2015/03/07 15:27

《韓国、テロ野放し 国際的信用が失墜 信じがたい警備態勢の甘さ露呈》
2015.03.06 ZAKZAK

 駐韓米国大使襲撃事件は、韓国の国際的信用を失墜させた。VIPへのテロ行為を簡単に許すなど、先進国の常識では到底考えられないのだ。他国の国旗や指導者の写真を燃やしたり、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長の車を襲うといった、過激な抗議行動を「愛国無罪」として容認するような風潮。反米機運が盛り上がるなか、危機は放置された可能性すらある。ケリー米国務長官は犯人への厳罰を求めたという。

 「俺がテロをやった」「オバマ(米大統領)はなぜ変節したのか!」

 マーク・リッパート大使(42)が襲撃された直後、現場で取り押さえられた政治団体代表、キム・ギジョン容疑者(54)は、こう叫んでいたという。

 ソウル中心部の「世宗(セジョン)文化会館」で5日朝に発生した衝撃事件。リッパート大使は顔や腕などを果物ナイフで切りつけられた。傷は、右の頬骨からあごにかけ長さ11センチ、深さ3センチと深く、約80針も縫う大けがを負った。傷があと1~2センチ深ければ頸動脈を傷つけ命に関わる恐れがあったという。

 韓国警察は、キム容疑者を、殺人未遂や外国使節への暴行、暴力行為処罰法違反容疑に加え、過去に北朝鮮を何度も訪問していることから、国家保安法違反容疑も視野に取り調べている。

 米政府は即、「暴力行為を強く非難する」との声明を発表。ケリー国務長官は5日、外遊先のサウジアラビアでの記者会見で、犯人について「厳罰を求める」と語ったという。中東歴訪中の朴槿恵(パク・クネ)大統領も「米韓同盟に対する攻撃で、許せない」と強く非難したが、問題は、韓国の信じがたい警備態勢の甘さだ。何しろ、事件の直前、米韓関係は緊張していたのである。

 米国務省ナンバー3であるシャーマン次官が2月27日、ワシントンでの講演で、名指しを避けながら「政治指導者が過去の敵を非難することによって、安っぽい喝采を浴びるのは難しいことではない。しかし、このような挑発は進展ではなく機能停止をもたらす」と発言した。韓国ではこれが、慰安婦問題などで日本攻撃を続ける朴大統領に自制を求めたものと報じられ、「日本寄りの発言だ」などと反発が広がっていた。

 キム容疑者は2010年、当時の重家俊範・駐韓日本大使にコンクリート片を投げて逮捕され、執行猶予付き判決を受けた人物である。米韓同盟批判もしていた。会場周辺には30人近い警官がいたというが、どうして、そんな人物が会場に入れたのか。

 危機管理の第一人者である初代内閣安全保障室長の佐々淳行氏は「国家を代表する大使への襲撃を許すなど、考えられない警備態勢だ。手を抜いていたとしか思えない」といい、続ける。

 「シャーマン次官の発言に加え、米国は現在、過激組織『イスラム国』への空爆を行っている。こういうとき、わが国を含め、他国なら米国大使に厳重な警備態勢を敷く。不審者を会場に入れないのは当然だが、会場入り口に金属探知機を置いて、刃物などは決して持ち込ませない。日本でも1964年、当時の駐日米国大使ライシャワー氏が暴漢に襲われる事件があった。私は当時、警察幹部として警備の不手際を謝罪に行った。あの教訓から、日本の警備態勢は進歩した。韓国は一体何をしているのか」

 日本の初代内閣総理大臣である伊藤博文を暗殺したテロリスト、安重根(アン・ジュングン)を英雄視する国だけに「テロに甘い」というつもりはないが、理解困難な警備態勢は他にもある。

 朴大統領への名誉毀損で在宅起訴された産経新聞の加藤前支局長が昨年11月27日の初公判に出廷した際、ソウル中央地裁の敷地内で、加藤前支局長の乗った車が、約10人の男らに囲まれて卵を投げつけられるなど、約10分間も車の走行を妨害されたのだ。

 警官や警備員らはこれをただ傍観した。監禁、脅迫、暴行、交通妨害容疑での立件も見送られた。

 朝鮮半島事情に詳しい元公安調査庁調査第2部長の菅沼光弘氏は「加藤前支局長への襲撃について、韓国は『右翼関係者による自発的妨害だ』と言っているが、世論の反日ムードに押されて黙認したと言われても仕方ない。今回の大使襲撃も背景を考えるべきだ」といい、続ける。

 「シャーマン発言だけでなく、米国と韓国は現在、在韓米軍による韓国国内での『高高度防衛ミサイル(THAAD)』配備をめぐってもギクシャクしている。背景には、朴大統領が、習近平国家主席率いる中国への傾斜を深めていることがある。韓国は、日米韓関係の停滞について日本を悪者にしてきたが、米国も最近、『問題は朴大統領だ』と気づいた。こうした流れで、シャーマン発言があり、大使襲撃事件が起きた。今回の事件は東アジア情勢のターニングポイントになる可能性がある」

 日本も検討が必要だ。今年は戦後70年、日韓国交正常化50年という節目の年で、韓国側が皇太子殿下のご訪韓を招請していたという報道(週刊朝日2月27日号『幻に終わった皇太子「訪韓」』)もあった。将来、皇室の方々のご訪韓は考えられるのか。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「韓国は現在、政権も世論も『反日』で固まっている。セウォル号沈没事故でも分かるように、綱紀が緩んでおり、統制が取れていない。一般論でも、危機管理の面からも、皇室の方々のご訪韓などあり得ない。今回の大使襲撃事件で、その可能性はさらに遠のいたのではないか」と語っている。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150306/frn1503060830008-n1.htm

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