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《フィリピン、南シナ海での中国の岩礁埋め立てに対抗本腰 滑走路や港の機能を強化》
2015.05.17 産経新聞

 【シンガポール=吉村英輝】フィリピンが、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島で大規模な埋め立てを進める中国に対抗し、周辺の軍事施設の増強を急いでいる。フィリピンは、中国の領有権の主張が国連海洋法条約などに違反するとして仲裁裁判所に提訴し牽制してきたが、周辺国や米国の批判を無視して軍事拠点化を視野に入れた埋め立てを強行する中国を前に、抑止力の強化にも本腰を入れ始めた。

 フィリピン軍制服組トップのカターパン参謀総長は11日、中国の脅威を念頭に、スプラトリー諸島に面したパラワン島オイスター湾の海軍基地の整備を「最重要課題」として進めると強調した。また、防衛協力の強化で一致している日米やベトナムの艦船が基地を利用できるようにする考えを示した。

 計画では、港と島の中心部をつなぐ12キロの道路のほか、埠頭や給油施設などを50億ペソ(約134億円)かけて整備し、拠点基地にする。予算確保が課題だが、ロイター通信は、日本が周辺インフラの整備に資金協力する可能性を伝えた。

 カターパン氏は同日、スプラトリー諸島でフィリピンが実効支配するパグアサ(英語名・ティトゥ)島を訪問。同行した外国メディアに「ここが領土の一部であることを明確にするために訪れた」と述べた。

 パグアサ島から約25キロ離れたスービ(中国名・渚碧)礁では、中国が埋め立てを急ピッチで進め、滑走路が建設できる規模の陸地が造成されつつある。これに対してフィリピン軍は、同島にある全長1200メートルの滑走路の改修を急ぎ、基地機能を強化する方針だ。

 同島に駐留する軍幹部は記者団に、スービ礁で夜間も明かりがともる様子が確認できるとし、埋め立ては24時間態勢で進められていると指摘。2年前は姿も見えなかった中国が「はうように侵略してくることを懸念している」と述べた。

 パグアサ島では、軍人約40人のほか、民間人約80人が居住する。食料は無料で配布され、小学校もあるが、ある住民は「いつ中国から襲撃を受けるか分からず、恐ろしい」と語った。

 フィリピン軍は、スービ礁近くで4月、軍用機が中国艦船から強い光を照射され、「ここは中国領だ。出ていけ」と通告されたと主張。中国側は同様の行為を過去3カ月で少なくとも6回行うなど、挑発をエスカレートさせているという。

http://www.sankei.com/world/news/150517/wor1505170006-n1.html