的な情報によるものなのです。
これに対して、日本政府はその都度、事実関係をきちんと反論しませんでした。それどころか長年謝罪を繰り返してきた結果が、世界に広まった今日の「コンフォート・ウーマン」なのです。
今必要なのは、一刻も早く「コンフォート・ウーマン」の誤解を解くことです。そのために日本政府がまずやるべきことは、外務省が公開しなかったクマラスワミ・レポートへの反論書を公開することです。
日本政府は、2014年8月に朝日新聞が吉田清治虚偽報道を認めて以降、国連への報告書の中で慰安婦問題に関し、「強制連行を示す記述は見当たらない」とはっきり主張しています。また、国連の報告書や勧告は一方的であり、慰安婦20万人は裏付けがないことや、性奴隷という表現は事実に反することなども、事実関係を示した上ではっきりと反論しています。これらの反論を外務省のホームページのアクセスしやすいところに掲載することも必要です。
これらは技術的に何も難しくないはずです。
ソウルの日本大使館前の慰安婦像はそもそも違法に設置されているものであり、慰安婦財団への10億円拠出の前提条件にしなくとも法に則って撤去すべきです。
しかし、慰安婦像の撤去にも応じていないのに10億円を拠出するということは、海外で懸命に慰安婦記念碑に反対している日本人たちを見捨てる行為だと言えます。問題を知らない現地の人たちから「日本政府だって謝ってお金出してるじゃないか。何であなたたち反対しているの?」と言われてしまうからです。
そんな状況下で、米ニューヨーク州とニュージャージ州在住日本人女性たちがこの夏に「ひまわりジャパン」というグループを立ち上げました。「このままではいけない。未来を生きる日本の子供たちが日本人として誇りをもって生きられるようサポートしよう」と思い立ったからです。
カナダでも同じように女性のグループが活動しています。豪州では「オーストラリア・ジャパン・コミュニティ・ネットワーク」の皆さんが慰安婦像反対運動で頑張っています。米国メリーランド州にお住まいの80代後半のご婦人は現地でニュースレターを発行し「これからも誤った歴史的認識の一つとして慰安婦問題について書き続けるつもりです。蟷螂の斧ではありますが立ち向かっていきたい」と仰っています。
しかし、民間の活動だけでは限界があります。私は慰安婦財団への拠出金は反対ですが、日本政府がそうするのなら、その何十倍何百倍もの予算を計上し、世界に広まった「コンフォート・ウーマン」の誤解を解く努力をしてください。
そうでなければ、日本の名誉を守り、次世代に日本人としての誇りを繋ぐことはできません。それが日本のために優先すべきことなのです。日本政府と外務省はもう「近隣諸国FIRST」は止めて「JAPAN FIRST」になるべきです。
■ 山本優美子(やまもと・ゆみこ) なでしこアクション代表。上智大学卒。保守系活動にボランティアで関わるうちに慰安婦問題は女性が取り組むべきと考え、2011年に「正しい歴史を次世代に繋ぐネットワーク~なでしこアクション」を立ち上げ代表となる。海外の邦人女性とも連携し、対外発信、国連対策にも取り組む。好きな言葉は、「国家とは亡くなった祖先、現在の私達、これから生まれる子孫、三者の共同事業である」。
■ 参考資料
★デジタル記念館 慰安婦問題とアジア女性基金
http://www.awf.or.jp/
★アジア女性基金 第36回理事会/三者合同懇談会 1998(平成10年)07月22日(水)参考資料
http://www.awf.or.jp/pdf/g0044-1.pdf P8 挺身隊対策協議会 広州ナヌムの家の基金の汚職に対する抗議示威
★挺身隊問題対策協議会
https://www.womenandwar.net/contents/home/home.nx
★ナヌムの家
http://www.nanum.org/jp/
★国連 クマラスワミ特別報告者 レポート(1996年)
原文/英語版 http://www.awf.or.jp/pdf/h0004.pdf
日本語版 http://www.awf.or.jp/pdf/0031.pdf
★国連 マックドゥーガル特別報告者 レポート(1998年)
原文/英語版 http://www.awf.or.jp/pdf/h0056.pdf
日本語版 http://www.awf.or.jp/pdf/0199.pdf
★米国下院決議121号 慰安婦対日非難決議 (2007年)
原文/英語版 https://www.congress.gov/bill/110th-congress/house-resolution/121/text
日本語版 http://bit.ly/1JmUT0b
★オーストラリア・ジャパン・コミュニティ・ネットワーク
http://jcnsydney.blogspot.jp/
★なでしこアクションブログ
外務省は国連への公式文書「国連の報告書・勧告は一方的/20万人は裏付けがない/性奴隷は不適切」をもっと発信してください
http://www.sankei.com/premium/news/160820/prm1608200022-n1.html
https://www.facebook.com/koichiro.yoshida.jp/posts/630568933777313