2014/12/23 1:44

《【朝日慰安婦報道】第三者委報告書 朝日報道の「欠陥」「ゆがみ」突く》
2014.12.22 産経新聞

 朝日新聞の慰安婦報道に関する第三者委員会の報告書は、随所に追及不足と思える点はあるものの、朝日報道の欠陥とゆがみを突いた内容だ。長年にわたって日本の歴史を糾弾し、おとしめてきた一連の報道の実態と傾向がどのようなものだったか、その概要を明らかにしている。

 朝日新聞は今年8月5日付朝刊の記事で、朝鮮半島で女性を強制連行したと証言した自称・元山口県労務報国会下関支部動員部長、吉田清治氏の関連記事16本を取り消した。

 報告書は、朝日新聞が平成9年3月の慰安婦特集記事ではこの吉田証言について「真偽は確認できない」と逃げたことに「訂正するか取り消すべきであり、謝罪もされるべきだった」「致命的な誤り」と厳しく指摘する。

 また、朝日新聞がそれまで「狭義の強制性」(直接的な強制連行)を前提として記事を作っていながら、強制連行の証拠が見つからないと分かると本人の意思に反する「広義の強制性」こそが問題だと主張しだしたことにも着目する。

 「『狭義の強制性』を大々的に報じてきたのは、他ならぬ朝日新聞である」

 「『狭義の強制性』に限定する考え方をひとごとのように批判し、河野談話に依拠して『広義の強制性』の存在を強調する論調は、『議論のすりかえ』だ」

 こうした朝日新聞の論点のすり替えは産経新聞も繰り返し言及してきた点だ。

 また、朝日新聞が慰安婦強制連行にかかわる吉田証言記事を取り消しながら、吉田氏が朝鮮人男性6千人弱を同様に連行したと証言した記事は放置していることにもこう触れた。

 「慰安婦以外の者の強制連行について吉田氏が述べたことを報じた記事についても検討し、適切な処置をすべきである」

 平成3年8月、母親にキーセン=朝鮮半島の芸妓(げいぎ)=学校に売られた韓国人元慰安婦を「女子挺身(ていしん)隊の名で戦場に連行」と書いた元朝日新聞記者、植村隆氏の記事に関し、朝日新聞は「意図的な事実のねじ曲げはない」と主張してきた。

 植村氏自身は現在、海外メディアを通じ自己弁護に余念がないが、この問題に関する報告書は「安易かつ不用意な記載であり、読者の誤解を招く」との解釈だ。捏造(ねつぞう)に当たるとは踏み込んでいない。

 その一方で4年1月、宮沢喜一首相(当時)訪韓の直前に朝日新聞が1面トップで報じた「慰安所 軍関与示す資料」の記事についてはこう断じた。

 「首相訪韓の時期を意識し、慰安婦問題が政治課題となるよう企図して記事としたことは明らかである」

 この記事に関しては今年6月、政府の河野談話作成過程検証チームも「朝日新聞が報道したことを契機に、韓国国内における対日批判が過熱した」と指摘している。

 第三者委からの朝日新聞記者への「提言」には次のように記されている。

 「事実を軽視することのないよう努める必要がある」

 こんな当然かつ初歩的な指摘を受けることは恥ずかしいが、朝日新聞だけの問題ではないと受け止め、自戒したい。(阿比留瑠比)
http://www.sankei.com/politics/news/141222/plt1412220017-n1.html

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