タイ陸軍、全土に戒厳令。タイは我が国とは国情が異なります。政治の混乱が半年以上続き、下院は解散、首相は代行という「権力の空白」の中、政府派、反政府派の衝突の中で死者も出ています。軍は政治に介入せず、政権も維持されています。戒厳令を支持します。
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《タイ陸軍、全土に戒厳令布告「これはクーデターではない」 拠点に兵士、混乱なく》
タイのプラユット陸軍司令官は20日午前3時(日本時間同5時)をもって、戒厳令を全土に布告した。反政府デモに伴う混乱で死傷者が出る事態が長期化していることを受け、陸軍が治安の全権を掌握した。陸軍は「クーデターではない」と強調。政府高官は「政府は依然、国家を運営する立場にある」としており、現政権は当面、存続するもようだ。
現地からの情報によると、首都バンコクでは、兵士がテレビ局各局や、タクシン元首相を支持するグループの抗議活動拠点などに展開されたが、大きな混乱は起きていない。
陸軍はテレビ局を通じ「可能な限り早く平和を回復したい。全当事者にデモを中止するように促す」と訴え、反政府デモ隊とタクシン派の双方に混乱収拾を求めた。また、国民に向け「平常通りの生活をして、パニックにならないでほしい」と平静を呼びかけた。
プラユット司令官はこれまで反政府側からの介入要請を受けながら「中立」の立場を維持してきた。しかし、バンコクで15日未明に3人が死亡するデモ隊襲撃事件などを受け、「(暴力が続けば)阻止のため全力で行動を取る」と強く警告、混乱長期化に懸念を強めていた。
だが、反政府デモ隊を率いるステープ元副首相は、タクシン派政権を退陣に追い込むため、22日から国営企業労組のストライキを実施すると発表。タクシン元首相支持派もバンコク郊外で集会を続けている。
タイでは反政府デモ拡大を受け、昨年12月に政府が下院を解散し、国民の審判を仰ごうとしたが、反政府派が総選挙を妨害。その後も混乱が続き、今月7日には政府高官の人事をめぐり憲法裁判所から違憲判決を受けたインラック首相が失職、双方の支持者による衝突で治安悪化の懸念がさらに強まっていた。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140520/asi14052011560004-n1.htm