05/25/2016 01:24:53 AM

豪国でも、中国は着々と、親日から親中反日に塗り替える作業を進めています。

「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しよう」等というおめでたい強いられた憲法の下、この憲法を崇め奉ってきた国民は、国が滅ぼされてから後悔し反省するのでしょうか。

《【杉田水脈のなでしこリポート(5)】親日から親中に…オーストラリアの危うい現状を憂いています》
2016.05.25 産経新聞

 ゴールデンウイーク(GW)の後半、かなりの強行日程でオーストラリアに取材に行きました。メインは、ストラスフィールド市で慰安婦像の建立をストップさせた在豪日本人の方々(AJCN~Australia-Japan Community Network)のお話をうかがうことでしたが、その中で、オーストラリアに住む日本人が今一番懸念している話をうかがうことができました。

 北部準州(ノーザンテリトリー、略称NT州)における中国の動きについて、2回に渡って紹介したいと思います。

■ NT州のダーウィン港をめぐる不穏な動き

 NT州の面積は日本の約3・5倍もありますが、人口は日本の都道府県で一番少ない鳥取県の半分以下の約23万人しかいません。これは市町村レベルであり、埼玉県春日部市や東京都墨田区よりも少ないのです。とはいえ、ウラン鉱山や液化ガスなど天然資源が豊富にあり、米海兵隊が駐留するダーウィン港があるなど軍事上の要衝でもあります。

 NT州政府には、多くの大陸系中国人が長年勤務して信頼を得ています。NT州で唯一の大学であるチャールズダーウィン大学には、「中国政府の出先機関」と言われる孔子学院があります。豪中商工会議所は、一般企業向けに回覧するニュースレターに731部隊や南京事件の記事を掲載し、日本を糾弾するなど反日活動を続けています。

 これらは中国政府肝いりの活動だと思われます。大陸系中国人は、長年のロビー活動によりNT州政府に対して大きな権力を持っています。また、地元の豪中フレンドシップアソシエーションには、中国政府または中国系企業より多額の援助が入っているようです。

 2013年、親日的だったNT州政府の前首席大臣、テリー・ミルズ氏が、マスコミの攻撃を受けて人気を落とされた挙句、東京へ公式訪問中に失脚させられる事態になりました。その後実権を握ったのが中国寄りで知られるデービッド・トールナー議員です。しかし、豪連邦政府のトップが親日的なトニー・アボット首相である間は、目立った動きはありませんでした。

 ところが、連邦政府首相が中国寄りのマルコム・ターンブル氏に代わったところで非常に大きな動きがありました。

 ダーウィン港を「嵐橋集団」(LnadBridge)という中国企業に99年間リースすることが決まったのです。この嵐橋集団という会社は、人民解放軍とつながりが深く、人民武装民兵部隊という独自の私兵まで所有していると言われています。

 ダーウイン港は米海兵隊が駐留しているだけでなく、中国が海上権益支配を目指す第二列島線の南端に位置する要衝です。にもかかわらず、同盟国に相談もなく中国企業にリースすることを決定したことに対し、オバマ米大統領も懸念を示しました。

 嵐橋集団がリースするのは、フォートヒルと呼ばれる軍事・商業港ですが、NT州が管理するストークヒルには政府観光局の主導で、なんと70数年前の日本軍によるダーウイン空爆を3Dで疑似体験できる観光施設が作られるという計画が発表されました。これは偶然でしょうか?

 さて、上述のデービッド・トールナー議員は、今年の選挙に向けての候補者選挙で落選しましたが、代わってNT州首席大臣となったアダム・ジャイルズ氏は「ダーウイン港の中国企業へのリースは全く問題がない」と主張し、批判に耳を貸しません。

 NT州ではさらに2016年に入って新たな政変があり、副首相がピーター・スタイルズ氏に変わりました。ここ2年で6人目です。これからさらに中国寄りになると思われます。

 また、2017年に向けてNT州政府はダーウィン空爆75周年に向けのキャンペーンの準備を進めています。「リメンバー・テリトリー・キャンペーン」です。それと同時進行で、中国からの観光客誘致作戦を行います。組み合わせることによって日豪離間の反日工作が展開される可能性があるので注意が必要です。

■ 豪連邦政府の政権交代とNT州のクーデターについて

 前連邦政府首相のトニー・アボット氏と、前NT州首席大臣だったテリー・ミルズ氏は政策だけでなく個人的にも親しかったようです。どちらも敬虔なクリスチャンで、宗派も同じだったようです。ミルズ氏は大変な親日家であり、インドネシア語を話し、台湾を応援することを公言していました。また、反共産主義者でしたので中国との関係はよくなかったのです。

 ミルズ氏が選挙で圧勝するとすぐにものすごいバッシングが地元で始まりました。普段はワニとUFOの話ばかりを1面に持ってくることで有名なNTニュースが、首席大臣のみならず アドバイザー含めすべての取り巻きのゴシップまで取り上げる異常さでした。

 ミルズ氏の支持率がガタ落ちしていく中、クーデターの試みが何度かありました。そこでオーストラリアを離れるべきではなかったのですが、「国際石油開発帝石」(インペックス)の招待を受けてミルズ氏は日本を訪れました。そして「日揮」本社を訪問しているときに、首席大臣解任の報を受けました。オーストラリアにおいて、州のトップが不在の時に議員たちが勝手に選挙が出来る制度があるとは驚きです。

 最近ではオーストラリアの対貿易量1位は中国ですが、北部準州に限っては日本が1位です。インペックスの事業規模は約2兆円。にもかかわらず、日本企業は北部準州政府に影響力はありません。それどころか、首席大臣がインペックスからの招待で日本を訪問している際に、議員間で選挙をして首席大臣をクビにするという暴挙。これを見ればどれだけ日本側が影響力を行使できていないかがわかります。

 将来、南シナ海が中国に封鎖され、中東から日本へのシーレーンが遮断されてしまった場合、NT州から南シナ海を経由せずにLNGを輸入できることが極めて重要になります。しかし、ダーウイン港を封鎖されてしまったらそのルートも使えなくなってしまいます。

 このように、中国は南シナ海のみならず、ここオーストラリアでも戦略的に影響力を拡大しています。連邦政府、州政府の議員に、保守党、労働党を問わず、大量に中国の金が流れ込んでいるという噂もあります。このまま事態が推移すれば、有事の際に日、米、豪の連携がスムースに機能するだろうかという疑問が湧きます。これもまた、安全保障上の極めて重要な観点だと言えるでしょう。

 大使館、領事館がこれらの情報を活用してすばやく対応しているのか、よく見えないという意見も聞かれました。これまで、米国大使館、領事館に関しても同様の話をよく耳にしました。オーストラリアでは在外公館は民間団体と比較的よく連携していると聞いていますが、「在住邦人をとことん守る」という本来の存在意義に基づいてさらに活動して欲しいものです。

 次回は、インペックスに対する地元労組のきな臭い動きについてリポートします。お楽しみに。

■ 杉田水脈(すぎた・みお) 昭和42年4月生まれ。鳥取大農学部林学科卒。西宮市職員などを経て、平成24年に日本維新の会公認で衆院選に出馬し、初当選。平成26年に落選後は、民間国際NGOの一員として国際社会での日本の汚名を晴らすため活動を続けている。好きな言葉は「過去と人は変えられない。自分と未来は変えられる」

http://www.sankei.com/premium/news/160522/prm1605220015-n5.html

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