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現代に残っていたユートピア

2018/02/15

マレーシアで未知の言語発見。 「ジェデク語」には「職業」や「裁判所」に当たる言葉がなく、「借りる」「盗む」「買う」「売る」などの所有を表す動詞もない一方で、「交換」や「共有」を表す語彙は豊富だという。 現代にこんな社会が残っていたとは。一つのユートピアですね。 ◇ ◇ ◇ 《マレーシアで未知の言語発見 男女平等・平和な社会を反映》 2018.02.15 AFP クアラルンプール マレーシアで、これまで存在が知られていなかった先住民言語が見つかった。「ジェデク(Jedek)」と呼ばれるこの言語は、男女が平等に扱われ、暴力もほとんどない生活様式を反映しているという。これを受け活動家らからは、先住民保護の強化を求める声が上がっている。 スウェーデン・ルンド大学(Lund University)の言語学者チームは、既知の言語であるジャハイ(Jahai)語の調査のためにマレーシア東部クランタン(Kelantan)州遠隔地の森林地帯にある村々を訪れ、さまざまな集団のデータを収集していた際、多くの人々が違う言葉を話していることに気づいた。 この地域では人々が杭上に建てられた木製家屋に住み、狩猟採集生活を営んでいる。研究チームのニクラス・ブレンフルト(Niclas Burenhult)氏によると、過去に人類学者が同地域の調査を行っていたものの、今回の調査では異なる質問を住民にしたため、ジェデク語を発見できたという。 ジェデク語の話者はわずか280人。ルンド大学によると、西洋社会よりも男女間が平等で暴力がほとんどなく、子どもらは競争しないことを良しとされる生活様式を反映した言語になっている。 同大の声明によるとジェデク語には「職業」や「裁判所」に当たる言葉がなく、「借りる」「盗む」「買う」「売る」などの所有を表す動詞もない一方で、「交換」や「共有」を表す語彙は豊富だという。 写真:マレーシアの行政首都プトラジャヤにある首相府前で抗議デモを行う先住民ら(2010年3月17日撮影、資料写真)(c)AFP PHOTO / SAEED KHAN http://www.afpbb.com/articles/-/3162470

自国選手の活躍を喜ぶのは当たり前の感情

2018/02/15

オリンピックでは、選手は国・地域の代表として参加し、メダルが授与され、国・地域旗が掲揚される。 それぞれの国・地域の人々は、その代表として選手を支援し、育成し、派遣し、参加する。 そして選手達と、喜びや悲しみ、競う相手への敬意、人間の可能性への感動を共にする。 何が悪いのか。

ラビヤ・カディール女史訪日講演会 動画

2018/02/14

《ウイグル民族運動指導者ラビヤ・カディール女史訪日講演会》   動画をアップ頂きました。 高須院長のスピーチの後、1時間05分頃~、吉田康一郎スピーチです。ご覧頂けると幸いです。 https://youtu.be/dMX_s23HOP4

ソーシャルゲームに見る中国の最新表現規制

2018/02/12

分かり易い解説です。 ◇ ◇ ◇ 《『極東のビッグブラザー』と言論統制~ソーシャルゲームに見る中国の最新表現規制について。》 2018.02.12 うぐいすリボン 中国当局によるインターネット・ゲームの規制強化が話題になっています。 この問題について中国共産党の情報通信政策等に詳しい中川幸司さん (経営学博士 北京大学大学院) に解説をして頂きました。   『極東のビッグブラザー』と言論統制~ソーシャルゲームに見る中国の最新表現規制について。 1990年代から2000年代にかけてパクリ作品、ズッコケプロパガンダ作品が跋扈していた中国コンテンツ産業(アニメ・コミック・ゲーム産業。ACG産業)。アングラな違法利益を謳歌するパクリコンテンツ販売ビジネスと、中国政府のプロパガンダ作品制作に勤しむバブリーなズッコケ補助金ビジネスでした。実はその傍らで、ゆるやかにオリジナル作品を作り出すレベルも徐々に向上してきていたことは、日本ではあまり知られてないかもしれません。 中国のコンテンツビジネスについて、この数年を振り返れば、いまや高品質の中国独自作品が勃興しつつある状況になっています。また、中国内でヒットしたソシャゲ(ソーシャルゲーム)の『アズールレーン』が、日本に紅船(黒船の中国船版)として上陸し大成功をおさめたこともエポックメイキングでした。中国コンテンツの品質は相当に上がってきています。 高品質な中国独自コンテンツの勃興と称しましたが、中でも別次元でレベルが高いのがオンラインゲームやソシャゲです。映画、アニメやコミックのレベルではないほど成熟ステージに入っています。実はこの背景は、中国の統治機構に起因するもの。本稿は、今般加速しているソシャゲの中国当局による表現規制・禁止措置について主に解説いたします。まず初めに中国のコンテンツ規制全般についてご紹介しましょう。 中国流の規制とは? 多くの日本人に誤解されていることが多いのですが、そもそも中国に「言論の自由がない」という明文化規定はありません。中華人民共和国憲法第三十五条によれば、「中華人民共和国公民は、言論、出版、集会、結社、行進、デモの自由を有する。」とされています。さらにその憲法にはその他「民主的」な条文も明記されています。 しかし同第三条によって「中華人民共和国の国家機構は、民主集中制の原則を実行する。」とされており、ここに金科玉条の如く守られる中国共産党(中共)指導部の絶対性と正統性の源があるわけです。民主集中制は、「指導部」に国家権力を集中させ、その指導によって国民が統治される体制です。これによって中共指導部の領導のもとにすべての国家統治機構が規定され、中国公民生活の隅々に至るまで(ときには個人の思想にまで)中共指導部が介入することが正当とされるのです。ですから、根本的に論理矛盾を抱え、「中国は言論統制の国。言論の自由も、表現の自由もない。」と諸外国から批判されるわけですね。 さて、実質的に言論統制国家である中国のコンテンツ産業の表現を規制する行政組織についてご紹介しましょう。 もともと、中国のコンテンツ産業の管轄当局は、過去数十年間に渡って、大まかに国家広播電影電視総局(略称:広電総局)、国家新聞出版総署(「国家版権局」と組織一体・名称違いの不思議構造)、国務院文化部(日本の省に相当)が担当していました。紙媒体の出版物は主に国家新聞出版総署が管轄し、デジタル等のコンテンツは広電総局が管轄し、それぞれ作品が世に出る前に「審査・検閲」をしていました(これにパスしなければ出版が認められないわけです!)。そして、コンテンツ規制という文脈では、文化部はコンテンツの公序良俗違反等を事後的に調査チェックする機関であって行政指導を実施します。 2013年3月の中国の省庁再編によって広電総局、国家新聞出版総署、国家版権局が統合され国家新聞出版広電総局が新設されたことにより、コンテンツを網羅して「審査・検閲」が一本化されました。新聞出版広電総局はネット上の言論統制(検索エンジンや、中国版ツィッター・ブログなどのSNSも含む)も担当しているので、その強大なパワーをもってネット民に恐れられています。政府の意向に反する文書がネット上に上がれば即座にあらゆる伝統メディア・ネットメディアから関連情報を削除する権限と力。民主主義国家の権力中枢の為政者は、この力が欲しくてたまらないかもしれません。 一方で、新聞出版広電総局が必死に「火消し」に走る態度からネット民から批判の的になったり、茶化されたりもしています(本筋とは外れた中国公民のボヤキや批判は、とくに当局から弾圧されることはありません)。現在は新聞出版広電総局と文化部の2組織が中国コンテンツ産業の管轄・規制当局ということになります。 また、文化部は日本の「省」に該当するので純粋な行政組織の官庁としてイメージがわきやすいかと思いますが、新聞出版広電総局は、共産党中央宣伝部の下位組織であり国務院直属機関(省級)でもあります。政党に属する組織でもあり、行政組織でもある。このあたりが、多くの日本人にとってはわかりにくいところかもしれません。 オフィシャルには新聞出版広電総局と文化部は、権力構造上並列レベルで国務院の省級国家組織の位置付け。実態は、中共指導部の宣伝工作方針をモロに受けて党の影響が直接的に強い新聞出版広電総局と、相対的には党から独立性のある文化部といったイメージです。 時の政権によって、この2組織のパワーバランスが若干変化しますが、現在の両組織のトップは十九大(中国共産党第十九回全国代表大会。2017年10月に開催。5年に1度の党大会、党内序列・人事が発表される。)において、ともに中央委員会委員に選出されているので、トップの人事的にもさほど上下関係は明確ではありません。ただし、その組織構造から、新聞出版広電総局のほうが政権中枢から暗躍を期待される特務機関(!)の性質があるといえます。 管轄の抜け穴で成長したゲームビジネス 中国のコンテンツ産業で突出して制作レベルが高くなったのがオンラインゲームやソシャゲです。これは、中国内で他のコンテンツがパクられるものであった(音楽CD、DVD、アニメ、パッケージゲーム、コミックなど。違法にコピーされて販売される。違法ではあるが取り締まられなかった。)が、本質的にオンラインゲームコンテンツはパクられ難かったこと。GSM規格世代の携帯電話時代から携帯上決済やプリペイドカード課金が可能であったこと。といったオンラインゲームとソシャゲだけ特殊で有利なコンテンツビジネス環境があったことに加えて、他のコンテンツでは軒並み制作サイドの足かせになっていた商業コンテンツの当局による事前「審査・検閲」がオンラインゲームとソシャゲだけ手薄だったことが大きな追い風になっていました。 当時、中国のコンテンツ産業においては、広電総局が映画、テレビ番組の媒体に流れるドラマやアニメ上の表現を規制し、国家新聞出版総署がコミック上での表現を規制していたのですが、ネット上のデジタルゲームコンテンツは実店舗でパッケージソフト販売する出版物でもなく既存の伝統媒体を必要としないビジネスでした。つまり20年間近く偶然にも規制から緩やかに免れる聖域になっていたのです。 更には、この20年間は中国政府がICT振興策を国策として奨励していた時期とも重なります。インターネット領域の事業に関しては次世代国家根幹産業として、ある程度、規制を緩めて民間を育てようという国家の大方針もありました。そのような状況で、デジタルゲームコンテンツを厳密に所管する行政組織がどこになるかについてまとまりきらず、その行政対応(規制)が本気にはなされませんでした(当時、政権が本気になれば何らかの方策で簡単に取り締まることは出来たはずです。)。 そのため、デジタルゲームコンテンツビジネスには熱烈歓迎モードで民間の開発マネーが流れ込み、そのビジネス成長スピードが凄まじい業界になっていったのでした。業界全体が政府の色がついていない民間資金を潤沢に持つ生態系となったのです。 これが中国のオンラインゲームやソシャゲの礎になり、現在の中国ゲームコンテンツのレベルの高さに至っています。コミック、アニメ、映画などのコンテンツレベルはまだまだ後進国ですがゲームは超級爆進中。現在では14億人のうち半数以上がネットにつながっていると言われる中国、広大なマーケット需要に対応して優良ゲームコンテンツが続々登場してくるでしょう。 第2期習近平政権で、強まる言論統制(規制開始の動機) 中国内のコンテンツビジネスにもかかわらず事業環境が良く、偶然にも規制抜け穴となり同時に当局から意図的に規制野放しにされてきた歴史から、次第に発展してきた中国ゲームコンテンツビジネス。しかし、いよいよ中国当局が「表現規制」国家の本性を現すようになります。 前述の十九大を経て習近平総書記(国家主席)政権第2シーズンがスタートしました。中国の政権(ひとりの国家主席のもとでの指導体制)は、1期5年間×2期で10年間が区切りです(習近平氏はこれを延長するかもしれないと噂されていますが)。政権1期目は権力基盤を安定させるための期間、そして2期目が総書記のイデオロギーを具現化していく期間と言われます。つまり習近平氏の本領発揮はまさに2017年末からなのです。 特にこれまでの近年の中国政権(江沢民政権、胡錦濤政権)に比べて、習近平政権は、政権第1期の政敵粛清を徹底的におこない(「反腐敗」キャンペーンを名目的に利用)、超大物政治家を投獄し、党内の反発も抑えつけることに成功したため、近年に類を見ない強大なワンマンリーダー体制になっていることが特徴です。 十九大では、「社会主義文化強国」の実現を高らかに掲げ、習近平指導部からトップダウンで大衆思想コントロールを巧妙に実行していくようです(大衆に芽吹く不満分子は、小さなうちから刈り取る)。 このような状況から、もはやゲームコンテンツも規制の蚊帳の外ではありません。国家経済にビッグインパクトを与えるほどではない規模のコンテンツ産業の多少の落ち込みがあったとしても、大衆の不満・世論コントロールのほうが政治的重要課題である、という意気込みが習近平氏の発言に見え隠れします。当局が世論コントロールしやすいようにあらゆる言論・表現活動を手中におさめておくという方針になってきました。 十九大が閉幕した2017年10月から習近平氏の「報告(指導方針)」を関係機関が忖度し、2018年初めから急激に中国ゲームコンテンツ業界に表現規制の嵐が吹き始めています。 文化部を使って出口をコントロール(規制の手法) 今般の中国ゲームコンテンツ業界への規制は、コンテンツ規制の急先鋒であった新聞出版広電総局ではなく主に文化部が主体となっておこなわれています。日本に漏れ伝わる関連ニュースなどをみても「文化部が・・・」という主語で語られているものが多いですよね。 先に解説したようにゲームコンテンツは管轄の穴。「入り口」で規制をかけることは難しいので、「出口」で規制をかけるという運用方針にしている、と捉えるとわかりやすいかもしれません。これまでの中国のコンテンツは新聞出版広電総局の「審査・検閲」によって事前に規制の網をかけてきました。しかしゲームコンテンツは現状では検閲の抜け穴になっているため、すでにリリースされているゲームについて「文化的指導(公序良俗違反等)」として規制をかけるテクニックを使っています。 事後的な規制をかけることで業界を律する政権の意図がみえてきます。ゲームコンテンツ開発企業としても、リリースした瞬間に当局から規制をうけるのは経済的損失になりますので、自主規制をしていくことになるわけです。当局はリリースをとめることはしないけど、過度な違反表現でのリリースとして行政指導ペナルティを与えます。 ちなみに、管轄の主導権争いは官僚制度の常。本件に絡んで文化部の動きが突出して活発化していますので、新聞出版広電総局と文化部のコンテンツ規制管轄権争いの可能性も想定しましたが、第2期習近平政権は発足したばかりですので、習近平指導部の両組織へのコントロールが効いた上で文化部が動いていると観察していたほうが現状では適正かと思われます。新聞出版広電総局も動いていますが、主に文化部主導案件が多い印象です。 上意下達と忖度による現場の猛烈実績アピール(規制の実施) 十九大が中国共産党最高指導層の人事にあたりますが、数ヶ月かけてゆるやかに省単位、市単位までの共産党人事(≒行政担当官人事)がおこなわれます。2017年10月に十九大が閉幕し、2018年前半は各レベルの行政単位で新任の行政担当者が着任して、その手腕をこれから発揮しようとするタイミングです。次の出世を狙って鼻息が荒い! 担当者がかわれば、前任者よりもあからさまに実績をあげたいアピールをするのが中共の伝統。各地の省の文化部や、市の文化部などが(ときには、中央の思惑よりも度を越して)、取締・規制を強化してきているのが、まさにいま、2018年前半の状況といえるでしょう。 2018年1月下旬、中国本土の「アズールレーン」の表現規制も文化部の主導によって安徽省蕪湖市当局が「文化的指導」を行いました。「アズールレーン」開発会社(上海蛮啾網絡科技有限公司と厦門勇仕網絡技術有限公司)への指導ではなく、同タイトル中国内パブリッシャーとしてのゲーム運営・コンテンツプラットフォーム「ビリビリゲーム(嗶哩嗶哩ゲーム)」に対して「女性キャラクターの裸の露出が多く、社会の公共道徳に背く禁止内容があった」として、行政指導(処分)したものです。 中国のSNSではこの措置をうけて、やや自嘲気味に「文化部はじまった!」的な書き込みが目立ちました。民主的な選挙もないので政治批判の受け皿もありませんが、今のところ総じて「しゃーないなぁ」程度で収まっているようです。 中国経済全体のパイから見れば小規模な特定産業(コンテンツ産業など)の振興よりも、言論統制社会の厳格化を望む第2期習近平政権。今回、槍玉に挙げられたのはゲームコンテンツ業界でした。急速に大衆から自由な言論と表現の空間を奪ってゆく中国共産党。 『一帯一路(現代版シルクロード経済振興策)』で古典的な重厚長大産業から経済を活性化させ、国策のAI開発で産業振興と言論統制を強める姿勢はますます先鋭化しそうです。 民主集中制の政治指導体制とAIやICTを駆使した言論統制監視社会。まさに『極東のビッグブラザー』の誕生を、我々は隣国として遠目で眺めているだけではなく、積極的に知っていくことがリスク回避になるでしょう。 2017年末、中国共産党中央宣伝部、中央インターネット安全情報化指導チーム、工業情報化部、教育部、公安部、文化部、国家工商総局、新聞出版広電総局の8組織連名にて『ネットゲーム市場管理の厳格な規範についての意見書』が提出された。これに基づいて「流出した」とされる指導対象となる具体的なゲームタイトルと指導事由の表(中国内SNSに流出)。4番の『神無月』などは、「胸元をクリックして対話。テキストが公序良俗に反する」といったもの。 ■■■■■■■■■■■■■ 中川コージ NAKAGAWA Kozi, […]

独裁体制の恐ろしさ

2018/02/12

今、権力の絶頂にあるこの人。 しかし何かあれば、高射砲や火炎放射器、犬の餌等で公開処刑され、或いは強制収容所、或いは毒殺されるかもしれない。 それが独裁体制の恐ろしさだ。 《金政権の残虐さ 火炎放射器、毒殺、犬の餌にされる…金正恩の無慈悲な処刑法=米メディア》 2017.09.25 大紀元 高射砲による処刑は金正恩委員長が最も気に入っているという。(NAZEER AL-KHATIB/AFP/Getty Images) 冷酷非情で知られる金正恩・北朝鮮労働党委員長は政敵、反逆者、気に入らない高官を続々と処刑してきた。たとえ相手が親戚であっても例外ではない。叔父の張成沢(チャン・ソンテク)や異母兄の金正男の殺害は世界中に大きな衝撃を与えた。その残虐さから、脱北者は「金正恩」を耳にする瞬間体が震えあがり、「非常に恐ろしい人だ」と口を揃える。米フォックスニュースは24日、金委員長が「好む」処刑法をまとめた。  高射砲(Anti-aircraft Guns) フォックスニュースによると、敵国の戦闘機やミサイルなど空からの攻撃を防ぐのに使われる高射砲は、金委員長が最も気に入っている処刑法だという。 韓国情報機関が2015年に発表した情報によると、北朝鮮の玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)元人民武力部長がある軍事イベントで居眠りをしたため、金委員長の指令を遂行しなかったとして、粛清された。金委員長は玄氏に対して高射砲での処刑を命じた。 また金委員長が2013年8月、ポルノ動画を制作したとして、芸術家11人を高射砲で公開処刑を命じた。 脱北者の林熙妍(英名Hee Yeon Lim、26)はこのほど英紙・デイリーミラーに対して、芸術家に対する処刑法の凄まじさを明かした。市民は「見学」のために動員させられている。 「あの日の処刑は本当に気持ち悪かった。彼たち(芸術家)は高射砲の前の場所に縛られた」「高射砲が発射すると、物凄い砲撃音がした。砲弾に打たれた彼らの身体は直ちに、ばらばらの肉の塊となって、血と一緒にあちらこちらへ飛び散った。射撃が終わった後に入ってきた戦車は、散乱した肉の塊をミンチ状になるまで、何回も何回も轢いた」。  迫撃砲(Mortar Fire) 金委員長は、その逆鱗に触れた北朝鮮の高官に対してよく迫撃砲による処刑命令を下すという。 2011年12月死去した金正日総書記の哀悼期間に、北朝鮮国内では高官や市民らの娯楽活動が禁止された。ある軍高官がその期間中、宴会を開き酒飲みをしたため、金正恩委員長は「跡形もないまで消滅せよ」と処刑を指示した。この軍高官の体は迫撃砲によって瞬間に粉々に打ち砕かれたという。  火炎放射器(Flamethrower) 米紙・ワシントンポストなどの報道によると、金委員長が2014年、高官らを対して行った大規模な粛清では、人民保安部の呉祥韓(オ・サンホン、英名O Sang Hon)元副部長に対して、火炎放射器を使った処刑が行われた。  強制収容所 高射砲、迫撃砲、火炎放射器で殺された人は長く苦しむことはなく、一瞬で命が絶たれたことは幸いだったかもしれない。いっぽうで、一部の北朝鮮国民は、強制収容所で長い間拷問や虐待を受けているからだ。 現在、強制収容所に収監されている多くの「犯罪者」は、主に食料品を窃盗したり、韓国ドラマなどを視聴した人達だと言われている。 収容所では阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられる。看守らによる強制労働、拷問、虐待、強姦などが続き、収監者の多くは最終的に処刑され、または飢餓で死んでしまう。  犬の餌にされる フォックスニュースによると、ある脱北者の証言では、強制収容所で看守らに強姦された多くの女性たちは、妊娠・出産した後、すぐに殺害される。生まれてきた赤ちゃんは、犬の餌になるという。 29歳の脱北者、朴菊永(英語名、Park Ju Yong)氏は「このような残酷なことをする看守に下る処分は、停職程度」と述べた。  あらゆる場所で公開処刑 金委員長は独裁政権を維持し、国民に恐怖を植え付けるために、公開処刑を好む。北朝鮮では、特定の処刑執行所はなく、一般的な市場から学校の校庭まで、あらゆるところで公開処刑が実施される。 韓国の非政府組織(NGO)「トランジショナル・ジャスティス・ワーキング・グループ」が7月19日、375人の脱北者からの証言をまとめた公開処刑に関する調査を発表した。 脱北者によると、金正恩政権は「国民への公開処刑を実施する場所を制限しない。川の岸、橋、公共の体育館、各地の市場、学校のグランドなど、いかなる場所でも死刑を執行する」という。  毒殺 金正恩委員長の異母兄・金正男氏が今年2月、マレーシアのクアラルンプール国際空港で毒殺された。金正恩氏の関与が疑われている。 (翻訳編集・張哲) http://www.epochtimes.jp/2017/09/28484.html