2015/03/22 23:36

《全長248m 護衛艦いずもはほとんど空母! 改修すればF35Bの艦載も 対中国潜水艦戦見据え25日に就役へ》
2015.03.22 産経新聞

 海上自衛隊最大の艦艇となるヘリコプター搭載護衛艦「いずも」が25日に就役する。空母のように艦首から艦尾まで続く「全通甲板」を有する護衛艦は現在も「ひゅうが」型2隻が配備されているが、「いずも」の全長は「ひゅうが」の1・25倍の248メートル。通常搭載ヘリも4機から9機に倍増する。新型艦導入で防衛省が見据えるのは、潜水艦の近代化を進める中国海軍の抑止だ。

 「中国は国防費を5年連続で10%以上増加させ、軍事力の広範かつ急速な強化を進めている。不測の事態を招きかねない極めて危険な行為を繰り返している」

 中谷元防衛相は22日の防衛大学校卒業式でこう述べ、中国軍の動向に警戒を呼びかけた。

 中国軍をめぐっては、米海軍のムロイ中将が2月25日の米下院委員会で、中国の潜水艦数が米軍を上回ったと証言したばかり。潜水艦は敵から見えないところから攻撃できる特性を持ち、米軍の行動を阻む中国の「接近阻止・領域拒否(A2・AD)戦略」の中核に位置付けられる。

 防衛省は、中国が長時間航行を可能とする大気非依存型推進(AIP)システム搭載のユアン級潜水艦を「大幅に増強している」(幹部)と分析し、警戒を強めている。

 こうした中で対潜水艦戦で期待されるのが、25日に引き渡し式がある「いずも」だ。哨戒ヘリ5機が同時に離着艦でき、中国潜水艦への警戒・監視を強化できる。政府が平成27年度予算案で20機追加取得する国産新型機P1哨戒機や、P3C哨戒機も対潜哨戒に投入され、中国軍に対する抑止力向上を狙う。

 また「いずも」は高度な指揮通信機能で護衛隊群の中枢艦となる。470人を収容でき、南西諸島防衛での大量人員輸送や、大規模災害時は被災者の避難やけが人の救護にも活用される。

 改修費はかかるが、米海兵隊が保有する垂直離着陸型の最新鋭ステルス戦闘機F35Bも艦載できるようにもなる。防衛省は28年度に同型艦をもう1隻就役させる予定。海自のヘリ搭載護衛艦を全て全通甲板型とすることで運用能力の向上を図る。(杉本康士)

http://www.sankei.com/politics/news/150322/plt1503220017-n1.html