吉田康一郎blog
2014/10/16 5:08
「クマラスワミ報告書」に対する日本政府の「幻の反論文書」。非常に明快な反論であったものを、なぜ撤回したのか。必ず公開すべきです。 — 《クマラスワミ報告の反論書の公開検討 岸田外相》 2014.10.15 産経新聞 岸田文雄外相は15日の衆院外務委員会で、慰安婦を強制連行された「性奴隷」と認定した1996年の国連人権委員会の「クマラスワミ報告書」に対し、日本政府が作成した反論文書の公開も含めて検討していることを明らかにした。 日本政府は当時、報告書について「事実調査に対する姿勢は甚だ不誠実」などとする反論文書を作成し、国連に提出。その後、内容を差し替えて再提出していた。岸田氏は差し替えの経緯について「文書が(他国から)『詳細すぎる』と指摘を受け、多数の国の理解を得ることを目指して簡潔な文書を改めて作成した」と説明した。 反論文書が非公開となっていることについては「当時の状況を総合的に判断した」と言葉を濁した。ただ今後については「国際社会の理解を得るのに何が最善の方法か考えたい」と述べ、公開の可能性も含め、検討する考えを示した。 http://www.sankei.com/politics/news/141015/plt1410150047-n1.html — 《【阿比留瑠比の極言御免】クマラスワミ報告書に反駁 幻の反論文書を公開すべき》 2014.10.09 産経新聞 慰安婦を強制連行された「性奴隷」と認定した1996年(平成8年)の「クマラスワミ報告書」について、6日の衆院予算委員会で興味深い質疑があったので紹介したい。次世代の党の山田宏幹事長が、日本政府がいったん明快な反論文書を作成しておきながら、なぜかすぐに引っ込めた経緯をただすと、岸田文雄外相はこう答弁した。 「文書に関し、詳細すぎるといくつかの国から指摘を受けて、簡潔な文書を改めて出した。(初めの)文書は、現状では取り扱いは非公開となっている」 この幻の反論文書の内容については産経新聞は今年4月1日付紙面で既報だ。簡単におさらいすると、クマラスワミ報告書に対して、具体的な事例を示して次のように反駁している。 「客観的資料は無視し」「事実調査に対する姿勢は甚だ不誠実」「無責任かつ予断に満ちた」「軽率のそしりを免れない」「歴史の歪曲に等しい」…。 その上で国際法上、「いわゆる『従軍慰安婦』の制度を『奴隷制度』と定義することは法的観点からは極めて不適当である」と指摘し、クマラスワミ報告書は「かえって問題の真の解決の妨げとなることを深く懸念する」と結論する。 報告書は、慰安婦狩りを証言し、朝日新聞もこのほど記事を取り消した吉田清治氏の著書などに依拠しているのだから当然だろう。 今月6日の質疑で山田氏が「なかなか良く書けている。日本の立場を説明できる文書だ。ぜひ公開してほしい」と求めたほどで、今読んでも違和感はない。 ところが、現実にはこの反論文書は撤回され、慰安婦募集の強制性を認めた河野談話や、元慰安婦への支援を行うアジア女性基金の取り組みを紹介した簡略版の文書に差し替えられる。クマラスワミ報告書への直接的な批判は圧縮され、抑制的なものとなった。 歴史の事実関係は一切争わず、「法的には決着済み」「もうすでに謝罪している」で片付けようという、われわれが見慣れた日本の「事なかれ外交」に落ち着いたわけである。 とはいえ不思議なのは、当初は日本側も「日本政府として法的に反論すべきことはしていく」(当時の橋本龍太郎首相)などと強気だったのに、その後は反論文書自体をなかったことにしていることだ。 そもそも、一度は関係各国に配布された公の文書だったはずの反論文書が、現在では日本国民にも「非公開」とされている理由がさっぱり分からない。 当時、反論文書に対して中国や韓国、北朝鮮などの国や日本の人権派弁護士やNGO(非政府組織)が反発したことは分かっている。ただ、それと政府の方針転換が直接結びついているのかは藪の中だ。 反論文書が取り下げられた経緯について、現在の外務省幹部はこういう。 「われわれが調べても分からない。だが、きちんと間違いを指摘したもとの反論文書と簡略版はまるで別のシロモノだ。いつか反論文書は公開すべきだ」 反論文書を公開すれば、安倍晋三政権が歴史を修正しようとしているのではなく、日本政府は平成8年当時から、慰安婦問題の事実関係についてこう認識していたのだと内外に示すことができる。無意味な非公開指定はさっさと解くべきである。(政治部編集委員) http://www.sankei.com/premium/news/141009/prm1410090012-n1.html
2014/10/16 4:39
五島列島沖の領海内でサンゴを密漁し、水産庁の漁業取締船から5時間逃走し、拿捕された中国人に無罪判決。この様な判決を下す裁判官は有害です。 — 《領海操業の中国人無罪 福岡地裁、GPSに表示なく》 2014.10.15 産経新聞 長崎県・五島列島沖の領海内でサンゴ漁をしたとして外国人漁業規制法違反(領海内操業)の罪に問われた中国籍の男性被告(48)に、福岡地裁は15日、無罪の判決を言い渡した。 判決理由で丸田顕裁判官は、操業場所は領海内だったと認定したが、被告の船に搭載されていた衛星利用測位システム(GPS)は領海内と表示していなかったとして「領海内と認識することはできなかった」と判断した。 検察側は「捜査段階の供述では故意(領海内の操業)を認めていた」と主張していたが、丸田裁判官は「供述調書は、GPSの実際の状況と異なり、信用できない。供述を誘導した疑いが拭えない」と指摘した。 判決によると、男性は5月14日午後7時半ごろ、五島列島沖の領海でサンゴ漁をしたとして、水産庁九州漁業調整事務所(福岡市)に現行犯逮捕された。 検察側は懲役8月、罰金100万円を求めていた。 http://www.sankei.com/affairs/news/141015/afr1410150028-n1.html — 《中国漁船が五島列島沖の領海内でサンゴ漁、5時間追跡し拿捕 水産庁》 2014.05.16 産経新聞 水産庁九州漁業調整事務所(福岡市)は16日までに、外国人漁業規制法違反(領海内操業)の疑いで、中国漁船を拿捕、自称船長の平先良容疑者(49)を現行犯逮捕した。 逮捕容疑は14日午後7時ごろ、長崎県・五島列島沖の領海内でサンゴ漁をしたとしている。 水産庁の漁業取締船が停船を求めたが、逃走。追跡を続け、約5時間後に停船させた。 http://www.sankei.com/affairs/news/140516/afr1405160033-n1.html
2014/10/16 3:50
《中越国防省、ホットライン開設へ=軍機関紙報道、関係改善も》 2014.10.16 時事通信 【ハノイ時事】ベトナムのフン・クアン・タイン国防相は16~18日、中国を訪問する。常万全・中国国防相らと会談し、両国の国防省間のホットライン開設に関する覚書に調印する見通し。ベトナム人民軍機関紙クアンドイ・ニャンザン(電子版)が15日伝えた。 両国関係は5月、中国が南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島海域で石油試掘を強行し、西沙の領有権を主張するベトナムで反中暴動が起きるなど緊張が高まった。ただ、その後は越共産党が北京に特使を派遣するなど、関係改善の動きも見られる。 http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014101600022
2014/10/16 3:38
危険ドラッグの売買が、条例で規制を強化している東京都内を避け、条例の無い神奈川県で販売の動き。厳しい規制が有効である事が明白です。全国で厳しく規制し、危険ドラッグを根絶しましょう。 — 《危険ドラッグ:東京回避、条例ない神奈川へ》 2014.10.15 毎日新聞 危険ドラッグの売買を巡り、条例を設けて規制を強化している東京都内を避け、近隣の神奈川県で販売する動きが目立ち始めていることが捜査関係者への取材で分かった。厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部(東京)などの立ち入り検査で、横浜市内の販売店から関東地方では最多となる50種のハーブ類が見つかったことも判明。摘発対象となるドラッグの成分だけでなく販売場所を巡っても、捜査当局とのイタチごっこが続いている構図が浮かんだ。【松浦吉剛、大場弘行】 同部によると、8月に始まった立ち入り検査で発見された危険ドラッグの疑いがある商品は、9月末時点で東京都内は32店の計241種で、最多は新宿区の店の28種だった。 これに対し、神奈川県は50種のハーブ類があった横浜市内の店を含め、6店から計139種が見つかった。1店当たりの平均でみると、東京は7.5種、神奈川は23種で約3倍の「品ぞろえ」だった。千葉と埼玉の両県については計6店が検査対象になったが、千葉の1店から約10種が発見されただけだった。 摘発対象の危険ドラッグは、薬事法で定めている薬物の成分を少し変えることで対象から外れる「規制逃れ」の実態が知られている。そのため東京都は2005年、指定薬物以外でも、独自に指定して取り締まることができる「都薬物乱用防止条例」を全国に先駆けて制定。今年7月からは製造や販売に加え、所持や使用についても懲役6月以下、罰金30万円以下などを科すことができるよう改正した。 一方で、神奈川県は条例がないため、指定薬物でなければ、罪に問われない。50種が見つかった横浜市内の店の関係者は「東京は(規制の網が広くかけられているので)持っているだけで、ほぼ逮捕される。客には『神奈川に泊まって使い切ってしまえばいい』と説明する」と明かす。千葉と埼玉の両県にも条例はないが、交通アクセスの良い神奈川が「供給地」の中心になりつつあるとみられる。 黒岩祐治県知事は9月の県議会で危険ドラッグを規制する独自の条例を制定する方針を表明。今後、担当の薬務課が条例案を作るために横浜地検と協議に入る。薬務課は「(東京などの)周辺自治体と規制に差があってはならない。ただ、罰則付きの条例を定める場合は検察との協議に数カ月はかかり、議会への上程は早くても12月になるだろう」としている。 http://mainichi.jp/select/news/20141015k0000m040148000c.html
2014/10/15 23:22
朗報ですね。—《ホームレス:東京都内で過去最少…自立支援策に取り組み》2014.10.15 毎日新聞 東京都は、都内で路上生活するホームレスの人数が今年8月時点で1697人(23区1508人、多摩地区189人)となり、都内全域で調査を始めた2002年以降で過去最少を更新したと発表した。ここ10年は減少傾向で、都は今後も自立を促す支援策を進める。 調査は都と区市町村、国が毎年夏と冬に行い、今夏は都内でデング熱の感染が確認される前の8月1〜7日に実施。都内の河川敷や公園、道路などでそれぞれの管理者が目視で人数を確認したところ、前回調査時(今年1月)の1768人に比べて71人減った。 場所ごとの人数は、▽河川敷848人(前回比49人減)▽公園515人(同10人増)▽道路226人(同20人減)−−など。国管理の河川敷にいた741人を除く区市町村別の人数は、台東区が165人(同30人増)で最も多く、▽新宿区102人(同19人減)▽渋谷区98人(同14人減)▽墨田区91人(同10人減)−−の順となった。 ホームレスの人数は04年夏の6731人をピークに減少し、13年夏に2000人を割った。都と23区は00年以降、最長6カ月間、無料で衣食住を提供して就労を促したり、06年以降は巡回相談を通じて、就労が難しい人に生活保護を勧めたりする取り組みをしてきた。【和田浩幸】http://mainichi.jp/select/news/20141016k0000m040049000c.html
2014/10/15 21:01
【ご案内】 《次世代の党東京都支部連合会 結党の集い / 記念講演 櫻井よしこ氏》 日時 11月27日(木)18:30~20:30 場所 京王プラザホテル 南館5階「エミネンスホール」 会費 2000円 私も、参加者募集の目標人数の割り当てを頑張らなければなりません。 是非、吉田康一郎扱いで、ご参加のお申込みを宜しくお願い致します。
2014/10/15 20:36
良い事だと思います。 — 50年ぶりに「神田」のついた地名復活へ 2014.10.15 NHK 東京・千代田区にある三崎町と猿楽町という地名を、かつての「神田」を入れた昔の地名に戻す議案が、15日の千代田区議会の本会議で可決され、およそ50年ぶりに昔の地名が復活することになりました。 千代田区の三崎町と猿楽町はかつて、それぞれ「神田三崎町」と「神田猿楽町」という地名でしたが、区によりますと、昭和40年代に郵便配達などのために地域を分かりやすくしようと、いずれも「神田」という地名が外れ、現在の町名になったとみられています。 しかし、10年ほど前から地元の町会などで「神田」を入れた歴史のある地名に戻したいという意見が高まったことから、区は審議会を開くなどして検討したうえで先月、「神田」を入れた昔の地名に戻す議案を区議会に提案していました。 議案について、15日開かれた区議会の本会議では、一部の議員から「結論を出すのは時期尚早だ」などと反対する意見が出ましたが、その後の採決で賛成多数で可決されました。 これを受けて、区は三崎町と猿楽町について、4年後の平成30年1月からそれぞれ「神田三崎町」と「神田猿楽町」という地名に戻すことにしていて、およそ50年ぶりに昔の地名が復活することになりました。 地名変更を機に町にも活気 東京・千代田区で「神田三崎町」と「神田猿楽町」という昔の地名がおよそ50年ぶりに復活することになったことについて、昔の地名に戻す活動を続けてきた「神田猿楽町町会」の鎌倉勤町会長は「長い間、地名の変更を求めてきましたが神田地区に住んでいるのは自分にとって誇りなのでうれしいです。地名の変更を機に町の人にも活気が出ると思います」と話していました。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141015/t10015426191000.html — 《「神田」地名復活、千代田区長が議案 三崎町と猿楽町》 2014.09.18 日経新聞 東京都千代田区の三崎町と猿楽町(さるがくちょう)で、町名の冒頭から1度は消えた「神田」の名前が復活しそうだ。同区の石川雅己区長が17日、両町の町名を変更する議案を区議会に提出した。住居表示法による町名変更で「神田」の名前を取りやめた地域は他にもあり、旧地名復活の動きが広がる可能性もある。 千代田区は地方自治法に基づいて2町の町名だけを変更する方針で、混乱を最小限に抑えるため区域や番地などは変えない。施行日は2018年1月1日とし猶予期間を設ける。区議会の議決を経て10月中旬にも正式に決定する。可決されれば神田三崎町と神田猿楽町がよみがえる。 石川区長は「(神田という名称は)地域のアイデンティティーであり心のよりどころ」と指摘。「地域の思いをくみ神田冠称を実施することを決断した」と話した。 神田猿楽町町会の鎌倉勤会長は「自分たちの町に誇りをもってもらういい機会」と指摘する。渋谷区猿楽町との混同も避けられ「認知度が高まって祭りや商店の集客につながる」と期待をかける。復活すれば49年ぶりになる。 地元住民は手放しで歓迎する「神田」復活だが、不動産関係者の間では議論が分かれる。マウンテンケイズプランニングの松岡周治会長は「三崎町といって分かってくれる人は少ない。神田と付けばどの辺か分かりやすく、不動産価格にはプラス」とするが、下町のイメージが強い神田が付くことで不動産価格が下がるとの見方もある。 企業にとっては所在地の知名度アップが期待できる半面、名刺や看板を作りかえるコストが発生することになり、得失を判断するのは難しそうだ。 現在の千代田区の北半分に相当する旧神田区は1947年、当時の麹町区と統合するのに伴い、区内のすべての町名に神田をつけた。その後、1962年の住居表示法の施行を受け、郵便物の配達などの便を図るための地名の簡素化が進んだ。 ところが「神田っ子」と呼ばれる旧神田区住民は「神田」の名称に愛着が強く、「神田神保町」のように取りやめを拒否する例も多かった。受け入れた町にも不満が残り、03年の江戸開府400年を契機に神田の名の復活を求める声が強まっていた。 今後は岩本町など、現在は神田の名を冠していない他の町でも復活を求める声があがる可能性がある。 石川区長は「こちらから働きかけはしないが、住民が一体となった要望があれば慎重に検討する」と説明している。 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO77187340X10C14A9L71000/
2014/10/15 17:57
《〈腹の中では悪いと思っていない〉「朝日新聞」偽りの十字架》2014.10.06 週刊新潮 2014年10月2日号(2014/09/25発売) (1)「素粒子」論説委員が社内報に「産経新聞のヒステリック」「読売は安倍政権の露払い役」http://www.gruri.jp/article/2014/10010800/(2)従軍慰安婦を「(北朝鮮)拉致被害者」と同列に論じた「緊急勉強会」http://www.gruri.jp/article/2014/10010815/(3)世界ではホロコースト並みの戦争犯罪「慰安婦」国の損害額http://www.gruri.jp/article/2014/10020800/(4)新聞顔負け「慰安婦」を煽った「朝日ジャーナル」「本多勝一」http://www.gruri.jp/article/2014/10020815/(5)「朝日新聞」8月は部数減に歯止めだった「ABC調査」の奇怪http://www.gruri.jp/article/2014/10030800/(6)政治学者「櫻田淳」が提案する「朝日新聞」再生への道http://www.gruri.jp/article/2014/10030815/(7)みのもんたの「朝日ズバッ!」は「責任の取り方が問題です」http://www.gruri.jp/article/2014/10040800/(8)虚報の被害者探しが始まった「対朝日訴訟」燎原の火http://www.gruri.jp/article/2014/10060800/ http://www.zassi.net/detail.cgi?gouno=37730http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/backnumber/20140925/
2014/10/15 16:08
《香港デモ隊、「ハッピーバースデー」を歌う「あざけり」作戦》 2014.10.15 WSJ Andrew Browne 香港の街頭で、学生のデモ隊は自分たちの活動に反対する人を攻め立てる奇抜な方法を考えついた。「ハッピーバースデー」を歌うという方法だ。 元気に英語でこの曲を歌う声は先週、旺角(モンコック)の労働者階級の居住地域に響き渡った。暴力団が座り込みの抗議活動を解散させようとやって来たときだ。デモ隊は暴力団を取り囲み、この歌を歌い始めた。 それは「音楽による冷やかし」だった。公の場で恥ずかしい思いをさせ、屈辱を与えるという中世のさらし台に相当するものだった。 この戦術は広がるにつれ、驚くほど有効であることが判明した。たとえ警察が今週バリケードを除去し、それが最終的にこの学生主導の運動を崩壊に至らせるとしても、この戦術は残るだろう。 学生たちは過去2週間にわたり、香港の次期行政長官を選出する選挙制度案の撤回を要求してきた。選挙制度案は普通選挙の実施をうたっているものの、実際には北京(中央政府)を支持する人物で構成される委員会によって事前に承認された候補のみを対象とする人気投票にすぎないからだ。 大勢の香港市民は、学生たちを支持しているようにみえるが、デモによる市民生活の混乱に対する不満は広がっている。何十万人もの学生たちは街頭に集まり、2017年の次期行政長官選挙の候補を透明な過程を経て指名によって選出できるようにするよう求めている。 香港の梁振英・行政長官は、北京が選挙制度案の修正に同意する「可能性はゼロ」だと述べ、自らが辞任する意向もないとしている。 それでも、信頼性という根本的な問題は消え去らない。この評判の悪い選挙制度の下で選ばれる将来の香港の指導者は、政治的な意味で、指導者をあざける大勢の市民に取り囲まれる可能性がある。香港が今後も統治可能であり続けるとすれば、多数の支持をよりどころとする民主主義制度がない中で、香港の指導者は自らの正統性を確保する努力を一段と強化しなければならなくなる。 香港市民は、香港の自由とその独自の生活様式のために立ち向かうよう指導者たちに一層強く要求するだろう。そして、香港の意見をより正確に北京政府に反映させ、反対派との対話に応じるよう要求するだろう。 香港指導者たちはまた、政治体制に直接関連する問題のほか、「讓愛與和平佔 領中環(愛と平和で中環を占領せよ=Occupy Central with Love and Peace)」と呼ばれる運動で強調された一連の社会問題に、より多くの注意を払わねばならなくなるだろう。 政府に対する信頼は薄れている。一方で、市民の不満の原因は増えている。手が届かないほど高い住宅価格、カルテル的な産業構造による富の集中、消費者物価の上昇、香港上空を覆う厚いスモッグ、資金不足の教育制度、それに混雑する病院などだ。 このデモの波がどういう形で終息するのかを予想できる人は誰もいない。しかしバリケードが撤去されても、そのレガシー(遺産)が政府のアカウンタビリティー(説明責任)に影響を及ぼし続ける公算は、小さくなるどころか逆に大きくなるだろう。たとえ多くの人々が求めていた一人一票制度が実現できなくとも、である。 英国の植民地時代は、レジティマシーの問題は当局にとって大きな悩みの種だった。 英国の香港総督はロンドン(中央政府)から任命された役人であり、地元から選出された政治家ではなかった。このため、当局は精巧なシステムを設け、市民の意見を正確に調べた。目的は政策が確実に市民の期待に沿うようにすることだった。おおむね、それはうまくいった。 1997年の英国からの返還以降、香港の指導者たちは一層難しい立場に追い込まれた。英国の元総督と同様、彼らのレジティマシーは香港社会に根差していないからだ。しかし彼ら香港の指導者は、遠く離れた北京の共産党の権力ネットワーク内部のインサイダーでもないのだ。 中には、北京を満足させようとした結果、香港市民を無視していると受け取られて、大規模なデモにつながったケースも幾つかあった。 香港の次期指導者はこれら全ての難題に直面する。しかも問題はこれにとどまらない。「占領中環」運動と「学民思潮」といった学生団体のおかげで、香港は中国で最も政治的な都市になった。 行動主義(アクティビズム)は香港の教室から始まった。整然とした秩序で知られる金融ハブにおいて、市民の反抗が驚くほどの有効性を獲得した。警察は今や、強制的な措置に消極的だ。デモの初期段階に催涙弾などを発射したことで、市民の反発が沸き起こったからだ。 市民団体は新たなエネルギーを身につけた。元々騒がしかったメディアはますますうるさくなっている。 3年後に次期指導者選挙が行われるときには、多くの市民がそれを見せかけだとして無視するだろう。それでも香港の政治は、少なくとも街頭レベルでは、本物に近づくだろう。 この意味で、香港は西側諸国の民主主義モデルをひっくり返す過程にあるのかもしれない。西側の民主主義国では、選挙は自由かつ公正に行われるが、有権者は無関心で、投票率も低い。 梁行政長官自身も、民主的な圧力にさらされている。同行政長官は元勤務先である不動産サービス会社DTZホールディングスの売却にからむ随意契約の下、何百万ドルもの資金を受け取ったという暴露報道の後遺症に悩まされている。 同行政長官事務所は一切の不正を否定している。しかし、街頭の群衆たちは大きな声で「ハッピーバースデー」を歌っている。 そして、この話の「落ち」だ。中国指導者たちは今のところ、この問題に対して沈黙を続けているが、もしも極めて不人気な政治家(梁振英氏)を最終的に追放すると決めたら、おそらく彼らも「ハッピーバースデー」のコーラスに加わるかもしれない。 http://jp.wsj.com/news/articles/SB12706435818283254423204580215292193014512