ロシアに先を越されました。高速増殖炉の開発は必要です。 — 《ロシア、「BN-800型」高速増殖炉の商用発電を開始・高速増殖炉の商用運転は世界初》 2015.12.11 businessnewsline Oscar Stanley ロシアがスヴェルドロフスク州に建設を進めてきたBN-800型高速増殖炉を使用したベロヤルスク原子力発電所(Beloyarsk Nuclear Power Plant)が10日、初の商用発電を開始したことがロシア国営のPravdaの報道で明らかとなった。 現時点において、BN-800型高速増殖炉は最低出力となる235MWの出力での運転となっており、今後、徐々に出力を上げていくことにより、月内にも100%出力運転に移行することを予定している。 BN-800型高速増殖炉はソビエト連邦時代となる1981年に実験炉として運転を開始した冷却材にナトリウムを使用したBN-600型高速増殖炉の既定出力を600MWから864MWに増加させた高速増殖炉としては初の商用炉となる。 ナトリウムは外気に露出すると発火を起こすなど安定性に欠き、管理が難しいことが難点となり、日本が開発した高速増殖炉「もんじゅ」は、1994年に臨界を迎えながらも翌年に発生したナトリウム漏出火災事故の影響から未だに運転再開が困難な状況が続いている。 一方、ロシアは既に、BN-600による35年の運用実績を積み重ねてきており、BN-600の運用で蓄積したノウハウを利用していくことで、BN-800の商用運転にも強い自信を示している。 世界各国の商業原子力発電業界は、長年の商用原子炉の運転で生じた使用済み核燃料の再処理で生成された大量のプルトニウムを抱える状況となっている。先進国市場では安全性に対する懸念から新規の原子力発電所の建設が控えられる傾向が続くなか、ロシアは、使用済み核燃料の再処理で生成された大量のプルトニウムを燃料として再び使用することができる核燃料サイクルを実現させた唯一の国として、今後も原子力発電を積極的に推進していくことを計画している。 http://www.businessnewsline.com/news/201512111255150000.html |