02/09/2016 10:23:15 AM

中国経済の破綻は日々明らかになり、先月一月で1000億ドル弱が海外へ流出、外貨準備は激減中。ロシア経済は欧米の論調ほど悪化していない、との事。

《ならばロシア経済も破綻するのだろうか?
  中国中央銀行は「金融危機はあり得ない」と否定会見》
2016.02.09 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」

 中国経済の破綻は日々明らかになり、先月もわずか一ヶ月で1000億ドル弱が海外へ流出していたことが分かった。
 中国の外貨準備は激減中である。年明けとともに人民元を中央銀行が買い支えており、これが外貨準備高を減らしている。市場原理に逆らっても人民元安を必死で食い止めようとしているのだ。

 中国人民銀行幹部は「金融危機は起こらない」と発言を繰り返しているが、民心はドル預金に殺到しているうえ、ローレックスやトヨタ・レクサスなど、換物投機が沸騰している。

 ロシアはどうか。
 実は外貨準備はほぼ変動がないのである。2015年二月に3760億ドル、16年二月現在の外貨準備高は3720億ドル。ちなみに中国の同期比は3兆8400億ドルが3兆2309億ドルとなって、6091億ドルの激減ぶりを示している。
 同期間にロシアの外貨準備は40億ドル減ったにすぎない。

 欧米の論調にしたがうと、ロシア経済はウクライナ問題での西側の制裁により、明日にもギブアップする、そのうえ原油価格が100ドルから30ドル台に下がってしまったので、深刻な悪影響をロシア経済に及ぼしていると否定的は報道が目立つ。

 はたしてそうか。筆者は14年7月と、15年9月にロシア各地を回ってみた。
 物資は豊かで町の表情も明るく、人心は意外に落ち着いている。商店には品数とバラエティこそ少ないが、諸外国からの物資は山積み、ちゃんとルーブル紙幣で購入できる。

 1990年のロシア危機とソ連崩壊のとき、物資はなにもなく、しかもルーブルは使えなかったことを思い出した。
 あの頃、六回ほどロシアへ行ったが、米ドルで支払いを要求された。ルーブルが必要だったのは新聞スタンド、公立の博物館、記念館。そして公共の乗り物だけだった。タクシーはマルボロで支払いを要求されたと新聞が写真入りで書いていたが、筆者が何度か乗ったタクシーはドルで支払えた。

▼あのジョージ・ソロスも「ロシア経済には期待が持てる」と発言している

 アンチ・ロシアの代表選手、ジョージ・ソロスはダボス会議で「中国経済のハードランディングは不可避的だ」と言ったが、ロシアに対しては「ロシアは大丈夫だし、経済は好転するだろう」と逆のことを予測しているのである。

 1997年のロシア債務危機は原油価格が1バーレル20ドル台から12ドル台へ暴落したときに、経済政策に齟齬がおこり、対応のまずさからロシア国債デフォルトが引き起こされた。
 外貨準備は、当時のルーブルが準固定制であったが、予算策定の誤算がロシア債務危機を招来させたと言えるかも知れない。

 また現在なお、プーチンへの信頼が高く、いまも支持率が80%台に近いため、民心にパニックが起きていない。
 ルーブルの対ドル為替レートは減価しているが、食料品など物価は安定しており、インフレは起きていない。不思議である。当局の対応が過去の痛い経験から、成長してきたのだろう。

 ロシア人は耐久力があるうえ、自宅で野菜などを栽培している。すでに過去十年に亘って経済繁栄で多くは自宅マンションを購入し、マイカーをもち、所得はひとりあたり2万ドルを超えている。だからパニックに走らず、沈着な対応を国民レベルでもできたことが、中国と比べると顕著に違うのである。
 中国人は「阿Q」,ロシア人はイワンだ。

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