2015/01/17 2:28

《中国離れくっきり 日米欧やASEANの対中投資が軒並み減少、韓国は微増》
2015.01.16 産経新聞

 中国商務省は15日、2014年の日本から中国への直接投資実行額が前年比38・8%減の43億3千万ドル(約5050億円)だったと発表した。前年実績を下回るのは約4%減だった13年に続き2年連続。日中関係の悪化や、中国での人件費の高騰を背景に大きく落ち込んだ。

 日中経済協会によると、天安門事件の影響で投資が約35%落ち込んだ1989年を上回る異例の下落率となった。2012年秋に日本政府が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を国有化して以降、中国では反日デモによる日系工場襲撃や日本製品のボイコットの呼び掛けも起きた。新規進出や事業拡大を見合わせる日本企業が増えた。

 日本だけでなく、米国からも20・6%、東南アジア諸国連合(ASEAN)も23・8%、欧州連合(EU)も5・3%、それぞれ減少した。中国は都市部を中心に工場労働者の賃金や、店舗、事務所の賃料が高騰しており、生産拠点などを東南アジアなどに移す企業も多い。一方、韓国などからは増え、世界全体からの直接投資実行額は1・7%増の1195億6千万ドルだった。

 直接投資実行額は、一般的に投資の可否決定から半年以上かかって数字に表れるため、日中関係悪化の影響が14年になって鮮明になったとみられる。(共同)

http://www.sankei.com/economy/news/150116/ecn1501160011-n1.html