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《「法定利率」を5%から3%に…民法改正要綱案》
2015.02.10 読売新聞

 法相の諮問機関「法制審議会」の民法部会が10日、民法の債権に関する規定を抜本的に見直す要綱案を決定した。

 民法に「約款」に関するルールを新設することなどを打ち出した。24日の法制審総会で法相に答申する予定。

 民法の債権に関する条文の抜本改正は、1896年の民法制定以来、初めて。要綱案には、飲食店での未払い金(ツケ)の時効期間延長など約200の見直し項目が盛り込まれており、約款以外の項目は、昨年8月にまとまっていた。法務省は一連の見直し内容を反映した民法改正案を今国会に提出する。

 これまで民法には約款に関する規定がなく、約款が契約内容として有効と認められる要件があいまいなままとなっている。インターネット通販などでは、消費者が約款を十分理解しないまま商品を購入し、届いた商品に不満があっても、約款で返品が認められないなどのトラブルが相次いでいた。

 これまでも不当な内容の約款は裁判で無効とされてきたが、要綱案は、消費者保護の立場を強化する観点から、民法を見直すことにした。約款が有効と認められるには、〈1〉企業と消費者の間で、約款を契約内容とすることで合意する〈2〉企業が約款を契約内容とすることをあらかじめ表示する――のいずれかを満たす必要があるとした。ネット通販の場合であれば、企業は契約成立前の段階で、消費者に約款を読んだうえで同意するむねをクリックしてもらうなどの手続きが必要になる見込み。

 消費者の利益を一方的に害する内容の約款は認めないことや、約款の変更は消費者にとって利益になる場合に限ることなども打ち出した。

 法制審議会の民法部会は2009年から民法の見直しを検討しており、昨年8月、約款以外の約200項目を見直した。未払い金の債権消滅の時効期間について、飲食代(1年)、弁護士費用(2年)、病院の診療費(3年)を5年に延長することなどが柱だ。

 見直しでは、賠償金に上乗せする遅延利息などに適用される法定利率(5%)が市場金利に比べて高すぎる現状を踏まえ、3%に引き下げたうえで、市場金利の実勢を踏まえて3年ごとに見直す変動制を導入する。

 賃貸住宅契約では、借り主が経年変化による物件の原状回復義務を負わないことや、大家による敷金返還規定を明記する。安易に銀行融資の保証人となった第三者が、多額の借金返済を求められて生活破綻に追い込まれないよう、公証人が保証意思を確認することも義務づける。

 ◆民法改正要綱案のポイント

 ▽病院や飲食店での未払い金の債権が無効になる時効期間を原則5年にする

 ▽契約で特に金利を定めなかった場合に適用される「法定利率」を5%から3%に引き下げ、3年ごとに見直す

 ▽融資の際に安易に第三者が保証人とならないよう、公証人による意思確認を義務づける

 ▽賃貸住宅契約で、借り主が経年変化による物件の原状回復義務を負わないルールや、敷金返還規定を明記する

 ▽消費者の利益を一方的に害する約款は無効とすることを明記する

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150210-OYT1T50141.html

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