2015/02/13 23:17

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《横須賀が対「イスラム国」の中心 いまや世界戦略の重要な一部》
2015.02.11 ZAKZAK 日高義樹

 日米安保条約にもとづいて、日本や周辺に展開する米軍は、日本を守るだけではなく、今や米国の世界戦略で重要な役割を果たすようになっている。テロ集団「イスラム国」(ISIL)との戦いも、横須賀を基地とする第7艦隊の旗艦「ブルー・リッジ」の指揮のもとにおかれている。

 第7艦隊の中東における軍事活動の最前線は、紅海に展開する新鋭ミサイル巡洋艦「アーレイ・バーク」とペルシャ湾で行動中の最新鋭空母「ジョージ・ブッシュ」だ。

 米海軍首脳は次のように述べている。

 「現場の戦闘責任者と政府首脳が話し合って、ISILに対する攻撃は、ISIL軍の広報支援基地、通信指揮センターを集中的に攻撃することになった。『アーレイ・バーク』は昨年9月22日午後8時半、40発のトマホークミサイルでシリアのラッカとアレッポにあるISIL軍の指揮命令センターと通信センターを攻撃して以来、各地のISIL軍を狙い撃ちし続けている」

 第7艦隊の当局者は次のように述べている。

 「ペルシャ湾の空母『ジョージ・ブッシュ』からF16とFA18がISILの訓練センターや車両集積場のあるディルアッツズールの基地を攻撃し、その後はゲリラ部隊を攻撃し続けている」

 これまでペルシャ湾や紅海での米海軍の行動は、バーレーンに基地を持つ米第5艦隊の指揮命令系統下にあった。

 ところが、オバマ大統領の「アジアへの大転回」政策による合理化でバーレーンの基地が封鎖された。このため、第5艦隊の作戦行動は、横須賀を基地とする第7艦隊の旗艦「ブルー・リッジ」が指揮をとるようになっている。

 私は、取材で「ブルー・リッジ」に何度か同乗し、戦闘指揮センターで開かれた衛星によるテレビ通信会議に出席したことがある。世界各地の米軍、ホワイトハウス、それにペンタゴンの担当者らが大きなスクリーン上で情報や意見を交換していた。

 米国の軍事戦略は、この電話会議が象徴するように、いまや完全に世界規模になっている。この結果、日米安保条約によって日本を守るために展開している第7艦隊とその拠点の横須賀が、ISIL軍との戦いの中心になっている。

 米空軍は、グアム島に配備しているF22を定期的に沖縄に展開し、訓練を続けている。このF22の一部をヨルダンの首都アンマンの近くにある空軍基地に移動させ、ISILを攻撃させている。また、アンマンへの輸送も米本土エルメンドルフ基地から日本の横田基地を経由して行っている。

 アンマンでヨルダン空軍との合同訓練を繰り返している米空軍は、日本の基地を使って世界戦略を展開。日本の安全を守るために作られた日米安保条約は、いまや米国の世界戦略の重要な一部になっているのだ。

■ 日高義樹(ひだか・よしき) 1935年、名古屋市生まれ。東京大学英文科卒。59年NHKに入局し、ワシントン支局長、理事待遇アメリカ総局長を歴任。退職後、ハーバード大学客員教授・同大諮問委員を経て、現在はハドソン研究所首席研究員、全米商工会議所会長顧問。

写真:テロ集団との戦いは、横須賀を基地とする「ブルー・リッジ」が重要な任務を担う

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150211/dms1502110830004-n1.htm