2014/03/18 11:48

《【集団的自衛権 第1部 欠陥法制(2)】
サマワの現実、傍観した自衛隊に「信頼できない」豪軍酷評、中国軍は強気に》

「他国部隊は仕事を共有してくれると思っていたのに警護を求められ仕事が増え、守っている自分たちが攻撃を受けても『見ざる聞かざる』。自衛隊はアブノーマルで理解不能な組織だと扱われていた」

自衛隊を守る為に他国部隊が死んでも「見ざる聞かざる」。私には全く理解できません。

以下、記事抜粋。

 自衛隊が派遣された国連平和維持活動(PKO)などの国際平和協力活動のうち、最も過酷だったのはイラク派遣(平成16~20年)だ。隊員は黙々と任務をこなしたが、武器使用の制約により国際社会ではあり得ない対応を余儀なくされた。

 《陸上自衛隊幹部が式典に参加中、建物の外で警護にあたっていたオーストラリア軍が暴徒に襲われた》

 《陸自車両を警護するための打ち合わせに来た豪軍車両が、陸自拠点の入り口で暴徒から攻撃された》

 これは「そのときどうする」というシミュレーションではなく、実際にイラクで起きた「事件」だ。

 陸自はどう行動したか。2事例とも施設や拠点に引きこもり、傍観せざるを得なかった。武器使用基準が国際標準より厳しく制限され、外国軍の隊員への駆け付け警護は憲法で禁じられた武力の行使にあたるとされるからだ。

 陸自はイラク南部サマワで給水や道路補修などの人道復興支援を行い、豪軍は治安維持を担っていた。陸自が拠点の外に出る際は豪軍に警護され、2つとも豪軍が陸自を守るための活動中に攻撃され、陸自は何もできなかった事例だ。

 「国際活動に参加できる組織ではない」「ともに活動する相手として信頼できない」

 豪軍の酷評が陸自の教訓リポートに残されている。

 「他国部隊は仕事を共有してくれると思っていたのに警護を求められ仕事が増え、守っている自分たちが攻撃を受けても『見ざる聞かざる』。自衛隊はアブノーマルで理解不能な組織だと扱われていた」

 イラク派遣の全活動を把握する関係者はそう振り返る。そもそも自衛隊の武器使用基準の制約や武力行使との一体化という概念自体が、他国には理解できない。

 防衛省幹部は「安全な場所や他国の警護を求める自衛隊は恐るるに足らぬ、という意識が中国軍に広がりつつあるのでは」と危惧する。そのことが、中国軍を強気にし、東シナ海での挑発をエスカレートさせ、ひいては尖閣諸島(沖縄県石垣市)侵攻へのハードルをも下げることにつながりかねない。