03/07/2016 04:05:16 PM

5日、中国全人代開幕。今後5年間のGDP成長率目標を6.5%以上に引き下げ。国防予算は前年比7.6%増の9544億元(約16兆7千億円)。6年ぶりの1ケタ増だが、金額にして日本円で1兆1000億円の増。異常な軍備拡張が続いている。

読売は「中国軍事費、日本の3.2倍」としているが、よく知られている通り、中国の国防費には、海外からの兵器購入費、軍が行う研究開発費や宇宙開発費等は含まれておらず、実際の軍事予算はその1.5~2倍以上と推計されている。3.2倍という数字は過小であり、4.8~6.4倍以上という事になる。

この膨大な軍事費による中国軍の目標は何か。中国政府は既に明確に打ち出している。2020年頃までに第2列島線(伊豆諸島、小笠原諸島、サイパン・グアム島、パラオ諸島、パプアニューギニアに至る)の内側の西太平洋の支配権を握る。2050年頃には、第2列島線の外側でも、米海軍と肩を並べる実力を保持する、という目標である。

その目標を達成する過程で、そして達成された時、日本はどの様に取り扱われ、どの様な地位に置かれているのだろうか。我が国に将来何が起きるのか。「想定外でした」は許されない。

《中国軍事費、日本の3・2倍…「強軍路線」堅持》
2016.03.05 読売新聞

 【北京=蒔田一彦】5日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代=国会)で発表された2016年の「国防予算」(軍事予算)は、前年実績比7・6%増の9543億元(約16・2兆円)で、過去最高を更新した。

 伸び率は6年ぶりに1桁となったが、日本の防衛関係費(16年度防衛予算案)の約3・2倍に達する。景気減速が鮮明になった中でも、習近平政権は「強軍路線」を堅持する構えだ。

 習政権が軍の機構改革を本格始動させて以降、初の予算編成となる。全人代会場となる北京の人民大会堂には5日、真新しいバッジを付けた軍代表の姿があった。習政権は2月、陸軍主体だった7大軍区を廃止し、五つの「戦区」に再編。首都防衛を担う「中部戦区」の韓衛国・司令官はメディアの取材に「中国軍の強化にとって非常に有益なものだ」と述べ、習氏が主導する改革を高く評価した。

http://www.yomiuri.co.jp/world/20160305-OYT1T50088.html

《全人代開幕 5年間成長率目標、6・5%以上に引き下げ》
2016.03.05 産経新聞 16:25更新

 【北京=西見由章】中国の第12期全国人民代表大会(全人代=国会)第4回会議が5日、北京の人民大会堂で開幕した。2020年までの経済・社会の発展目標を示す「第13次5カ年計画」が提出され、今後5年間の国内総生産(GDP)成長率目標を現行計画の年平均7%から6・5%以上に引き下げた。

 また公表された2016年の予算案によると、国防予算は前年実績比7・6%増の9543億5400万元(約16兆7千億円)となり、10年以来6年ぶりに1ケタ増に抑制した。国内の治安維持にあてる中央政府の公共安全保障費は同5・3%増の1668億1500万元とした。

 李克強首相は政府活動報告の冒頭で「昨年、わが国の発展はさまざまな困難と厳しい試練に直面した」と言及。16年を「構造的改革推進の正念場」と位置づけ、石炭・石油産業の生産過剰などを踏まえ「供給側の構造的改革の強化」を掲げた。成長率目標は昨年の7・0%から「6・5~7%」に引き下げる一方、「比較的十分な雇用を確保できる」とした。

 また経済減速を受けて「積極的な財政出動の強化」を打ち出し、今年の財政赤字を前年比5600億元増の2兆1800億元に拡大、対GDP比を0・7ポイント増の3%に引き上げた。

 台湾で独立志向の強い民主進歩党政権が5月に発足するのを踏まえ、「92年コンセンサスという政治的基礎を堅持し、『台湾独立』の分裂活動に断固反対する」と強調した。

http://www.sankei.com/world/news/160305/wor1603050034-n1.html

《中国 国防費は去年比7.6%増 軍備拡張継続》
2016.03.05 NHK

中国政府は、ことしの予算案を5日明らかにし、国防費は去年より7.6%、金額にして日本円で1兆円余り増えて、16兆円を上回り、軍備拡張を続ける姿勢を示しました。

5日発表された中国政府のことしの予算案のうち、国防費の予算は中央政府分だけで去年と比べて7.6%増加し、9543億5400万人民元(およそ16兆7000億円)に上るとしています。増加率が10%を下回ったのは、2010年以来6年ぶりで、減速する中国経済の状況を反映したものとみられますが、増加額は650億元ほどと、日本円で1兆1000億円を超えていて、軍備拡張を続ける姿勢を示したかたちです。

公表されている国防費には、外国から調達する戦闘機の費用などは含まれていないとみられ、実際の国防費はさらに多いと指摘されています。

李克強首相は5日の政府活動報告の中で、「海洋強国をつくる」としたうえで「軍隊の近代化を全面的に進め、国家の安全を断固として守る。平時の戦闘準備とともに国境や領海、領空における防衛の管理を厳しく行う」と述べ、海軍や空軍を中心に増強を進める考えを強調しました。

また、中国では来年の終わりまでに30万人の兵力を削減する方針ですが、李首相は「退役軍人の再就職をしっかりと支援する」と述べ、軍内部で広がっているとされる兵員削減への不満に配慮する姿勢を示したものとみられます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160305/k10010432521000.html

https://www.facebook.com/koichiro.yoshida.jp/posts/555283321305875