2013/12/26 21:28

《米、靖国参拝に「失望」 中韓との緊張悪化懸念》

今年8月14日(終戦記念日の前日)に当ウォールで触れましたが、平成14年(2002年)2月、ブッシュ米大統領が来日した際、大統領は小泉首相と連れ立っての靖国神社参拝を要望していたとのことです。しかし外務省も官邸も首相自身もこれを断り、明治神宮参拝にすり替えました。
しかも、ブッシュ大統領は、明治神宮でも小泉首相と連れ立っての参拝を希望していたのに、小泉首相は車の中で待ち、大統領の単独参拝となりました。
これに先立つ平成8年(1996年)4月、クリントン大統領が来日した際も、靖国神社参拝を希望していたそうです。

これらの米大統領による参拝が実現していれば、その後の靖国参拝に対する国際的な理解は大きく進んでいたでしょう。また、米大統領による参拝は残念ながら未だ実現していませんが、他の諸外国からは、多くの国家元首・要人・宗教指導者が参拝しています。

今回の米国の「失望」との声明は、「靖国神社参拝」に対する原則的な見解ではなく、中韓との関係悪化を懸念する「情勢判断」としての見解だと理解できます。
我が国首相は、国のために戦い命を捧げた戦没者の慰霊追悼のため、当然に靖国神社に参拝しなければならないのであり、参拝を前提に、他国との友好に努力するのが、我が国政府の採るべき適切な方針と行為です。

以下、記事。

 在日米大使館(東京都港区)は26日、安倍晋三首相の靖国神社参拝について、中国や韓国の反発を念頭に「近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに米政府は失望している」とする声明を発表した。

 同盟国指導者の政治的行動に対し、米政府が踏み込んだ形で懸念を表明するのは異例。「アジア重視」戦略を掲げるオバマ政権は安倍氏の靖国参拝回避に向け、水面下で働き掛けてきた経緯があるだけに、事実上の批判声明といえそうだ。

 声明は「日本は大切な同盟国だ」とした上で、安倍氏の靖国参拝に「失望」を表明。沖縄県・尖閣諸島をめぐり対立する中国や、歴史認識問題などで冷え込んでいる韓国との一層の関係悪化に懸念を示した。

 その上で、日中韓が未来志向で建設的に対応し、関係改善を図るよう要請。こうした取り組みを通じ「(アジア)地域の平和と安定という共通の目標を発展させるための協力を推進する」よう求めた。