EU、域内の自由移動を認めるシェンゲン協定の一時停止を検討。既に、独、仏、墺、丁、瑞、EU非加盟の諾国が、移民の流入を制限するために国境での検問を暫定的に導入。瑞国は、移民8万人を国外退去に。
「移民導入推進派」の人達が日本の理想の未来として語ってきた欧州。現実には、テロ、性犯罪を含む犯罪率の急増、治安の悪化、社会の分断と価値観の共有の崩壊等、社会の基盤が揺らぐ深刻な状況に陥り、政策の転換期に差し掛かっています。
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《移民危機に揺れるEU、シェンゲン協定の一時停止を検討》
2016.01.27 AFP
【1月27日 AFP】欧州連合(EU)は26日、旅券なしでの自由な往来を認めるシェンゲン協定(Schengen Agreement)の参加国に、移民危機への対応策として最長2年の期限付きで入国審査の再導入を認めるかどうか検討した。高く掲げてきた欧州の一体性という基本理念が打撃を受ける恐れもある。
EU加盟各国の内相は25日、オランダ・アムステルダム(Amsterdam)で開かれた会合で、EUの行政執行機関である欧州委員会(European Commission)に対し、入国審査実施期間の延長を要請していた。
シェンゲン協定の第26条は、「例外的な状況」の場合、同協定に参加する26か国に最長2年間に限り国境での入国審査の再導入を認めると定めている。
ここ数か月の間にオーストリア、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、フランス、さらにEU非加盟のノルウェーが、6か月の期限付きで入国審査を再導入した。
シェンゲン協定参加国が入国審査を再導入する際は欧州委員会に通知し、同委員会が再導入の条件を満たしているか判断することになっている。
入国審査の一時的な再導入により、旅券や査証なしでの自由な移動を可能にし、欧州の一体性と自由、繁栄の象徴となっているシェンゲン圏が崩壊しかねないという懸念が広がっている。(c)AFP/Lachlan CARMICHAEL
写真:スペインとの国境に近いフランス南西部ビリアトゥで、車で移動している人の身分証明書などを調べるフランスの警察官(2015年12月4日撮影)。(c)AFP/IROZ GAIZKA
http://www.afpbb.com/articles/-/3074699
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《【移民ショック】スウェーデン、移民8万人を国外退去に 難民申請却下の人が対象 相次ぐトラブル受け》
2016.01.28 産経新聞
【ロンドン=岡部伸】英BBC放送によると、スウェーデンのイーゲマン内相は27日、難民申請が却下される者が8万人に上るとの見通しを示し、国外退去させる方針を明らかにした。数年かけてチャーター機で国外に移動させるという。内相は「現時点では(対象者は)6万人程度だが、いずれ8万人に達する可能性がある」と語った。
スウェーデンは難民や移民に比較的寛容で、2015年に亡命を希望した者は16万3000人と、人口当たりの比率で欧州最多を記録した。
移民らが大量に流入している欧州では、昨年12月の大みそかにドイツ・ケルンなどで発生した集団暴力事件を機に、世論の対立が緊迫化している。
スウェーデンの首都ストックホルムでも昨年8月、野外音楽祭の会場で移民とみられる若い男たちが多数の女性に性的暴行を加え、約200人が会場から追い出される事件があった。
スウェーデンは今月4日、移民らの流入制限のため、隣国デンマークからの入国者を対象に半世紀ぶりに旅券など身分証の点検を強化した。これに伴い、デンマークも国内に滞留する移民らが増えるのを避けるため、ドイツとの入国審査の強化に踏み切っている。
スウェーデン西岸の移民宿泊施設では25日、亡命申請をした15歳の少年が22歳の女性職員を刺殺した疑いで逮捕される事件が起きた。移民問題担当者によると、15年に大人の同伴なしに1人で同国への亡命を希望した未成年者は3万5400人と、14年の5倍に上る。
デンマークでは26日、移民らの数を抑えようと、所持している貴重品を没収する法案を可決。第二次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人の財産没収のようだ-などと批判が出ている。
http://www.sankei.com/world/news/160128/wor1601280070-n1.html
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