08/03/2016 06:33:01 PM

今回の北朝鮮のミサイル発射は、事前に察知できず、破壊措置命令を出す事もできず、我が国がミサイル攻撃に対して無防備であるという、我が国防衛体制の根本的な欠落を露呈しました。

これは、1976年、ミグ25函館空港強行着陸亡命事件により、我が国がソ連の戦闘機の領空侵犯と強行着陸に対し捕捉できず阻止できない事を露呈した事に匹敵する事態だと考えます。

そして、我が国が察知できなかったミサイルは、史上初めて我が国EEZ内に着弾しました。安全保障政策の根本的な見直しが必要だと考えます。

《北朝鮮 ミサイル発射 首相「許し難い暴挙」 政府、事前把握難しく》
2016.08.03 毎日新聞

 北朝鮮が3日午前、弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射したことに対し、安倍晋三首相は「わが国の安全保障に対する重大な脅威であり、許し難い暴挙だ」と強く非難した。政府は首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開き対応を協議。弾頭部分が秋田県沖の日本の排他的経済水域(EEZ)に落下したことに「北朝鮮は短時間で技術を向上させ、練度を上げている」(外務省幹部)と警戒を強めている。【高本耕太、村尾哲、小田中大】

 首相は「明白な国連安全保障理事会決議違反であり、北朝鮮に断固抗議した。米国、韓国と連携し、毅然(きぜん)と対応していく」とも述べた。首相官邸で記者団に語った。

 これに先立ち、首相は関係省庁に(1)情報の収集・分析と国民への迅速な情報提供(2)航空機、船舶などの安全確認(3)不測の事態に備え万全の態勢を取る−−を指示した。政府は関係省庁の局長級会議を開いて情報を収集。これまで航空機や船舶などへの被害は確認されていない。

 菅義偉官房長官は3日の記者会見で、首相から北朝鮮に対する関連措置の実施と情報収集・分析を継続することなど新たな指示があったことを明らかにした。海上自衛隊が落下現場の周辺海域で破片などの回収作業を準備している。

 政府は今回のミサイルを中距離弾道ミサイル「ノドン」と推定している。中谷元(げん)防衛相は、約1000キロ飛行したことを踏まえ「方向を変えると西日本がすっぽり収まる。ノドンなら日本全域を射程に収める」と記者団に語り、安全保障上の懸念を表明した。

 岸田文雄外相も「弾道ミサイルがわが国のEEZ内に落下した点は、付近を航行する艦船や飛行する航空機の安全にも関わり、大きな問題だ」と述べた。

 北朝鮮がミサイルを発射した黄海南道殷栗(ファンヘナムドウンユル)付近にはミサイル基地はなく、移動発射台が使用されたとみられる。

 このため日本政府が事前に把握するのは難しく、今回は防衛相による破壊措置命令も出されていなかった。外務省幹部は「脅威はかなり高まっている。外交当局としても今まで以上の対応を考えなければならない」と語った。

http://mainichi.jp/articles/20160803/dde/007/030/041000c

《【北ミサイル】日本の排他的水域を狙って発射 高い精度誇示、挑発レベル一段上げる》
2016.08.03 産経新聞

 北朝鮮が3日発射した弾道ミサイルの弾頭部分が初めて日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾したことについて、日本政府は偶然ではなく意図的に日本のEEZ内に向けて撃ったと分析している。防衛省は中距離弾道ミサイル「ノドン」と分析しており、飛距離約1000キロは同型ミサイルの中で過去最長となる。森本敏元防衛相は「北朝鮮による挑発レベルが上がった」と警鐘を鳴らした。

 防衛省の分析によると、ノドンの命中精度はすでに一定のレベルに達しており、「EEZ内に撃ちこむことは、いつでもできる状態だった」(防衛省筋)との見方が根強い。元航空自衛隊航空支援集団司令官の織田邦男元空将は「ミサイルは沿岸部から離れた地点に着弾しており、慎重に落下地点を選んだのではないか」と話す。

 また、今回の飛距離は今年3月に発射された約800キロを上回り、確認されているノドン発射の中では過去最長。3日の内閣改造に合わせて辞表を提出した中谷元(げん)前防衛相は「方向を変えると西日本がすっぽり収まってしまう」と述べた。

 今回のミサイルは発射の動きを察知しづらい移動式発射台(TEL)から発射したとみられる。森本氏は「各種のミサイルをいつでも、どこからでも撃てる能力を誇示する活動の一環として3日の発射も行われた」と指摘する。

 北朝鮮が今年に入って発射した弾道ミサイルは今回で計16発で過去最多を更新しており、防衛省幹部は「何発撃ったのか、聞かれてもすぐに答えられない」と嘆く。ただ、今回の着弾地点周辺の海域は日本の漁船が漁場としている海域に近く、不測の事態が発生しかねない。日本政府は従来のノドン発射と比べても日本に対する脅威度が高いと受け止めている。

 日本海上に落下した弾頭のロケット本体は海底に沈んでいる可能性が高い。だが、海上保安庁は3日にミサイルの破片とみられる物体を発見しており、防衛省は北朝鮮によるミサイル開発の進展を分析する手がかりにしたい考えだ。(杉本康士)

写真:2013年7月、軍事パレードに登場した中距離弾道ミサイル「ノドン」=平壌の金日成広場(共同)

http://www.sankei.com/world/news/160803/wor1608030041-n1.html

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