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「議論が特に難航しているのは、英国が求める域内移民の流入抑制のため、緊急時に社会保障の給付を制限する措置」。
移民の流入抑制問題は、今や英国がEUを離脱するかどうかを判断する上での主要な論点となっています。それほど大きな問題なのです。我が国では理解していない人があまりにも多い。

《英、EU残留へ交渉ヤマ場 キャメロン英首相「必要なものが得られなければ同意しない」 他国引き留めに必死》
2016.02.20 産経新聞

 【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)首脳会議は最終日の19日、英国が求めるEU改革の合意に向けて調整を続けた。キャメロン英首相は十分な成果を得た上、EU残留の是非を問う国民投票に臨みたい考え。欧州統合の原則にも絡む難しい問題だが、他の加盟国も英国の離脱は回避したいのが実情で、交渉は緊迫の度を増している。

 18日夕に開幕した会議では、最初にEU改革について協議。だが、首脳らの意見は隔たり、この後、キャメロン氏がトゥスクEU大統領やオランド仏大統領らと会談。トゥスク氏は19日も個別に折衝を行った。

 キャメロン氏は19日朝、「必要なものが得られなければ同意しない」とする一方、「(合意へ)可能な限りを尽くす」と語った。

 議論が特に難航しているのは、英国が求める域内移民の流入抑制のため、緊急時に社会保障の給付を制限する措置。「移動の自由」というEUの原則への影響も配慮する必要がある上、英国に多くの移民を送る東欧諸国が差別的扱いを警戒し、抵抗を強めている。

 ユーロ圏の決定で非ユーロ導入国が不利益を被らないようにする措置も、ユーロ圏の統合深化を阻害する要因になりかねないとの懸念が強い。EUは英国にユーロ導入義務の適用除外などを認めているが、さらに特例を認めれば「他国も求めてくる」(オランド氏)恐れも否めないためだ。

 とはいえ、加盟国は英国の離脱回避では一致している。英国はEUではドイツに次ぐ経済規模で、核保有国として世界有数の軍事力を誇る。フランスと並ぶ国連安全保障理事会常任理事国でもあり、英国を失えばEUの国際社会での影響力低下は免れない。

 移民問題などで加盟国間の足並みの乱れが目立つ中、英国が離脱するようならEUの団結への信頼も損なわれる。フランスなど欧州各地の反EU勢力が一段と勢いづくことも必至だ。

 エストニアのロイバス首相は「どうすれば英国を残せるかという議論だ」と強調。メルケル独首相は「英国の離脱より妥協で得られる利益の方が大きい」とし、「容易でないが合意の意思はある」と述べた。

http://www.sankei.com/world/news/160220/wor1602200006-n1.html

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